一体何者だ。と聞かれたら、
答えてあげないといけない
…訳でもないが。
まぁ一応説明はしておかないと
…きっと警戒したままで疲れるだろう。
メルは目を細めてどう?と聞き返した
『少なくとも悪魔が悪魔を召喚する
…って言うのは、うちの家系に誓いものよ。』
「あの入間もそうか」
『あれは分家の遠い方だから違う。
私の方が血筋濃いからそうなっているだけ。
それに遠すぎるけどサリバン理事長の
血が濃いのは入間君の方よ。私はほぼもう養女。』
だからこんな悪魔の召喚が出来る
と言ったのに一同の緊張がほぐれた
「ダリ先生何かありましたか?」
「いや…最初酷い頭痛と心臓をえぐられた感覚があって
ヤバい悪周期来ると思ってたら、急に軽くなってさ。」
「はい?」
「目を開けたらメルちゃん下にいるの。
それも言葉分からなさそうなことを皆の前で言うのに
俺だけ聞こえてて驚いちゃった!!」
『ダンダリオンの家系ですからねぇ』
いやアレは君の方でしょと言ったダリに
嘘ーと言ってからかうメル
でも魔力じゃないとはと言ったマルバスにメルが答えた
『嗚呼、魔力を必要とするのは力を使う威力の方。
先程の召喚儀式は特殊でして、
悪魔の力そのものの威力を使用します。』
なので、例えばカルエゴ先生を入間君が召喚する
すると召喚は入間君の力に応じてカルエゴ先生は制限される。
それはあくまでも入間君に対しての効果である。
カルエゴ先生をメルが召喚する。
すると召喚はカルエゴ先生の力に応じて
逆にメルが制限される。
使用する内容が大きければ大きい程、
魔力以外の対価を伴う。
『ダリ先生の家系魔術を知りたいと私が聞きました。
これは知識としての欲であり、
其処まで周りに影響が及ばない。
そういう場合は小さな代償で済むということです。』
「だから食事の話をしたってことか」
『きっとダリ先生面白い事好きだから。』
食事なら余計に面白いかなって。
ずっと作ってるの見てて良いよ
という気持ちで言ったのだ。
絶対面白いことするから
楽しみにしとけと言ったメルに
了解と手で丸を作って答えた
「もし…大きな願いだと、どうなるの?」
そう言ったマルバスにメルは
少し考えた後、さぁ?と答えた
『手が取れるだけなら超ラッキー、
死ねるだけならラッキーでしょう。』
「え」
『恐ろしいのは魂ごと奪われるというもの
…一人私はこれで悪魔を一人失っていますから。』
ーメル!!!貴方は生きなさい
ー貴方は、ふさわしい、から…
そう言って消えて居なくなった彼女の魂は、
今もあの場所に隔離されているだろう。
その呪いを…解き放つ行為は禁忌の中の禁忌
だが、メルはその穴を見つける決意をしていたのだ。
『これはあくまでも私の願いが確実であり
悪魔側の気持ちも私との信頼がある場合にのみ
効果が期待できます。
逆に言えば私のことを
信じていなければ普通に召喚されません。』
それに、下手をすれば自分の命が
消えてしまうことなどあり得るからだ。
これは極力人に見せるものでもない
究極の手段で使うものだ。
「そんな大事なことを!!!どうして」
『もしこれを使う時は…お察ししてください。』
「っ!!!」
きっと僕はこの世から二度と生き返る事はない。
その代わり、きっとこれをしたら必ず世界は救われる。
どんなことだって、願いはかなってしまうのだ。
だからこそ恐ろしい魔術であるのだ。
まぁ余程のことがあってもしないつもりだが。
それには皆も頷いてくれた。
「…分かった、責めて悪かった」
『いえいえ、ですが私とも
交流してくださいねカルエゴ先生』
きっと貴方は強いから、皆を守ってくれる。
そう言ったメルに、
考えておこうとだけ言って席に戻った
ニコニコ笑うメルに
一同は絶対に怒らせてはいけない。
さもなくば、悪魔を召喚して
戦争を起こしかねないと思ったのだった
+++++++++++++++++++++++++++
「よメルちゃん」
『…ダンダリオン』
「もーその名前で呼ばないでよ〜」
契約は続いてるの分かってるんだよ?
そう言って目を開けたダリに
メルはにやりと笑った
「君こうなる事分かってたんでしょ」
『なんのことだか』
「とぼけないで。
君も分かっている通り
僕の魔術では一発だよ?」
真実を知る悪魔。
そう呼ばれているダンダリオン。
それにメルは勿論と答えた
『でも凄い楽でしょ力凄い使えそうじゃない?』
「まぁ羽が伸びて凄い気持ち良かったけど
…アレに慣れるのは控えておくよ。」
それに、今後呼ばれないようにしておきたいものだね。
そう言ったダリにメルはそうしてくださいと答えた。
廊下、二人しかいない場所を歩いている
それもダリと約束をしたからである。
勿論後でログハウスに戻って食料は調達する予定だ。
ダリの住んでいる別棟にお邪魔するために、
ダリの隣を歩いていたのだ
「でもありゃ皆にさせないで欲しいなぁ」
『しますよ』
「ですよねー」
『それが…最高の魔女の世界なので』
「(…全ての悪魔を召喚できる者)」
永久の中に君臨する偉大なる存在
ダリは一瞬だったがメルの姿が違う人に見えた
髪の毛は今よりも長く腰よりも長く淡い緑色の髪の毛
その長い髪の毛を先の方で三つ編みしており、
目は銀色に光り輝いているように見えた
何時もよりも一回り大きな彼女に、
立ち尽くすなんて馬鹿な真似は出来ず
ただ羽を出して膝をつくしかなかった
メルはダリに力があると言ってはいたが
正解は正解だ。だが…
反抗をさせない程迄の圧があることに
意外過ぎて言葉がでなかった
彼女がもし、魔王になれば…恐ろしい程に
静かな世界を作り上げることになるだろう。
嗚呼、きっと寂しければ賑わう世界になるだろうが。
「僕は君でも構わないと思ったから応えた。」
そう翼を出してウインクをするダリに
メルはええと答えた
『何時かまた出会いましょう…
それまではダリ先生で居て欲しいな』
「っ…食えない子だねぇ」
ほんと。そう言ったダリに
メルはケラケラと笑うのだった
「(…最初悪魔ではない何かだとは思っていたが)」
まさか人間の、それも魔女の見習いとは思っていなかった。
頭痛と共に出て来た女性から
告げられた言葉を頭の中で繰り返す
そうでもしないと忘れてしまいそうで怖くて。
ーダンダリオン、
お前はこの人間の魂を守れると魂から誓えるか。
そう言った女性の目はギラギラと光り輝いており
背中には六つの翼が広げられていた
ソレに逆らうと、どうなるかも想像がついた。
嗚呼、ソレが本体ではないのだということと同時に
すやりと眠っている緑髪の少女が酷く欲しいと思ってしまう。
優しく白いベットの様な円の中に身体を丸めて寝ている
その少女が目を覚まして手を伸ばす者は一体だれなのだろう?
「(勿論守れるから手を取った…全く末恐ろしい子だよほんと)」
人間と言う事実は余り知られているわけではない。
恐らく使えば使う程人間と言うことを
知られる可能性が高い。
だからこそ、彼女には使うなと釘を刺したが、
どうやら言うことは聞かないらしい。
全く頑固なのは悪魔以上かもしれない。
ため息を吐いていると、寮についた
扉を開けてメルを食堂に案内する。
一応簡易のキッチンに了解と言ったメルが
指を鳴らして異空間を広げる
入って来たら怒るからと言って消えたメルだったが
三分程して帰って来たのには流石に驚いた。
「何つくるの?」
そうダリが教師服を脱いでメルが召喚した様なスーツを
少しはだけた状態になる中、全く気にせずメルは
秘密とだけ言って料理に専念する。
人参玉葱ピーマンと食材を細かく切った後、
フライパンに炒めていく
勿論お肉も忘れずにいれて、
炊いていた白ご飯を入れてフライパンの中で炒める
『ダリ先生』
「なーぁに?」
『ちょ!?』
そうメルの肩に身体を摺り寄せるダリに
メルは思わず左を向いてしまった
だがその左には身体を
まるでメルを後ろから抱きしめる様に
身体を丸めたダリの顔があり…
つまりどういうことかと言うと
キスする距離5pという
距離の短さに顔を真っ赤に赤らめた
『っっっちちちちちちかっ』
「おっと、危ないよ?」
そう言って右に移動しようとしたメルだったが
ダリの右腕で防がれており動けなくなったのに
慌て困り顔のメルを首を傾げるようにこてんとまげて
メルの顔をよく見ようとする
真っ赤になった顔に、目が少し
困惑を落ち着かせるようにセーブしようとしている。
顔の赤さ的には全く変わっていないのだが、
何とかしようとする手一杯な彼女が
可愛らしくてついいじめたくなる
このまま身体の服をみぐるみはいで産まれたままの状態で
ずっと彼女を愛でて閉じ込める事だって可能ではある。
…だがそうしてはただの永久を続けてしまう。
それではつまらない。
刺激があってこその、面白さなのだから。
それに、僕が欲しいのはーーー
そうふと一瞬見つけた少女を思い出す。
嗚呼、君に会えた時、
僕は一体どんな顔をしてしまうだろうか。
本当に、酷く欲しくなる存在だ。
殻を被った君を壊して手に取っても、つまらない。
どうせなら羽根を広げて飛び立った子の翼をもぎ取って
その子をずっと自分の身体の中で生かせたら
どれだけの高揚感が浮かぶだろうか?
「はいはい、分かったよ」
『んー!!!』
ほら焦げてるそう言ったダリに
メルがげっと顔を青ざめる
ごめんなさいと言うメルにいいよと答えた
数分後、メルが出来たと言って更に乗せたのは
「これは?」
『チキンライスっていう食べ物です
…今別の悪魔が居なくて二人きりなので言いますが
実はこれ私の好物の一つなんですよ〜!』
「っえ?」
『いやー久しぶりに人間界の食べ物食べたくて
一人で食べるのも寂しくて辛すぎるので
誰か一人連れて食べれないかなぁって思ってたんです。』
あれひょっとして、俺…餌にされた?
そう言ったダリにメルがどうですかね?と答えた
どうやら…そういうことらしい。ダリは苦笑いして
メルの作ったチキンライスを一口口に入れた
「…んまい」
『でしょ!!ロビン先生とかに伝授させたいですが
そもそもこの量を作るのがしんどいのと、単純に材料が
場所限られてまして。』
「あー人間界にしかないってこと?」
そうなんですよーーーと泣くメルに
一体この材料は何処から仕入れたのだと問う
それに実際作ってと言ったのにダリが
声を上げて作ったと言ったのに
メルはうんとだけ言う
『実はこれとある子の好きなものでもあるんですよ』
私ね!コレが好き!!
そう言っていた子を思い出す
それにダリはへぇと言って
腕を机に置き、顎を手で置いて言う
「良いの?そんなこと言っても…
もし俺が君のその大事な子を取っても。」
『ええ構いませんよ』
そう言ったメルの目は開いた時
ダリの目の奥を睨みつける
『…その子が望むのなら私はそれに従います。』
まぁ
『貴方に手を伸ばすよりも
私が手を取るのが速いでしょうが』
「っ、言うねぇ?」
そう睨むメルダリには微笑んだ。
どうやら本当の過保護は殻を制しているらしい。
そりゃあ何処にも行けない訳だ。
食事を進め、もう食べれない。
ぱっと見無いように見えて案外量があった
そうごちそうさまと言って落ち着くダリに
メルはお粗末様と言って食器を下げる
「…ねぇ、君はどうしてそこまでして素顔を隠すの?」
『何の話ですか?』
「君は純粋で無垢で誰よりも出会った者を
守ろうという意思がある。
それは妄想でも想像でも幻でも理想でもない。
君自身の欲望だ。
だが、君はソレを抑え込んでいる。
何故?何故出さない。」
『…』
「その力があれば魔力だって
けた外れな力を出せるだろうし
何より君は」
『私が許さないんですよ。
これは所詮夢の戯言なのだと』
「え?」
『夢はいずれ醒めてしまう。
その瞬間、手に居た者が消えて無くなれば、
そこにいる者はどうなります?』
だからと言って、記憶を薄れさせて
ずっと維持するというのか?
殻の様な薄い膜をはって、
何時かの衝撃で中身が溢れる瞬間まで。
守り通そうとしているのか?
それは
それは彼女にとって、
少女にとって地獄その
それを、メルは、
分かってやっているというのであれば
それはもう
「…君、本当に悪魔だね」
『あら、当然のこと言いますね』
「いや…ほんと君が悪魔じゃなくてよかった」
『あの先程と違う事言ってますよ?』
君がもし、本当に悪魔であれば…
きっと誰よりも残酷に大事な者を綺麗に壊すだろう。
それは地獄よりも更に酷い残酷な世界を
一生味わい続けて苦しめることになる。
それが蜜の味となり、
二度と苦しみから解き放たれることはない。
そんな恐ろしい世界を…
見せられないのは、皆救われていると思う。
本当に、人間で良かった。
悪魔であれば、
末恐ろしくて関わりたくない。
そうダリはメルの姿を…
魔女としての姿を見て思ったのだ。
この子は、存在全てにおいて、
恐ろしい悪魔なのだと。
+++++++++++++++++++++++++++
「いやーアレだけのこと教えるだけで
こんな良い事あるなんて思わなかったよー」
『一か八かで拒否られたら
私の心臓死んでますからねぇ』
え?そう言ったダリに
ではと言ってメルが消えて居なくなる
待って待って!?ちょっと
冗談でも拒否してたらどうなったの!?
そう焦るダリを放置して、
メルは消えて居なくなっていた
ダリは不思議に思いつつ、
メルに向けてまぁ良いかとぼやいた
「…君がもし助けを求めるなら、
喜んでこの身を捧げると思ったのに」
きっと気付いているだろう?
と言ったダリの声を知る者はいなかった。