Novel - Paola | Kerry

it's just you


よかった、うそはとどいていない5

20/09/15
9

別に悩んでいるわけではない。
ただ、強いて言うなら…

『飲み会はちょっと…』

「そう言わないで下さいよ〜お願いしますーーー!!!」

『うっ、お願いはちょっと困りますって…』

素の方は人からのお願いに弱いのだ。
おかげ様でとりあえず最初だけと言っていくことになった。
げんこつや魔の居酒屋である。

入間君同様メルも
またお願いに弱かった。


おかげ様で自分のキャパを
超えて作業してしまう



「メルちゃん居酒屋初じゃない!?」

『いや流石に何回か
付き合いで出た事ありますよ』



まぁ魔界初めてだがな。



そう人間界の居酒屋を
思い出しながら同僚に声をかけた


「へぇーお酒飲んだりするの?」

『まぁある程度の付き合いならですが
…基本弱いのでビールとかは無理ですよ。』


この居酒屋に来て速攻で
ウーロン茶とか見つけ出した私だ。


流石に話をするだけで、即帰る予定だ。
オペラからも「お酒は程々に」と言われてきた位だ。



人間界のお酒よりも魔界のお酒は強めな気がする。

多分一滴でカクテル一杯並みじゃないかと思う位だ。



前に一口飲んだらぶっ倒れたからな。



キノセイじゃない筈だ。


「えーそう言わずにー一口でいいからさ」

その一口が命取りなんだよこっちはさ!!

そう心の叫びを無視しつつ、
メルは苦笑いで返した


何時も会話するスージー先生や
モモノキ先生を見つけて逃げた



「もーメルさん無視していいですからねー」


『大丈夫です!
逃げて来ただけなので!!』


「それではみなさん集まりましたかねー!」


うるさい!その声を聞いて誰だと思ったら、
まさかのカルエゴ先生だった
しかもバラム先生が居ると言う事は、
ほぼ拉致られて来たのだろう。

可哀想に。



此方を見ておっと思ったのか
ニヤリと笑われたのでめっちゃ逃げる。

思いっきりモモちゃんの後ろに隠れて。


『なんですかカルエゴ先生』


「お前も来ているとはな
…というか何故避ける。
おい、モモノキ先生の邪魔をするな。」


「いいいいいいえわわわわたしはそそそそs」


『酒つがれそうなので嫌がらせに』


「分かっているじゃないか」


『オペラ先輩から酒はNG出てるんですよ。
今回は特別にオペラ先輩から
許可出たんですからね?』



へぇ何時もは全く出さないあの
オペラ先輩が?と金具をつつきながら
入ってきたバラムに
メルが頷いてモモノキ先生の隣に座った


『ええ、メンバーを伝えたら一応構わないと。
もし酔いつぶれたらバラム君かカルエゴ君
よろしくお願いします。って言われました。』


あと連れて来なかったらどうなるか分かってるだろうな?

とも言ってましたよと
苦笑いするメルに
カルエゴがゾッとした。


間違いなくネタにされるのは
分かったので、仕方がないと
今回酒を注ぐのは諦めた。


乾杯を際して、
ダリ先生が何かを言っているが、
少々悪魔語が分からないので
とりあえず無視して乾杯だけ声を上げた。



+++++++++++++++++++++++++++


「へぇーオリアス先生そこまで手かけてんだ」


『そういやそのオリアス先生は居ないんですか?』


「彼酒弱くてねー来なくてさ。」


あっお酒弱いんだ。
あれ?ヤな予感するけど。


「そういやメル先生、
オリアス先生とはどうなんです?」


『ん?っ、どうって?どうされました?
…はっ私また何かやらかして
オリアス先生怒らせてる!?』


そうウーロン茶を飲み込んで
青ざめたメルにいや違う違う違うと
首を横に振った教師達


本当に疎いんだなぁと言った一人に
首をかしげてその方向を見た


「メルちゃんオリアス先生のこと好きじゃないの?」


『好き?私がですか?
そんな恐れ多いこと望む方が愚かです。』


「え?待って?メルちゃん本気で言ってる?」


「やめとけってメル先生
自分から相手に対してとんでもなく卑下するから。」


そう止める教師、ダリに
へぇーと声を上げた赤髪の教師


「でも意外だな。メルちゃんが
オリアス先生のことちゃんと好きだって。」


『え?違いますよ?
何言ってるんですか?』


「そうやってまたーはぐらかしてー」


『セクハラ発言で訴えますよ』


そんなことしないくせに。
そう言ったダリにメルはだろうなと答えた。

私がそんなことするなら
世界がひっくり返ってもないので
死んで転生したらあるだろう。


酒のつまみになりそうな
おつまみをウーロン茶で
飲み干しつつ、悪魔の話を聞く


「でもあそこ迄ちゃんと見てくれる悪魔って、
ひょっとしてオリアス先生もメルちゃんのこと!?」


『そりゃないですよ。
彼意外と公私混同しない様に分けてます。
距離は適度に保ちますし、
仲良くない悪魔だと距離取ってるます。』


「え?」


『それに彼くらいの
金髪キラキラモテ気∞ループおちゃらけ教師なんて
女の悪魔の一匹二匹いるでしょうて。』


「金髪キラキラモテ気∞ループおちゃらけ教師…」



そうだ、彼は女の悪魔、男の悪魔だっていいさ。
悪魔は悪魔の世界で恋人を作るべきなのだ。
私の様な紛い物が手を出す者ではない。



私が望んではいけない。



でもさ、と悪魔がまた声を上げる。
頼むから、もうやめてくれ。
これ以上私に自覚をさせないでくれ。


大事な物を作ると言う事は
それ程この世界に居続けたくなる証拠になる。



『それに調子に乗って怒られない様に
って私追いかけちゃうだけだし…』

「ずっと目を追う位好きって事だろ?」

『ちょ、恋愛少ないからって
無理矢理くっつけないで下さいよ!?』


二度と手放したくない位、欲してしまうのは。
それは大事な物と言っても過言ではないのに。
ああそうか、分かった。


私は




「そろそろお暇しましょうか。メル、帰るぞ」


そうカルエゴ先生に手を差し伸べられて、
私は頷いて出ることにした。


幹事に酔いつぶれた悪魔を放置して、
そのまま夜風に当たる

身体が火照っているのは
的確な言葉を言われたからか、



それとも





「今日は楽しかったか?」

『…まぁ。そこそこ。』



楽しそうな会話も勿論したので、
まぁ良しとしたらいい。



「あんな奴らの考え等に惑わされてどうする。」


『え?』


「なんでもない。
早く帰らないとオペラが煩いからな。」


『先輩付けないと
何処で言われるか分かりませんよ?』



うるさい!そう言って翼で飛ぶカルエゴに、
バラムが背中乗ってと言って
メルを乗せて飛び始めた。



「翼はもう治ったのか?」


そう飛行中に声を掛けて来たカルエゴに、
メルは気まずそうに言った


『実は…もう、翼出す事難しくて
お医者さんから言われちゃって…』

これは割とマジな話だ。


翼自体ないと言うそもそも嘘ではあるんだが
実は演技として昔一芝居打ってたのが
本当になってしまったことがある。

まぁ演技として打った筈がまさかの大怪我に直結して
お医者さん(オペラさん)にすぐに広げるのも
長時間浮遊するのも困難だと告げられた。


というかそもそも翼は人間なので無いんですがね!!!


「そう、か…すまん悪い事を聞いた。」

『いえ!オペラ先輩からもお酒控えてって言われてるのはお酒で
翼の方までむずがゆくならないようにってことでしたので。』

「そう言う事なら今回はダメだと言えばよかっただろうに」

そう言ったカルエゴに、
メルはお願いに弱くてと言って
お前の弟といい似た者同士だなと言って
ふてくされる様に言葉を吐き捨てるカルエゴ


翼の練習をしていたのはと聞いたバラムに
メルはお恥ずかしながらと答えた


『オリアス先生にちょっと見てもらってたんですよ。
魔術で誤魔化して翼出してたのバレちゃってですね…』

「成る程」

『なので余計に翼出してるのに何で?
って言われかねないので…』


「新人教師だからな
…大体分かった。もういい。」


そう言ったカルエゴにメルはため息を吐いた。


「それにしても今日のテスト素晴らしかったよ。
僕も休憩中に解いたけど
上級生の問題一部分からなかった。」


「っ!!お前また難しい問題だしただろ!!」


『え!?違うよ!?嘘!
バラム先生嘘でしょ!?』


「いやー今度教えてよ。
アレひっかけ何だろうなって
思ってても全く思いつかないんだもの。」


『分かりました。今度教えますね。
ついでに空想生物学の資料渡しますよ。』

「…今回のテスト低かったら
ある程度は見ておけよ。」


分かりました。

そう覚悟をしつつ、メルを
無事にサリバンの家に置いて

そのままオペラに見つかり
モフモフの刑にされたのは
また別のお話だった。









パタンとドアを閉じて、
今日の事を振り返りながら
地面に腰を落とした











『…私、オリアス先生のこと、好き?』










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