「あ、メルちゃん〜それこっち置いてくれる?」
『わかりました〜!あー!ダリ先生
この資料判子お願いしますー!!』
了解はいどうぞ!
そう言って判子をくれたのにメルは
笑顔でお礼を身体ごと
ぺこり大きく曲げて表現した
魔女と言うことが知れているのは
カルエゴ・バラム・ダリ・ツムル・イチョウ・イフリート
マルバス・サリバン・オペラ・オズワールの計十名だった。
メルも含めてだが魔女ということはおろか
人間としてはばらさないこと。
種族として知識は生徒に渡しておきたい
というメルの願いを聞き受けて
授業としては許可を出して、
ゆっくりではあるが教科の内容として
入れて教えていくことが決定された。
そう言えば人間の血は匂いはどうやって消してるの?
そう言ったバラムの問いに
メルは前に未来のバラムから
人間用の調合剤を貰っていて、
それが切れる前だから
同じような物が欲しいと手渡した。
自分で出来るだろうからきっと
時間かけたら出来るさ。
と言ったバラムにお願いをした。
ちなみに香水は一応かけているが、
未来のバラムが顔を真っ赤にさせて
香水は必ずかけることと言っていたのに
疑問を思っていたことを聞く
そこにいたサリバンが一応
今なら大丈夫でしょと言って指を鳴らす
するとメルからの匂いが
一気に変わる…のだが
「ちょっと待って待って待って待って!?
理事長匂い戻してください!!!」
そう顔を真っ赤にするオリアスに、ダリが
「あー…成る程ぉ、こりゃ香水付けた方がいいわ。」
そう照れてメルの頭をグリグリ撫でる
どういうこと?おん?
そう首を傾げる事も出来ず
頭に?を出すメルに、
スージーが声をかけた
「ふいっ、今メルさんの匂いですね?
オリアス先生の匂いしかしないんですよ。」
そう言ったスージーの言葉に頷いた後
メルの顔が真っ赤になる
ダリとスージーが「あらー」とハモるのに
メルもオリアスに混ざり
今すぐ戻して香水どこおおおおおと
叫ぶ事件があって幕を閉じた。
責任取りますと真面目に言った
オリアスにメルが慌てふためくのと
とりあえずお前にやる嫁はねぇ
と言ったオペラに怒って
力を使って迄ひれ伏せる話はまた
別のお話である。
そんなこんながあっても、イベントは開催される。
今はオリアスと一緒に音楽祭を指揮している。
ダリにはその音楽祭の資料で
確認用の判子を押して欲しくて持って来ていたのだ。
にしても驚いたなぁとメルに話しかける
「まさか人間の匂いじゃなくて
うちの職員の匂いがするとは〜
隅に置けないねぇ?」
『ちょ!もうその話いいでしょ!!』
「にしても箒でまたがって
飛行移動するのは納得いったよ」
そう資料を置いて、
ダリと倉庫で探しだした物を
ついでと言って雑談が始まる。
今は人が出払っている。
生徒も授業中なので
職員位しか移動していないだろう。
「アンテナ替りだとはねぇ、ソレまだ必要なの?」
『まぁまだだと思います。
魔女の定義自体が実は曖昧で。』
へぇと眉を上げて顎を触るダリに
メルが手を止めないというのに
はいはいと答えつつ
カルエゴ先生に似てるなと内心笑う。
『でも悪魔の匂いが出ている以上
もう人間じゃない気はするんですよねぇ。
…なら何故私を狙うんだろう?』
「…あ!こっちにあったよー」
『ありました!?
わー良かったぁ』
はいこれ、そう探していた物を
メルにダリが渡す
嬉しそうにするメルに
ダリはくすりと笑った
まだ、その話は早い。考えなくて良い。
君が考えてまた
俺達を救ってしまうのなら
頭を撫でるとそう言えばと言って
メルがダリに飴を渡した
これは?そう飴を包んだ包みを外すと
中は夜空色の綺麗な飴が出て来た
それはお詫びです!そう言って
メルは倉庫から走って
何処かに行ってしまったのに
ふぅと息を吐いて飴をなめた途端、
背後から気配を感じ取ってバッと後ろを向いた
「ーやぁ!元気そうで何よりだね!過去の僕〜」
「ーーーは?」
もうそんな言葉しか出なかった。
あれ?まだオリアス先生行ってない?
いや居ないから間違いなくそっち居るんだよね。
そう言った彼に一体何をと思っている
「単刀直入に伝えておくね。
俺が居る未来はもうバビルスも
魔界も崩壊している。
俺はメルちゃんがいや
ミレイユ様が残した
唯一の方法で君の元に来た。」
「え!?」
「こう言って信じる俺じゃないとは思うけどさ、
過去を捻じ曲げてでも
バビルスを守りたい…というのが建前!!
本音は面白いから!!以上!!!」
ね?分かった?
そう言った未来のダンダリオン・ダリ
それに信じないかなーと思っていた
未来の彼にダリはぼそりと呟いた
「ああ、未来の話したのそう言う事か」
「お?その様子じゃあオリアス先生先に来てるね?
じゃあ話が早い…俺の手、取ってくれるかな?」
そして、どうかバビルスを、
メルちゃんを守って欲しい。
そう言った未来のダンダリオン。
服装はバビルスの教師服ではあるものの、
その姿はボロボロだった。
大きな戦闘があったのをヒシヒシと伝わる
それに自分がもし別の奴に
代わっていたとしても
建前と本音を分けて離すなんて
面倒なことしないだろう。
「嗚呼、勿論。」
こんな面白いこと、耐え抜いてみせるさ。
そう言った過去のダリに、未来のダリは
そうこなくっちゃと怪しい笑みを
浮かべて笑い握手を交わした
未来のダリが消えると同時に頭に強い痛みを伴いつつ
急激に未来の記憶が脳内に入っていく
くらりと眩暈がし、思わず翼が出てしまって膝をついて
驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻した
「ー嗚呼、そう言う事か。
それなら絶対に守るに決まってんだろ。」
メルが嬉しそうに笑って
走って行った姿を思い出しながら
未来の記憶を照らし合わせて笑う
夢で見たのは正夢だったのだ。
それも…未来の記憶でのことだ。
穴に落としたのは、
メルが“何か”を使って自分の力の
ダミーを落としただけで、
実際は未来に身体があるらしい。
その肉体が暴走をして
オリアス達を傷つける形になったそうだ。
ーコレが、正体だ!!!
そう叫んだ女性はメルで間違いなかったのだ。
ただ、血走った目の奥が揺れていたのに、
胸が酷く痛くなったのを覚えている。
理由はなんにせよ、メルは一度敵になった。
それを彼女は知っているのかは定かではない。
だが、今度はそうさせないと周りが動いたからこそ
こうやって今引き継がれているということだ。
それに
「未来でさえ告げなかった事を、言ってくれたんだ
…絶対そんなことにさせないさ。」
未来を変えるなんて面白い事、
やってくれるねぇそう言った
ダリの声を知るのは
未来のダリ位しかいないだろう。
安名メル
オリアス・オズワール
ダンダリオン・ダリ
以上三名の未来の記憶が一致し肉体に浸透完了
+++++++++++++++++++++++++++
「そういやさ、メル先輩から
貰ったって…俺達殺されるの?」
そう言ったツムルにイチョウは苦笑いする
ヴルが何時も世話になっていると言って渡せと
赤と黄色の飴を渡したのだ。
メルは首を傾げていたが、
良いだろうとイチョウは飴を舐める
それと同時にツムルも舐めると
背後から気配が来るのにお互い声を掛け合う
「イチョ?」
「ああ」
そう言ってバッと振り返ると、
自分達がボロボロになった姿にお互い驚いた
「お!ダリ先生に続いて
俺達もかーいや長かった〜!」
「早い方だろうな、
まぁ限られたメンバーだろうし。
どうせ時期は関係ねぇだろうしな。」
「お!?おれ!?」
「幻術か!?」
まぁそうなるよなイチョだもんな
そう言ったボロボロのツムルに
ボロボロのイチョウが
あのなぁと苦笑いする。
「こう言って納得するかは分からねぇが
俺達は未来から来た。」
「未来」
「そ!未来ではバビルスは崩壊するし、
魔界はどんちゃん騒ぎしててさ?
メル先輩も敵側になって死にかけてさ」
「うっえ!?そんな」
「待て罠かもしれない」
警戒するイチョウに、
未来のイチョウが俺らしいなぁとしみじみする
それに眉をひそめるイチョウに
未来のツムルが答える
「もし俺達の記憶を引き継がなかったら、
多分同じ結末が起こると思う。
少なくとも俺はメル先輩を助けたいし、
未来を変えれるなら変えたい。
だから此処に来た。
お前達が掴む未来だ。
選択はお前達に委ねる。」
だが知って置いて欲しい。
メルは、メル先輩は俺達と
一緒に笑って生きていたかったと。
それを捻じ伏せた奴らを放っておけるわけがないと。
そう言ったツムルに、
過去のツムルが俺信じると言った。
「例えそれが嘘だとしても、
未来の俺がそんな綺麗な嘘言える訳ねぇし」
「はっ、言うねぇ…」
「それに、メル先輩寂しそうな顔
ちょくちょくしてたからさ…
ひょっとして未来を思い出して
寂しそうにしてたと思ったら嫌でさ」
そう言ったツムルにイチョウは名前を呼ぶ
だから、そう言ったツムルが自分の胸を叩いて言う
「俺、受け入れるよ!!何したらいい!!」
「ただこの手を取ってくれりゃあいい」
その代わり一気に記憶混ざって頭おかしくなるよ?
そう言った未来のツムルに
過去のツムルはほざけと言った
「メル先輩が抱えた痛みよりかは万倍マシだろ?」
「よく言った。お前は?」
「〜っ!仕方がねぇだろ!!」
付き合うよそう言った
イチョウにツムルもまたイチョウの名前を呼んだ
それに未来の二人も息を吐いて手を出す
握手をした瞬間未来の二人は
溶けて消えて居なくなるも
過去のツムルやイチョウの
脳内に急速に記憶が入ってくるのに
立っていられるわけもなく、
地面に膝をついた
「…おい、生きてるか?」
「な、なんとか」
メルが笑ってイチョウの
手ほどきを受けていたことを
過去のイチョウは知った。
なるほどと心の中でとどめて置いて。
今から遊びに行くぞそう言った
イチョウにツムルもまた嗚呼と言って駆けだした
未来を知ったと抱きしめに、彼女の元へ。
きっとそう言ったら彼女は泣いて笑いながら
此方から抱きしめるまでもなく突撃してくるだろう。
オリアスに引きはがされるまでがきっと一通りの流れだ。
イポス・イチョウ
ムルムル・ツムリ
未来の記憶を肉体に引継ぎ完了
+++++++++++++++++++++++++++
「メル先輩ーーー!!!」
そう扉を開けたツムリにメルが驚く
職員室ではあったものの、もう帰るところだった
それにツムルが咳き込んで答えた
「メル先輩、もう勝手に
突っ走って行くのやめて下さいね?」
『え?』
そう人差し指を口に当ててウインクをするツムル
その仕草はこの過去では一度も指せたことがなくて…
メルの目から涙が溢れて、首を横に振る
『うそ、嘘嘘うそ!』
「いやいや、俺の指導の賜物でしょ?」
そう言ってツムルと同じようにウインクをする
未来でイチョウと手合わせを沢山したのを思い出した
ツムルを巻き込んだりして、精神医学の勉強だってした
メルは少し遠くにいた彼らの元に走って飛び込んだ
『〜〜っ!!二人ともぉ…!!ふえぇーー』
「あー泣かせちゃったーイチョ〜〜」
「なっ!お、俺だけじゃないだろ!?」
イチョウはメルの背中をとんとんと叩いて
ツムルはメルの頭を撫でてあやす
2人にしがみついているメルはただただ
未来に居た二人の匂いに涙が暫く止まらなかった。
落ち着いた頃、職員室から離れて校舎の裏側
ツムルとイチョウはメルが
渡した飴のおかげだと言った
「その話、俺達も混ぜてくれない?」
『だ、ダリ先生にオリアス先生!?』
「よ、面白そうな話してんじゃん?」
あとうちの子泣かせんなよ?
そう半目で言うオリアスに
すいませんとツムルは謝り
イチョウは頭をかきつつ
目を閉じて軽くぺこりと謝罪をする
「君達も記憶が戻ったようだね」
『も?おおん?もぉ??』
「ええ、急に来た時は驚きましたが、一通り何とか。」
『え?待って?ダリ先生にツムル君に
イチョウ君三人とも未来の記憶あんの!?』
「うん!そうだねぇ…オリアス先生の
頑張ったアタックから逃げた事とか?」
そう言ったダリにメルの顔は真っ赤になる
んなっ!!そう言ったメルに
可愛いねぇーとダリはケラケラ笑う
『待って記憶が戻ったって…何処まで?』
「…それは」
「知りたい?」
そう言ったダリは目を開けていた
ちゃんと、メルの心境を考えて本当に?と言う
それにメルは大きく頷いた。
分かったと言ってダリは
少しだけ目を閉じた後
また目を開けて説明を始めた
メルが落ちた穴から
職員がレイを倒そうとしたこと
だが落ちたメルが何故か出てきて、
そのままレイと一緒になる。
そこからの展開が速かった。
レイを取り込んだメルの背中から翼が
6つ広がり頭には天使の輪っかが
白い髪の毛に銀色の目が光り輝いていた。
天使と言っても過言ではない程の光に、
メルから手を突かれて落ちたのは
黒髪の白いワンピース姿の少女だった。
少女はメルの人間の核の部分であり、
死んでしまえばもう後戻りはできなくなる。
それを分かった上で、
メルは少女を身体から解き放った。
そしてメルは
オリアスの方を向いて牙をむいた
ー
そう言ったのに不味いと思った
ダリがオリアスの前に行くが
痛みは全く来なくて目を開けると、
そこには少女がダリを庇ってダリの胸に倒れた
出血がかなり深く、もう持たないのは目に見えた。
両手に血がついて白い服には真っ赤なシミが広がっていく
嘘だ、嘘だそう首を横に振る。
オリアスもダリの横に入り少女の手を取った。
微笑んで良かったと口にする。
ーまもれた
そう笑って目を閉じる少女に、おいとダリが声を掛ける
メル、メルちゃん!!
そう叫んでも少女が目を開けることはなかった
空に浮かぶ女性、メルの力が一気に強まった
鎖が解き放たれた証拠であり、
天使として生きることを決めたのだろう。
敵であることは間違いなかった…だが
ー出来ればこんな形で戦いたくなんて、なかったな
そう言った誰かに全くだとダリはぼやいた
ー嗚呼我らが宝の大事な学び校を壊す等もっての外
そうギラリと睨んだのは、二回目だったが。
ボロボロの状態でありながらも
ダリ達はメルに目を向けた
ニヤリと笑ったメルが手に力をこめる
火蓋を切った後、何人かの教師を処罰し
メルは自らの命を絶とうとした。
そこにヴルがやってきて一時的に止める
ーお前ら!これ持って逃げやがれ!!!
飴やバッジを受け取ったオリアス達にヴルが叫ぶ
ーそりゃこれから先のお楽しみだ!!後は俺らに任せろ
そう言ったヴルの背後だけでなくダリ達の周りにも
ヴルの種族がメルを囲むようにいた
ーメルのこと、何があっても守ろうと戦ってくれた礼だ。
敵だとしても、それでも戻ってくることを願って戦っていたことを
ヴルは知っていたのだ。それに先に行けとオリアスにダリは告げた
ーいいからいけ!!
そう言って先にオリアスを活かす。
お前も行けそう言ったダリに
ヴルはかっこつかせやがれよとだけ言って
オリアスの後を追いかけていった
その後メルの身体からポタリと
血が落ちるも魔力は衰えることはなかった
「ーそこから死にかけてた俺やツムル先生
一部の悪魔がこうやって過去に逃げてきたって訳。」
『…天使に手を伸ばしたから』
だがそれ以外方法が無かったのだろう。
外堀を埋められてどうしようもなくて
ただ攻撃するしかなかった。
そう言いたそうだったよとダリはぼやいた
「だけどね?未来の俺達の記憶があったとしても
過去と辻褄が合わない所があってさ?
…君魔女って俺達に言わなかったよね?」
『っ!!』
未来では魔女の会話は
一切告げないようにしていた
だが此間の収穫祭で全て言った方が良いと
判断して言ってしまったのだ。
それが過去と未来の大きな違いである。
それで何が変わるかは分からないが
魔女の情報があれば、
事情が分かればそりゃあ協力もする。
溜め込み過ぎだとダリはメルの頭を軽く叩いた
これは、未来で沢山暴れた分そう言って
『ーっ、でも、でも僕』
「充分君は守ろうとした。その末路がアレだろ?
俺達をもっと頼ってほしい。いや頼れ。」
良い?これは上司命令ね?そう言ったダリに
メルは笑って『えぇー』と答えた