Novel - Paola | Kerry

it's just you


よかった、うそはとどいていない4

20/09/15
8

それから優しい時間はとんでもなく早くて。
授業と実践を繰り返すこと一か月
テスト期間に入ったことで、私も力を入れることにした。

「今回のテスト、メルちゃんに作ってもらいたくて」

『えっ!!!!』

「おお、良いですねぇ」

『ちょダリ先生!?』

「そろそろ卒業したらどうだ?」

『ふぇ!?カルエゴ先生まで!?
ままま待って下さい!私まだ知識不足で』


「何を言うの…僕よりも5倍位知識ある癖して…」


「最終確認はバラム教諭がするとして、
早速資料作って下さいよ。メル先生」


ふぁい。そう泣きべそかいた声に
苦笑いで職員室がわだかまる
職員会議が終わった後、


私は一体
どこら辺まで出してあげるべきかと悩みまくっていた。



いや人間の何処までが難しくて
簡単なのか分からないのだ。


だからバラム先生に絵本を
見させてもらったのだが、

いや凄い基礎どころか驚く。
これ幼稚園児並みのレベルなのだ。


『バラム先生、これ毎年
平均点どんくらいですっけ』


「えっと…大体60かな?」


『ひっ…くっ!!!』



え!?人間は二足歩行だし、翼ないし、
いや尻尾は退化したから間違ってないけど
寿命とか100年以上な訳ないよ!?

正確には100年ちょい超えるから間違ってないけど
正解してしまうと120歳おじおばが
筋肉ムキムキで走りまくっていることになってしまう。



…いや稀にいるけど例が
限りなく少ないだけであってだな?


「ちなみにメルちゃん、
何問題だそうとしてた?」


『えっっと…これ』


そう渡した一枚の紙に、
バラムが固まった。


それもその筈。
人間の血液や体内の生物学を書いていたのだ。

白血球や赤血球の話なんて
早すぎて間違いなく知らない。



「ちょ!!これ上級生でもってか
僕でも解けないレベルだよ!?
書き直し!!!」



『ああああですよね!!!
駄目か!!分かりました!!!』



基礎的な事を問えば良いからなんだろう?
足何本の類だったら肌の色何色とか?
多分奇抜な色入れてたら大丈夫だろう。
黒人白人の方のために二色ずつにしよう。

Q人間の肌は次のうちどれか。

A赤と黒 B薄いオレンジ色と茶色 C緑色と茶色

流石にこれで間違える訳がないだろうと思い。
この問題は無視する事にした。

絶対間違えない。勿論答えはBなのだ。
まぁ肌色ってしたかったが、
肌の色を問う問題に肌色とはってなるだろう。


『えぇあとは〜動物?犬猫か』


犬の犬種とかを問いたいのだが、
ポメラニアンとか柴犬とかな。

ああでも犬の足とか
翼無いとか問う位だから多分これくらいか




Q犬の指は何本?

A5本 B2本 C4本

本来はAだ。Cでもありだが、
狼の類な為今回は犬の発言なので答えはA五本。
これ位なら良いだろうと思ったが、
まぁ無難と言ってバラムがOKを出してくれた。


良かった。


『ちょっと宿題として持ち帰りますねぇ…』



お疲れ様と言われつつ、
私は何時もの部屋に戻る事にした。


部屋に入って電気をつけて、
私は資料を大事な物の所から引っ張り出した。


これでも小中高の教科書全種類とってきていたのだ。



えらいだろう。そうだろう。



『えっと…人間の体内ダメだったから、
多分ここか。指の本数とか?
あと地形教えてたっけ?
駄目だな今度此処も教えてあげたいし。』



そう言ってとりあえず10問位出来上がった。
よしこれ改良されても良いからひとまず持って行こう。
教科書を片付けて私は部屋を出て行った。

何時もの様に魔術もかけて。



『バラム先生〜バラム先生〜と』

「あれ!メルお姉ちゃん!?」

『お!入間君じゃーん!
どうしたの?今日はあれ?』



それと指を指したのは、
空想生物学の教科書だった

どうやらこの絵本と同じように
担当者に会いに行く予定らしく。

私も同伴させてもらうことにした。
一応提出しても直される可能性高いし。



「テストどれも上手くいかないんですけど、
空想生物学だけは100点とれて…」

『まあ…アレで取れなかったら私怒るわ。』


人間として。当たり前すぎて困るもの。
そう苦笑いしたのに
入間君がまた苦笑いで返した。


「あれ、今日は2人してどうしたの?」

『私はバラム先生に提出を。
入間君は空想生物学のお勉強らしくて。』


「へぇー資料預かるよ。
入間君は何処が分からないんだい?」



「あ、いえ…」



ああと言ったバラムにメルは首を傾げた。
ついでだから君が教えなよ。
お茶入れてくるねと言われて
五秒間私は固まっていた



『っえ!?ええ!?』

「あの…」


『入間君?マジで言ってる?』


「えっ!?いやその
…ここが分からなくて」


そう言って手渡されたのは
上級生の忘れ物だったのだろう。

教科書だった。


こっちは私がかなり勉強のできる子に
特別に渡していた教科書だったので
大体誰の物か区別が出来た。


忘れっぽい性格の彼女なら間違いないだろう。


『分かったこれは渡しておくわ。
この教科書の内容が分からなかったの?』


「はい…僕学校行ってなかったので」


嗚呼、無知もその筈だろう。

教科書は基本的に知識として
使えられなければ無駄である。

だが、行けなかったのも仕方がない。


それならと思い、何処の範囲か聞いてみた。



「この魔術に関してなんですが…」



嗚呼、成る程そう言う事なら
と言ってメルは腰を下ろして
持っていたペンを要らないと
言っていた裏紙を使って説明をする。


『これは人間の使える召喚魔術ね。
…君のご両親がしたようなやつ。』


そうバラム先生に聞こえない様に告げる。
これは多分聞かない方が良いだろう。


降霊術こうれいじゅつは、占いの目的のために
亡者の霊を呼び寄せようとする魔術の形態でね。
代償を得る代わりにお話しできるようにするとかっていう話だよ。』


「へぇーそんなものが」


『まぁ一人の命と引き換えだったり
コストが恐ろしいので基本しない筈。

やってもただの馬鹿だろうから、
もし見つけたら注意したげて。
っていうかなり稀な例を挙げただけだよ。』


「なんか占星術みたいですね。」


『ああ、術ってついてるだけだけどね。』


いやそうではなくて、
と言われて疑問に首を傾げた


「占星術の授業でオリアス先生言ってたんです。
星を見ることが大事だと。
お星さまって死んだ人が行く場所だって
誰かが言ってたのを思い出して。」

『嗚呼、そう言う事か。』

つまり死んだ人が星になり
その星を見ることが大事だと
こんがらがっている状態だろう。



まぁ死んだ人が星になる話は
子どもをあやす為であり、特に事実とは言えない。
それに星々は宇宙にある惑星や塵だったりするものだ。


『まぁ似てなくもないけど、
くっつけるとこんがらがるから無視だよ。』


「何の話してるの?」


『人間界の子供をあやす言葉がこんがらがる話』


首を傾げたバラムにメルも苦笑いだ。
ああそうだとメルは言った


『入間君、魔界も敵がいるかもだけど、
魔界に慣れたら人間界も敵だらけだからね?』


「え?どうして?」


『悪魔を殺す奴らがまだ生きている
可能性があるんですよ。
エクトシストって言ってね。』


「へぇー」


『嗚呼そっちの方を教えた方が間違いなく良いな。
バラム先生、今度私そこら辺まとめるので見て欲しいです。』


「そうだね。もし人間界があるとしたら
人間界に渡る際に困らない様に
それも授業に入れないとね。」


『なるべく早めに付け加えた方が良いですね。
あと最後の授業にも。
居なかったら良いですが、
呪術師とか呪いを解く奴らも居るので…
おっとこれ以上は今度にしましょう。
今は入間君居ますから。』


難しい話をして彼のキャパが壊れかけている。


それに気づいたメルは
内緒といった人差し指をたてて
口元でしーと言った

「それにしても知識豊富で羨ましいです!」

『いや、長く生きてたし。』

一応大学まで行ったからね

『あ、そろそろ帰る時間でしょ。
入間君、オペラ先輩には連絡してるけど
今日遅くなるからよろしくー。
下手したら学校で泊まるって言っといて!』


そう言ったメルに、
分かりましたと言って帰ったのを見送った。


+++++++++++++++++++++++++++


『これでどうですか!』

そう職員室午前10時を過ぎるころだった
丁度良いタイミングでバラム先生が
職員室に来た時にメルが
生物学のテスト案を出した。



ふむと手を口元にある金具を触りつつ
片手で資料を上から下へとみる

それにドキドキしていたメルだったが、
すぐに答えが返って来た



「いいんじゃないかな。採用。」

『〜〜っやったああああ!!』

ぴょんぴょんと飛び跳ねるメルに
ほんと?ほんと!?とキラキラした目で喜ぶ。
その姿に、少々戸惑いつつ、
バラムは「う、うん」と言った。


「間違いもなさそうだし、
これ位なら生徒達も答えられる。
内容としても問題ないしこのまま通すね。」


『はい!お願いします!!!』


「良かったじゃん」


そう急に割って入ってきたオリアスに、
メルは目をキラキラさせて頷いた

そこまではオリアスも周りの先生も
和やかでよい雰囲気だと思っていた。



のだが



メルのテンションはタガが外れる
オリアスの胸に抱き着いてきたのだ


それにオリアスは顔を赤らめるし
周りの教師も顔を赤らめた



「ーーーー!?!?」


ぎゅーっと抱き着いた後
メルはオリアスの両手を手で掴み
やったやったとぴょんぴょんと飛ぶ。


今まで頑張っていた努力や辛さが解き放たれたのか、
単純に今まで仲良くしていたのか知らないが、
急に人前いや悪魔前で飛びつかれて
心臓が飛び跳ねたのに全く気付いていないメル



「へぇ〜良かったじゃん、メルせんせ」


『えへへ、これもオリアス先生の
教え方が天才なだけです!!』


そうダリ先生が入ってニヤニヤ笑う
あ〜っ、これ暫くネタにされるな…


ただ彼女が嬉しそうに、
外で感情を出したのはかなり成長したことだ。

素だとしても、無意識に異性に
飛びつき出るのは少々叱りたい所だが…


まぁ彼女が今回かなり努力したものだから、
何も言わないことにしよう。



「へえ〜〜オリアス先生の、教え方がねぇ?」


「っ!ダリ先生!?」


『ん?教え方って意味合い違いました?』


キョトンとするメルにオリアスが
慌てて何でもないと維持を張る。

彼女に変な言葉を教えないで頂きたい。

そう睨みつけておお怖いと
両手をあげたダリ先生。


彼女の純粋さは恐らく人間界でもぴか一だ。
そこら辺の悪魔にそそのかされて染められる位なら
守ってあげた方が絶対いいと思った。

「とにかく、その調子で頑張ってね」

『はぁい!それじゃ私授業いってきまぁーす!!』


そう嬉しそうに小走りで走って
職員室を出て行ったメルに
大丈夫ですか?と
スージー先生が声を掛けて来た。


正直には大丈夫ではないのだが、
嘘を付いてしまって
バラム先生にバレてしまった。

そこは無視しておいてほしかったんだが…

「それにしても、驚きましたね
…いつもあんなんなんですか?」


「ちょっ!?スージー先生まで
そんなこと言わないで下さいよー」


「ふぃっ!ついついメル先生と
オリアス先生が可愛らしくて。」


「でも最近彼女本当に素直ですね。
表情も大分明るくなったし、笑顔も増えた。」


前は教職員の中でも悩みの種になっていた。
メルの時々曇った目と作り笑顔。

精巧な作り笑顔に、
生徒は全く気付いていないが、
教師にはバレバレだった。



「カウンセラーの方を進めるのも悪いですし、
悩みを聞いては居たんですが
何をお話したんですか?」


「いや本当に教育係だった仲で
資料軽く見せて貰っただけですよ。」


「ほんとにぃ〜?
まさか手出してないよね?」


「ちょっ!!
ほらダリ先生次授業でしょ!!
早く行って下さいよ!!」


ちぇーと言いながら職員室を出るダリに
オリアスは悪周期近くないのかと疑うしかなかった。

「でも今のメルさんの方がとても話していて楽しいです。」

「それは、彼女に内緒でお願いしますね。」

きっと彼女はもっと無理をするだろうから。


そう言って勿論ですと
職員室に居た全員が頷いたのだった。


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