Novel - Paola | Kerry

it's just you


同じ世界など見れないくせに3

20/09/15
17

バラムの家系魔術


「良い?僕の家系能力は虚偽鈴ブザー
観察対象の嘘や不正を瞬時に察知する事ができるんだ。

簡単な話水面に石とか投げたら水面が広がるでしょ?
あのイメージで嘘を付いてるかどうか見破ってる。」


『はえーーーーー』


「試しに誰かに嘘ついてもらって
練習した方が良いかな?」


『んーーーオズ!』


「うんうん。隣に居るからね…」



オリアス以外を言い出すかと思った。
そう一瞬バラムは焦ったが
何とか隣の彼に的になってよかった。



「じゃあ試しに話をしてみようか。」


『え゛』


「オリアス先生は会話の中で
1つ嘘を付いてください。
メルちゃんはその嘘を見破るだけで良いよ。」


流石に最初はそんなうまくいかないでしょー
とのんびり魔茶を持って飲んでいると

好きな食べ物や飲み物の話になっていくと
嘘とメルが即答する。

その速度にいきなり!?と驚いた
バラムが口から魔茶を噴きだしてむせた


『オズ苦いもの嫌いでしょ』

「え!?流石にそれは勘じゃない?」

「げほっごほっぐっ…いや、合ってる。」

「え!?本当ですか?!」

『よっしゃ!!この感じか。』


日常茶飯事に自分で自分に
嘘ついて慣れ過ぎてたのが功を制したな!
と言ったメルに
待って?とバラムは思った。


彼女から嘘が見れないのに
脂汗が額から顎まで流れ出した



『それで次は?』


「それを繰り返して範囲を広げていくんだよ。
僕の場合はクラスのざわつきとかで訓練したよ。
あ今この子嘘ついたなって感じで。」


『へぇ〜それじゃあ日常生活で
でき…う゛う゛ん』



どうしたの?そう首を傾げるバラムに
流石に毎日後ろにバラム先生呼び出す訳には
いかないですねと汗を流しながら話すメル


嗚呼そうだねとバラムは苦笑いした。



「それならあえて僕が
居るように装うのはどう?
どうせ此間話したメンバーには
バレているんだし。」


『そうですね!!
ソレでいきますね!!!』


そうと決まればと言って
ううんと首を傾げるメル

どうしたの?とバラムが
言うのにいやぁとメルが
目を細めて答える



『僕この子と話をしているのを
皆に聞かれるのきついのですが…』


「いつものように喋っていいんじゃない?」


『だってバラム。
何時も僕らこんな感じだよね?』


「ーそうだね、
先生付けてもいいんじゃない?」


『やだ』



即答…そうバラム二人が
苦笑いして同じ表情で笑う



「ーそれなら髪の毛
伸ばしたり服装変えるとかどう?」


『あ〜アリかも?
ほらケープでも羽織る?』


「それだと周り
誤魔化せないんじゃない?」


だよねぇーと言った
メルとバラムコピーに
オリアスは苦笑いした


「ひとまず試してみたら?」




+++++++++++++++++++



と、言うことで。



職員室に帰って来たメルは
現在髪の色を薄い緑色に戻し
目の色を青寄りの緑色。

まぁ元々の髪色に戻した状態で
魔女服とはまた違う
正装で職員室に帰っていた。


それにライムが気付いて
あらぁと声を掛けてきた


「メルちゃんその服超可愛いわぁ〜?
バラム先生と一緒なの?」


『ええ、ちょっと私の方が
職員室に資料置きっぱなしにしてたので
ついでに見てもらおうと思いまして。ね?』


「ーうん。」


「あらぁ!バラム先生
いつの間にそんな羽根飾りを!?」


ううん!?気付くのはっっっや!?
そう驚く気持ちを押し殺していると、
バラムの方が驚いた


「っええ!?あ、いやこれはその」


「何々!?とうとう彼女でも出来たの!?」


『ライム先生良いから!
先カルエゴ先生とこ行っといて下さい
僕のは後で良いので。』


「ーそう?ごめんねライム先生、
では僕はこれで」


そう言って消えたバラムに、
ライムがどうして〜!?と聞く

まさかオリアス先生から変えた!
と言ったのに近くで聞いていた
マルバスが口から魔茶を吐いた



「っえええ?!そうなの!?」


『ちっがう!!ちょっと試して欲しい事が
あって羽根飾りを付けてもらってるんです。
僕これでも魔具を作れる方なので…』


これは半分本当半分嘘。
バラムが此方をチラリと
見たのをメルは感じ取っていた。


よしよし、一応自分の嘘にも
反応するんだな。



「へぇ!!そうなんだ〜あっ!ひょっとして前に
オリアス先生に渡してたピンバッジとかも!?」


『あ〜〜〜そうですよ。アレですね。』


キラキラマークが三つ程くっついてた
夜空の深い紺色が混じった色を金色で縁取った
とんでもなくオシャレに寄せた奴だ。


意外と気に入ってくれていたらしい話を
マルバスから聞いたので、ちょっと良い収穫。


一応バラムから連絡が無いと言うことは
嘘を付いている所はないようだ。


…今度また同じやつ作ろうかな。



「良いわねぇ〜淫乱作用とかも
作れるってこと?」


『いっ!?いやぁ…
好意を促す物は無知ですねぇ。
そもそも愛だの恋だのは
生理的欲求に基づくものでしょうし。』


「…待って?メルちゃん本気それ?」


「待って?」


『え?待って?』


余りにも二人が待ってを言うので
自分も思わず待ってと言ってしまった。


え?人間とかも子孫繁栄を
少なからず願ってする行為だし

悪魔もてっきりそういうものだと
思っていたのだが…



「こうなんていうの、
ムードとかあるでしょ!?」


『えぇ…うぅん、ムード、ムードメーカー?』


「メルちゃん…貴方
本気で私の授業に出る気ない?」


『ぴぇ!?やですよ!?
私これでも未修復なんですよ!?』


実はメル、学校に在学していた時
サキュバス系の授業は取らなかった。


凄い追いかけられた苦い思い出があり、
最終的に怖すぎたあまり、
ダリに抱き着いて泣いたのを覚えている。


あの時のダリ先生凄い優しかったなぁ…



『良いです。
ちょっとした恋話位で僕は』



そりゃあ興味はないことはない。
人間でも魔女でも女の子なのだ。

好きになって愛されていく
過程は興味をそそるものだ。



自分と違う経験を聴けるのはかなり良い。
今後の経験に活かせる可能性だってあるのだ。
選択肢が多くなるに越したことはない。


だが




『(僕は魔女だから)』




あとたった二年しか生きれない。



そんな軽い気持ちで
愛情を育て過ぎたら一体どうなる?


取り残された悪魔は?

攻撃してくる魔女は?


どうやって守れば良いのだろうか?



ダリやオリアスや色んな悪魔から
自分で塞ぎ込むなとは言われているが

大好きな彼らを壊す可能性を
自分が秘めているという現実に
耐えられなくなってしまう。



だから、手放そうとするのだ。
そして手放す気持ちが膨れ上がって
手放したくなくなって
自分の気持ちを強く引っ張る






その逃げて捕まえての瞬間的な感情が
魔女の一番の力になること位
メルは分かり切っていた。


魔女は孤独が一番の幸せというのは
きっとこういうことを言うのだろうな。


色んな世界を見て溺れて、
悪魔や天使が羨ましいと思う。



だって底深い所に落ちたって
羽根が翼があるから踏みとどまれる。




だが人間はどうだろうか?


一度落ちてしまったら
地面まで一直線だ





ーーー僕は







僕は一体何処まで落ちている最中なのだろうか?









「メルちゃん?」

『はっ!なんですか?!』

「バラム先生に呼ばれてるよ?」

そう言ったマルバスに
メルがぎゅんと後ろを振り返った


どうやらカルエゴとの会話が
終わったらしく席に行こうと
声を掛けてくれていたらしい。



マルバスにお礼を言って
速攻で自分の席に戻って行く




「ー随分と深く考えてたね」


『…ごめん、僕』


「ー僕達は君の考えている事が筒抜けになる。
君は一人じゃないんだ。僕や君の知る僕達が
きっとそう思っている。」


『うん。でも』


「ー…ひとまず資料の話をしておこう。
じゃないと周りが怪しんでいるよ。」


え?そう言ったメルは
周りを見渡そうとしたが
それはそれで怪しまれる為
ストップをかけた


資料の話をしながら周りの話を聞いてみる。


ツムルとイチョウが会話しているのを聞いて
ぽちゃんと何か水面に落ちる音がした気がする。


それにメルがバラムの名前を呼ぶと
うんと頷いた。

そのままキープしてみよう。
そう言ったバラムにメルは深く頷いた。



メモは人間の日本語で行うことに。



空想生物学の資料で
見てもらいたい話をすれば
多分この風景は通常通りだと
周りが思ってくれる。


良い具合に指摘してくれる
バラムにメルは会話をする。



数十分経っただろうか?
チャイムが鳴ったのに
次の授業バラム先生が
入っていたのを思い出したメルは
準備室に戻ってと伝える。



「ー分かった。後で資料まとめて置くんだよ。」


『了解です!…ふぅ』


準備室から職員室に来て出るまで約一時間。



一応マルバスと会話をしていた所の距離から
職員室半分位までの距離まで
何とか広げて噓発見器としてやり過ごしていた。



「メルちゃん今良い?」


そう言って近づいて来たのはダリ先生だ
何ですか?と首を傾げて
メルは椅子をダリの方に向けた


「今のバラム先生、ひょっとして家系魔術?」


『っ!?!?ちょ!!!ダリせ』


しーそう言うダリがメルの口を手でふさぐ
バレていたのかと言った
メルにダリが何人かはねと言った。


「ちょっとバラム先生にしては
仕草が大きいかなぁ。

アレさメルちゃんの
感情抑えたのが伝わってる感じ?」


『ぐっ…ご名答です。
僕の抑えた感情がちょっと漏れます。
大分抑えれるようには
なってきてはいるんですが…』


「うんうん。なるべくそうした方がいいね。
一応知らない子には
バレてなさそうだけど、注意してね?」


見てて面白かったよ!

はいこれ。そう言ってダリが
水玉模様のラッピングされた飴を一つ渡す


いやいや要らないとは言えず、
ありがとうございますと素直に答えた。


それにダリがうんうんと縦に頷いて
手を振って職員室から出て行った。
どうやら彼もまた授業らしい。

あ、僕も授業の準備しないと。

そう思ったメルは
自分の教科の教室に足を運んだ





+++++++++++++++++++




『〜っ!こう!!!』

「へぇ〜、本当に僕と同じ動き
するようになってきたね!!」


時刻は夕方というかほぼ夜。


仕事から帰宅する前にバラムに
今日の報告をするついでに


自分と同じような敵と当たった時用にと
メルに頼んで羽根飾りを付けた
バラムを呼び出して対戦していた。





勿論魔法は無しの肉弾戦である。





『ええ!おかげ様、でっ!!』


「っ!…ならこれはっ!!」


そう言ったバラムがメルの作り出した



バラムの腹に一撃いれると歪んだ顔で
そのまま消えたのと同時に
メルの表情が歪み咳き込む


大丈夫!?と言った
バラムにメルはええと答えた。


いやぁ強いですねぇと言った
メルにバラムはいやいやと答えた。


「このまま続けていたら本当に
バビルス一の強さ誇れるよ??」


『カルエゴ先生の座は狙えませんよ。
僕は元々戦闘苦手なんです。』


「…それにしてはかなり良い筋してるけど?」


『それはゲームを沢山遊んだから
想像しやすいんですよ。
頭の中でなら僕は沢山動けるので。』


そう言ったメルにへぇーとバラムが頷いた。


ご飯食べます?と言った
メルに良いの!?と言ったバラム。


折角お互いお腹が空いているのだから、
気分転換に話ながら
ご飯を食べてもいいだろう。



「じゃあ俺も混ぜてもらおうかなー?」


そう思っていると声がしたのに
ぎゅんとメルが身体を向けて走り出した


『オズ!!』


「うおっ、と、危ないでしょ、
そんな勢いよく飛びついたら。」


『えへへ!オズだから大丈夫!!』


そう言ってメルがオズ…
オリアスに抱き着いていると

バラムがオリアスに一緒に食べる?
と聞いて来た。


メルが人間の食べ物を教える
ついでに日本語を教えると言っていたので
様子を見に来たらしい。




ちなみにロビンからは
「メル先輩がいるなら大丈夫ですね」
良いですよと言われてきた。


…何が良いのか分からないのだが、
まぁ良い。突っ込まない。



『バラム先生は辛いもの好きですか?』


「え?うーん基本なんでも食べれるよ?
オリアス先生に合わせるかな」


「え?俺は〜んー一応何でも食べれるけど」


『えーじゃあまだ食べさせてないもので〜
お腹いっぱいになるもの
…じゃあ一緒に作ります!?』


どうせなら楽しく食べようと言ったメルが
そうと決まればと言って
指を鳴らし急いで異空間の中に消えて行った


数分した後メルがこっちと言って
バラムとオリアスの手を
掴んだまま異空間に入ろうとする


それにいやいやいやとバラムが抑える


「ちょどこ行くの?!」


『大丈夫ですよ!
前もバラム先生ぶち込んだし』


「何時の話!?」


『さぁ〜我が家へ〜GO!!!』


そう言って入ったのに、
ぎゅっと目を閉じていたバラムが
ゆっくりと目を開ける。


其処は地面が草原になっており、
少し草花がライトに当たりキラキラしていた


月が湖に照らされてほんのり明るいその場所に
何処か思い出があると感じるバラム




『ようこそ!僕の隠れ家へ!!
ほらオズ先に入ってお皿の準備してて!』


「了解。じゃバラム先生
俺先行っとくんで
ゆっくり来てもらって良いですよ。」


「え?あ、うん!?」


そうもどもどするバラムを放置して
オリアスが駆け足でログハウスの中に入っていく

一体此処は?と言ったバラムに
メルがゆっくり説明する。




『此処はログハウス。
魔女の白昼夢オレフ・フォイシと呼ばれる場所です。
魔女に選ばれた者のみが入れる幻の世界。』


「に僕とオリアス先生入ってるの!?」


『魔女が選んだので!!
ちなみに選ばれないと
地獄に落とされるので
帰れなくなります。』


「ええええええ」


『ささ!ご飯ご飯〜〜!!!』


そう背中を押すメルに
急かさないでとバラムが首を横に振る



「それにしても…凄い綺麗な場所だね。
魔界で見たことがない世界だ。」


『一応魔界の何処かにあるとは聞いていますが
僕もイマイチ知りませんが。
昔ミレイユと一緒に此処で暮らしてたのです。』


ミレイユ様と?そう言った
バラムにメルはうなづいた



『ミレイユは僕の事を見捨てずに
ずっと見てくれた恩人なのです。
そんな人が僕に渡してくれた
この世界に隠れて過ごすなんて勿体ない。』




だから。





『僕はもう別の世界に移動するつもりはないです。
この世界で、完璧に生きてやると
決めたけじめみたいなものです。
バラム先生にはきっとここを
気に入ってくれると思って。』



だから連れて来た。



「そんな大事な場所に…」


『入間君が人間って
バラム先生知ってますよね。』


「うん…うん!?ええ?!
メルちゃんなんで知って」


『僕は直感で人間だなって
思ってたのです。
それに弟ですし。』


「ああそうだったね……」


『バラム先生は僕が入間君が
人間だと知っても態度を変えずに居てくれる。

入間君の話はオリアス先生や
他の教員には知られていませんが

僕を普通に扱ってくれたりする姿をみて、
僕はずっと幸せなのです。』





あんな地獄の世界が嫌になるほど。



そう言ったメルにバラムはメルを見つめていた
この残酷な地獄の魔界で、
彼女がずっと生きれる訳がない。



「…そっか、僕達と過ごして
楽しいなら何よりだよ。」


『へへ!このままずーっと過ごしたいなぁ。』


「過ごせるよ。
いや過ごさせる。」


メルが帰ったあの日、
実はメル抜きで
サリバンはバラム達を残して話をしていた。


確かにバビルスに恐怖をもたらし
追放する事も可能だが


魔女が持つ魔法が悪魔にとって
凶器になることを知ったイチョウが
その場で発言したことにより
メルをバビルスに残すことを決意した。



同時にメルをバビルスから奪う者は
例え生徒だろうと許さない。


メルは生徒も教職員も
バビルスを心から守ろうとしている。
そんな子を追放することこそ、
凶器になり得るだろう。




「(君は此処に居るべき存在だよ)」




空想生物を認めてくれて、
人間が魔界に居ないと
言われていた話を聞いた入間にとっては
心の拠り所になっているだろう。


その他生徒を救ったり、
協力してくれて
いつも感謝しているものだ。


心を許してこの世界に連れてきてくれた。


それがどれだけの勇気が必要なのか、
彼女は分かっているのだろうか?



『バラムせんせー!
ご飯準備するよおおお』


「はーい今いくよ!!」


窓から身体を乗り上げて
手を振って笑うメルに
バラムは寄り道していた場所から
離れることにした



たった二年?いいや二年もある。

彼女を救える時間は少ないと
思っているものの案外長い。

永久の魔女になって
悲しむことが起きたとしても
自分達で救えば良い話だ。


それはバラムだけが
思っていることじゃないだろう。


バラムはドアノブに手を伸ばし、
そっと扉を開けた

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