『ダリ先生』
「はぁい〜どうした?決まった?」
『一応このメンバーでお願いします。』
「…あれ少ないってか生徒もいるけど、本当に良いの?」
『あの子達を巻き添えにするのは嫌ですが
一応このメンバーなら、私は良いなって思って。』
「分かった。そいじゃ周りの子を呼ぶからメルちゃんは
話す順番とか準備しておいてくれる?」
『分かりました。』
+++++++++++++++++++
と、いうことで。
正装をすることになりました。(急)
いやー本当の正装は
黒装束じゃないんですよね。ええ。
黒のノースリーブに、胸元に緑と
白のラインが入ったドレス型のワンピースを着る。
ノースリーブの首元には襟がついており、
もう姿は殆どどこぞの魔法少女と同じ姿だった。
強いて違うと言えば、
スカートの部分の星型が無いのと
占い師みたいな薄い
透明のマントみたいなもの
頭にくっつける方は星が
三つくっついているということだけだ。
腕は人差し指にリングを付けて
手の甲から二の腕まで
白い手袋をつけている。
あとはもうほぼ同じだ。
水色の髪色は、この際無視して
淡い緑色の色で行った方が良いだろう。
どうせけじめをつけるみたいなものだ。
『…大丈夫、分かってくれる。』
そんなの駄目だやらない。
そういう声が聞こえてくる。
自分はとことん
相手に合わせてしまったが故に
自己というものが本当に薄いと思う。
否定されたら即戻す。
そうだそのまま戻す。
正直出来るだけ魔力を温存する為にも
日々地味に削っているこの髪色と目の色を
何とか変えていたかったが、
そういう訳にもいかなくなる。
コンコンとノックが入り、
はぁいと言ったメルに
失礼と入ってきたオリアスが固まった。
「…え?どういう状況???」
『呼びに来てくれたんですか?』
「え?あ、うんそうだけど、それは???」
『元々こっちが正装なんですよ。
髪色も元に戻しました。けじめですけじめ。』
「ああ、うん。じゃあおいで?」
そう言って呼ばれたのでついていく。
資料を持って、勿論タレットも。
暫く歩いていると、
此処だよと言ってドアを開けられて中に入る
『…ダリ先生』
「なぁに?」
『ねぇ人多すぎです…!!
誰が全員集めろって言いました?!』
そう叫ぶメルの前には左から
アメリ、入間、アスモデウス、
ロビン、バチコ、モモノキ
ストラス、ダリ、サリバン、
カルエゴ、バラム、マルバス、
ツムル、イチョウ、イフリート、
オリアス
の計16名が座っていた。
「いやぁーメルちゃんが命の危険に
関わる話するからって言ったら皆きてくれて〜」
『話飛躍し過ぎですって!!
まぁ確かに余命二年きりそうですけど!?』
「「「まっ!?!?!」」」
『あ』
やっべ大きくばらしたもおおおお
そう地団太を踏むメルに
オリアスがまぁまぁ落ち着いてと言う
「メルお姉ちゃん、
一体どういうこと?」
『ん゛〜〜話すよりもこれ位の
人数だしたこたぁないけど
一応出してみるか!!
ちょっと数秒待ってもらえます??』
そう言っててを前に出した
メルがそっと目を閉じて姿勢を正す
一体何をするのだろうかと
疑問を浮かべて見ていると
何かを呟いた後、目を開いた
『“
オリアス、ダンダリオン出てきて!!』
そう指を鳴らしてメルの
両隣から出て来た二人に
全員がぎょっとした顔で
声を出せずに驚いた。
「ーん?こんな大人数の前でどうするつもり?」
「うっわ!?喋った!!!!」
『ダンダリオン静かにお前ら待ってな。
イフリート!ムルムル、
あとイポスも出ておいで!!』
そう後ろを向いて顎で
前に出るよう指示をするメルに
何々?と言いながら教師服のイフリート、
ツムル、イポスの姿をしたものが現れる。
「…これは、驚いた…
モルぺの末裔が生きてるとは。」
『マルバス!ストラスにモラクスもおいで!!
…あーもうほら!モラクス恥ずかしがらない!!』
そう背中を押すメルが更に指示を出す
『バラム!ナベリウスも出ておいで!!!
…大体今の所はこれ位が限界ですが。』
そう言ってメルが中央に立ち、
説明を始める
『では、僕の自己紹介を。安名メル魔女です。
家系魔術はオリアス先生の
此方のモルぺ
ひょっとして驚いて声出てないです?
そう言ったメルに理事長であるサリバンが言う
「…驚いたよ。まさか
あの伝説のモルぺ家が生きてたとは」
『はい!一応言っておきますが
僕はモルぺではないです。
魔女は悪魔と契約をした
悪魔の家系魔術を得た者です。
それが渡りに渡って此処まで進化しているだけ
ですから派生だと思った方が良いです。』
「成る程、それが命にどうかかわるんですか?」
『モモちゃんいいとこついたね。
魔女は長くても10年しか生きれなくてですね。
僕今年で9年目になりますです。』
そう言った途端
メル以外の全員の顔が青ざめる。
およ?と首を傾げるメルに
嘘でしょ!?と驚いて席を立ったのは
ツムルとマルバスだった
「本当にそれいってる!?」
『ですです。来年というか
再来年の春には永眠してますね。』
「え?それ解消方法がある
っていうのが、このメンバーってこと?」
『ですです。正確には入間君と
理事長、あとロビンも除外です。』
「なんで!?」
『入間君と理事長、ロビンの
共通点は悪魔の家系に載ってないのです。
入間君と理事長は僕の家族ですし、
いきなりバルバトス家のご長女に
初対面でこんなおもっくるしい話をするのも悪いので。』
「成る程だからあっちの従妹
であるロビンを入れたってわけか」
そういうことだ。
「メルちゃんどうやったら死なないの!?
教えて教えて教えて?!!?」
『んん〜〜〜ダリ先生言って
皆納得すると思います?』
「んー言いにくいなら僕から言うけど良いの?」
『ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…お願いしても構いませんか?』
そう圧に耐え切れなくなったメルが
そっと作り出したイチョウの
背後からそっと覗きつつ答える
此処まで出すと性格まで元に戻るのか。
滅茶苦茶怖いです。
震えが止まらない。
大丈夫?という声が小さいが
モモちゃんから聞こえる。
嗚呼天使よ。
可愛いね、ちょっと隠れて
ぎゅっってさせて。怖いの。
うぐうぐとしていると
其処!とカルエゴに
指摘されたのに心臓が
飛び出そうな勢いで驚いた。
どうやら煩いので消して
欲しいとのことに
メルは頷いて指を鳴らし
周りを綺麗に消し去った。
「という訳です。」
「13名の悪魔の血はまだ良いですが、
人間の血と天使の血は流石に…」
『そこはつてがあるので多分いけます。』
「つて!?メル様!?
人間とお知り合いに!?」
そう驚くアスモデウスにううんと首を縦に振る
あれ、こいつらに魔女の話をしていた筈だが…
「でもそれで本当に
永遠の命が手に入るの?」
『いやぁそれが怪しいんです。
そこで、この力を完璧にするために
ちょっと皆さんに大変ご迷惑を
おかけしますが家系魔術を
伝授してもらえませんか?』
お願いしますと平謝りをする位に
角度をぐっとまげておじぎをする
それにそんなことで良いのーと言う声が上がる
「そんなので助かるんだったらねぇ?皆」
「メルちゃんには助けられてるしねぇ〜良いよね?」
そう言った者に全員が頷く。
「再来年急に居なくなられるのも困るからな。」
「それにしてもメルちゃん
これ言わなかったらどうするつもりだったの?」
『え?普通に死ぬつもりでしたが?』
「…え?」
『え?だって永久の命
特に要らないかなって
思って生きて来たので。』
「マジか」
『…まぁ、その、皆さんと一緒に仕事してて、
楽しくて…もっと仕事したいなぁって思って。』
本当に自分は悪魔が好きだと思う。
食べられるか分からない場所で、
こんなにも囲まれても尚
悪魔を守りながら生きたいと願ってしまうのだ。
『お手を煩わせると思いますが
よろしくお願いします!!!!』
「事情は分かった。
だが幾つか質問がある。」
『はい!!』
「ソレは俺達本物よりも強くなるのか?」
『…場合によります。
あくまでも基準は僕の記憶と
イメージ、集中力、
感情の操作や魔力等が含まれるので。』
「ということはある程度の技術が
必要になると言うことか。」
『ですです。』
「…ちなみにそのキラキラした格好は?」
『…一応正規の服装です。
まぁ攻撃特化として魔女の魔法を使う時は黒装束。
此方が正規なんです。』
「バレない様に着てなかったってこと!?」
『まぁというかそもそも皆さんに
隠し通す予定で入ったので
衣装は何時か使うと思って
捨てきれずに保管していたのです。』
「成る程…でその口調と隠れる動作は??」
『…僕の本来の性格です。
コレを使うと発作みたいに嘘が付けなくなるのです。
なので拉致られた時凄い良くないので、
拉致られない様にも特訓してほしくて。』
「成る程、俺達の対価は?」
『…一応魔女としての高価なアクセサリーは渡せますが
まぁいざとなった時に自分の分身が出来て後が楽かな?
って所が一番妥当じゃないですかね?』
そう言ったメルに、どうします?
とダリがカルエゴと理事長の方を向いて聞く
「僕は採用〜!!メルちゃんが
あと二年しか生きれないとか耐えれない!!!」
「それは僕も同感ですね。
彼女はもうバビルスにとって
必要不可欠な存在ですし。」
『はわ…ねぇオズ、
皆天使なの??
本当に悪魔?』
「角も牙も翼も全部見てるのに
まだ天使って言う?」
そうだけどさぁああああと言う
メルにオリアスはため息を吐いた
「にしてもメルちゃん
よく俺達の姿作れるね?
特訓してたってこと?」
そう聞いたイフリートに
それ俺も思ったとツムルが手を上げた
『そうですよ!!僕がたーくさん接して
記憶に残った分鮮明に作り出せるのです!!!』
「にしても全員上手く見えたと思いますが…」
『…形自体は見えても
中身がすっからかんとかあるので。』
あと後ろ姿とかも割と雑だったり。
ほらと言ってイフリートを出して
後ろを向かせると
ある筈の尻尾が生えてない。
それをみて
「あー確かに間違い探しになるねこれ」
と言ったイフリートにメルは頷いた
「あれ?皆耳飾り付けてるけど
何か意味があるの?」
『嗚呼、これは左耳が守り、
右耳が攻撃の指示を出している状態です。
必ず前衛と後衛変わる時は
耳飾りを一度鳴らすように触ります。』
それ以外はもう実力ですが
ほぼ同じ姿ですよ!
そう言ったメルに
へぇーと声が何人かから上がる。
「無くなったりするの?」
『…試す?試す??』
「ねぇ何で僕ので試すの!?
メルちゃん!?」
そうダリが叫ぶのにメルがケタケタと笑う
いやぁーいつも言う事
聞かないからーと言ったメルに
左耳の耳飾りとつけたダリが答える
「ーんー多分死ぬんじゃないかな!!」
『マジか駄目なんだ。』
「そういえば先程から
皆さんの名前を呼ばないのは
何でですか?」
そう言ったスージーの答えに
それはぁと言いながら
メルがもごもごするのに
俺が答えるよと左耳に耳飾りをつけた
オリアスが出てきて答える
「ー俺達に慣れ過ぎると
現実に帰れなくなって
ずっと夢の中を彷徨い続けてしまうから。
だから一線を越えない様に
俺達を名前で呼ばない。」
そうだろ?と言ったオリアスに
そうそうと首をブンブンと縦に振った
『僕が元々皆さんの苗字を
呼ばないのはそういう理由ですよ。』
「所々苗字で呼んでる人は?」
『…なんか恥ずかしくて
言う機会逃しちゃっただけです。』
「とりあえず以上かな?
皆に言うことは?」
『ない筈です!!!』
そう言ったメルにじゃあ解散〜
と言ったダリに周りがざわつき始める
ほっとした顔でメルもまた席を外した。
「ーいいのぉ?一番大事なことを言わなくて」
『いっ、ごっ、げほっ、けほっ、っ』
そう胸を掴むように
服を鷲掴み咳き込むメルに
そっとオリアスが背中をさする。
夜の屋上はちょっと初めてな気がする。
「ーでも、きっと言わないと後悔するよ?」
『ぐっ、げほっ、げほっ、っ』
最後に咳をしたとき、
ぴしゃりと口から出て来たものを見る
赤い鮮明な色に、
メルはうんと
縦に首を振るしかなかった。
この力を使えば使う程、
吐血する回数が増える。
だからなるべく
鍛えることはしなかったのだ。
永久の命を得るのが先か
命が尽きるのが先か
どちらかの戦いになってしまうとは。
知らなくて良い。
出来るのであれば…
そう回復薬を飲み込み一息つく
『回復薬があるし、
今以上にストックを増やすよ。
悪魔も血の匂いに敏感だろうし。』
いざとなれば、
記憶を奪えば良い話だ。
そのまま居なくなる事だって可能。
「ーなのにずっと現実に居続けるのは、
居たいからだろ?」
『…うん。』
「ーきっとあいつら怒るぞ?
お前の吐血見て驚くよ。」
『…いいよ。永久の命を得る前に
死んだらそれまでだし。』
それに耐えられる量は
ちょっと広げておいた方が良い。
タロットでこの先の未来を占ってみる。
自分が最期どうなるか。
手の中にあるのは、
吊るされた男の逆位置
強制的な苦痛を味わい
それに対する見返りは
期待できないことを示す。
報酬のない苦痛や試練に
耐えるしかない意味だ。
『…何度も同じ結果。』
ここ数日同じように占っても同じ結果。
恐らく最期何かを暴露されるなり
誰かが死んでしまい、
庇って痛みを伴うのだろう。
幾ら努力したって結末が変わらないなら
そのまま手放してしまえば、
楽になれるのに。
でもそんなこと出来ない。
こんな多くの悪魔を
動かしてしまったのだから。
『言うの駄目だったかなぁ』
「ーいんや?星は変わってる。
間違いなく変化してる。」
『…皆を生かすという意味なら、
これはきっと一番良い占い。』
数日後また同じように占ってみよう。
今度は皆がどんなことを思っているのか。