『すぅううじいいいいせんせえええええ』
泣き出すメルにスージーは良し良しと頭を撫でた
今日は入れ替わりの日なのだ。
と言ってもラスト2日位しか居なさそうなのだが。
メルはぐずぐずと涙を流しつつ
スージーと仲良く手を取ってではと言って一言で消えた。
「泣いていたな」
「すぐ戻ってきますよ。ほら」
そう泣いてはいるものの、肩に手を置いてやってきたのは
オリアスだった。
「え?何処ここ…」
「メルちゃんの親戚?ヴィーヴル族って知ってるよね?」
「え?ええ、あの500年前から絶滅している幻の竜の一族ですよね?
鱗は生き返る薬になるとかの」
「その末裔がこの方です。」
口を大きく開けて、ダリ達が叫んだように、オリアスもまた叫んだ。
「えぇ…メルちゃん、そんな子だったの…」
『何時の間に君達私のことちゃん付けで呼んでるんですかね?』
そうにこりと笑いつつ、話が変わらないのにメルは首を傾げたままだ
ヴルとの関わりや、魔物を刈り取っていたことを知って震えるオリアスに
メルはあまり知られたくなかったなーと棒読みで答えた。
それにヴルが嘘つけと突っ込む。
「…お前!?」
『っあ!!ヴルすとっ』
「お前がメルの契約者か!!!」
あちゃーそう頭を上に上げて固まるメルに
オリアスは「へ?」と声を上げるだけだった
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『おすわり…』
「だが」
『アレほど言うなっつたでしょーーー!!!!』
そう怒ってメルがヴルを鎮めている。
あの神みたいな幻の生物を…一言で…
「あの、俺教育係とは言えどメルちゃんと
契約を結んだことは一度も無いですよ。」
『そりゃそうだ。君だからね…ったく。』
「一体どういうこと?」
『んーーーー』
そう向いたメルの前にはヴルがそっぽを向いた
ため息を吐いた後、適当に言えずはっきりと口に出す。
『事情は言えないけど、オリアス先生と一度契約を結んでいるんです。
その為首裏に印が施されています。
この印の効果は私の願いが叶えば期待は高まります。』
「へぇーーー」
『効果はまぁ微妙だとは思いますがね』
寿命が削られることは伝えない方が良いだろう。
きっとこの人達は困るだろうから。
『心配しなくて構いません。
あと責任取ってもらわなくても構いませんから。』
とりあえずおどおどしなくていいよとだけ言う。
と言うかそうなるから私は言いたくなかったんだと言って
ヴルに目を向けた
勿論そっぽを向かれて目は合わない。
『これ以上は今は伝えたくありません。』
「今は?」
『…いつか、話さないといけない時は、その時言います。
だから待っていて下さい。』
その時、私は言えるかどうか、分からないが。
きっとくるだろうから。
「わかった」
「所で次のアイテム何取りに行くの?」
そう言ったのに紙に書かれているのを見て
ヴルが手分けして捜索した方が良いだろうなと答えた
『あれ?一日で終わる?』
そう思ったのも束の間。本当に成し遂げるのだ。
制限時間はたったの5時間。
それだけで50種類もの薬草や心臓などの臓器が手に入った。
何でも作り放題やんそう言うメルが震える。
タリスマン100個とか普通に作って売れるレベルだ。
それでも余りが出るという位の量に、保管場所
大変だなぁ拡張するかなあとメルはぼそりぼやいた。
『ヴルも急に来てごめんね?』
「いや、数日間実に良い時間だった。また来るが良い。
お前達も俺の名前を呼べば来れる様にしておく。」
「ええ…いや恐れ多い」
『ヴルがこういうのって初めてだからね!』
「…お前が連れてくるのが初めてだからな」
そう言ったヴルにそうだかなーとメルが笑って答える。
護衛でついて行ったと思っていたらまさかの材料を集める係に
変わっていたとは思えない程、密な時間だった。
「メル」
『うん?』
「…どんな結末でも、俺はお前を見届けるぞ。」
『…うん、ありがとう。』
そう言ってくれたヴルにメルは微笑んだ
どうかそんな時間がくることがまだ遠くであってほしい。
そう願いつつ、メルは肩に手置くんだぞーと言う
『そいじゃ、ヴル!元気でね?』
「嗚呼、お前達もまた元気でな。」
「教師に来てくれてもいいですよ?」
「まぁ考えておいてやろう」
『「えっ!?」』
またな、そう言っててを上げたヴルに、メルは
聞いてない、と言って顔を赤らめて浮遊していた。
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『これでOKーあーー疲れたーーーー』
食材を一通り集めてやっと整理が出来た。
合計で丸一日だ。冬休みも中旬。やる事もおえた。
掃除も出来ているので何もしなくて良い。
オペラたちの元に戻りたい気持ちが薄れつつあるが
流石にメールの数を見ると戻らなければと思った。
仕方がないとため息を吐きつつ、帰る準備をする。
地下はまたリニューアルされ薬剤を入れていた棚、
というか壺の前をぶち抜いて奥に小部屋を作った。
棚を置いて各材料を綺麗にまとめて置いている。
心臓部分や部位で保管している為
なくなればまた取りに行けばいい。
『…魔女、ってオペラさん言ったら驚くかな』
人間の血が薄れていること位分かるかもしれない。
咳き込んだ後、痰がうぜえなと思った。
手には微量の血が痰に混じっており
メルは目を開いてじっと見つめるしかなかった
嗚呼、時間がもうないのか?
一応安静は取っておかないと。
そう怖くなって身支度を速めた
血を吐く位にまで中の身体が弱っているということ
それはつまり、体力ではなく、
力を使い過ぎた過労によるものだ。
暫く魔法は使えないな。
そう感じつつ、世界に戻るのも一時止めると決意し。
四月に入る迄じっとすることにした。
「おかえりなさい。メル様食事は済まされましたか?」
『ううんまだ』
そう言って帰って来たサリバン家それにオペラが目を丸めて聞き返した
「メル様。血の匂いがします。」
『…バレた?』
「何処かお体が悪いのですか?」
そう手を取って頬に触れるそれにメルは微笑みううんと返した。
「…このオペラにも伝えられないことですか?」
『うん、原因分からないし』
「尚更ではないですか」
そう耳を下げるオペラにメルは苦笑いする。
勿論この後サリバンにも事情を話して寮を辞めるかと
言われても続けると言い切った。
『私ね、長くないかもしれない』
そう言ったのに、オペラが目を丸める
夜、寝る前に髪の毛をくし解いて欲しいと言ったメルに
オペラが構いませんと言ってメルの背中から髪を梳いている時だった
オペラがそうですか、と言って話を続けるように言う
『力使い過ぎて、身体が持っていないの。
器なのに今までこんなことはなかった筈なんだよね。』
「…メル様、貴方はこの魔界でそれ程までしても守りたいのですか?」
『うん。大事な人が出来たの。』
今は会えないけど。ただ傍に居てくれる。
だから、あの人に会えなくても、それでも私は。
あの人ではない場所でも生きているこの世界を守りたいと思う。
『身体がもし死んだ時はね』
「いやです」
『おぺら』
「そんなことを仰らないで下さい…」
『私の身体は、とある者に渡すことにしている。
彼には承諾済みよ。その時は手放して。』
「…ですが」
わかりました。そう言ってぎゅっと掴んでいた髪から手を離した
魔女は、短い命なのだ。それ程、力を使ってしまう。
使わなくても、いずれは死にゆく運命。
ならばこの身を良い方向に向けていけばいい。
ミレイユが、願った世界になれば…良いが。
『だから私弟が欲しいなぁ』
「はい?」
『死ぬまでに、守りたい物増えたらさ?
もっと死ににくくなるじゃない?』
そう笑って言うメルに、サリバン様にお伝えしますねと答えた。
きっとこれで入間を探すきっかけになるだろう。
時間は一年早くなるだろうが、きっとこのままでいい。
冬の雪が、舞い降りて。
世界が銀色の世界を夢見た。
ーねぇ!私ね!!好きな人が出来たの!!
そう、笑ってミレイユに伝える少女
嗚呼貴方は笑って、私を抱きしめてくれる。
どうか見ていて。私は沢山の悪魔を助けるから。
何時か見た時の、あの物語の様に。
ーねぇ、**!私ね!天使より悪魔が好きだよ!!
だって、悪魔は私の願いを奪ってくれたから。
だから**と一緒に二度と居られないんだよ。
そう言って泣く少女は、一体何時の時間軸?