Novel - Paola | Kerry

it's just you


同じ世界など見れないくせに

20/09/15
15

無事あのドえげつない世界から生還した三人は
無かった事にしようというメルの提案で何とかなった。
まぁオリアスとダリにきっちりこってり
三時間説教を食らった後反省文行きになったが。

…勿論メルは追加で一日反省行きになった。
まぁその話はまた後日に回させてもらおう。

時間は過ぎてテスト週間。

「メルちゃんさ」

『うぁあい、っ!!…なんでしょう』

「…話大丈夫?」

とんでもない声が聞こえて何人かがメルの方を見る
机で何かを作り出していたのか
集中していた所を邪魔してしまったようだ。

なにやら円やら呪文が描かれた用紙が
机に散らばっていた。


『いいです構いませんですなんでしょう』

「テスト中ってメルちゃんの
家系魔術使って何かできない?」

『…オズ?君さぁ』

アレを行使しようとしてない?
そう言ったのは幻影具現化モル・レヴァの件
そう〜とにっこり笑顔なオリアスに
メルは内容によりますと返した。


「メルちゃんのアレってさ、ひょっとして
他の悪魔の家系魔術も効果出来る?」


『…………』


「あれ?メルちゃん??」


『……でき、なく、もないですが、
その日の健康状態と精神状況と
邪魔が入るかどうかに寄りけりで
かなりシビアですが、』


「え?マジそんなに?」


『ええ、いや最近お世話かけまくってるので
ついでにそこそこ人が居る所で隠れて
出来るようにはしておきたかったので
まぁ良いですよ。』


「丁度一日だけバラム先生が緊急で
家に帰らなきゃいけない予定が出ちゃってさ
テストの日決まって
ずらせなくなって困ってるんだよ。」


『……待って下さい、ひょっとして
バラム先生と同じような感じが出来るかと????』


yesと言ったオリアスの首を縦に振る動作に
メルは顔をしかめて額に手を添え深く悩んだ

「駄目?」

『…バラム先生要相談ですね、あと
ダリ先生とオリアス先生連れて行きますよ。』

そう言ったメルは仕方がない仕方がないと
呟きながらダリ先生の教卓に行く

『ダリ先生』

「はーい、なぁに?どうした?」

『ちょっと大事なお話がありまして
バラム先生の準備室に一緒に
来てもらいたいんですが』

「…分かった。先に行っといてくれる?
後から行くから。」


『分かりました。オズ!!行くよ』


「っえ?あああ、待って!!」



+++++++++++++++++++


コンコンコンとドアを三回ノックする
どうぞと声が聞こえたのを耳でキャッチし
失礼しますと軽く会釈しながらメルが扉を開けた

『すいません急にお邪魔して、
今お時間よろしいですか?』

「いいよ…どうしたの急に改まって」

『ちょっといやかなり大事なお話がありまして
ダリ先生にも聞いて欲しいので来てくれた時に
お話しようと思って。』

「え?なに…?結婚するの?」

「っえええ?!」

『ぴぃ!?けえけけけっけけ』

そうジト目で言い出したバラムに
メルとオリアスが顔を真っ赤にして驚く
それに嗚呼違うんだね
ごめんごめんと苦笑いして謝る


今魔茶入れるねと言って席を外した時だった
コンコンとドアのノック音が聞こえて
バラムに代わりメルがはーいと声をあげた

扉が開くとダリが現れて
此方を見て来てたんだと言った


「何々?俺とオリアス先生とバラム先生に…
何?二人とも結婚式でもあげるつもり???」


「ちょ!!ダリ先生!?」


『…お前もかブルータスよ。』


「え?ブルーなに?」


いやこっちの話。
そう言ったメルにタイミングよく
バラムが魔茶を出して
来てくれたのに席に座る。



「それで話って言うのは?」


そう言ったバラムにメルは
そっと魔茶の方を見て黙る

少し時間を置いてメルちゃん?
と言ったダリにメルは
帽子を取ってオリアスに渡す

無言で上着を外したのに
何々何と声を上げる。



『…他言無用でお願いします。』


盗聴防止をかけたメルに、
ただならぬ事態だと把握した
バラムとメルは深く頷いた。

『私が魔女ということは
お二人ともご存じだと思います。』


「うん、それがどうしたの?」


『テスト週間一日だけバラム先生が
いらっしゃらないということでテストの日
私がバラム先生の代わりになれますという
提案と相談を含めてお話させて頂きたくてですね。』


「えっと話が見えないんだけど、
メルちゃんの家系魔術って
僕と同じだったっけ?」


『正確には違いますが、
バラム先生の家系魔術も使えますし
ダリ先生の家系魔術だって…
この魔界に生きている
全ての家系魔術も使えます。』


そう目を細めて言うメルに、
何時もは中々目を見せない
ダリが目を開いて丸めて驚いた


「…ちょっと詳しく聞こうか。」


『魔女は悪魔と契約をして契約した
悪魔の家系魔術を使用する事が可能です。』


「うん」


『その家系魔術を別の人間に魔女候補として
渡し続けていくと、
ある日を境目に強化されていきます。』


「え?ってことは、元々の家系魔術より
事実上強い個体が生まれるってこと??」


『100%の確率で強くなります。
ですので基本的に魔女から人間に
家系魔術を受け渡すことは
本来禁止行為にあたり、本来であれば
処罰まぁ殺処分に当たる行為になります。』


「…え?そんなに重いの?」


『家系魔術を持った上で、
別の悪魔と契約することも可能でして
最大で確か三つ位付けれるとか
聞いたことはあります。』


「なんかすごいね…」


『で、此処からが問題でして。
私は家系魔術を二つ持っています。
一つはオリアス先生の占星ラッキーハッピー

そう言ってメルがオリアスを向いて頷く








『もう一つはもうこの世界に存在しない家系
モルぺ家の家系魔術幻影具現化モル・レヴァ




「っ!?なんだって!?!?」

「嘘でしょ!?!?
メルちゃん本気で言ってる!?」

お静かに。そう言ったメルに
驚きのあまりたったダリが
ごめんと言いながら席に座った。



「え?マジで言ってる?あの???
魔界を統一した一時期の魔王の家系魔術????
あの幻影軍隊の一族???」


『そうです。何なら今作り出して証明しますよ?』


「…え?良いの?」


『構いませんよ。おらお呼びだぞ。
幻影具現化モル・レヴァ、ダンダリオンにバラム』



いつもより2トーン声が低いメルが目を開けて言うと
バラムとダリの背後から同じような声が聞こえた





「ーへぇー?俺達呼ぶなんて主は物好きだねぇ?」


「っは!?え!?嘘マジ!?俺じゃん!!!!」


「ー初めまして、かな?
僕の姿ってこんな姿だったんだね。」


「…本当に僕そっくりだね。
これは驚いた。」


そう目を丸めて驚くバラムとダリに
メルは言ったでしょと首を傾げて答えた。


『ダンダリオン。私は物好きで
お前を出すつもりは無かった。
っつーかお前呼ばれなくても
どーーせ出てくるつもりだっただろ馬鹿』

「ーえぇ?そんなことないよ??
此間のはつい面白そうだったから
出て来ちゃっただけで〜」


『うるっっせぇ、指示も無いのに出るなっつてんの。
こっちは隠し通そうと必死なんだから。
って言うか無駄な話をするのは後だ馬鹿。』


「…ねぇ俺のアタリ強すぎない?」


『ダンダリオンが言う事
聞かないのがいけないんですよ。
ダリ先生が悪いわけではないとは思うんですが。』


「ーでもコレってその子の性格にも
比例するから割と合ってるんじゃない?」


『…お前マジで殺したろうか???』


すいません。そう言った一言で
メルがよろしいと答える。
3トーン位低い声が
聞こえた気がするが、気のせいだろう。


「それにしてもどうしてこんな
凄い家系魔術を誰にも教えてなかったの?」


『先程ダリ先生がかなり驚いていたように
この魔界ではこの家系魔術は既に死んでいる状態。
加えて大分前の魔王が
使用していたとされる家系魔術です。』


「急にバビルスのそれも
女性教員が強すぎる家系魔術を
何処かに漏らされたら、ひとたまりもない。」


そう言ったオリアスにメルは深く頷いた。


『そういう訳で極力抑えているんですよ。』


まぁ他にも理由があるというか
本来は此方が一番のネックになっている…が。



「…その僕の姿をしたこの子が
僕と同じ家系魔術を使えるって?」


『ええ、出来ればどんな風に
家系魔術を使用しているのか
特訓をしたくてですね。

この家系魔術を使用すると一か月程
本音でしか対応できなくなってしまうんで
と言うか数日前に使っている以上
テストの日は生徒の周回出来ないんですよ。』


「あーーなるほど、だから
メルちゃんテスト週間の日
教職員の補欠の方に回っていたってことか!!」



そういうことだ



「なるほどねぇー」


『それにこの魔術長時間使用は
厳禁としておきたいので
なるべくその期間がどれ位なのか
シビアな時間が知りたいと言うのもあり

どうせ心の中も見られてバレちゃうダリ先生と
バラム先生には報告しておいた方がいいかなって。』



「…君、本音だと随分ズバズバ言うんだね。」


『思った事かなり抑えてるの分かりますよね?』


「そうだね」



「…一つ質問」


『何でしょう』


「その使用期間を超えた場合どんなことが起きる?」


『…例えば?』


「気絶するとか或いは…」



死ぬとか?



そう言ったのにメルの眉間にしわが寄るのを
ダリもバラムも逃さなかった。



『…おっしゃる通りです。
最悪死ぬ可能性はあります。』


「え?」


『正確には行方不明になると言うのが正しいですね。
現実と夢の境目に呑まれて
現実に姿かたちを残せなくなります。

ほら伝説で行方不明になって
消えたって噂になってましたよね?

アレはマジで正しくて、
家系能力の欠点であったんですよ。』


「ちょっと待って?
授業の改善しなきゃいけなくない???」



とんでもない情報仕入れちゃった僕。
そう言ったダリにメルは少し頷いた



『限界を超えると消えて僕は貴方達と
一緒に暮らすことは不可能になります。

…まぁそんなことをする前に
もう僕の命は残り少ないんですが
っ…あっやっべ』



「……一体どういうこと?」


そう言ったオリアスにメルはそっぽを向く
いらんところまで言ったのが悪い。



『…魔女の命はその力が強大な為、
身体が持たずにたった10年で
命を落とすと言われています。』


「っえええ?!」


「待って!?魔女になって何年!?」


『年齢的には今年で…9年目です。』


「嘘、でしょ?」


ほんとです。そう言ったメルに
オリアスがメルの手を掴んだ
聞いてないと言ったのに
だって言ってないもんと答えた。


『14の時に継承されたものなので
来年にはもう』


「嫌だ」


『決まりなのです。一応10年で死ぬ話は
オズだけにしていましたが
ダリ先生やバラム先生にも
お伝えしておきたくてですね。』


「…10年以上生きた魔女はこれまで何人いる?」


『かなり低い確率ですね。
最長でも20年だと聞いています。』


「それでも…かなり短いね。」


『ええ、それに最長はかなり力を使わずに
抑えて生きていたと言われてますので
このまま順調にいけば』


「寿命を関係無くす方法はあるの?」


『此間魔女集会に参加して、魔女の長から直々に
永久の魔女にならないかってお誘いが来まして。
ソレになれば永遠の命を得ることが可能です。』


「…来年までに?」


『正確には再来年までですね。』


「どうすれば良いの?
寧ろそっち先にやって?
ねぇ授業とかもうどうでもいいからほら。」


『えぇーーー????』


「だから言ったでしょ?
俺以外に言っても先に命優先しろって言うって。」


そう呆れて言うオリアスに
だってーとメルがぼやく


『永久の魔女になると職員として
仕事出来ない可能性が高いですし
それに永久の魔女になるのに
この力が必要になってくるのです。』


「どういうこと?」


『ミレイユが永久の魔女だった
可能性が非常に高い話が浮上していまして。

彼女が使用していたのを察するに、
かなりの高度な技術を会得した上で
かなり面倒な条件を考慮してからなれるという…』



「内容的にはどうなるの?」



『えぇええええと、ちょっと待って下さいね。
その話は後にしましょう。で、バラム先生
僕に家系魔術の技術を伝授お願いしたいのですが。』



「それは良いよ。僕も居ない時にお手伝い
してもらえるとかなり助かるし安心するから。」



分かりました。そしたら
内容の本を持ってきますね。

そう言って指を鳴らした後
ダンダリオンとバラムを呼び

そのまま異空間に入って行ったメルに
嘘だろとダリが大きなため息を吐いた。



「えぇ…メルちゃんあの
モルぺ家の末裔ってこと?」

「そういうことじゃないですかね?」

「うっそ…俺昔メルちゃんに
超モルぺ家の話で盛り上がっちゃった…
馬鹿じゃん。」

魔歴の教師としても、
メルが聞いて来たことに
こうじゃなかったのかな?

と推察を含めて話をしたことを思い出す。
どうせ彼女は覚えていないだろうけど。

「まぁまぁ、モルぺ家を
推してるとかってやつですか?」


「まぁ今風に言えばそうかなぁ〜、だって凄くない?

家系魔術肉体でも触れるし攻撃も
家系魔術も全て同じ人物として出来るんだよ?

その姿に惑わされて行方不明者続出とか
っていう逸話もある位なんだからね?」



そんな相手に一度会って話がしてみたかった。

そう言ったメルに
ダリは思い出して恥ずかしくなった。


本当に目の前にしかも数年前から担任として
会っていたとは、
メルはどんな気持ちだったんだろうか?



「いやでも彼女数日前に
知ったばかりですよ?」


「っえええ?!そうなの!?」


「情報的には詳しいこと知ってなくて
此間王の教室の判子を貰う時に
うちの師団の生徒から貰ったんですよ。」



『あったよーーーって話中?』


ああいいいい!そう言って
首を横に振りながら手を振るダリに
そう?と言ってメルが腰掛ける




『材料的にはこれ位必要。』


・13名の悪魔の血100ml
・6名の人間の血100ml
・1人の天使の血100ml

・精霊水
・精霊族、魔女、悪魔の王の許可
・ユグドラシルに実るリンゴと葡萄




「え?マジで???」


「色々不可能な気がするんだけど…」


『あの魔女は人間ですから
一応探そうと思えばいけなくは
ないけど…まぁこれ位無謀な話なので』


「とりあえず教職員の血
捧げれば何とかなるよね」


『ダリ先生あの話聞いてます?
聞いてないですよね?』


「ユグドラシルかぁ何処にあったかな?
かなり奥深い筈なんだけど。」


『待って?私を蘇生させるつもり?
ねぇ仮にも教師だよね?
っていうか悪魔の血が全部
誰でも良いという訳じゃないですからね?』


「え?そうなの!?」


『此方の本に載っている
苗字の記載以外は不可能です。』


「えーっと、ナベリウスに
ムルムル、あ結構うちの職員いるねぇ!!」


『でも人数はいませんよ。
同じ家系はカウントされませんし。』



「そっかぁー」



『…どうして、其処までして
僕を活かそうとしてくれるのですか?』


そう言ったメルにうん?とダリが答える



「当たり前でしょ。
メルちゃん凄い真面目で良い子なんだから。

そりゃ多少おふざけが過ぎる時もあるけど
寿命が少しでも長くなるって言うんだったら
そっちを手伝うっていうのもまぁ面白そうだし。」


人の命をそんな弄ぶ気持ちで許可されても困るのだが。



「それに、その力ってどうせ
皆に知られないようにして
なんとか誤魔化して生きて来たんでしょ?
未完成に近いでしょ?」


『うっ』


「ってことは完成させないと意味ないよね?
んーメルちゃん後期から君
授業持たなくて良いよ。」


『ほらそうやって私の生きがいを殺すううう
だから言いたくなかったんですううう』


「でも手伝いたかったから
話しておきたかったんでしょ?」


『うっ』


「それに俺とバラム先生だけって言うのがねぇ〜
俺達愛されてません?」


そうニヤニヤし始めるダリに
えぇー?とバラムが苦笑いする


「いやーそうと決まれば、メルちゃんその話
おおっぴろげにはしないからさ、
血を分け与えたいって
悪魔だけに話すのはどうかな?」


良ければこっちで時間合わせるよ?
そう言ったダリにううんとメルが首を傾げる


「よしじゃあメルちゃん今まで通り仕事はしてOK
但し基本的にその家系魔術を強化する事に集中して?
でこれから殆どの時間その強化する悪魔と一緒に行動。
分かった?」

『うぁい』

「あはは!返事ははっきりと!」

『はい』

「よろしい」

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