「ランク上げに苦労してるって聞いたよー」
『入間の話ですか?カルエゴ先生にパスで』
「おい待てお前の弟だろう何故こっちに渡す」
『貴方も使い魔でしょうに』
そう言ったメルにカルエゴがぐぐぐと言うに
苦笑いしつつダリがメルに声を掛ける
「良いの?説明しておかなくても」
『ええ、彼はきっと大丈夫ですよ。それに
ハイランク悪魔は私ではなくオペラさんにいくは』
「失礼します!!黒魔女さんいますか!!!」
そう言ったクララに和やかだったメルの姿は一辺し
クララの目の前で箒を取り出して浮遊し
『…貴様その名を二度と呼ぶな』そう言って脅したのは
暫くクララのトラウマにもなり、教職員もメルに対して
下手に魔女と呼ばない様に注意しようと心に誓ったのだった
『で?クララちゃんどしたの』
「メルせんせ…っぐ、特訓、して欲しくて」
『わ゛ー分かった分かっただから
泣くな!!泣くな!!!!』
ごめんって!!つい魔女に敏感でね!!
そう言ってクララの手を取って職員室から勢いよく
箒で飛び出したのに、元気だねぇとダリが笑って答える
場所は代わり、入間の家、サリバン邸
オペラの指導のもと入間が避けるのではなくちゃんと
ボールを見て取れるようにオペラが投げまくっていた
『私やることなくない?』
「おや、おかえりなさいませメル様」
「メル先生…?どうして此方に?」
そう言ったアスモデウスにクララがあれ?と声を出す
「アズアズ気付いてないの?」
「何がだ!!」
「メルち、入間ちのお姉ちゃんだよ???」
「っえ!?!?」
そう驚いたアスモデウスにいやあとメルは苦笑いする
入間の存在が強すぎて、インパクトデカすぎているのか
此方の家族の存在に気付いていなかったのは少し驚きである。
『へへ、改めまして、うちの弟がお世話になっております。』
「いえいえいえ!!!入間様のお姉さまだとは
このアスモデウス気付かないとは一生の不覚!!!」
『いやそこまででもないよ』
「メルお姉ちゃん、
ランクっていくつなの?」
そう言われてメルは帽子を手に取り
中を探ってバッジを取り出した
ダレスの輝きにアスモデウスが
なんでと大きな声を出した
「どうして
そのような低ランクではありえる筈がありません!!!」
『あはは、色々あって今ダレスなんだよね。
まぁ教師だからと言ってランクが
これ以上上がらない訳でもないし
あげようと思えば上げれるけど、時間がないからねぇ』
メルは魔女の見習いであり、完璧な魔女になる為にも
とりあえず倉庫の全ての本を丸々書き写す作業がまだ残っていた。
夏休みで最後の仕上げを追い詰めれる予定ではあるが
その前に薬剤の調達にもいきたいと思っていた。
それに副担任も重労働である。
カルエゴに入間の恨みを買われているのをねたまれているのか
しょうもない地味に面倒な頼み事が此方に回ってくる。
ふっと笑いつつ、余りにもやり過ぎているのを見かけると
たまにダリ先生にカルエゴが怒られていたりするが。
「なりません…ですが!!!」
『私今のランクでも結構いいんだよ?』
それに…10になったら本当にどうなるかわかりゃしない。
ラグナブレードの威力からして
普通にケトレベルなのは間違いないが
能ある鷹は爪を隠すということわざもある。
これ位の低ランクだと、
逆に狙われない可能性が高くて
割と良いランク帯だと自分的には思っているのだ。
ですが教師でもまだハイランクでは
ともごもごするが
ではやってみますか?とオペラに言われ
メルやアスモデウスが目を丸めた
「メル様、アスモデウス君に思いっきり
何をしても構いませんので当てて下さい。
アスモデウス君も同じようにして頂ければ。」
意味ある?そう言ったメルに、
オペラは軽く運動してくださいと言われた。
ぴしゃりと言われた言葉に
冷たいなぁと思いつつ、初めの合図で
魔女の帽子を深く被った
「そのままでは、少々動きづらいのではっ!!」
『っ!!どうかなっ!!』
そう言って受け取ったボールは炎がかかっており
ぱっと見より少し熱く感じるが死ぬほど熱くはない
どうやら調整が出来るようだ。
全く器用な子だ!!!
腕を真っ直ぐにして勢いよくボールを投げる
そのドッジボールというよりかはキャッチボールに
オペラはメルの動きを見て下さいと入間に指示をする
メルは何も使わずにアスモデウスのボールを
取っているように見えるが
手の平には白い湯気が立っているのに入間が気付いた
『“
そう言ったメルの手には冷気が溢れており、
アスモデウスからの炎の攻撃を
打ち消して取って投げ返していた
それだけではない、メルの動きはかなり細かく
加減を知っているのか前に進むときには勢いよく
後ろに進むときには後ろに回って
一度空を見てから場所を決めていた
『くらえ!“
そう言ったメルが出したボールの周りに光が放たれ
ついアスモデウスが目をつぶってしまったのに
入間達も目を閉じて暫く何も起こらないのに目を開ける
「勝者メル様」
『うし!!』
そうガッツポーズをするメルに、
完敗ですと泣くアスモデウスにメルは苦笑いした。
さっきのなになに!?と言った
クララにメルは説明する。
『アレは火炎の球を作って、威力よりも
光に近づけさせただけのだまし討ち的な物だ。』
その為威力はかなり落ちるし、
目くらましにもってこい。
しかも地味に痛いは痛い。
直で当たると普通に火傷はするだろう。
アスモデウスに直撃するわけでもなく、
周りと球に付けることで周りを見ても
直でボールを見ても光って目が見えない様にする
一時的に隙を作って、
そのまま加えて加速するように火炎球を作って
押して当てたのだった。
おかげ様で此方は勝てたが、
結構怪しい動きである。
『こっちの隙ができやすいし、
結構使い処難しいんだよ』
「それ唱えたら使える!?」
『いや、誰でも使える訳じゃないよ…家系能力だし』
「そうなんですね!!」
まぁ魔女だからね。
家系能力魔女ってどういうことだよって思うが。
もうこの際面倒なのでそう言っていればいいだろう。
…本来は幻影と幸運が二重になっているのだが。
知らないままでいい話である。
「…そうか!オペラさん!
もう一度特訓お願いします!!!」
そう言った入間にオペラが分かりましたと言って
ボールを投げると逃げてはいるが、
一瞬だけメルと同じようにボールを見た
それにオペラやメルが
目を丸くして驚き声を出せずに見ていた
落ちて行ったボールに、
とれなかったですがと笑う入間だったが
メルは少しニヤリと笑ってしまった。
『…面白い子ですねぇ』
「ええ、貴方と比べると互角ですよ」
『おやおや此処まで面白い子でしたか?』
そう微笑んだオペラに
その顔を是非見せてあげろと思った
先程から表情筋がぴくりともしないのに笑いが止まらない。
それから、入間はコツを掴んだのか
メルのことを思い出しつつ
当日まで特訓をし続けていた結果
「ミルミル!!」
『お?クララちゃんか?どした』
そう職員室を大きく開けるクララに
メルは苦笑いで席を立った
みるみる?そう言ったオリアスに
メルはあだ名ですよと答えた
「入間ちが!入間ちがね!!」
『っ!入間君何かあったの!?』
「違う違う!!とったの!!!ボール!!!」
そう言ったクララに、
周りの教師は首を傾げていたが
メルはわなわなと震えて取った?
と答えたのにうんうんと頷いたのを見て
『うわああああすごおおおおおい!!!!』
「っ!ちょメルちゃん!?」
『凄い凄いよ!!
クララちゃんどこどこ!?
何処でやってる!?』
「こっち!!」
そう言って手を取ったクララに
メルは彼女の足を止める
『スクーパ!!ウァラク・クララを
乗せてあげて!!』
そう言ったメルにポシェットから
出て来た箒が通常より
少し大きめで出てくる
動いた箒にクララが
目をキラキラと輝かせた。
メルはそのまま
箒に乗って手を伸ばした
『さ!乗って!!』
「うん!!!」
『とーばーすーよぉおお!?』
スクーパ!!入間君いる方角に当たらない様に飛べ!!
そう強く言ったメルの言葉に箒が宙に浮きあがる
此処は職員室である。
資料が飛ばない様に浮遊する
しっかり掴まってろよそう言った
メルは黒い帽子を深く被り
前に一度体重をかけた後は
いやーと声を上げた
すると勢いよく扉を開けて
右に旋回して移動したのに
周りの職員や生徒が驚いて身体を止めていた
わなわなと震えて怒号が聞こえるのに、
メルは大笑いして空を右へ左へと飛ぶ
廊下をこんな風に空飛んでいるのは
正直初めてである。
それにクララを連れて飛べるのは
ちょっと予想外だったが
気にしないで良いだろう。
ん?というか…
『あれ?クララちゃん
君今授業中じゃない?』
「ミルミルに見て欲しくてつい!!」
『こら!!授業を放置して
呼びにくるんじゃない!!!』
別の意味で怒らなければいけないのか私は!!!
そう思いつつ、入間のことは少し気にかけていた
飛び始めて十数分、
到着したのは階段を下りた先にある
岩の間にある屋内施設、
いわゆる体育館だ。
目の前にはアスモデウスと
入間が一対一になっており
とったと言ってから
時間が経過しているようだ。
アスモデウスが上着を外して
攻撃を仕掛けた瞬間だった
入間が前に出て行くのにメルは一瞬
魔法を使いそうになったのに焦る
危ない、彼は何かがあって突っ込んだのだ
それにクララが危ないと言ったのに
メルは首を横に振る
クララを降ろした後
浮遊したまま上から下を見る
アスモデウスの火炎を受け止めてその勢いで入間が
アスモデウスの背後に回るかのように投げ返した
肩に当たったボールに、
腰を地面に降ろしたアスモデウスが
完敗ですと笑って居るのに、
メルは微笑み笑った
「メル!!降りてこい!!!」
そう言ったカルエゴに
メルははいはいと言って
箒から身体を投げる
それに周りが驚くのに、
メルは詠唱をはしょり言葉を唱えた
『“
そう言った途端メルの
落ちていく速度は遅くなり、
そのまま地面に降りた
箒はポシェットに戻っており、
すげぇとの声を無視して何ですかとメルは
カルエゴに呼ばれた理由を聞いた
「…上から見下ろしていてどうだった」
『どう、とは?』
「っ、貴様の意見を聞きたいということだ」
『前から貴方が見た通りです。
上から見ても明らかに受け止めて
受け流している姿を確認しました。
下手な魔術も効果も一切ありませんよ。』
正真正銘、彼らは自分の力で勝ち取りました。
そう言ったメルに、
分かったと言ってカルエゴは前に出た
「入間!!アスモデウスが
お前をわざと勝たせたりするようなら
一生ランクをあげてやらんつもりだったが…
双方とも厳正に全力だった。」
よって
入間のベトへのランク昇級を認める
それに周りがざわつきお祭り騒ぎだ
やったねーと言った言葉に
メルはふぅとため息を吐いて
来た道を帰ろうとするのに
待てとカルエゴに止められた
「貴様わざわざ来るとは何を感じ取った」
『クララちゃんが職員室に急に来たので
不味いかと思って飛ばしました。
でも実際はボールを手で受け止めた所を
一緒に見て欲しいと言うことに気付いてですね。』
「…分かった分かった」
『良い子でしょう?うちの子は』
知らんそう言ったカルエゴに
メルは笑ってではまたと手を振った
出て行くメルに関して、
ふむとカルエゴは顎を手で触った
+++++++++++++++++++++++++++
『あれ?クララちゃん此処いくの?』
「うん!!!」
『えぇ〜空想生物学おいでよ』
そう言ったメルにメロメロにしたいからヤダ
と言って言う事を聞かないクララに
メルは誰か見て欲しい人が出来たんだと答えた
それに少し顔を赤らめたクララに
メルは微笑み分かったと答えた
『これはカルエゴ先生に
渡しておきますので』
そう言ったのにクララは頷いて
職員室から飛び出して行った
ぶつかりそうになったモモノキに
メルはすいませんと笑って謝る
どうも彼女も可愛らしい春が来たようで、
我が教え子ながら楽しみだ。
一年生は使い魔授業と
占星術が必須科目となっている
それ以外は選択授業で、
ある程度の選択科目を取っていれば何とかなる。
ちなみに3教科選択できるらしく、
そのうちの一つにクララは
サキュバス講師の授業を入れていたのだった
+++++++++++++++++++++++++++
「ねぇ!!!メルちゃん!!!!」
『ぶぁい!!』
そうライム先生に突撃されたメルは返事が鈍る
一体貴方の周りってどういうことなの!!!
そう肩を物凄いスピードで揺さぶるライムに
落ち着いてとマルバスやオリアスがどうどうと言う
「一体どうしたんですか?」
「今日新一年生の授業を行ってたら、過去最低だった21%より
11%も低い記録更新していたメルちゃんの上がいたのよ!!!!」
『ちなみにいくつですぅううう?』
「…2%よ、に・ぱ・あ!!!」
わぁ、だから言ったじゃないですかあと言ったメルに
前に言っていたけどもと震えるライム
ちなみにメルは低いと言っていた通り10%である。
「赤ん坊でも3%だというのに…」
『まぁ大丈夫ですよ〜そんな子いますってー』
「今まで見たことがないのよ!!!!」
『あははー』
おっと中身出そうそう言ったメルに
オリアスとマルバスがステイステイと
顔を青ざめ軽く二歩くらい引き下がる
特別授業用の本を貸し出したということで
クララが今後可愛らしくなるかどうかが期待できる。
いやーまさかサキュバスの方に行くとは予想外だったが。
「貴方も例外じゃないからね?」
『ぴぃぃぃぇ…』
前までどうやら40%まで上がっていたらしいが
今はまた戻って15%に戻っているらしい。
どうすればそこまで下がるの!!!
と説教を食らった。
とばっちりである。
…ん?あれ嫌な予感がする。
そう背後の姿に、デジャヴを感じ取ったメルはそっと
居なくなろうとするが、
手を掴まれてしまいこれ以上逃げれなくなる
「…貴方が上がれば、彼女も」
『違いますよおおおおお!?』
そう言っても虚しく、
チェルーシルで衣装をまた変えられたのに
ライム先生に2日程制服を変化させられて
魔法を使えなくされたのだった
『あうあうあう〜全く酷いですよね!!』
「…うん、ソウダネ」
そう深く帽子を被るオリアスとは違い
メルは鼻息を荒くして怒る
姿は深い青のワンピースに
白いエプロンを付けた誰もが見て分かる
不思議の国のアリス衣装になっていた。
スカートの中はレースがふんだんに使われており
エロいよりかは確実に可愛い系に偏っていた
箒も一切反応しない為、授業をするにも苦労するというものだ。
ちなみにこの前、バラムの部屋に
一着予備を置かせてもらっており
そこで着替えて落ち着いたと思ったら
ライムに見つかって服がまた変わってしまったのだった。
どうやら下手したら三日間程このままらしい。
全くふざけている。
『まぁ歩いて行ける距離の授業しかないから良いですけど
あれオリアス先生?』
「っ、」
そう言ったオリアスがメルの方を向いてびくりとはねる
それに、嫌?と言ったメルに違うと叫ぶ
「っあ、いやその…っ」
『オリアスせんせ?』
「…っ」
もどもどしていたオリアスが我慢しきれずメルの身体を押して
壁にあてたそれに驚いたメルだったが、すぐにオリアスの右手が
頬横にあり、いわゆる壁ドン状態に目を丸めた
「…そんな可愛い恰好、誰にも見せたくない気持ち、分かる?」
『っええ!?あいいい、いや僕は』
おっとそう言ったオリアスがメルの股に足を入れる
横にも前にも逃げれなくなったメルが焦りだしたのに
オリアスはメルの顔を下から見るように覗いた
「こうなっても?」
『っ!ファイアーっ!!』
口を塞がれて詠唱を止められる
そもそも魔女の姿でない以上詠唱が無ければ放てない。
間違いなくただの何も出来ない状態である。
「こうやって、塞がれても?」
『〜〜〜っ!!』
目を覗かれて、心まで見透かされている気分になる。
ギラリと光る金色の目の奥が、少し怖い。
眉を寄せるメルに、オリアスはごめんと言って手を離した
「心配なんだよ…悪い虫がくっつくのが。
ただでさえ引っ付かない様にしてるっつーのに。」
『…っえ?』
そう言ったメルに、
オリアスが顔を見るなと言って帽子を被るのに
嫌と言ってメルはオリアスの太ももに上がる様に
前に出てオリアスの両手を掴んだ
『みる、もん…』
「〜〜〜〜っ!!!
あーーほんっっっと!!!」
君さぁそれマジで他の悪魔にやったら怒るからね?
そう言って倒れるオリアスにメルは首を傾げた
『なんで?』
「え?なんでって」
『私オズ以外やだもん。』
そう言って頬を膨らませるメルが
オリアスの服を一つまみする
それにオリアスは
メルのその姿に見惚れて止まった
もう、彼女は自分のことを見ているのだと。
「(ー嗚呼駄目だそんなのもっと)」
もっと彼女が欲しくなる。
そう手を出そうとした瞬間遠くから
メルを呼ぶ声が聞こえ
メルがはぁあいと言って声の方に走り出す
どうやらダリが呼んだらしい。
メルが遠くでダリと話をしているのを見ると
ダリがオリアスに目を開けて口を少し動かしたのを見た
わざとみせたと言いたくなる言葉に、
っくそと笑って後を去る事にする
『ダリ先生?どうしたんですか?』
「ん?嗚呼、なんでもないよ!
それよりも授業もう始まってるってさ!!」
『ええ!?それ早く行ってくださいよ!!!
もう近くに来たはずなんですが』
「え?反対方向だよ?」
そう言ったダリにメルが固まる
わなわなと震えて走り出したメルに
手を振って笑って見送った
ダリはそっと目を開けてメルを見ていた
「(ー駄目だよ…彼女は、「今は」バビルスの物なのだから)」
そう警戒を込めて言ったダリにオリアスが伝わっていない訳がない。
我ながら恐ろしい事を言ってしまったなと笑ってしまった。
「…けど、守りは硬い方が良い。」
君が笑って居られるのが、この場所になるのなら。
それは、僕達が守るべきもう一つの、宝であるのだ。