バビルスをにぎわす人気者の入間くん!
でもこんなに注目されて大丈夫…?
入間は登校中に周りに声をかけられて
そっと校舎裏に隠れる
それにもふっと髪の毛らしきものが触り
入間は顔を上げると
そこにはアメリがいた
「おお入間か」
「どうしたんですか?」
こっち1年塔なのにそう言ったアメリがおお!と手を上げる
すると前から来たのは魔女姿のメルだった
小走りで手を帽子にあててアメリの前に駆け寄ってきた
はぁはぁと息を切らすメルにアメリがどうでしたと聞くが
いや居ませんでしたとメルが伝える
「いや知り合いが仕事で近くまで来ている筈なんだが、見つからなくてな。」
すまないが、そう言ってアメリが離れるのに
メルもまたぺこりとおじぎをした
「知り合いとか言ってましたけど、メルお姉ちゃん一体どんな人」
そう入間はメルの方を向いている間にわなわなと震える
それに校舎裏だからと言っても妙に暗いなと思ったメルも
また入間と同じように後ろをむいた
「君が、入間くん…とメルちゃんだね」
話がある。そう言って連れて行かれたのは近くのベンチだった
メルは入間と彼の間に入り、ちょこんと座っていたのだが
脂汗をダラダラと高速で額から顎まで流しまくっていた
そっと入間の方を向いて顔を叩いた
それに驚きメルは固まったまま動かず
何かを考えている仕草の彼の様子をみていた
すっと入間の隣に入りメルの隣を無理やりあけて座る
何を考えているのだろうと思っていると
眼鏡に手を当てたあと、これはーと言葉が入る
「内緒の話なんだがね、
実は私は人間に会ったことがあるんだ」
その言葉に入間とメルが顔を青ざめる
「にっ、人間って…もしかして、
つっつつ捕まえたんですか?」
「嗚呼、勿論…」
「捕まえて上半身は実験室へ、
下半身は同僚とその日に鍋で…」
そう言いだしたのにメルが急いで
入間の横腹を掴んで距離を取る
威嚇しつつ両手を広げて睨むのに
「というのは冗談で」
と言い出したのでズッコケる
『わっっかりずれぇわ!!!』
「本当は保護して人間界へ帰したよ」
「保護!」
「ああ正規の手続きをとって人間界へすぐ戻れるように」
そう此方を向いて話す
「魔界での記憶を全部消して家に帰してあげたんだ。」
記憶?全て?そう首を傾げる入間に
メルもまた顔を青ざめていた
嗚呼、こいつは倒せない、力が余りにも底知れない。
仮に倒して魔界に生き残ろうもんなら
本当にこの場所から逃げないといけない。
だが、それをしてどうする?
それに自分だって都合の悪い記憶は
オリアス達から奪ってきていた
自分の記憶が消えて無くなったって何ら罪はない。
…それに、もし記憶が消えたら
思い出せないままの女性が思い浮かぶ
あの子が自分かどうか位
ちゃんと分かってから、せめて消して欲しい。
きっと、記憶が曖昧なのは
その記憶が余りにも衝撃的だったからだろう。
「あと人間をたぶらかした悪魔が
魔女を作り出すとかというものもある」
『っ!!!』
「悪魔との契約上の範囲であれば良いが、
魔界に居座るのは本来タブーだ。
勿論魔女を見つけ次第
拘束して人間界に帰ってもらっているよ。」
不味い、こいつ気付いている。
私が魔女だということ…
まか姿形そのままだから分かるか。
あれ待って!?私姿形魔女で人間って
自分からばらしに行ってない!?
嘘でしょ!?入間君と私同じじゃない?!
「元祖返りが増加している今、
魔界に人間がいるのはとても危険だ。
だから入間君、メルちゃん君達が
もし助けて欲しいというなら…」
「お父様こちらにいらしたんですか!」
そう間に入ってきたアメリにメルは驚いた
アメリ!?と言った彼に、親か!?親なのかと驚き固まる
「入間とメル先生はお話になったのですね」
「知り合いなのか」
「彼は学内でも有名ですし、
メル先生に関しては良くご指導頂いております。」
そう言って此方に目配せして頷いてくれたアメリ
どうやら入間や僕が人間だということを
知らせないようにフォローに入ったらしい。
でかした。後で奢ってやろう。何がいい。
「入学当時から多くの功績を残していますし、
さきの師団披露でも見事な披露をしてくれました…入間は」
とても優秀な悪魔ですよ。
そう言ったアメリにメルもまた彼と目を見開いて驚いた
メルもまた同じく教師として指示をしている為悪魔として
会話をしていたアメリに恐れ入ったと思った。
「そうか、いや、彼女にはアメリが世話になっている話を
彼には道を聞いていたんだ。助かったよ」
「いえ!」
『とんでもないです!』
「しかし珍しいな、お前がそこまで評価するとは」
「いや、えぇまぁそれは…よく二人で話すといいますか…」
ふたり?
「ふたりで?…3人ではなく?」
そうギギギとロボットの調子が悪いような
機械のきしむ音が入る様に首を動かす彼に
メルは不味いぞと感じていた
「はい。放課後一緒に談話室でお茶をして」
「お茶?」
あーーそうですお茶です!!
「ふたりで密室でなんの話を?」
「えーっと…」
「主に恋愛についての話を!」
あーーーー!!!言ったーーー!!!
この子言っちゃったよーーーー!!!!!
私はまだともかく入間君とはアウトですアウトーーー!!!
これじゃあ私が
「れんあ…れ?」
「あっ勿論他にも」
やめとけよ!?
「将来(の夢)についても語っています!」
「お父様!!??」
恋愛+将来=結婚
そう言いたそうに眼鏡が勢いよく割れた
うわぁ、ドロドロになりそう。
メルはそっと出て行こうとしたが、
彼に腕を握られて動けなくなった
ちょっと!?私を巻き込まないで頂けます!?
あと職員会議行かせて!?あれ!?これデジャヴじゃない!?
「貴様にお父さんと呼ばれる筋合いはない!!」
「いえっ言っては…」
ふらふらとして移動しだした彼に、医務室へ運ぶと
言ったアメリにメルもまた移動する。
入間とは離れた所で彼が立ち止まり
先にアメリは授業に向かえと言った
だがと言った後、アメリにこの子に連れてってもらうからと
言ってメルはアメリに大丈夫だと伝え、
その場から教室に向かったのを見て
メルは良いんですかと聞く
「何がだ?」
『…あんなことを言って』
アザゼル・アンリそう言ったメルが睨むのに
良してくれと彼アンリはため息を吐いた
「こんな所で君とやりあうつもりはない。」
『じゃあどうしてここに?』
「…入間君が人間である可能性を感じて来た。が外れだったようだ。」
『そりゃそうです貴方の愛する娘が言った悪魔ですから』
「その話をするんじゃない」
あっはい
「だが…魔女ということは、合ってそうだな?」
チガイマスヨ
そう言ったメルにいや間違いないだろとアンリが言う
それに強くメルが半目でチガイマス!!
と言ったのに分かったとアンリは答える
「昔から高位の悪魔と契約をする魔女は
魔界全土に知られていない。
それは魔女が人間である証拠であるからだ。
契約した悪魔は半分魔女に命を渡している。
その為魔女を悪魔が狩る魔女狩りが昔発生していたのだ。」
『っえええ?!』
待って?!人間界では悪魔で怖いから魔女狩りされて!?
魔界では敵対する悪魔の命を取るために
魔女狩りされてたってこと!?
それって何処に行っても絶望では!?
「その為魔女は黒装束を見に纏い、大きな力を使用するのは
夜にする事にしたとか…で君は何故その恰好なんだ?」
『コスプレですね好きですから』
まぁそれは半分合っている。
魔女は凄くかっこいいのだ。
ミレイユがかつてそうだったからな。
勢いで言ったメルに、
多少引くアンリだったがまた会話を続ける
「そ、そうか…」
『その魔女はあったことがあるんですよね?』
「嗚呼、確かに魔界に暮らしていた子もいたが
…ただ極端に寿命が短かった。」
それにピクリと身体が揺れる
嗚呼こいつは本当に知っている存在だ。
記憶を消したいが、
お互いそうなるのだけは止めておきたい。
「持っても10年で命を引き取った。
通常の人間だともっと長い筈だ。
だが魔界の空気が悪いのか知らないが、息を引き取ったのだ。」
『…一つ言っておきますが、
魔女は本来10年しか生きれません。』
何そう言ったアンリにメルは頷いて話を続ける
『力が強ければ強い程身体への負荷がかかり過ぎるからです。
強い者程短命と呼ばれていて、最短で3年という話もあります。』
「…寿命が延びることは」
『永久の魔女っていう超古の
居るかどうか分からない伝説の魔女になれば、
永遠の命を手にするとか
なんとかは聞いたことがありますよ。』
悪魔と一度契約をして
魔女になればもう伸びることはない。
ただ、一つだけ呪いとして魔女は一度死んでも
生き返る呪いがかけられているのもあるが…
実際倍の年齢になる。
それに寿命を延ばす効果の薬もある位。
それ以外は本当に永久の魔女ってやつにならないと無理。
だがその永久の魔女はかなり難しいと聞いたことがある。
正確には本で読んだものだが。
『魔女の血は人間の約5倍と言われます。
加えて魔力が込められた血なので悪魔にとっては
かなり高級な餌として重宝されていたことでしょう。』
「…其処まで分かっていて、何故君は此処に居る?」
『私は昔馬鹿な約束を交わしたんですよ。
それも悪魔じゃない、別のとある者のことを
好きでも嫌いでもないのに、助けちゃって。』
「…それで」
『私はその子に全てを渡しました
記憶も感情も意識も…魂さえも。』
「っ!!!」
『私はその子がただ寂しそうだったから
上げたしそれに後悔はしていません。
おかげ様でこうやって教師を
やらせてくれているわけですし。』
「…騙していると思わないのか」
『そりゃ思いますよ何言ってんですか。』
そう言ったメルの目はアンリを見ていた
『本当のことを言いたくても言えない気持ちが…いえすいません』
「ああいや此方こそすまない…だが君が
本当に帰りたいのなら
正規のルートを通って帰れることは出来る。」
『…帰ってももう何処にも居場所はないんですよ』
魔女は孤独だ
何処に行っても本来迷惑をかける種族である。
人間からも悪魔からも忌み嫌われ
残された天使の場所は地獄よりもひどい場所等
一体何処が安心していられるというのだろう?
こうやって嘘を付いていないと生きれない世界等
…本当は死んだ方がマシな世界だというのに。
それでも、僕はその子を手に取って嬉しくてたまらなかった
何度も何度も訪れる時間に、酔いしれて楽しかった。
ずっとコレが続けばいいとさえ思ってしまった。
記憶が消されただけで罪が消えると思うなよ。
そう心の奥底の獣が言うのだ。
僕は罪が大きすぎるのだと。
だから記憶を消すだけではいけない
寧ろ記憶を持った状態のまま生き続けなければいけない。
そうすることで、救われるから。
『死体は人間界に戻す手段は取っています。
それに人間界でも魔女狩りは起きていますので
死ぬなら魔界で死んで遺体は戻します。』
「…そうか、だが気を付けろよ」
『ご忠告どうも…ああ後』
魔界で生き残れるように、
身体を作らなければいけない。
数日前のようなことにはさせない。
メルはアンリに少々耳にしておきたい事を伝える
『天使の件についてお話があるのですが、
お時間よろしいですか?』
その言葉にアンリの目が酷く揺れていた
++++++++++++++++++++++
『以上になります』
ここ数日の話を纏めてアンリに説明する所図書館
ふむと言ってアンリがその天使は何かつかめているのかと聞く
それにメルは首を振る
『警戒はしておきたいと思いまして
私も準備してるんですよ。』
「…何故、そこまでして悪魔を守りたいと思う?」
そう素直な気持ちに、
メルはそうだなぁと言って答えた
『優しい真っすぐな悪魔さん達がかっこいいから…じゃだめですかね?』
「っ!…そうか、君はそうやって周りの悪魔が見えるんだね」
『ええ!私には出来なくて皆出来るの羨ましいですから。
…私も悪魔だったらどれ程良かったか』
いや君は悪魔だそう言ったアンリが手を出す
「君はうちの娘を良い方向に導いてくれる良い悪魔だよ。
自分のことを卑下するものじゃあないさ。」
『ありがとうございます』
入間という少年には気を付けとと言われて焦るメル
それにアンリは咳き込みでは念のため気を付けると
言って席を立った
「情報ありがとう。
何かあればアメリを通じて伝えよう。」
『此方こそ…うちの種族がご迷惑をおかけします。』
嗚呼自分で殺すので大丈夫ですよ。
そう言ったメルの目は銀色に光る
それにびくりとアンリが固まるが、
すぐに頼んだと答え図書館から消えた
『〜〜〜っ!!やったな、馬鹿』
あのアンリにバレるとはいつ保護されてもおかしくはない
だが…魔女だと知っても尚、彼は此方を保護しなかった。
僕がこの魔界に残るという強い意志があったからだろうか?
それとも…魔女が他に居るから?
泳がせておいた方が沢山釣れるとは言うからな。
精々泳がせてもらいたいものだ。
…どうせ、この命はもう
そうメルは胸に手を当てた
ー魔女の寿命は本来10年だ
そう言ったアンリの言葉に酷く胸が痛くなった
オリアス達と関わって既に6年の月日は流れている
それでも未来の年月3年を削ったとしてもだ
軽く4年はもうこの場所で過ごしているのは間違いない。
引継ぎの魔女はその半分…5年しか生き乗ることしかできない。
その話をアンリはしていなかった為出さなかったが
本来メルの寿命はたった5年になっていたのだ。
オリアス達が知ったら、きっと泣いてしまうだろう。
授業やらせてもらえなくなるかもしれない。
…流石にないとは思うが
教職員全員で僕を閉じ込めたりしないよな?
『…あと、たった1年』
嫌だ。あんなにも死にたくてたまらなかったのに
今ではもう沢山の悪魔に出会って心が変わってしまった。
もう、何も捨てたくないし無くしたくない。
この1年を過ぎた次は…一体僕の命は生きているのだろうか?
5年目の私は、一体生きているのだろうか?
と言うか、途中でオリアスと契約してしまった以上
寿命の概念が変わっている気がする。
だからもう…いつ死んでもおかしくない状態だ。
そんな時に、人間界の甘い誘いに誘われて
…揺らぐなんておかしい。
『…絶対生き残る』
誰よりも、足掻いてもがいて生き残ってやる。
この命は…もう自分以外の物だから。