Novel - Paola | Kerry

it's just you


神様の遊び道

20/09/15
62

「あ!メル先生ー!!」

『あら?その声ドゥルジ!?どうしたのー』

そう職員室の扉をバーンと開けたのは息を切らして
聞いてないですと声を上げた。

「使い魔契約で今先程出て来たのが…」

そう職員室に入ってきたのは白い角で青髪の青年と
小さな少年だったが


『あ˝あ˝あ˝ああああああああああああ』

「あああああああああああああああああ」

メルは青年の首に勢いよくタックルをした
思わずと言いたい所で、職員室少し離れた
ソファーに座っている青年の上に乗る子供隣はドゥルジ
目の前にはメルとカルエゴそしてオリアスが座っていた

『カルエゴ先生。もう一度お聞きしますが
…この子が使い魔に出たんですよね。』

「ええ…ヴィーヴル族の末裔で、実際は
子どもが出てきてその後にこの方が出て来たので。」

『ドゥルジ、一応聞いておくけど
…あのお守りって手にもってやった?』

「ええ…召喚しました」

『あーーーーーーヴル君や』

「嗚呼ばっちり心が届いたのでOKした!」

まだ聞いとらん!!
そう強く机をたたいたメルが手を上げ
顔を上に上げて悶えている。
叩く勢いに身体が追い付いていないのを
カルエゴは脂汗をかきつつ見ていた

「ひょっとしてこのお守りのせいですか!?」

『いや、なーくはないけど、
本来使い魔の召喚で受け答えがある筈。
ヴルには説明してはいたけど、君の話をチョットしたんだよね。
君が想像できなかったらそりゃあ答えれないし
ヴルも彼女を知っていたとしても
その力で出てくることは間違いなくない。』

それに私が会話をしたのはあくまでもヴルの方だ。
子供にこんな話をした覚えは更々ない。

「此方も急に子供が居なくなったので驚いて後を追ったんですよ。
そしたら学校に来ちゃったので、ひょっとしてメルいるのかなって
この方に聞いたらまぁいたって訳。」

『居たじゃねぇよ居たじゃあよぉ…
お前あそこから良く何もなしに飛べたなぁ…
理事長でもワンクッション挟む位遠いあんなところから』

魔界の奥深くにある森の中だ。
そりゃあ中々いくものではない。
それにこんな場所まで出てきたら間違いなく食われる。
魔界中が大騒ぎしてしまうんだよ。


だからと言って私がタックルをしたのはまぁ理由があってだな。
驚いただけとかでは決してないからな。うん。決して。

「500年前に絶滅していたヴィーヴル族の
それも長の子が使い魔に召喚されて流石に
周りはざわついて落ち着かせましたが。
メル先生の話を小耳にはさんだので連れてきました。」

『大変ご迷惑をおかけしていますカルエゴ先生本当大変…』

「いえ…」

「君は俺の子だと役不足って…事じゃなくて恐れ多そうだね?」

そうメルの方の後ろに震えながら回ったのに、メルは苦笑いする。


『君はどうするの?ドゥルジを守れると?』

「守るよ!僕この子好き!!」

『可愛い』

そう頭を抱えるメルにドゥルジとオリアスは苦笑いして返す

『…それにしても、ヴル。君は良いんだね?
使い魔契約として子が良いと言うなら良いけど。』

「そりゃあメル君の信頼できる悪魔であるなら…
この子がこの身を捧げても彼女をお守りするとあれば
俺だってなんだってしてやるさ。」

そうおじぎをするヴルにふぅむとメルは唸った
それもそうだ。まさかヴルの子供が召喚されるとは思わなかったのだ。
まぁ竜族の一族なので使い魔からしたら最大のランク。

それの子が末裔が使い魔と言ったらハイランク過ぎて
多分二つ位ランク高くなるんじゃないかな?
ひぇー恐ろしくて目も当てれないなんて違うか。

『なら良い。君がそう言ってくれるし
当事者が許可するなら私何も言う事ないさ。
にしても良く私がここに居るって直感で分かったね?』

「ああお前が前にその子のタリスマンを渡したと言ってただろ?
そのタリスマンに引き寄せられたと言ってもおかしくはないんだよ。」

『あーーーーーそうか、そうだったね!!!』

じゃあ結局僕のせいじゃん!!!!そう叫ぶメルの頭には
煩いとカルエゴからの鉄拳が入り頭を下げて悶えるメル。


「私は別に構いません。ただ急に出てきて驚いただけで」

「では以上ですね。おい起きろ」

『ぶえーカルエゴ先生おこなのーーー』

煩いつべこべ言わずにさっさといけ!!
そう言うカルエゴにブーイングを入れつつメルは後を去った

「あれ!?誰の声かと思いきや、ヴルさん!?」

「おお、ダリではないか。久しいな。」

知り合いですか?そうカルエゴが聞くのにダリが説明する。

「そうそう。メルちゃんの知り合いでね?
冬休み期間にちょっとだけ遊びに行ってたんだ。」

ん?と固まるカルエゴの目線にはメルが入っていた。
彼女は早速授業の準備をしていた。

ツムル先生ーと声を掛けて笑って話をしている。
今年から入ってくる新人が先に来ていたのだ。

「元気でしたか?」

「嗚呼勿論だ。息災そうでなによりだな。」

「ええ。折角なので校舎回ります?案内しましょうか?」

「ほぉ?良いのか?」

「貴方を連れて回れるなら面白い事になりそうじゃないですかー」

俺面白い事好きなんですよーと言うダリに
奇遇だな俺もだとヴルが言って職員室から消える
子供はドゥルジの腕の中におり、ただにこりと笑っていた

120cm程だった身長の姿ではなく、竜の様な姿になっていた。
まだ子供だが、長くて三千歳も生きるという竜に
生きていたんだと驚くのも無理はない。

500年前に絶滅を確認していたのだが、消えていなかったのだから。
まぁ本性は暴くと後々面倒だと言った者達がこの後
何事も無かったかのように扱った為、大事にはならなかった。




そんな間、メルはと言うと。

「メルちゃん此方新しく入る子二人ね!」

「ムルムル・ツムルです!」

「イポス・イチョウです」

『はわー!後輩だぁ〜!!初めまして!
空想生物学教師のメルと申します!!』

「メル先輩ー!」

『理事長〜先輩だって可愛い〜〜!!!!』

「そこー!煩い!!」

遂に二年目突入!ツムルとイチョウが入ってきた。
メルは勿論ツムル達とは仲良く遊ばせてもらっていた為
彼らの事は知っている。

が、彼らはメルのことを一切知らない為
テンションの高い先輩とでも引いているだろう。
まぁそれでもいいのだとメルは思っていた。

「流石に二人教えるのは難しいだろうから、
ツムル先生をお願いできるかな?」

『らじゃー!』

+++++++++++++++++++++++++++


『改めまして、初めましてメルと申します。
空想生物学教師として二年目です。今年から1学年
担当持って生徒教えるので不束者ですがよろしくお願いします。』

あれ途中おかしい気がする。まぁ良いか。

「ムルムル・ツムルです!
精神医学担当で、俺沢山迷惑かけると思いますが、
ご指導のほどよろしくお願いします!!!」

『寧ろ私の方が沢山ご迷惑おかけすると思います。』

主に君の未来の私が。そう心の中で呟きつつ、メルは顔を上げた。
ひとまずは教室を見回って、
オリアスに去年教えて貰った様に教えて行こうと思った。

桜が咲く頃の春、始業式が始まるこの季節になっても
メルは何処にも帰らず、ただ時間を過ごしていた


『(私はまだこの場所に取り残されたままなのか)』


一通りの教室や設備の説明を終らせてツムルを食堂に案内し終わり
イチョウと食事を取ってみたいだろうからと席を外して中庭に来ていた
桜の花びらが恋しい季節に、メルはぼそりとぼやいた。


『…会いたい』

なんて、効果ないくせに。そう思っていると目の前にふわりと香った



「ー君は此処に居たのか」

そう黒い髪の毛の青年が此方を見て立っていた
誰も廊下に居ない事を確認してメルは目をシルバー色に輝かせ
手に力を入れて体制を低く整えた

「ー嗚呼大丈夫今は君を連れて行かないさ。」

『オリアス先生達はどうした!!
お前まさか…殺したわけではないだろうなぁ…!!』

にこりと笑う青年に眉をひそめる
あの人たちを殺すとならば話は別だ。
この学校が壊れても恐らく戦い始める。

「ーそんな殺気立たなくて良いよ?皆君を恐れてしまう。」

『ほざけ!!答えろ!!!』

「ー君が僕の手を取らないと決意したなら、話は別だ。」

『…まさか帰れば手を取るというのか?』

そんなこと、誰が許すと思っている?
メルの目の奥は細くなり、背中に白い翼が生える
髪の色は白くなり力を最大限に引き出す

「ーだがまだ、君を泳がしてあげる。
もっと先を見ておいでそしたら
僕がこう言っているのも分かる筈だ。」

悪魔は全て悪だと、君は昔言っていたじゃないか。
そう言って溶けて消えるレイに待てと叫び手を出すが
消えて居なくなったことで、メルは元に戻す。

はぁはぁと息を切らして咳き込む
口から少量の吐血をしてしまい
嗚呼参ったなと笑うしかなかった

力を最大に振り絞って数秒で吐血するとは
本当に時間が無いというのが分かった。
もう…この場所から、居なくならなければいけない?

そんなのは嫌だ。いやに決まっている。

『誰が…嫌いになるか』

もう、あの頃の自分は居ないというのに。
大事にしたいのに、君は…遠くで私を待っている。
…きっと、誰かに操られているだけだ。

そう言い聞かせて、兄かどうかも分からない彼に
オリアス先生達を殺させない。

どうか、この願いが強くなれば、
ひっくり返ってしまえばいい。
世界が最悪が、幸福になってしまえば。
不幸を望んで…しまえば、君らは。

『…どうかお願い。』

ただ、願うしかない。今は、
このまま元の世界に戻った時に皆を守れる様に。
ただ強くもっと強くならなければいけないのだ。




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