Novel - Paola | Kerry

it's just you


パニックパラダイス4

20/09/15
89

「今年もやってきたねぇ」

「ええやってまいりました」


「「師団勧誘」」


そうケラケラと笑うダリにスージーも和やか…に見えるが
内心とっても荒れているのはメルは分かっていた。
おどおどするメルにモモノキが苦笑いで見守るしかない。


そう持ち場についたダリにメルは
苦笑いして入間達の無事を祈るばかりだ


「争奪条約ー一年の師団勧誘にあたり、
くれぐれも他の師団に迷惑をかけず!
場所を譲り合って仲良く!
節度を持った行動をとるーーーでは!!!」



そう言ったダリが声を荒げる



「建前は以上!邪魔者は潰して進め!!!」



わぁ黒い良い表情



「一年争奪戦開始!!」



そう飛び出した上級生にメルは苦笑いして空を飛びだした
あーずるいーという声が聞こえるが、きにしない。
生徒に師団は任せて、様子見に行ってくるとしますか!!


+++++++++++++++++++++++++++

「あ!!メル先生!!!!」

『おや!君達こんな所に集まってたの!!』

そう浮遊レビテーション
一切解除せずふわふわと箒にまたがって飛び続ける

このまま移動する予定なので
降りて消耗するよりかは
維持した方がまだマシだと思ったからだ。


「僕は遊戯師団ゲームバトラ戦略を学ぶには最高さ!」

「遊びたいだけだろ」

そう言ったリードにメルは苦笑いして
オリアス先生の所だなぁと思いだす。

「俺は魔術開発師団まじゅつかいはつバトラ
新たな魔術…錬金術を学びたい」

「金が欲しいだけだろ」

いかん笑うしかない的確過ぎる。
アスモデウスのツッコミにメルは噴いた

「私は女体研究師団にょたいけんきゅうばとら

「あるかそんな師団!!!」

そう言って此方を覗き見ようとするのに
アスモデウスが必死にメルの前に立って
のぞかせない様にする
それに苦笑いしてメルは箒から降りて箒を仕舞う

流石にカムイの前で箒は乗らない方が良いな。
そう思ったメルはそっと制服と言うなの
魔女服をたたいた

突如入間が飛び出していくのに驚き
アスモデウスをはじめとして
クララやメルも追いかけると、
誰かと大きく当たって倒れていた


というよりかは、当たった人の首を絞めていたのに
流石に顔を青ざめた入間がすいませんと謝るも
更に顔の青い男性が吐血をしたまま死にかけていた


「しっしんで!?ぼ、僕はなんてことを…」

「やーびっくりしたぁ死んだかとおもったわー」

そう言って起き上がった男性に、
メルはおおと声を上げた

『君、魔具研究師団の子だよね!』

「おや、メル先生じゃないですかあ」

ああお名前どうもそう笑うメルに、
アスモデウスがご存じなんですか?と聞く
前に魔具の調整というか実験で
魔具研究師団にお世話になろうとしていたのだ。


その話に、お待たせしておりますと
メルがおじぎをする。

やっと余裕が出て来たので、
そろそろと思っていましたと
言ったメルに男性はいえいえと答えた

「また師団来てくださいよー」

『まぁ近々行くようにするよ。
一応自分で出来る範囲が増えちゃったから
君の所に行かなくても何とかなりそうでね。』

なんなら担当になりません?
そう言った彼にメルは苦笑いして遠慮する。
そう言えばそこの師団の担当教師はいなかったのだ。
兼任は難しいだろうしとやんわりことわる


手厳しいなぁと言われつつ、
ではこれでとメルは箒を取り出して空を飛び立った
後ろからの視線に、違和感を持たないメルではなく…


『あいつ私が危険視しているから
行かないって分かってるなきっと』

なのに進めるというのも凄いものだ。
そう思いつつキリヲの事を考えつつも
図書師団に戻ってきていた。

準備は万端らしく、
明日以降は彼女らに任せても問題なさそうだ。

「今年も沢山居れるので任せて下さい!!!」

『ふふっええ期待しているよ。』

+++++++++++++++++++++++++++

カルエゴから師団の説明があった日
見学に3日程学校がお祭り騒ぎになる。
大事なランクの昇格にもつながるものになり
入る場所を考えるのは大事だったりもする。


『あれ?入間君じゃん!』

「あ!メル先生!!どうして」

「メル先生が図書師団の担当教師だからよ!」

「そうなんですか!?」

そう驚く入間にまぁねとウインクした
説明は私がするからと言って前に出た

『ここは図書館、魔界に関わる歴史書から
娯楽書まで揃っている場所よ。
珍しい本の噂を聞いたら生徒自身で
買いに行ったり翻訳したりする所。』

「へぇー落ち着いて良い雰囲気ですね…」

そう言った入間の前には
本の呪いを受けて想像を絶するほど

阿保になった生徒を抱える別の生徒に
入間とメル達がいた間にカーテンがあり

すっと女子生徒に閉められて奥の話が聞けなくなる


「あのような事がよく?」

『いえ、私は基本的に
ずっと一緒にいる訳でもないから
…よくじゃないとは思いたい。です。』

そう苦笑いするメルに入間は
脂汗をかきつつ図書館を後にした
入ってくれますかねぇと言った
女子生徒にメルは無理でしょと即答で答えた


『彼は…此処の器に収まりきらない子だよ。』

ふさわしくない。

彼はこの場所では息をしてもきっと苦しくなるだろう。
そう思ったのに、きっとミレイユたちが
私のことを言ったのはこういう気持ちなんだろうか?

ぼーっと入間が来ていた所を眺めた後、
部屋の奥に入り生徒の勧誘をみつつ
自分も日本語の翻訳というよりかは写しを作っていた。


それに生徒が気付いたのか、
何の本ですか!?と食いついて来た。


空想生物学の言葉で、
綺麗な原本が壊れるのを防いで一応同じように
作っているんだよーと言うと、
コピーを取らないのかと驚かれた


まぁ確かにコピーは理想的ではあるが
文字を記入することに意味があると感じていたメルは
そんなことしなくても良いさと答えた。

 

『“どうせこれも…燃えて消えるんだから”』



そう言ったメルの言葉に、周りは何の呪文かと首を傾げた
そりゃあそうだ…なぜなら日本語で会話をしてみたのだから。
メルもずっと悪魔の世界にいると何故言語が違うのかに興味を持つ



途方もない時間を魔法だけに
使っているわけではない。

幾ら集中が出来るから
といってもそこまでではないのだ。

人間が悪魔の翻訳を出来るのであれば
悪魔も人間の翻訳が可能…だが、
言葉の発音を真似しろ
と言うのはかなりの難易度が高い。


ましてや日本語等、
発音は舌がないと間違いなく発せない。


まぁ人間舌がないと
喋れない生き物であるのだが…


さて、入間は何処の場所に力を置くのか。


+++++++++++++++++++++++++++

『いやいやいや魔具研究はやめとけって』

「ええ!?」

『あそこのどこがいいのさー』

そう言って判子を押すメルに、
でもーと入間が言う

「僕の魔力をみないで、
ただ技術を買ってくれる悪魔がいて…」

『(…成る程そういうことか)…
分かった、一応提出しておく。』

そう言ったメルに、
入間はお礼を言って職員室から出て行ったのに
いいんですかぁとオリアスが
声をかけたのにメルは半分と答えた


それに良いと言いそうだったのに
と思ったオリアスが目を丸くして
いつも被っている帽子を手で上に上げた


「へぇ?珍しい君がそう言う反応するなんて」

『…ちょっと気になる生徒がいましてねぇ』

そう目を細めるメルに、
オリアスが身を乗り上げた
魔具研究師団のアミィ・キリオだった

「ふぅん?この子?」

『吐血するからちょっと心配で』

「えぇ!?そっち!?」

『いやぁ入間君凄い心臓に悪い動きするから!!』

確かに心臓に悪い動きをしたら吐血するくらい
弱い子の隣は確かに姉としても
教師としても心配はあるだろうが。
良かったぁと言ったオリアスがメルを見上げる

「てっきり、何か気付いたかと思ったよ」

『…いやぁ?』

そう言ったメルの目が一瞬警告を知らせる
これ以上は入ってくるな。そう言った圧に
おお、怖いとオリアスは身体を引いた


+++++++++++++++++++++++++++


「ふんふーん」

そう若草色の髪の毛がぴょこぴょこ跳ねる
入間が入学してきたと言ったら、もうお察しの通り


「今日は新人授業ー授業ー」

バルス・ロビンである。
ロビンが授業を終えてから
スッキリした顔で職員室に帰って来た


話を聞けば、
どうやら生徒の使い魔から指導を受けたようだ
…それに背後から威圧を感じる。


うわぁ…怒らせたねぇ
そう思いつつメルは苦笑いし
彼の大量の書類をみて私も頑張ろうと思った


「メル先輩はどんな使い魔を召喚す」

むぐむぐそう言うロビンにメルが
ロビンの口を押さえているので
まぁ声が出ないのも無理はないだろう。

『貴様それ以上言ったら殺すからな』

「ちょっと!?誰メルちゃんに
怖い言葉教えた悪魔!!!」

教育の賜物だなそう笑ったカルエゴに
今すぐ忘れなさいと言ったマルバスに
メルは苦笑いした


いやー忘れたくても
気付いたらそうなるからと言うのに
手遅れかと頭を抱える
マルバスにカルエゴがしばくぞと答えた


「でもメルちゃんの使い魔ってさ
入間君がカルエゴ先生呼んだんだから
きっとメルちゃんも悪魔召喚するのかなって」


『しますよ』




そう言った途端場の和みが消えた
笑って居たダリが固まって
メルの方を向くのに
メルはもう一度しますよと答えた


「うそうそうそうそうそ
やってやってやってやってやって」


そう言ったダリに、メルは
ぇえええと非常に嫌な顔をする

本来は余り使う予定ではないが、
一応魔女見習いの一部に
悪魔を召喚する項目がじつはあるのだ。


使い魔としてではなくて…の話であるので
ちょっと違うが。



「できないの…」


『う゛っ』

「ねぇーお願いーーー」


そう目をウルウルさせたダリに
メルはさらに口を堅く閉じた
脂汗がダラダラと流れた後、

彼の目には弱いメルは
仕方がないですねぇと答えた


『カルエゴ先生
今日はもうお仕事終わりですか?』


「ええ、そうですが」


『では…30分程この場を借りますね。』


試験的ですけど攻撃させませんし。

そう言ったメルが
カルエゴ達のいる机から離れた
少し広めの場所に身体を移動させた

その後はぁーーーとため息を吐いた後、
メルはカルエゴ達に背中を見せつつ指を鳴らす
するとメルの隣から異空間が広がり、



メルはその中に入って行った



それに驚きええ!?と言って固まっていると
数分も経たずにメルが
頭をかきながら本を持った状態で
異空間から出て来た

本は少し金属で固められており、
真ん中より上側から悪魔の羽に
似たような翼があしらわれている。


本を投げて浮遊させページをペラペラめくった後
顎に手を置いて腕を組むメルが名前を呼ぶ


『ダリ先生!…見たいって言ったんです、
実験台になってくれます?』

そう言ったメルにえぇ!?と
目を丸めて言うダリに
ちゃんとご褒美は上げますのでと答えた。


それに少し考えた後良いよと答えた
ダリが腕を腰に当てて
片手で手のひらを見せる




「で?俺は何をすればいいの?」

『その場で良いです。ダリ先生
…いえ、ダンダリオン・ダリ。
貴方に僕が指示して良い許可を頂けますか?』

そう片手を後ろに置いて
すっとおじぎをするメルに
少し考えた後、いいよと一言
ダリが答えたのにメルはふっと笑った


『そうこなくっちゃ!
…では、はじめますよ!!!』


手を上に上げて手のひらに
力を籠めたままメルは目を閉じた


『“すべての知識を担いし者よ
揺れし水面を読み取りし者よ"』

そう言ったメルの言葉に、
ダリが少し身体をふらつかせたのに
オリアスが動揺した。


『“混沌揺蕩いし
偉大なる学術の悪魔よ”!!』


っぐ、そう頭を抱えるダリに
マルバスやオリアスが声を掛ける
だがメルは止める気配をさせない。


待てとカルエゴがオリアス達の動きを止めた


『“我が力我が魂の内に眠りしその力
我が身となりて
共に深淵なる水面を打ち破らんことよ”』


片手を上に上げて、両手が重なり合いそうになる
その瞬間黒い稲光が混じりメルの立っている床に
黄金色にとある紋章が浮かび上がった

その紋章に見覚えのある者が目を見開いた

そうしてメルは強く言い放つ


『“我が時の永久に誓い此処にいでよ
ダンダリオン”!!!』


その言葉を告げた後、
まばゆい光が辺りを飲み込んだ
マルバスやカルエゴ達が目を開けると、



そこには


『…っは、はぁ、やれ、たな』

そう汗をかいてはいるものの、
メルの背中の斜め上の方に
翼を生やしたダリが
目を開けてメルを見ていた


『言葉を発しても構わない。
君との契約はただ一つだからね』

「ーっこれ、は…」

『僕が使えるのは悪魔を召喚することも可能。
まぁダンダリオンみたいに
家系に強い力の相手じゃないと出来ないし
それに魔力の消費以外の等価交換だから駄目なんだよね。』

「っなあ!?」

「魔力以外?!」

「ー何が望みだ」

そう言ったダリに、
メルはうーんと言って
彼に一言お願いをした



『貴方の能力が知りたい。』

「ーならば何を渡せる」

『んー…今度空想生物学で見つけたメニューを
一つ食べさせるのはどう?』


それに目を丸くしたダリが声を大きくして笑う
心なしかいつも聞いている声よりも低く響く音だ
服装は教師の服ではなく、中に来ているスーツを
少しはだけたような姿だった

「ー可能だ。」

『そ。じゃあ教えて?
…ダンダリオン、君はーーーー』

そう言ったメルに、
ダリが目を丸くしてメルを二度見する
何て言ったの?そう言ったロビンに
何て言ったか分からないと
マルバスが答えた


「ーっくく、はははははっ!!!
あぁそうだよ、せいかいだ」

そうにやりと笑うダリに

メルもまた笑い
ニヤリと笑って返した


『良いよ、それが願いだったし。
目閉じたらそっと元の場所に戻るさ。』

「ーではこれで」



そう言って目を閉じたダリは消えて居なくなり
先程までオリアスやマルバスの間に居た
ダリがふわりと出て来た



『…ね?面白いでしょう?』

「…わぁ、こりゃあ面白い」

そう笑うダリにメルもまた笑い
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる
何が起こったのと言ったロビンに、カルエゴが問う


「…貴様、一体何者だ」

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