「ねぇ!聞いてる!?」
そう聞いたソプラノの声に意識をハッと持ってかれる
え?今まで何を、そうだキリヲは!?そう慌てるメルに
女性が何を言っているのと首を傾げた
「また怖い夢でも見てたの?」
そう言った女性は淡い緑色の髪の毛で、
大きな目は水色の綺麗な瞳をしていた
青空よりも少し深い色に、目を奪われた。
綺麗、そう言ったメルに本当!?
嬉しいと言ってくるくると回る
夜空の下、川の流れる舗装された
土手の上でくるくると回る
服はよく見ると黄色の服に
白の花や丸い模様が散りばめられていた
いわゆる浴衣という着物だ。
「もー今日はシエルと花火大会だって!」
シエル?そう首を傾げるメルに、
女性はそうだよ!と言った
「花火綺麗だったから見たいって言ってたじゃん。」
『え?言っごめん…言ったの忘れた』
「うそでしょ!?」
そう驚く女性にメルはうんうんと頷いた
と言うか私はシエルというので知られているのか?何故?
首を傾げるメルに、女性はもーと言って笑う
「誕生日同じなのにどうしてこうも違うかなぁ」
にかりと笑う女性に、メルは目を丸くした
嗚呼、先程のが夢だったのか…?
絶望して魔女として捕えられて
そのまま意識を手放したのが夢
そしてこれが、現実?
空の下、あのねぇと女性が言う
「シエルって外国では空って意味なんだって。」
そう言って空に手を伸ばす
「空の様に広くただ広い世界を包み込めるようになりますように。
きっと私が貴方のお母さんだったら、そう言って名前を付けるな!」
というか君その者じゃん!
と笑う女性にメルは心が震えた
空の様に、ただ広い世界を、優しく包み込めるように…
君は
「ねぇ、シエル。此処はとても良い場所でしょ?
あ!ほら早くもう打ち上がるよ!!」
そう言って指を指された方を見る
すると空に一つ大きな音を立てて花が咲いた
その光は白く光りまるで大きな
「ねぇシエル!私ねーーー」
『え?待って?なんていったの?』
声が聞こえなくてと横を向いた
すると女性は寂しそうに笑って涙を流していた
まるで、これがもう一生のお別れかのように。
ただ、抱きしめる事も出来ず、メルは手を前に出した
何をどうして泣いているのか、分からなかった。
「わたっし…貴方と、あえて、嬉しいの」
『どういうこと?待って?
私まだ貴方の名前を教えて貰ってない!!』
揺さぶるメルに女性はそうだったね、
約束だもんねと言って涙を拭いて言う
花火の音が、まるでなっていないかのように
時が止まったかのように
「私の名前は、岡本都佑。貴方に私の全てを捧げます。」
だからもう寂しくないよ。
そう言って抱きしめてくれた女性にメルは目を丸くした
抱きしめられた場所、胸の奥から何かがこみあげてくる
嗚呼、君は…君が
伝えたい事が出来た。君は
そう思ってメルは女性から離れるために胸を押した
すると、女性はただ笑って泣いているだけで
ただ、声が聞こえないのに、
口元だけで妙に分かったのが嫌なのは分かった。
“大丈夫だよ”
何が、大丈夫なのだろうか?
貴方は私の記憶?
でもシエルと言った私は?
一体この記憶は誰の者なのか、
自分がシエルとは思えない。
というよりかは…この女性が
何処か自分以外の何者でもない気がして。
痛みが頭を直撃する、
嗚呼やめろ意識が遠のく
大丈夫と言ってしゃがんだ女性が
今人呼んでくるねと言って走り出した
カタカタと音を立てた後、
遠くで誰かが叫ぶ声が聞こえる
急な音が入り、何かにぶつかった音
メルは身体を無理やり動かしてその場に駆け寄った
走った速度は徐々に遅くなり、目の前で止まる
先程まで笑っていた女性が
道路で花を咲かせるように血を流していた
メルを配慮して勢いよく飛び出した場所が悪かったらしい
視界も悪い場所からになっており、
トラックの運転手が何かを言っている
ただ、女性の目は此方を向いて笑っていうのだ
“これで、もう良い”
目の前が、嫌になる。
やめろ、やめろやめろやめろ。
その子は死んではいけないその子は…いけない!!!
そう言ってメルは手を前に出す
一つ呪文が浮かび上がり言葉を紡ぐ
嗚呼、これで良い…これで君は救われる。
君は本当に、生きた方が救われたのだろうか?
身体から白い羽根が見えたのに、
私は気付いた
嗚呼、そう言えば本に
魔法を使用して主に回復が出来る
という神様の言葉が載っていたのを。
その者は天界から降りて罪を作ってしまい、
そのまま居なくなったとか。
嗚呼、その名前は確かーーーーー
+++++++++++++++++++++++++++
温かい体温に意識が徐々に取り戻される
嗚呼、やはりあの場所は夢だったようだ。
目を覚ますのに、上から声がかかってきた
「っ!!メル!!!」
『ん…ここ、』
気が付いたのに、強く抱きしめて
…良かった。と声を息とともに吐きだした
その匂いにオリアス先生だと
メルは意識を徐々に現実に取り戻す
『僕、一体…』
「メルちゃんキリヲ君の後ろで
倒れているのを入間君が発見してね
君をそのままにしつつもキリヲ君の
暴走を止めてくれたんだよ。」
いやまさかぐったりした姿を見て
皆肝冷えたよーそう苦笑いするマルバスに
メルはそうだと身体に力を込めるも、
すぐに力が入らないことに思い出す
手で触るとまだ金色の布が首に纏っていた
「それの外し方聞いたんだけどね、
どうせすぐに外れますよって
言って何も言わなくなってさ。」
『え?いやいやついてますけど?』
「んー何でしょうね?」
ちょっと触って良い?そう言った
オリアスにはいどうぞと言って顔を上に上げた
オリアスがそっとメルの首に手を当てると
パアアと音と光を放ちそのまま布が消滅したのに
メルやオリアスだけでなく見ていた
周りの悪魔もえええええと驚く
「え!?オリアス先生何したの!?」
「いや何もしてませんよ!?
ただ触れたら消えて!!!」
『…成る程、契約した悪魔のみが効力を消すのか。』
それは逆に、契約した悪魔を殺せば
…二度と使えないのでは?
そう思ったメルはゾッとした。
とりあえず動ける?と言われたのに、力を入れてみる。
一応入るは入るのでと言ってすっと立ち動き出してみるが
ゆらいで倒れそうになるのにオリアスが受け止める
「おおっと…危ないから連れてくよ。」
『すいません…ご迷惑おかけします』
いえいえ。そう言ってオリアスがメルをおんぶする
力が中々入らない以上身体を動かさずに
移動することも考え、おんぶの方にした。
移動中何かあれば困るのでと言うことで
マルバスがオリアスとメルの付き添いに保健室まで歩く
どうやら先程魔関署がやってきて連行したばかりらしい。
場所はまだがぶ子さんがある場所であった所から
そのまま保健室に歩いて向かう。
何かが大きく声が上がるのだが、
それは今入間がサプライズ者で
皆に知れ渡った所らしい。
大きい花火だったねぇと言った
マルバスにメルはそうだと身体を起こす
『花火!!花火どうだったんですか!?』
「無事死者も負傷者も0、
理事長がすぐに駆け付けてくれてね」
『あの人が…そう、か』
「にしても驚いたのはそっちじゃなくて君の方だよ」
駆け付けた時、キリヲの後ろに
顔が真っ白なメルが地面に横たわっていた
その瞬間のオリアス先生の目がキレたのには皆驚いたさ。
そう言ったマルバスにオリアスは
俺だけじゃないでしょうと照れ隠しにいう
「あの場に居た全員がキレたの間違いでしょ」
目の奥で死んで動かなくなるメルを想像して
つい怒りが前に出そうになったのを
サリバンが止めてくれたのは助かった。
ーメルちゃんに何をしたのかさえ
吐いてくれたら何もしないよ
そう言ったサリバンの声も目も、
かなりキレていたのは言うことないが。
それでもサラッとキリヲが
答えたのには度胸あると思った。
ーそれは力を入れないように防ぐ布です、
とっ掴まえて持ち帰る予定でしたが
駄目でしたねぇと笑ったのだ。
メルの力は彼も薄々狙っていた一人で
メルが極力魔具研究師団に
行かないようにと誓っていたのは
本能的に拒否していたからに過ぎなかったのだ。
『そんなことが…』
「まぁ君が居たおかげで俺もすぐに駆け付けれたしね」
君をすぐに見つけると思っていたらすぐに駆け付けれたから。
そう言ったオリアスにメルはため息を吐いた
「あれそう言えば何か言いかけてなかった?」
『え?あー…忘れました』
「嘘でしょ…って言うかメルちゃん後で反省文10枚ね」
『え゛なんで!?』
「そりゃ捕まったんだもの…
捕まえられないように特訓もするよ?」
ぴえ。そう泣きだすメルに、
オリアスは心配したんだと言った
これ位やってくれと言ったのに、
メルはくすりと笑った
+++++++++++++++++++++++++++
そうして待ちに待った本祭…の前の夜!!!
つまり保健室から帰る時だった。
『じゃあ私はこれで帰りますね』
「え?何言ってるの?帰らせないよ?」
え?
そう言ったメルが固まるのに、サリバンが言う
「あんな高度な布一枚で動けなくなるんだもん!
メルちゃん今日は学校にお泊り!!」
そう言ったのにメルが保健室で大きな声を上げた
その二時間後位の現状が、今である。
荷物をある程度まとめて、
今休憩室でしたくをしていた
「こんなもんですかね?」
「ああ」
『あのお兄さん方何をなされていらっしゃるんでしょうかあの』
そうオロオロするメルにオリアスは何をいってんのと答えた
「俺とロビン先生が今日お泊りってか君の監視役」
「ちなみに逃げたら一点集中で撃つから!!」
『ぴえ』
何処を!?ねぇ何処を!?まさか心臓貫くとかしないよね!?
その勢いにメルはオロオロする。
だが、何故此処までするのだろうかとふと疑問を浮かべる。
それならオペラの、サリバン邸に帰れば良い話である。
「俺もそう思った話なんだけど、理事長曰く下手に移動すると
君の力がこの場所に散らばったまま放置すると後が怖いってさ。」
あの布実は魔力を外にガンガン出す側のとんでもない布だったらしい。
数時間遅れていたら本当に死んでいる
可能性もあったとか無かったとか。
その話にメルの顔はぞっと青ざめる。
ちなみにその魔力は時間を経て
身体の方に寄っているのを
サリバンは気付いて、
そのまま泊まれと言う指示を出したらしい。
流石に一人で泊まらせるわけにもいかない為
契約した悪魔であるオリアスと、
一点集中の新人ロビンが駆り出されたと言うことだ。
ちなみに校舎ではイフリートが
監視役としても徘徊するらしい。
「君が外の奴らに渡って攻撃仕掛けて
来られたら溜まったもんじゃないからね」
『あー…まぁ確かに』
「で?寝る準備出来た???」
そう言ったオリアスの姿はジャージ姿。
髪の毛はもう降ろしてoffの状態だった。
学校でその姿はまた見たことないなあと
思いつつメルはうんと頷く。
お風呂も一応入って香水もかけた状態である。
全身紺のワンピース姿パジャマなので
立っていたらもう枝並みに真っすぐだ。
強いて言うなら襟元が白い線が入っている。
『出来ましたよ。あれロビン先生?』
「なに!?ご飯食べる!?」
風呂入ってからご飯と言うのには、
メルもまた埃の下で眠っていた為
流石に洗って綺麗にしてから
飯を食べたいと言ったことからだった。
どうせ寝るんだからと言って
寝間着に着替えたままである。
ロビンは全身黄緑だった教師服を
一枚脱いでシャツ姿で此方を向いた
…とりあえずその両手にある
フライパンと長いお箸は何処から出して来た?
良いですよ、私作りますそう言って起き上がるメルに
ロビンは良いよ良いよと両手を横に振る
そう言われても此方が気を遣わせるわけにもいかない。
仕方がないと言ったメルが指を鳴らして空間を作り出す
それに驚いたロビンが勢いよくメルに覆いかぶさる
ううわああと言って倒れたメルに
ロビンが何処にもいかない!!と声を上げた
なんなら腕を違う方に向けて
そのままプロレスでも始めるつもりかと
言わんばかりに抑え込んできたので
ギブを連発する。
いやいやいややめろ地味に
痛くないのが気持ちにくる!!!
メルはすぐにログハウス行きのポータルを消して
身体からロビンという鎖から逃れた
息を整えるのに声がダミる。
『は゛ぁは゛ぁは゛ぁ……』
「全くもう!隙あれば逃げるんだから!!」
『逃げるつもりで出したわけじゃないですよ!?
それにアレは何処でも使えますが一度入ったら
出る場所は入った位置から動けないんですよ。』
「そうなの!?」
『ええ、なので此処から入っても
帰ってくるのはこの場所です。』
なので何処にも逃げれないものだ。
まさに袋の鼠である。
まぁそのおかげで前の世界ではしくったのだが…
「別の場所に移動とか出来ないの?」
『でき…なくはないとは思いますが、
何処に移動出来るか分からない物を
作って移動する程恐ろしい事はしたくないので』
流石に二度と帰れない物を作りたくはない。
作るとしたら余程切羽詰まった時だろう。
今作るメリットは限りなく0に近い。
というか0である。
『それにアレ私が信じる悪魔でなければ
魔界の死ぬような場所に飛ばされる仕組みですから。』
「へぇーそんな効果あったんだ」
『…言っておきますが、
オリアス先生は運が良かっただけですよ?
あの時貴方を入れるつもり
此方は更々無かったので。』
え?じゃあ飛ばされる筈だったのに、
そのまま移動出来たってこと?
そう言ったオリアスにメルは大きく頷いた
『ええそうですよ。本当に運が良くて
あの場所に来られた奇跡ですよ。
今頃此処にはいませんよ。』
「…こわ」
そんな大事を何故?とロビンが首を傾げてメルに問う
そうだ忘れていた食料を取りに行く予定だったのだ。
何処にもいかないということを知った
ロビンはその場所に行けないかと言うも
メルは止めといた方が良いと答えた。
『君は分家の方だろ?
バルスという家系は私聞いたことない。
分家の悪魔が下手に悪魔との
関りがあるとはいえど怖い。』
「分家とか意味あるの?」
『憶測だけど私が入れてたのは
オリアスにバラムあと確かダンダリオン…いたよな?
そこら辺は、にほげっふんん゛んっ…にっ』
違うそう言って頬を叩いて言い直す
『そこら辺は本に載っていたのを見たので』
「いや今何言おうとしたのよ」
気にしなくていいです。
『とにかく本に載っている悪魔なら
まだ死ぬ可能性もまぁ低いかなって
放置してても良いかなって思って居れてたけど』
「待って?俺やバラム先生ってひょっとして
実験台だった?え?待って?
何で目合わせてくれないの?嘘でしょ?」
『なのでロビン先生は待機していてください。
お野菜中心の料理が良いですか?お肉ですか?』
野菜がいいです!
そう言ったロビンにならと
言って笑ってまた指を鳴らす
空間が広がり、五分程待っていてください
と言ってメルは消えた。