Novel - Paola | Kerry

it's just you


パニックパラダイス2

20/09/15
87

クロー平野の砂漠地帯

ミレイユはクロー平野の砂漠地帯をさまよい
〈アリア〉「歩きましょう」を勇ましく歌う。

オーケストラがオペラの最後で聞かれることになる
「聖なる陶酔、崇高なる恍惚」の音楽を
この場面で一旦誇張して提示する。

格別の備えを持たずに飛び出してきたミレイユは
夏の暑さと強烈な日差しで疲労困憊してしまう。

遠くの空に蜃気楼が見え、湖畔に壮大な街が目に映る。
やがて蜃気楼が消えると、
ミレイユは道に迷って気絶してしまう。

羊飼いのミュゼットが遠くから聞こえてくると、
ミレイユはなんとか意識を取り戻し、
再び「歩きましょう」を歌いつつ、
歩き始めるのだった。



ー『ミレイユ』フランスの作曲家
シャルル・グノーが作曲した全5幕のオペラより
第4幕第2場

+++++++++++++++++++++++++++


「それは何ですか?」

そう聞かれたのにメルは嗚呼と声を出す
最近は忙しい為職場でもう隠せないと察したメルは
空想生物学の研究で薬学を纏めているんですよと言った。

勿論嘘であって、本当は魔女の研究であった
本を移動するために資料としてまとめている所だったのだ。

本当のこと言えなくてごめんね。
あとバラム先生とかダリ先生近くに居なくてよかった。
そう心の底から安堵しつつ、メルの本には
日本語で“注意”と書かれたページに入っていた

「これはどのような文字なんですか?
視た事もない文字ですが…」

『ああ空想生物学の文字でして、
人間が使っているかもとされる文字ですよ。
一応完璧に再現可能にしました!!』

嘘です。本当は人間のそれも
日本人生まれの日本育ちだったので
本来はこの文字が本当の文字なんです。


あと悪魔の文字ローマ字と
同じだから勢いで覚えれてるだけだよ!!!



「へぇー!これは何て読むんですか?」

『え!?あ、ああ…これはオミナエシと読みますよ。』

「綺麗な金色なんですね!!」

『ええ!実は木とかにも木材とか
葉っぱで作れる薬剤がありまして
桜と呼ばれるピンクの花を咲かせる木とかが有名で』


そう言った途端どごおんと言った
とんでもない音が鳴り響き
何事だと職員室が一気に緊張感に包まれたが
植物塔からの話が入ってくる



「なにごとだ!!」

「それが!ピンク色のでかい木が生えまして!!」

「…ぴんく?」

『…知らないですよ私知らないですこっち観ないで』



そう全員がメルの方を向いたのに
メルは顔を伏せるように
頭を腕で抱えて机に突っ伏した


数時間後、騒動が起こったのにひと段落付いた頃だった


メルは植物塔に行く前にその姿を見て鼻で笑った後
つづけて笑ってしまった

『っふ…っくく、はははっあーあははは!!』

まさか、良く使っていたあの木が、
またそこで実とは思いもよらなかった。


白くふわりと入ってきた花にメルは薄桃色が恋しくなった


『…桜の木』

そう言ったガラスの外では
桜の木の下で見物客が大賑わいしていた

入間が唱えた魔法は「クワンクワン」
植物を成長させるものである。


想像通りの植物が育つものであり、
魔力があれば可能である。

恐らく黄金の指輪に溜めた
サリバンの魔力を最大限に出したから
あんな恐ろしい木がはえたんだろう。




…樹齢一億年位ありそうな、巨大な木が。




『(ったく、人間ってことバレるのだけは避けて欲しいものだ)』




此方にターゲットがかかっても何らおかしくはない。
それに気づいたのか、
コツコツと前から赤髪の女性が歩いて来て
メルの目の前で止まった


『…おや、私に何か御用ですか?
生徒会長の、アザゼル・アメリさん。』

「はい、メル先生に少々お聞きしたい事がありまして。」

お時間よろしいですか?そう言ったアメリにええと端的に答え
彼女の部屋に行くことに同意した。

さて、どうなるか





「メル先生、つかぬ事をお聞きしますが、
あの木は何という植物ですか?」

『えと…何故私に?』

「私はあの植物が魔界にあるものではないと知っています。」

その言葉に眉を少し動かしたのがいけなかったのか
アメリの目が少し細まったのに気付かないメルではなかった

「人間界の何処かに存在している…木である可能性も。」

『…もし言わなかったら?』

「入間君に直接聞くつもりです。」

『…何故私で?バラム先生は?』

「聞いても知らないと仰っていましたし、
メル先生に聞いてみたらともいわれましたので。」

バラム・シチロウ…!!!!!
今度覚えておけよ絶対覚えておけよ。
そう危険になっている今、
彼に呪いの一つや二つをかけたくなった。
気持ちをちゃんと落ち着かせる。えらいぞ私。


『…わかりました、あの植物は桜という木のものです』

「さく…?」

『桜です。さ・く・ら。この鉢ちょっとお借りしますね。』

そう言って取った鉢にクワンクワンと唱える
盆栽の大きさ並みの桜を作り出してアメリの机の前に置いた

『これはピンク色で入間君が作り出したものとは違う種類の桜です。
垂れていることからしだれ桜という名前が付けられています。』

「これが…ではあの桜の名前は!!!」

『種類は100を超えますので定かではありませんが
…カスミザクラという桜に近い気はしています。』

「では彼が人間だとお認めに!!!」

そう言った彼女に待ったをかけた
それは教師としてでも、彼の姉だからでもない
間違えてはいけないのだ。

『だからと言って!!…本当に人間だとお思いでしょうか?』

「っ!!」

『彼が空想生物学をこよなく愛する悪魔であればどうですか?
貴方がそうやって思い込みで彼のことを考えて発言したことが
彼の人生を狂わせるきっかけになると、立場上分からないとでも?』

そう言ったメルに、アメリはぐっとこらえた
だがしかし、現実そう桜が咲いているのだ。

『それに!彼は魔術を使って桜を作り出しました。
貴方がどれ程存じているかは知りませんが、人間は本来
魔術を使用できない生物です。そもそも桜を作る事すら不可能。』

「むぅ…だが!!」

『そもそも桜をあんな綺麗に咲かせる人間が
こうも魔界にポンポンポンポン湧いて出てきたら
それこそ秩序が乱れるというもの。』

私はあくまでも資料を元に再現できた教師だから言います。
無駄に下手な動きをすれば、自分の首が死ぬことを。

そう忠告したメルにアメリは謝る
それに分かれば良いとメルは優しく答えた


「すまない、つい無理な事を聞いてしまったな。」

『いえいえ、私もむきになってすいません。
一教師と言えども悪魔ですから、
多少のミスだってあります。』

そう言ってメルはそっとアメリの席から外れ扉を閉めた
少し警戒していたアメリの目が完全に和らいだことで
勝ったとは思ったが…警戒は怠ってはいけない。

それでも『ふぅ』と息を吐いても構わないだろう。
寮に戻る前に、スージー先生の所に寄って
掃除の手伝いに行ってみようと思う。

辺りは暗くなって来ており、
もうこんな時間かと思った
急いで植物塔に向かうと、
どうやらもう掃除が終わって
誰も居なくなる所だったらしい。


スージー先生に会って
良い子ですねぇと入間の話をされた



「入間君、何でも頼んだらはいの
一言で全てやってくれたんですよー」

『そう、ですか…(嗚呼あの子は断れる術を知らないのか)』

まるで、昔の私と同じではないか。
そう思っていると、
スージー先生が気になりますか?と声を掛けてくれた

『っはい?』

「入間君、貴方ととてもよく似ています。まるで兄弟の様」

『っそれは!!』

「本当の兄弟でなくても、きっと似たような生活をしていたんですよね?」

『…私からは、なんとも』

そう苦笑いして答えたメルに、成長しましたね。と
スージーは聞こえない声でぼそりと呟いた。
それにメルは首を傾げたが、
スージーが帰るよと言ってやまないので
メルは追いかけることにした


桜の木の下は、怖い話がある。


『(桜の色が濃くなればなるほど、
地面に死体という栄養分があるから綺麗に咲くのだと)』

それは、この学校で多くの死人がいたのだろうか?
それとも入間がただ咲かせた桜が綺麗だったのだろうか?

後者であることを願うばかりである。

+++++++++++++++++++++++++++


「メル様は人間界に戻りたいとは思わないんですか?」

『っふぇ!?ななな何を入間君急に!!』

学校に通いだしてから数週間、入間が急に職員室に来て
少しモヤっとした顔で此方を呼んだ時は少し焦った。


メルはとりあえず誰も居ない事を確認して
盗聴不可能にすると同時に視界に視認しないよう
魔法をかけて部屋に鍵を閉めた。


これで暫くは此方の方を
見向きもしないし聞こえもしないだろう。


そうして切り出した言葉が、
人間界に戻りたいと思わないかと言う問題だった。
それに、入間が続けて言葉を話す


「僕、今日オペラさんにそう聞かれて
…メルさんはどうなのかなって」

『…戻りたい、時もあるよ』




そりゃあ故郷だ。


恋しいと思う時だって必ず来たし、
今も少し感じる。


桜の木の下で、見たあの光が…
いつか見せてくれたあのミレイユの笑顔を思い出した。


そう言えば桜の木を咲かせたのは、
二回目だったかもしれない。


アメリの前に…ミレイユの、
いや…少女の前で、一度だけ。


白い翼から羽根が落ちていくのに
少女が笑うそんな姿が入間の声で戻された



「メルさん?」

『ああ…ただ、私は親に愛されたことが無くてね。
ありがとうも聞いたことがない位の子だったから
帰っても居場所はないよ。』

「そんな…こと」

『強いて言うなら…
一人女の子を寂しい思いにしたことがあってね。』

「え?」

『その子がもし、人間界に戻りたいと
一緒に暮らそうって言うなら…きっと戻るよ。』

「それは…」

『嗚呼今じゃないよ…
でも、オペラさんから聞いてない?』

ハイランクで学校を卒業すれば、
人間界に行くことも可能だということも。
それに頷いた入間に
それじゃあそれまで勉強するんだねと答えた。





『…私はね、死んだら人間界に戻るよ』

「…え」

『遺体は、大事な師匠の隣で
青い炎に包まれて火葬してもらいたい。』

「そんな!!」

『まだ死ぬつもりはないけど…
入間、君が帰りたいなら私が帰らせて上げれる』



一応記憶を保持したまま人間を返すのは良くない。
寧ろ罰を受けることになるだろう。


まぁそうなれば山の中に引き籠れば此方の勝ちなのだが。




そんなことは、最悪を考えた時に実行するものだ。




だが、





『でも君はまだここで生きてみな…大丈夫、皆優しい悪魔だし
それに教師だって一応私融通効くから!』

そう威張るメルに入間は苦笑いする

『だから頑張って。
此処に居るなら…覚悟が必要だよ。』

そう目を細めて下から覗き込むメルに入間は驚いた
オペラと同じような事を言ったからというのもあるが
何より、メルの目が薄っすらと銀色に光った気がしたのだ。

『さて!お話は終わりかな?』

「っは、はい!!すいません忙しい時に話しかけて」

『いいよいいよ!次の授業遅れるなよ!!』

そう笑って背中を叩いて彼を見送った


「…優しいねぇ〜おねぇちゃん?」

『…っるさい、この金髪キラキラ馬鹿悪魔』

「え?馬鹿って言った?ねぇ馬鹿って言った?!」

そう言ったオリアスにメルが煩いと一言言って歩き出す
勿論魔法も解除してそのまま入間とは違う方向に向かってだ。


『(覚悟…か)』

私は覚悟があるだろうか?
あの黒髪の毛の男性が言っていたような




永久の魔女アル・カナシスにふさわしい者だろうか?



そう思っていると前から
コツコツと歩いて来ていたのはアメリだった

「失礼します、オリアス先生今メル先生とは」

「ん?嗚呼いや特に用はないよ、
そいじゃメルちゃんまたねぇ」

『はーいもう来なくていいですよ金髪悪魔さーん』


ちょそれ変なあだ名覚えるから辞めて!?
そう叫ぶオリアスにメルははいはいと笑って答えた
仲が良いんですねと言ったアメリに一応上司だけどねと笑ったメル

げっそれ大丈夫?そう言いたそうな顔に
メルはケラケラ笑って
アメリが何を言いたいのかが何となく分かり、
場所を変えようと提案をしたのだった


+++++++++++++++++++++++++++




『へぇ入間君の野望…』

「私は、悪魔であることに誇りを持っているし、
皆にも悪魔に生まれた事を誇ってもらいたい」

嗚呼…そうだ、本当に誇って良いと思う。
私は少なくとも、
悪魔に生まれたかったと何度思ったことか。

「だから、生徒達の質を向上し
この学校を悪魔達の憧れの学び舎にしたい。
それが私の野望だ。」

そう言ったアメリに、
良い目付になったなとメルは微笑んだ


「メル先生はどのような野望があるのかと
一生徒会の一人としても、個人的な意見としても
聞きたくなりまして…!」

『えぇ…野望、かぁ…ただ』

少女が浮かび上がった

『ずっと一緒に居れたらいいなって』

「それは理想でしょう?」

そう言ったアメリにメルは目を丸くして彼女の目を見た

「理想と野望は違う。
私が聞いたのは野望のほうです。」

入間と同じような事を言いますがと言って続けるアメリに
メルはきょとんとしたまま固まっていた


「私が知りたいのは
自ら掴もうという
貴方の意志「欲」です。」



自ら掴んで、手を取って、自分の力にする。
それを、彼女は知ろうとしている。

「もう一度聞きます。
メル先生…貴方の夢は一体なんですか?」

少女が笑って傍に居られたら、
ただそれだけで良い。


それだけを望んだから…
消えて居なくなってしまったというのか?

それなら、少女をもう一度
傍に居座らせる?いや違う。

本当に、本当に私が願っているのは…!!


『…最初は、誰もが私を貶す物だと扱っていました。』

「?」

『言葉を喋るただのゴミ同然だと思っていたんですよ。
でもとある子に出会って、意識をゴロっと変えられました。』

ーねぇ!これきれいっていうんだよ!!

『その子は一つ一つに敏感で、
笑顔の絶えない優しい子でした…
ですが一つの間違いで私は
その子をこの手で殺めてしまった。』



ー大丈夫、だよ…ずっと、いっしょ



『もう二度と、私は出会った者達を悲しませない。
そしていつかその子が笑った様に、私も笑って前を向いて…』



ーねぇ!このお花をあげる!!私とってもすきなんだ!!



『最高の、魔女になってみせると
…決めているんです。』



嬉しそうに笑う少女に向かって、私は言った。
眉を上げてうっとりした表情できっとあの子なら
嬉しそうに笑ってきっとなれるよと言ってくれるだろう。



永久の魔女に、相応しいと言われるのであれば。
いっそのことなってから、
嘆いてしまえばいいではないか。
そうだ、天使が騒ぐ位だ…

きっととんでもないことが出来るに違いない!!

だが、目の前にいたのは、アメリであって
メルは場を思い出してすいませんと謝って首を振った

それにいや謝るなとアメリが声を出した

「…素晴らしいではないですか。」

『へ?』

「生徒を平等に思いやり、
家系の継承を継ぐというその意志、
感動しました!!!」



おっと!?勘違いしてる!?
魔女と言う言葉は余り知りませんが
そう言ったアメリに
メルは授業できっと習うよと苦笑いした


嗚呼言ってしまったからには逃げれないだろうな。
頭をかいてメルはそっと言おうとしたことを
アメリに止められてしまった

「…今は、言わなくて構いません」

『っええ!?でも』

「きっといつか、
私が気付く時が来るんでしょう?
その時に私は貴方に確認を取りに行きます。」


その際はどうか逃げないで私に言ってくれませんか?
そう言ったアメリに分かったと言って笑ってみせた

「そうだ!メル先生!!この本は読めますか?!」

『え!?あ…え゛』

何で漫画が?そう言ったメルがしまったと声を出すも遅い
漫画と仰いましたね!!今!!そういったアメリに
メルは半泣きでひぃいいと悲鳴を上げる

これは、そう言ってアメリが本に向かって詠唱を唱えると
本の中から本が出て来た。
正確には本棚の間から割って本棚が出て来たのだ。
隠し扉みたいなものかと思っていたが、その中は全て漫画であった


しかも初恋メモリーという、少女漫画である。


魔界語はサリバンから定期的に
翻訳魔法を付けてもらっている為
一応魔界語は読めるし書けるのだが、

日本語は悪魔は知らないものだ。

それもつい最近モモノキが覗いて
聞いて来たのを思い出した。

『いっい…一応、空想生物学の範囲なので。』

「では!!読んでいただけませんか!!!」

『ちょ、ちょとちょっと待って!!
アメリさん、コレはどうしてここに!?』

「我が家に伝わる禁書です。
さぁメル先生!!読んでください!!!」

『うぅーーー!朗読はちょっと…』

それに読めると言っても場合による。
私の場合は読み仮名が付いていればまぁ読める範囲だ。
難しい当て字とかの説明になるとちょっと話が変わってくる。

それこそ担当者に読ませた方が的確だったりするのだ。

「そうですか…入間君は読んでくれるのですが」

『いっ!?入間ぁ!?』

あいつ…本当に人間ってバレない様に動いてる?
ひょっとして動いても気付いたらバレかねない行動になってる?
そう慌てるメルに、アメリはため息を吐いた。

「冗談です。お忙しい所に甘える程私も我儘は言いません。」

『…少し位なら、週に一度位?』

そう言ったメルにアメリは是非!と言って手を取った
メルは仕方がないなぁと笑って、女性ならではの立場として
恋愛漫画の話でアメリと打ち解けたのだった


+++++++++++++++++++++++++++

『っげ!!もうこんな時間!?』

そう驚いたのは日暮れ、
会議はもう終わって教職員も消えているだろう。
スマホの履歴を見るとオリアスやバラム、
ちなみにカルエゴからもかかっていた


あーーーこれは…明日大目玉だな。
そう腹をくくりつつ、
此処まで時間を忘れた会話をしたのは
何時ぶりだっただろうかと思う。

ミレイユとの時間もあっという間だったが
何より、最近はオリアスと
会話している時間が凄く短いと思う。


触れている時間がもっと
長くあればいいのに、なんて思ったりした。

案外彼のことは何も知らないのだ。


「何か用事があったんですか?」

『いや…職員会議すっぽかしちゃって』

「え゛そそそそれは申し訳ない!!
私も謝りに!!」

『いやいやいや!!良いよいい!!
話の内容、知られると不味いでしょ?』


そう言ったメルにアメリはううっと唸る
大目玉と反省文位でこの子の秘密が
防げるのならお茶の子さいさいだ。


生徒にはつくづく甘いなあと思ってしまう。


そういやドゥルジは元気だろうか?
彼女はもう四年生になっており、
実習でもう殆どいない。
寂しくはなるが、仕方がないだろう。


元気でやっていればそれだけでいいし、
それにヴィーヴル族の子供が使い魔なのだ。大丈夫さ。


「それでも…今度はきちんと予定を
確認してからにして下さい!」

『あはは、善処しますね。』



きっと忘れん坊の私のことだ、またやらかすだろう。
フラグを立てつつ、しない様に心に誓い、私はそのまま
職員室に帰ることにした。

明日にすれば大きくなるだろうし。

無事に帰った後、職員室で大目玉を食らった。
ちなみにメルが帰る時、アメリがやってきて
生徒会として重要な話をしていたことを
カルエゴやダリの前で言った事で
最初だけの怒りで済んだことで終った。

…今度と言うか今から人間界の珍しい花でも育てるか
そう思いつつ、メルは女性寮に帰っている頃
ピロンと携帯の音が鳴った。

それは読書会をする為の、アメリとの連絡先だった。
いつの間に入れたんだあいつそう思いつつ
お姉さん、一応生徒と教師ですよーと
言ってメールを打とうとしたが


消して宜しくお願いしますと
アイコンマークを打って送信した。


次の日、怒り過ぎたのをアメリに言われたのか
アメリが流石に言い過ぎだとカルエゴに
メルに謝って欲しいと言ったのに、付き合って
後日反省文を追加で出されたのはアメリに内緒である。



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