Novel - Paola | Kerry

it's just you


パニックパラダイス

20/09/15
86

かがり火に照らされたラモンの農場の中庭、聖ヨハネの前夜祭

農場主ラモンの屋敷では深夜まで農夫たちが
収穫の祭(聖ジャン祭)を祝っているが、
ヴァンサンとの愛を禁じられたミレイユは
失意のどん底にある。

宴たけなわの農夫たちから離れて
ミレイユは部屋に引き籠り、
夢見心地でひとり〈マガリの歌〉を思い出す。

夜が更けると農夫たちも帰って行く。
一人屋敷の庭に残された父ラモンは
思い通りいかない人生を嘆く。

夜が明けようとする頃、彼方から
気楽な生活を歌う羊飼いの少年
アンドレルンが横笛を吹きながら
〈シャンソン〉「日が昇って」を歌う声が聞こえて来る。

目覚めていてそれを聞き、〈アリエット〉
「幸せな小さな羊飼い」を歌って、
その幸せな暮らしを羨やむ。

そこへヴァンサンの妹ヴァンスネットがやってきて
〈二重唱〉「もっと話して」となり、

兄ヴァンサンが卑怯なウリアスの凶器で負傷させられ、
タヴァンのもとで傷を癒していることを伝える。

ミレイユとヴァンスネットはヴァンサンの健康の回復を祈る。

3連符を使った勇壮な和音の伴奏に合わせ
ミレイユは、自分にできるのは
マリア様にお祈りすることだと
サント=マリー=ド=ラ=メールの
教会への巡礼に出向いて行く決死を固める。

ミレイユは、ささやかな捧げ物として
自分の宝飾品を集めて教会に喜捨することにして、
無謀にも十分な準備もせずに家を出て行く。



ー『ミレイユ』フランスの作曲家
シャルル・グノーが作曲した全5幕のオペラより
第4幕第1場


+++++++++++++++++++++++++++

入間が入学してから早くも3日
理事長が入間をアブノーマルクラスにしたのに
メルもまたアブノーマルクラスの教室に足を運ぶのだった。


「ーその方の為ならば命を賭す血の契約なのだ!!」

「凄い脚色されてるっ!!!ああそして効いてる!!」

そんな教室からの声にカルエゴが勢いよく扉を開けた

「やかましいぞ貴様らっ!!!」

「外まで丸聞こえだ、もっと粛にできんのか!!」

そう言ったカルエゴにメルはもう苦笑いするしかなかった。
そんなことが出来ればアブノーマルクラスには入ってないですよ。
なんて口が裂けても言えない話である。

「わー!エギー先生が担任なの!?」

「ああおかげ様でなっ!」

「会議の日に濡れ衣で掴まって…
不在の間に貴様らの担任おもりを押し付けられたのだ…」

そんな怒りに入間はカルエゴの顔が見れずにそっぽを向いていた
エギー先生と言っていた女の子に対して入間がクララ?と声をかけた
ぼーっと突っ立ってるクララに驚いていたのは何も入間だけでなく

アスモデウスやカルエゴもクララの表情が
真顔になっているのに目を丸くしていた


「…いた、やっと」

『え?』

「まっくろ帽子の悪魔さん!!!」

そう言って飛びついて来たクララに
おおおと言いながら手を広げて覆いかぶさったクララを
受け止めきれずに尻餅をついた

抱き着いたクララがぎゅっと胸元に頬を摺り寄せる
まるで母親を今まで探していた幼子の様な…ん?幼子?

「森でクララのこと助けてくれた!!」

『っあああああ!!!あの時の子か!』

「メル、貴様こいつを助けたことが?」

そう言ったカルエゴにはいとメルは答える

『この子が森でぎゃんぎゃん泣いてたのでちょっと助けたんですよ。
そうか〜あの時の子か〜』

そんなに泣いてないもんとほほを膨らませる彼女に
メルはそうだねぇと頭を撫でて和んでいた
どうやら可愛らしい教え子が出来たものだ。

「外へ出ろアホ共!!授業を始める」

+++++++++++++++++++++++++++

学校裏、高台。

「前回の召喚試験とこの授業の結果で
貴様らのランクを決定する。
内容は、谷奥の旗迄の競争だ。」

『(入間君にとっては登山になりそうだな…)』

「無数にそびえる巨大な岩山と巣を守る怪鳥を避けて進め」

「はい!使い魔先生!鳥への攻撃はアリですか?」

「構わん。殺し過ぎは減点だがな。
あと次使い魔先生と呼んだら殺す。」

メルそう言われたのにはぁいと言ってメルが声を上げた

『ちなみに今年は囀り谷のみをコースとします』

「んなっ!待てぃ!!金剪カナキリの谷も通過コースだろう!?」

ああと答えたカルエゴがメルに指を指す。
どうやらまだ説明しろと言うことらしい。

『何故か金剪カナキリの長の気が立っていて
金剪カナキリは立ち入り禁止区域に指定している為です。』

ならぬと声を上げる子に、やかましいとカルエゴが軽く言う
金剪カナキリでないと意味がない理由が見当つかない。

総員準備!そう言ったカルエゴにクララが声をかける
呼び方を止めろと言っても恐らく止めないだろう。

「私は後から追う」

そう言ってカルエゴが翼を出したと同時に周りの者も翼を広げる

「では只今より、飛行試験を開始する」

「ちょっ!まっ!!」

「位置について用意」

スタートと言った掛け声ですさまじい勢いで飛び出した周りに
入間が風で押されて崖スレスレで止まる
セーフと言っていたが、カルエゴが前に行く

「おい早く行け」

そう言って付き飛ばしたカルエゴに
入間が叫びながら落ちていく
心なしかすっきりした顔になっているのに
メルは苦笑いするしかなかった。

『カルエゴ先生私は』

そう止まっているメルに、
カルエゴは別に構わんと言って隣に座らせる。


今年の一年生がどういう者か
精々見ておけと言う所だろう。
今年初めて副担任を任せられたのだ。
生徒位覚えとかないといけない。


そう大きなスマホライブを見ていると
まぁナンパにゲームしながら飛ぶのにと器用な者ばかり…

「…アホばかりか」

『あ、あはは…普通はこれ位なんですか?』

「馬鹿と一緒にするな!!普通はもっと
競争をするなりなんなりしているわ!!」

ぴえ。そう泣きそうに震えるメルにため息を吐いて答える

「しかも金剪カナキリに一名入ったな」

まぁこれで教える子が減って楽になると線を引くカルエゴに
メルはライブとカルエゴの持っていた名前をそっと見た
サブノック・三郎と書かれていた者に線が引かれる。

精々足が取れたら良いとかなんとかに
メルは大丈夫なのかと問うが
助けなくて良いとカルエゴが一言でぴしゃり止めた


「貴様は無能な奴の為にわが身を
削ってまで助けに行くというのか?」

『っ…それが、先生ではないんですか?』

「違う。アレが望んだことだ。
救ってしまえばそれこそ後悔する。」

望んだことに此方が手を出す物ではない。
そう言ったカルエゴに
メルはうぅむと唸りつつそう言えばと話を変える

『入間君、一体何処いったんですかね?』

「…知らん」


+++++++++++++++++++++++++++

「ではこれよりランクの発表を始める」

「ランクフクロウ。貴様らの行動を監視考察していた。
彼の胸の袋に手を入れればランクのバッヂを授けてくれる。」

そう言って取り出したカルエゴのバッヂは8のマークだ
おおーと言ったメンツに順に並べと叫ぶ

「ちなみに、そこのクズ共は一番最後な」

「見せしめだからな。
せいぜい笑われたり小石をぶつけられるがいい」

そうふふっと真顔で笑うカルエゴに陰湿との声が上がる
メルは入間の隣に寄って大丈夫だった?と声をかけた

「長さんを連れて戻ったってことで
退学にはならなかったんだし…」

「まぁあの時の皆の顔は見物だったな。」

カルエゴが絶句で白目をむいていたり
アスモデウスがキラキラした目で入間を見ていたりと
割と面白い光景にはなっていた。

ちなみにメルは驚いた後最早苦笑いするしかなかった。

「己一人では成し得なかったことだ。
改めて助けてくれたこと礼を言う。」

そう言っておじぎを軽くする
サブノックに入間は驚き目を丸くした

『(…ほぉ、これはこれは)』

謝ることが出来る素直な子だということは良いことだ。
多分何らかの事情でむきになっていたのだろう。
ちょっといやかなり見返したぞサブノック君。

「これまでの非礼を詫びよう。主は凄い奴だ。
そして今日から我がライバルだ!!」

「え…え!?」

「おい!クズ共順番だぞ!!!」

そう言われて入間がランクフクロウに手を伸ばす
フクロウは心なしか嬉しそうな顔をしている。

「また変な物出したりして」

「あー使い魔先生とか?」

「おい殺すぞ」

「ランクフクロウは厳粛正確。
どんなことがあろうと決して動じぬわ。」

「この数百年間鳴いたことすら無」

そう言った途端ギャアギャアと
フクロウが声をあげて空を飛び立った

ー良い?メル、これは悪魔が使うレベルを決めるフクロウなの。

待ってと言って手を上げた入間に、一同が唖然とする

ー私や貴方のループを断ち切ってくれる子に一つヒントをあげるわ。

「入間ち、それ、なに?」

『…ーあまねく種族を配下に収め、
血の契約を結び、万物を癒し賜う、』


ー彼は異郷より舞い降りし、
右手に黄金の指輪を宿す者である。

嗚呼…嗚呼そういうことなのか。
この子が、私のいや私達の…
紐を断ち切ってくれる唯一の光

ーその子に会えたら、貴方の味方にきっとなってくれるわ。

例え世界が崩壊する場所に向かおうとも

そう言ってミレイユがフクロウに手を入れて取り出した
その手の中には小さな花が光り輝いていた。
そんな花のバッジはもうミレイユと一緒に火葬していたのだが…

ーこの花が咲き誇る時こそ、本来の力を解き放たれるわ。


『(嗚呼…貴方の言葉が正しいのであれば!!!)』

あの花が開くときが、今来るのか。


+++++++++++++++++++++++++++

時間は少し戻り数十分前

「うおおおお!!!すげぇ!!!」

ダレスだ!そう言った声を出したのはリード
アスモデウスのバッヂに驚いていた

「一年なら普通はダレスよくてベトなのに流石入試主席」

「(まぁ妥当だな…しかし他も意外と悪くない)」

ギメルーアンドロMジャズ

ベトークロケル・ケロリ、プルソン・ソイ

ギメルーウァラク・クララ

「待て待てまてまて!!何故貴様がギメルなのだ!!!」

おかしいだろと叫ぶアスモデウスにクララが
嬉しそうに控えおろうと自慢そうに言う

「私の方がハイランクだ馬鹿者!!」

そう叫ぶアスモデウスそれにカルエゴはぼそり呟く


「試験二位だからな…運も実力のうちか」

「釈然とせん!!!」

「元気だなー入間軍は」

「入間君は何のバッジを引くのかねぇ」

「へーとか?」

「でも変な物出したりしてないよね!」

嘘嘘と言って笑う悪魔の前で、入間が出したのは…


黄金の指輪だった


「指輪?というか」

そっと入間に距離を取る皆に何々とメルは前に出た
それにいかん!と言ってカルエゴがメルの肩を取って
カルエゴの身体の後ろに引かせた

それに何が起きているのかさっぱり
見当つかないメルが首を傾げる

「だってそれ」

そう言った女の子に、
入間の後ろに何かがいるのにようやく気付いた

『「わああああ何これ(それ)!!」』

指輪からなんか!!
えっやだ取って取って!
そう言って振り回す入間に
カルエゴがメルの肩を掴み更に距離を取らせた


「ええい!振り回すな!!」


そう言った途端、黒い悪魔が唸り声をあげるのに
周りの悪魔が耳を抑えて悶え苦しみだした
ええ?何何何!?

「っ!お前平気なのか!?」

『っうぇええ!?ええ、い、一応…』

「じゃあアレを何とかしろ!!仮にも弟だろう!!」

そう言ったカルエゴだったが入間がやっていたのは

「こっこうですか!?」

黒いものを抱きかかえて赤子をあやしていた
それに思わずリードがつっこむ

「ちげぇ!!口とか塞げって意味だよ!!!」

それに気づいたのかクララが子守唄を歌い始める

「騒音増えたぞ!!!」

そう言って不味いと思い気を張ってたが
和みだしている黒いものに周りが騒ぐ

「ノリいいな!」

「菓子をやろう!」

「写真とろう!!」

「楽しむな貴様ら!!!」

そう叫ぶカルエゴにメルはまぁ落ち着いてと声を出す

『(それにしても指輪違いか?)』

あんな黒いものの説明は聞いたことがないし。
そう悩むメルの前にサブノックがうぬに任せよと前にでた

「案ずるな我が宿敵よ。」

「こんな黒煙はひっこぬいてや」

そう言っていたサブノックに黒いものが触れると
突如彼は膝から崩れ落ちて倒れる

「さ、サブノックくーーーん!?!?」

焦る入間に、アスモデウスが
何をやっている阿保とサブノックを貶す

入間さま此処は私がそう言って
おじぎをしているアスモデウスに
黒いものがかみつくとまた同じように倒れる

「デジャヴ!!!」

「大丈夫です入間様…
どうやら魔力を吸われたようですが…」


そう言ったアスモデウスにカルエゴがメルの名前を呼ぶ
メルも一度は聞いたことがある内容だった

「…メル」

『わかりました』

他の生徒を傷つける訳にもいかない。
メルはポシェットに手を突っ込む準備をする


「私にはこの程度痛くも痒くも…」

『いや被害が凄いけどアスモデウス君!?』

まだ食えると思ったのだろうか、
黒いものがアスモデウスにかみついた
その為か血反吐を出すアスモデウスに思わずメルもつっこんだ


『ちょ入間君みせ』

そう言って入間の腕を掴んだ後、目の前に大きな身体が見えた
黒い髪の毛に大きな角をつけた巨体に身体を逸らした


ーお前が、永久の魔女アル・カナシスか。

『っえ?今なん』

そう言って答えを聞こうとした瞬間消えて居なくなる
あれ?そう首を横に振ったメルに、
カルエゴは何をしていると言って
入間の肩を掴んだ

すると目付が代わり、手を上に上げた途端
だーめっと優しい声が聞こえた


「こーらっそれはだーめっ」

理事長!?そうカルエゴとメルのはもった声に
はーいお爺ちゃんだよーと理事長ことサリバンが手を振る

「もうカルエゴ君ったら今
入間君の腕ごと吹き飛ばそうとしたでしょ!」

そう言ったカルエゴにメルがえぇ!?と声を上げた

「生徒に危険が及ぶと思ったので…」

「短気は損気!もう騒音に驚いて来てみれば…」

飛び出した黒いものにサリバンが手を出した
突如黒いものが膨れ上がり止まるのに皆驚いて固まる
暫くするとしゅるっと引っ込みサリバンがメルを呼ぶ

「メルちゃん、あの指輪って皆に説明できるかな?」

『えっ?あ、わ、私ですか?
考えてるのがあってれば…ですが』

そう言うメルにサリバンはいいよと言った
メルはカルエゴの方を向いて喋っても良いかと目を向け
カルエゴは顎を前に出して言えと
指示を出すだけで口を閉ざしたまま腕を組んだ


悪食あくじきの指輪。
持ち主の魔力を溜めておく魔具だけど
中身が少なくなると無差別に魔力を食べる、
…一回はめたら外せないとんでもない指輪…ですよね?』

「っえ!?」

「そうそう。ある程度魔力を込めれば無害だしねぇ」

「しかし!!」

「フクロウ君はたまに変な物出すんだよね。
千年も生きていればレアなパターンもあるって…例えば」

メルちゃんそう言ってメルにサリバンが
フクロウに手を突っ込めと言う
いつの間に帰って来たのかフクロウが此方を見ていた

渋々嫌ながらも手をそっと入れて掴んだものに
メルは顔を青ざめた。


「…こんな風に、花を出すことだってある。」

「花っていうか、ピンバッジ?」

そう言って手の中にあったのは、
ミレイユと一緒に過ごしていた際に出た
白いデルフィニウムの形を取ったバッジだった
直径は5p程だろうか、
白い色が少し輝いて見えなくもない…

『っ!?(何で!?どうしてこの花が!!!)』

「…どうやらランクフクロウの調子が悪いようですね」

「おやおや」

そう言ったカルエゴにサリバンは少しため息を吐いた
サリバンはメルに近づいてこっそり言う


「ー君は超激レアだしね」

そう言ったサリバンにメルは苦笑いするしかなかった。
帽子の裏にダレスがあることは告げていないがちゃんと
ランクバッジはあるんだと言うことを伝える。


その後記念撮影をして、
そんなこんなで初授業は終了し
測定不能の入間のランクは一番下のアレフとなった。


『(鈴木入間…鈴木…いやないだろ)』

そう首を横に振ったメルはというと、
場所別として魔女の姿で
ログハウスの地下に入って調べものをしていた。


というのも人間のそれも
日本の神話について調べていたのだ。

『確かに人間が神に魅了されて
引き上げられるやつとか逆もあったけど』


それに一度も鈴木という者はないし、
それに日本だと家系図はかなり複雑になっている。



分家や本家で分かれて行けば
もう祖先がそういう部類かどうかも分からない。 


『流石にないない…それに』

入間は人間であり、魔女ですらない。


だとしても黄金の指輪に…
同時期にデルフィニウムの花が戻ってくるとは
流石に偶然にしては出来過ぎている気がする。



『…彼の者、闇よりも尚深きし者光よりも尚眩き者』



深淵に揺蕩う一滴の魂よ
血より深きし契約のもと、
大いなる災いをもたらさんことを…

彼は異郷より舞い降りし者
白い花を胸に宿す者である…



『赤本341ページ…ったく。コレかぁー』

そう日本の花の本のページを
開いたまま赤本を見て空を見上げた



デルフィニウムの花言葉は可憐な瞳、
誰もが貴方を褒めると言った
かなりこっぱずかしい内容である。

だが…それはあくまでも表の話。


デルフィニウムはイルカが
登場する神話の物語にある花でもあるのだ。


その花言葉は、「傲慢」「激しい愛着」
かなり危険な花言葉にもなっており、
警戒しておいて損はないだろう。

せめて表の意味合いで終ればいいのだが
どうもそうはいかないだろう。
傲慢はともかく、
激しい愛着はちょっと思い当たる節がある。




『…君に愛着を持ちすぎているのは分かっている。』



だが、この時間を切ることは、私は不可能だ。
何度だって君に手を伸ばしてしまうこれは
もう呪いと言っても過言ではないだろう。
それでも、私は貴方が笑って居る姿が何よりも好きで嬉しい。



嗚呼、これこそが激しい愛着と呼ぶにふさわしいだろう。



『…いかんいかん、これで充分だろ。』



警戒に越したことはない。
そう思ってメルはログハウスから出る


案外ゆっくりとやっていたのだが、
まとめ始めて半年以上
本の総数はもう100冊をとっくに超えており
なんなら二つ程本棚は埋まっていたのだった。



毎日コツコツと続けて居ればそりゃあそれ位の量になる。


それにまとめていたおかげか知らないが、
無駄なページを省くことが出来た。

その分絵を描いたりして
ちょっと増えたページもあったが
全体的には恐らく千ページは軽くなったことだろう。



一番上の棚が少し寂しいが、まぁ良いだろう。
一列綺麗にないが荷物を置けば紛れるし。


クララの森の方に本を移動するための本を纏める
魔術、歴史の部類は制覇した為
残るは薬学や日本などの文化方面


…赤本の謎を解き明かすことだ。



まず薬学の方が優先だろう。
流石に日本の文化系は後回しだ。
薬草の乾燥剤も入れないと駄目だな。



そう思いつつ、メルは一冊の本を
手に取ってまた寮に戻ってきた



ため息を吐きつつ、
今回から日記をつける様にする。



勿論日本語で、入間宛てにということだ。
…恐らくちょっと頑張れば
魔女の魔法だって使用出来るだろう。
だが、それは私が出来る限り防ぎたいことである。




『…魔女は良い死に方等しないのだから』



私だって、きっと最期は悪い死に方をするだろう。
その時まで、どうか笑って居られたらいいと思う。
…入間に引き継がせないようにも。踏まえて。




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