Novel - Paola | Kerry

it's just you


きみあわせ

20/09/15
67

職員室、そう言えばとメルが言ってオリアスに手渡して来た
それにオリアスはこれはと言って受け取る小荷物というか
ラッピングされたものに説明を求めた

『此間フルカス先生とお手伝いしてくれたお礼です。
私の家系に伝わる物で作ったピンバッジです!!
きっとオリアス先生の力になると思います。』

そう緑のラッピングから出て来たのは
キラキラの星の輝き(光彩)をモチーフに
デザインした可愛いピンバッチだった。

中のブルーのガラスとキラキラと輝く
ゴールドのおしゃれなピンズにおおと唸った
星の元なので、と言ったメルが照れつつ説明を続ける

「え…そんな大事なもの貰って良いの?」

『もーどえらい手伝って貰ったんですよ?
それにオリアス先生が居なかったら1個成功率10%の
あのタリスマン全部作れなかった可能性あるんですからね?』

え゛そう言ったオリアスにメルはうんうんと頷いた。
魔女も完璧ではない。
ちなみにドゥルジに上げたタリスマンは三回程失敗している。

こっちは比較的簡単に作れるお守りみたいなものだ。
一応危機が起きたら奇跡が起きるとかの意味が入ってたので
作ってみたのだ…一体どういう奇跡が起きるか知らないが。

どうやら壊れた時願いが叶うらしく、
その奇跡は使用者によって変化するとのことで。
悪魔によっても変わるらしい。

嬉しそうにオリアスは微笑み礼を言う。
それにメルは前に見た夢を思い出した。
嗚呼、違う違うこの人は悪魔はあの悪魔ではないのだ。

期待なんて、してはいけない。
きっと戻りたくないと願った時こそ、僕は帰れる。
その時、きっと僕は泣いてしまうし彼も苦しくなる。

だから、ときめいたなんて…嘘だ。


「メルちゃん?」

『ふぁい!』

「くすっ、もうほら行っておいで。」

ドゥルジが呼んでるそう言ってウインクしたオリアスに
メルは気付いて彼女の元に走って行った
笑って話すドゥルジとメルにオリアスはホッと見ていた。


「ねぇ〜良いの?取られちゃうよ?」

「取られませんよ。絶対に。」

そう言い切ったオリアスに
ダリは未来の君にも?と嫌味を言う。

顎を手に置いていたのがズレる。

あのですねぇとこめかみに手を置いた
オリアスにダリが笑う



「本当の敵が自分ってどういう気持ち?」


「…すっごくもどかしいです。ダリ先生?」


「あはは!面白いからさぁ君達見てると。
にしても驚きだよね、
まさか未来から来た彼女とは。」


「ダリ先生…!」


ごめんごめんと、謝るつもりないダリが謝る。
オリアスは小さな星のピンバッジを手に取る。

三つ程大きさの違う星がくっついていた
星の中は青いガラス一枚ではなく、
宇宙を思い描くように
小さな星が散りばめられていて


きっと自分の為に沢山努力をしたんだろうな
そう思うと心がうきうきしてしまう。


嗚呼苛立ちがこのピンバッジ一つで
消えるなんて面白いかもしれない。



「(今は良い、このまま…
ゆっくりと落としてあげる)」




いつの間にか戻れないと思えば良い。
そうしたら、君はそのまま俺と一緒に居れば良い。



このまま、ずっと居れば…良いのだ。





+++++++++++++++++++++++++++



「メル先生!!!!」


『あぶ…』


そう絡まれているのは、ライム先生。
彼女のサキュバス固有能力「審美眼(エロスコープ)」で
対象の魅力(エロ)度が図れるのだが、
ピンバッジを上げた所丁度僕を見つけて絡んできた。


いやなにぃと思ったら、
どうやらエロ度が10という
彼女も見たことない数字らしい。

待って、

ライム先生。

多分ね、記録更新する。



来年ね、多分2とか0に近い子居るから。


赤ちゃんよりピュアな子入るから。





だからと言って僕は教師ですし。



『あのライム先生、仮に私が
他の生徒よりもピュアだとしてですよ。
魅力を上げる必要性はないのでは。』


先生が魅力的で
生徒の目線を引いてはダメだろう。


そう言ったメルに、
ある程度の魅力は必要だとか。




…いや、知らんわ。




やめろ僕にエロい話をするでないです…!!!


そうギリギリと歯ぎしりをしながら
ライム先生の頼みを断るしかない。

というか先程からしているんだが、
彼女も引かないのだ。




いーらーなーいーでーすぅううう!!!!!




「オリアス先生のことが好きじゃないの?」


『そっ!れは…』


この世界のオリアス先生であって、
あの世界の彼なら話は別だ。

この世界ではあまり接点も
僕がなるべく作っていない訳であって
いやドゥルジの件以降実は結構、
話しているはしている。



つい最近だと、
オリアス先生の前で躓いて
彼の胸というか腕にキャッチされた。


あんまりにも近すぎて…
大丈夫?と此方を心配そうに見ているオリアスに、

メルは驚いてしまって
大丈夫ですと片言で答えて走り去ったりした。





いや実はそれだけではない。
一昨日だろうか、
オリアス先生と手が触れて
ドキッとしてしまったのだ。


浮気ではないだろうかと
心配している今日この頃だ。

いや彼は彼であって、
彼は過去の彼であって…?


もうモヤモヤして訳が分からない時にこの話だ。


放って置いて欲しいものだ。

…魅力で皆僕を見てくれるなら、
彼とも避けれるかな。


そうだとしても、


僕はそれで良いのだろうか?



気付いてくれない、



彼で良いのだろうか?







それはそれで…なんかやだ。







「ねぇー一日で良いから!!!」


『…実験台にはなりませんよ?』


やったー許可下りたーと言うライム先生に
メルは大きなため息を吐いた。



…いや、にしても10%ってどこら辺だろうか?



「ん?そうねぇ〜恋を抱いた位の感じかしら?」


『(恋する乙女ーーー!)』


フォーチュンクッキーなんて
思い出して意識を戻す。



いかんいかん、どうも気が集中できない。



「大人の女性でも30%は
あっておかしくないんだけど」


『20かぁーにじゅ、ニジュウカー』


其処まで酷いのか僕は。




あ、と言うか一体
何をすればいいのだろうか?



メルは一日すると言っても
何かの内容によっては出来ない気がする。



まぁ、強いて言う悩みと言えば
自分の胸が多少小さい位か。



其処まで大きくするつもりはないが
バストの大きさ的にはAよりのBだ。


サラシを巻いて動いたりする時もある為、
ぶっちゃけない方が楽ではある。



だが僕も女の子、
Cは欲しい何ならDに
ちょっとだけ近いC位は欲しい。



だからと言って服装を変えるという訳にも。
そう思っていると、
チェルーシルと言われて服装が変化した。




『に゛ゃーーーー!!!!』




黒装束の衣装が一気に可愛らしい服に変化した。


白のワンピースに襟の真ん中には茶色の紐リボン
紺色のエプロンを付けており、
腰部分には赤いリボン
紺色の上に更に白いエプロンがヒラヒラ揺れる




もう衣装がグリム〇ーツの白雪姫である。




靴はローファーで、
まだ黒タイツが身体を覆っている為
恥ずかしさはまだマシではあるが


…あるのだが!?



ここ一年位は真っ黒な服に包まれて
安心されていたので
急に明るい服を無理やり変えられてテンパる。



「あらーやっぱり可愛いわよ〜!
黒い服着てて勿体ないわ〜!」



魔女ですから!!!
あと魔女見習いになった以上
魔法は黒装束でないといけない。


くっそ…魔術と言って
魔法を使っていたのがバレる。



これだと幻影も使えないので、実質人間である。



まぁ、人間であるのは
まぁ間違いないのではあるんだけれど。


『あうライム先生困ります〜
この衣装だと僕恥ずかしくて
家系魔術も使えないです。』




ん!?待って!?髪の毛の色淡い緑色になってない!?
って言うか、一人称私になりそうにないんだけど!?
ひょっとして元々頑張って維持してたのも元に戻されてる!?


恥ずかしさよりも魔術が使えない上に
性格が戻ってる方が僕にとって死活問題だ。


魔法は、今となっては
生活必需品のスマホ並みである。


それに大丈夫よ、可愛いから
と言うライムが席を外す。



いやいやいや、僕これで外に出ろと…?
そうオロオロしても仕方がない。


今日は午後から生徒の授業は一つもないし、
このまま職員室に行くと笑いものになる。
かと言って、あれ?ちょっと待って?


今日からライム先生出張じゃなかったっけ?


『だああああ!!ライム先生せめてこれ
これ解いてからにして下さいですううう!!!』



ドアを開けて頭に何故が付いてる
赤いリボンを揺らして走る
ふえええ恥ずかしいよおおお!!!
顔面真っ赤で走る走る。



新聞に載ったら泣くぞ僕。
僕が魔法を使えないというのも
ちょっと語弊が出るので説明しよう。





魔法使いの状態は一週間程何もしなければ
例え魔女の印をつけたとしても、
人間の状態になる。


魔力も何もないただの人間だ。
ちなみに記憶は維持される。





但し、何もしなければの話だ。



私は魔法使いになってから
必死に魔術や魔法の無詠唱の練習だけでなく
薬草から知識を未来のオリアス先生から
何なら色んな方から教わっている。



その状態を維持すれば、魔女見習いに昇格する。
一週間以上印が維持されていれば自動でなるらしい。







で、だ。






ここからが問題だ。










この魔女見習い、実は服装の規定がある。
本来魔女は黒装束を見に纏い、
帽子を付けて箒にまたがって空を飛ぶ。


人間は、角が魔の象徴として恐れており、
魔女は、悪魔の手下として、
角のかわりに角のように尖った帽子が
あたえられたところから、黒い帽子はきている。



まぁ悪魔の角があるように、
魔女も角の代わりとして帽子をつけているのだ。


アンテナの役割をしているので、
まぁスマホの電波と変わらない仕組みだ。



スマホだって電波届かない所では
調べものも電話も通じない
ただの四角い板になるだろう?




それと同じ状態である。




そう、今僕はスマホの電波無しの下手すりゃ
充電無しの状態で放置されているのだ。





そりゃあ何も使えないし、
何も出来ないのである。



あ、ちなみに休日も黒装束で生活している。
余程の事が無い限りは。
…遊びに行ったりとかね。




話は戻るが、魔女見習いの状態は特に、
状態維持をしなければいけない。
そうしないとそもそも、魔法が使えないのだ。




ということで





『元に戻してくださいですうこらああああああ
(僕が今魔法使えないからああああ)』



現在行方をくらませた
ライム先生を捜索中である。



ちなみに現在何名かの
生徒に二度見された。




おこだよ?




まだコレが髪の毛の色だったら良かった。
メイクとかせめてやるやん?

そっち手出して欲しかった



せめてせめてね?



いやなんで服装変える判断に向かった。



馬鹿か。
魔女と言うことはおろか
服装が変わるだけで
魔法を使えない状態ということは
一切知っていないのだから、
当たり前っちゃ当たり前だが。




いや待てよ?

私このまま家に帰って着替えた方が楽では?


仕方がない、カルエゴ先生
…いや駄目だな。無理だな。


だとしても誰もそのままで
って言われそうだな。



一応だらしない恰好ではない。
断じてない。


寧ろ落ち着いている色合いだから、割と好きで
…私服なら着ていてもちょっと良いかもしれない。



いやいやいやだとしても

此処は職場だ

しょ・く・ば!!!!


公共の場で慎みが無いとは教師失格
いや人間失格…


あ、人間から片足外しているから
まぁ失格と言われてもおかしくはないか。






いやいやもうどうでもいい。





『かと言って、職員室はなぁ〜〜〜』


「あれ?その声、メル先輩ですか??」


『ふぇ?あああああ
ツムルぜん˝ぜええええええ』



救世主現る。イチョウ先生とだが。
もう何も聞かないで欲しいのだが



「ちょ!どうしたんですかその服」



『ライム先生に目付けられて
魅力度低いからって
服装の問題でしょって言って、
で何故かチェルコで衣装変えられて
そのまま逃走中の彼女を今捜索中です。
…みませんでした?』



一言で説明した僕偉いな。



その勢いに、い、いや…と言ったツムル達に
メルは逆側行った方が良いかと思っていると
イチョウが手を上げる



「あの、ご自身でチェルコを
かけた方が早いのでは?」


『…そうしたいのは山々なんですが、
今魔術使えなくてですね。』



黒装束の件は伏せた方が良いのかな?



「へぇー。でチェルコしたライム先生。
もしくはチェルコしてくれる人を探していると。」



『そういうことです。ねぇーーー
でも僕の服装覚えてないですよねーーーー』



唸る二人に僕は分かったと告げた。
やはり彼女に戻してもらった方が良い。
本当に僕の運は何処にお出かけしたんだ…



ここ数日全く運が向かない
…こんな不運昔あったかなぁ?



「まだ午後始まったばかりですしねぇ…」



『そうなんですよおおお絶対こんなの
ダリ先生やオリアス先生に見られたくないです。』


「へ?何でですか?」


『笑う絶対笑う。
暫くネタにされる。』



「いーーーや?可愛いですし、
愛でられて終わりじゃ」


可愛い?

あ、服が?

うん。

可愛いよねこの服。


そうきょとんとした顔で
頬をぽりぽりかいて話すツムルに、

メルはうんうんと頷いた。


『愛でられても僕は恥ずかしいので、嫌なんです。』


「あー成る程…って言うか
メル先輩さっきからその敬語と一人称」


『煩いです。素なんです。
こっちは多分サブです。』


そう顔を赤らめるメルに
「あー災難ですね」と
苦笑いするツムル




『という訳で、僕は逃げるのです。
せめて準備室位なら許されると思う…です。』



そう言って僕はひとまずこの場所から遠いが
バラム先生の居る準備室に向かう事にした。


もういっそのこと服を
彼の準備室に一着は用意しとこうかな?


魔法が一切使えないという事実が恐ろし過ぎる。


香水も手にな…あれ?


チェルコのせいで
人間の匂いを消す香水を手放してしまった。


どちらにせよ職員室は
確定で戻らなければいけない。



いやいやいや、そうそう水を被る事もないだろう。

それに幸い今は生理になっていないし。



まぁ時期的にそろそろ来るだろうが

確か一週間前だっただけだ。

ひとまずこの場は避ける。
そう思い、ツムル達を後にした。









「なぁ、イチョ…メル先輩って、
ふっつうに可愛いよな?」



「言うな…俺達オリアス先生に
知られたら只じゃすまないぞ。」













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