Novel - Paola | Kerry

it's just you


羽化したのは一体誰の何だったのか5

20/09/15
59

「あーー良かったーーー行ってなくてーーー!!!」

『あ、来ましたねーどもどもー』

あれ?スージー先生どうしたんですか?
最初はついて行くことにしました。そう言ったスージーに
まぁこんだけ居たら大丈夫でしょうと言ったダリに
過保護になってない?とメルが疑問を抱いた。

そりゃあそうだ、何せケトでも恐れる森に女の子一人で
二週間程滞在すると聞いたら誰でも引き止めるだろう。


今回行くメンバーはダリ・スージー・バラム・イフリート・メルの五名だった。
ちなみにオリアスも行く予定ではあったのだが、用事が入って急遽行けず。
その代わりスージーと途中で交代するとのことで話がまとまった。

今回はその移動する直前に、オリアスも付いて来ていた
メルの肩に両手を置いて言う

「いい?絶対はぐれないこと」

『はぁい』

「何かあったら助けてって魔通信でも笛でも吹く事」

『はぁい』

「単独行動駄目絶対!!!」

『はぁーい』

「君絶対するよねその返事!!!!」

笑うメルにオリアスが泣きそうな声で叫ぶ
最早お兄ちゃんである。
流石にイフリートやダリ、バラムが付き添いなので
メルの逃げも見つかるとは思っている。

「バラム先生、イフリート先生、ダリ先生、頼みました。
メル先生すっっっっごく素早いんで、注意してください。
手掴んでても構いません。」

『手掴んでても嫌がって外すからね私』

ちょっとそこ黙ってて!!そう言ったオリアスに
メルはケタケタと笑って答えた
空のリュックを背負って何を持っているんだい?と聞いた
イフリートにこたえる

『ああ、回復薬や念のため保存用の瓶を50本程。』

「ごっ」

『今回一人ではないので、多めに持っていく予定です。』

「ん?待てなんか言った?ねぇなんか言ったよね!?」

『はーいじゃあ行きますよ〜』

ねぇ!!!聞いてる!?人の話!!!!
そう叫ぶオリアスにメルは大笑いしつつ、枝を持ち浮遊する
地面に大きく円を描いているのに何してるのと聞かれたので答える

『今から飛ぶ場所を書いてるんです。
人が多いので、魔法陣の方が無難ですから。』

はいこれそう五枚程魔法陣を描いた紙を渡す


『それは比較的に安全地帯に戻れる円です。
一人用なのでシール貼って手上げたら使えますよ。』

召喚用シールと同じ要領ですね。
そう言ったメルに、へぇとだけ答える。
先に渡しておいて損はないだろう。

『出来ました。では皆さん中心へ。』

そう言ったメルに浮遊したままで良いですか?と言う
後手、手というか身体の一部触って。
そう言ったメルに、ひとまずと肩や頭手を触って維持する


『ではオリアス先生、また後日お会いしましょう!』

『“飛べ 我が森へ”』

そう言った途端、メルを含めた5人の悪魔は消えて居なくなった

+++++++++++++++++++++++++++

薄暗い森の中、ざわめく声にスージーが良く使う森とは
圧倒的に圧が違うと、周りのメンバーは感じていた。
通常の生徒は間違いなく入っては気絶する。
それ程の圧をメルは何も感じないかのように前を向いてあっちですねと答える

『こっちに来てください。』

そう指を指して浮遊するメルが
地面に足付けないでと言った。
下は其処が見えず、只木が立っているだけで
床があっても食われる可能性があるらしい。


『(ここらが良いか…集中して気配を4人居れる)』

手を叩いて目の前にある洞窟に入る
大丈夫?と言われるが、気にしないで下さいと答えた
ログハウスと同じような効果をもたらしている。

洞窟の中は広く、一応それぞれの部屋がある。
完備している物は冷蔵庫等に入れて保管も出来る。
こんな場所があるのかとぼやくが、間違いなくない。

「これ、メルちゃんが?」

『んー?ないしょ』

「…彼女が作ったんでしょうね、魔力が残っていますから」

サラリと作り、素材集めも難なく一人で動ける程の力を持つ
そんな彼女は何時もなら職員室で頭を抱えていたり
オリアス先生の後ろを追いかける位の存在だと思っていた。

だが、そんなことはない程に、魔術の基礎は分かっているし
他の教科の授業も覚えているのかはたまた勉強したのか
知識として活用しているようなのが垣間見えた時もあった。


『自由に使って下さい。基本的に私は今
貴方達を信頼して、この場所にとどめています。
もし、信頼を失う事を犯せばどうなるか分かると思います。』

ここはログハウスとほぼ隣り合わせのあのヨドでも恐れる森の中だ
ミレイユが私をちょこちょこ連れて来てくれていたおかげで
私もこの場所をある程度知っているし、
何なら後でよく取りに行くようにもなった。

全ての素材はあるし、何ならレアな生物も生きている。
ミレイユやメル以外が入って生きて帰ってくるのは前例がないが
恐らくこの者達なら普通に帰ってくれるだろう。

まぁと言ってもこの人達、私を守るって言ってくれたんだから
多少なりとも協力してもらわないと此方としても困る。


「じゃ遠慮なく。」

「メルさんはどうしますか?何をお探しに?」

『とりあえず簡単な根っこ探しかな。
トレイラの胞子探しついでにね』

「…ねぇまた恐ろしい言葉聞いた気がするんだけど」

ねぇ!!!そう叫んだバラムの先に、メルは浮遊して笑い飛んで行く


「いつも通りにもう探しても良いよ?」

『…そりゃご遠慮願いますわ。企業秘密です。』

家系秘密とでも言った方が良かったか。
まぁんなことはいい。占星ラッキーハッピーを使う事なく
メルは空を飛び、後ろに居る悪魔に声をかけつつ
下にある森を見ていた

空にはドレイクやヴィーヴルの姿も見える
突如青い竜、ヴィーヴルが此方にやってきて
メルの前にバラムとダリが出るが


ー久方ぶりに悪魔を見たな、
お主が連れてくるとは思いもしなかった。

『ごめんねえー昨日さぁ飲み会で言ったらついて来ちゃって〜
あ、紹介するね、此方今年からお世話になっている学校の先生。』

青い鱗を持ち、白い角を二つ付けた翼の生えた竜が止まる


『で、此方がヴィーヴルのヴルだよ。ヴルーごめんね急に連れて来て』

「ー良い良い、にしてもあの悪魔怖がり臆病のメルが連れてくるとは、成長したなぁ」

そう泣きだす竜が姿を人型に保つ
尻尾が青い鱗と一緒に尾が揺れる角は生えたまま
長く青い髪の毛を揺らして涙を流すのに
メルが慌てる

ぽろぽろと零れた涙が石となって固まった
それを手に持ってメルに次いでと言って渡す

場所、変えよっかと言ってヴィーヴルの家に行くことになった。


+++++++++++++++++++++++++++

大きな巣の中、鳥の巣が大きくなっただけの、枯葉が円状になっている中心
部屋があり、その部屋の中は円卓を中心に四方に部屋が移動できるようになっていた

座れと言われたので、そっと座って話を聞く

『いやーまさかヴルも大人になっていたとはー』

「いやお前程じゃない…今回はどんなものが必要だ?」

『竜の鱗が欲しくてさ千枚程。』

「嗚呼丁度衣替えで貯めていたものがある。安いものさくれてやる。」

ありがとうーと言うメルにバラムが頭を抱えていた
あの有名処か伝説のもう生きている種族としても絶滅したはずの
ヴィーヴルが人型になって会話ができるというのだから。

「いつもこのガキが世話になっている。」

「いやいやいや、とんでもない」

「メルは昔から安全な所も歩かず
止まって泣いてばっかの赤子だってな。
良く空を飛んで泣き止ませていたわ。」

『ちょ!恥ずかしいから言うな!!!』

「悪魔嫌いって…どういうことですか?」

そう聞いたのはイフリートだった
メルは生徒にも教師にも接する、とてもじゃないが
悪魔が嫌いとはかけ離れていたからだ。

「…メルお前言ってないのか。」

『煩い、言う必要性が無いと判断した迄。
それに悪魔と言っても奴らとこの人達と一緒にしないよ。』

「そうか…本当に成長したなぁ!!!!!」

煩いっつてんだろ抱き着くなこの馬鹿!!!
そう怒るメルに、
なんでぇと泣く竜も伝説とはかけ離れている


「にしても、息災そうでなによりだ。」

『ああそっちこそ…この森の異常は?』

「今の所無い…それよりも悪魔の子に
あんなものを渡しおって…訪れも何もないから急で驚いたぞ。」

「あんなって…あ、ドゥルジさんの?」

『一応身体の一部だったものだからね、あの子カワイイんだよー?
超素直で良い子だから、使い魔として出て行っても構わないからね?』

「いや流石に驚いて心臓止まっちゃうから」

まぁ彼女がこの存在を知っていればの話だ。
メルにとってこの場所は故郷の一部と言っても過言ではない。
前からお世話になっている場所なのだ。

『だから大丈夫って言ったでしょー?もー気にし過ぎなんだって』

「何の話だ?」

「希少価値の高いものを大量に取りに行くって言ったので
護衛としてついて来たんですよ…でもメルちゃん。
他のアイテムは?」

んー?と声をかけた

『嗚呼多分ある筈。ヴルー』

「いつもの材料だろう?
お前には返しきれん礼があるからな。」



そう言って席を立ったヴルに一体何したのと
ダリが聞く



『ヴルを助けた。ただそれだけだよ?』

そう言ったメルに、いいやそれだけじゃないと返した

「こいつは俺達の種族を守ってくれたに過ぎない。
幼い頃怪我していた俺を守りぬいた上に面倒を見てくれていてな。」

ほらそう言って投げた小袋にいっぱいある
と嬉しそうにメルは笑った

『だって歩いてたら汚してるんだもん助けるじゃん?』

「それでも助けて貰ったのに、何も聞かないんだぞ?
だから俺達ヴィーヴル族はこの子に知識と薬草を伝えたんだ。」

『要らないって言ったんだけどねぇー今では助かってる』

ありがと。そう返したメルに、
やっと役に立てて良かったと胸を降ろしている。

「へぇーそんなことがあったんだ…」

「で、でもヴィーヴルってたしか悪魔食べなかったっけ…」

「今でもヴィーヴル族はこの場所でしか生息しない。
それにメルが認めた悪魔だ。食える訳なかろうて。」

メルが悪魔を連れてくるなんて、
今までなかった事だからな。
そう言ったヴルにメルは苦笑いして答えた。


『もーそんな褒めたって何も出ないよ?』

「お前と言う奴は…全く客人をもてなさない。
子が居るんだ、お前達この者達を案内しなさい」

『えええええ子供出来たの嘘嘘嘘嘘おおおお!!!!』

おめでとおおおおそう抱き着いたメルに離せと言った
まぁ良いではないですかと声が聞こえる場所を向いた
そこには奥さんと子供が人型で此方に歩いて近寄っていた

「私の旦那を助けて頂いたに近いお方ですから。」

「僕案内するー!」

そう子供が、身長は120p程だろうか、
小さな身体をぴょんぴょん跳ねている
ここら辺ではヴィーヴル族が頂点に近い為、
下手に攻撃は仕掛けてこないらしい。

とんでもないものと仲がいいのだと
先程からダリ達は声が中々でなかった


『あ、新しい薬草作りたくて、何か変化あった?』

「嗚呼それなら北の方に向かうと良い。
どうせなら自分で手に取って来ればいいだろう。
ついでだ、お前の力を見てみたい。」

へぇーいいの?そうにやりと笑うメルに
見せれるもんならなと返した。
お前はそれほど迄強くなったのだろう?

聞き返したヴルにメルは笑って答えた

勿論だと。そう言って。





+++++++++++++++++++++++++++


『へぇーこの薬草がこれかぁ』

そうぶつぶつ呟いて荷物を纏めるメルに
手伝うよとバラムとスージーが荷物の整理に席を外す
その間に、ヴルにダリとイフリートは声を掛けていた

「メルさんのことはずっと昔からのお付き合いですか?」

「嗚呼、彼女が7歳頃からの付き合いだ。お前達はつい最近か。」

「ええ、メルさんには大変お世話になっています。
ついこないだには瀕死になっていた生徒を助けたんですよ。」

「ほぉ、お前そこまで強くなったのか」

そう言ったヴルにメルは生返事で答える

『別に悪い悪魔じゃなかったし耐えれると思ったからね』

「え?」

「悪魔を瀕死状態から復活させるには幾つか条件があってな。
呪文を唱える者が生きているもので血を与えねばならない。
その血を拒絶せず、素直に心を委ねる者こそ、回復できるものだ。」

つまりそのまま拒絶していれば、死んでいたということにもなる。
それに悪魔にはメルの血はよろしくないとヴルが言う

「美味いと思ってしまう効果があるのでな」

「へぇーまぁ確かにあの時はちょっと暴走しかけましたね」

何人か悪周期に入った者もいた。

「だがその様子じゃあその子に渡したようじゃな。
まぁ生き返った子だ、私らも見守って置く。」

『あんがとー』

「とんでもない方に口の利き方…」

よいよいと笑うヴルにイフリートは困り顔だ




「メルよ、お前アレは言っていないのか。」

そう言ったヴルにメルは頷いた
そうかと答えるヴルにメルは言う

『世界がちょっと巻き戻っている。だから二回目』

「…そうか、やはりお前の首元を見た時には気付いておった。
大事な者が出来たんじゃな、良かった」

『うん…また紹介するよ。』

「魔女ということは告げぬのか」

『言えない。悪魔には言ってはいけないから。』

「…そうじゃったな、メル」

『良い大丈夫』

「お前が良い日を過ごせることを、我らも思っておる。
悪魔も人間も神々も我々は拒絶していたのを忘れておらぬだろう?
お前はその手を取ってくれた。だからこうして心を開いておる。」

それを閉ざすというのは、守るだけではない。
そう言ったヴルにメルは頷いた。

「それに魔女と言って死ぬ話は俺の父が作ったみたいなもんだ」

『っうぇええ!?』

「まぁ厄災が来るのは仕方がない。
そういう時間に生きておるのじゃから。」

『ええでも、だって赤本には』

「…ミレイユじゃろう?」

『ええはいそうです』

その一言でお互いが察知した。
あーまた見間違えかなーと思いつつ、
ひとまず魔女と知られて死なないだけまだましだと思う。

ただ、言っても人間と言う事がバレる可能性が高くなるのは事実。
言わないに越したことはないのだ。


『ヴル、私ねレイと出会った。』

「っ!!!」

『突如黒い穴が出来て落ちてこの場所に戻って
今まだ記憶も消えずに続いて行ってる。
ルアラが居なかったり、
使い魔なかったりしてるけどね。』

「…成る程」

『きっとあいつら私の仲間狙うから、逃げるなら
どうせなら居て守ってやろうって思ってさ。
もし…もしね?ヴル』


私がここに来たのには理由があった。

伝えたかったのだ。





『私が死んだ時は、貴方が私を人間界に送って欲しいんだ』




「っ…それは」

『良いの、別に。あー本当は食べて欲しい悪魔とかもいるけど
そいつが否定したら、君が私の遺体をどうか戻して欲しい。』

「…分かった、受けておこう。」

『それと、私は継承者を付けない。
コレがどういう意味か分かるね?』

「…嗚呼聞いておる。分かった、
もしお前の力を利用する者がいたら覚悟しておいてやろう。」

ありがとうそう言ってメルは手をグーにしてヴルの手と当てた

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