Novel - Paola | Kerry

it's just you


友達の友達と友達4

20/09/15
28






パチンパチンと音を鳴らして電気がついていく

椅子や手術室に在りそうな横になれる場所がある

医薬品を使用する部屋に
初めて入ったとツムルが声を飲む




『僕も実は初めて入った』


「ええ!?そうなんですか!?」


『僕自分の部屋か君達のスペース行くか
女子寮のスペース行くかしか知らないからね。』



「…まさか前に迷子になって怒られました?」



そう言ったツムルに
メルが苦笑いで頷いたのに
あぁーと苦笑いで返した。



「にしても珍しいメンバーだね。
なにするの?」


イフリートがメルを見ながら聞くのに
メルは今から採血する事を伝える。


「ああ!此間会議したアレ?」


『そうですそうです。
皆さん午後からって予定あります?』


具合悪くなって困るなら
急がないので採りませんが

そういったメルに
特にとツムルがイチョウやイフリートの方を見る

二人も特に予定はないと言って首を横に振った



「いいよ。
何時も頑張ってる子の頼みだもん。
血くらいどうってことないさ。」


『まぁ採ってくれる人違いますけどね。
あ!来たキタ!!』


「おー何々?採血って
聞いて来たけど君達も居るんだ。」


そう驚くダリにメルが
次いでにーと言ってケラケラ笑う。


まぁ一度に採れた方が良いからな。



「どうせならスージー先生や
モモノキ先生とかも呼べば?
彼女らまだ帰省しないでしょ。」


『え!あぁやっぱそうですよね
…ちょっと電話して呼びますね。
バラム先生とかカルエゴ先生も
出来れば来て欲しいなぁ…』


「俺から連絡しとくよ。
事情言ったら多分
って言うか絶対来るよ。」



そう言ったダリが
ポケットの中からスマホを取り出して
電話をかける。

どうやら相手はバラム先生らしい。

事情を説明するために
廊下に出て話し出したのを見つつ




ところでとマルバスが答えた



「メルちゃんさっき人数
一人多く数えてなかった?」


『え?多くないですよ??あ!!!』


そう大きな声を出したメルに
急に叫ぶなよとオリアスが
文句を言うのを無視する


『いや〜きっととんでもなく驚きますよ〜???』



そうニヤニヤして笑うメルに
何々今から何するのと
軽くツムルがイチョウの後ろに隠れた



『へへ!!それじゃあ!
出てきてよ!ミカ!!!』


そう言って手を前に出して押す動作をするメルに
何をしているのかと一同が見ていると

メルの手から
徐々に男性が一人浮かび上がってきて
オリアス以外の全員が驚き
目を丸めて固まった。


水色の長い髪の毛を後ろで一つにまとめており
目の色は白銀で身長はイポス位の背の高い
衣装は白い服でまとまっており、
タンクトップというよりかは
布を肩から腰に下ろしたのを
腰元で纏めたみたいな…そういうなら




「は!?え!?うそでしょ!?!?!?」


「…どうも、初めまして。
僕の名前はミカ。
元熾天使のミカと申します。」


「…おいおいおいおいおいおい!!!
メルちゃん!?」




『えへへぇ〜!!紹介するねミカ!左から
精神医学担当ムルムル・ツムル先生。
戦術学担当イポス・イチョウ先生。
学校警備員のイフリート・ジン・エイト先生。
拷問学担当マルバス・マーチ先生に
奥に居て驚いてるのが我らが統括教師の
ダンダリオン・ダリ先生。彼は魔歴史担当だよ。』


「…どうも、初めまして。僕の名前はミカ。
元熾天使のミカと申します。」


「あ、ご丁寧にどうも…」


『この子は僕がこの世界に来る前に
誤って死んじゃった天使さんね。
詳しい事情は後で
モモちゃん達が来たらミカが話すよ。』

僕かい。そうツッコんだミカにだってとメルは笑う
自分が説明するよりも記憶がしっかりしている
ミカに説明を聞いた方が納得するだろう。



「色々語弊が出そうな
要約しないでよメルちゃん…
いつも彼女が大変お世話になっております。」



「あああいやいや此方こそ…」



そうぺこぺこするツムルに
メルはくすりと笑った


「へぇ〜?にしても、確かに
君が言う通り…かなり強いね。」


『でしょ〜?』


「嗚呼、確かにめっちゃ尊敬するかっこいい悪魔達だねぇ?」



そうにやりと笑って言ったミカに
メルが身体を
飛び跳ねてまでして驚く



「へぇ〜?メルちゃん
そんな事思ってるんだぁ?」


『ちっちちちちちちが!!!』


「褒められて裏で
すっごい喜んでる子は
何処の誰だかなぁ〜?」


『っな!!
後輩の前で変な事言うな!!』


こら!!!めだよ!

そう言うメルに威厳もくそも無い。

くすくすと笑いながら
ごめんごめんとミカが
メルの頭を撫でながら謝る。




「でも天使じゃないといけないじゃないの?」


『一応枠的には元天使だからいけるかなって。』


「え?何僕ひょっとして
やっぱり実験的に採血されるだけ?」


そう青ざめるミカにそうだよと
満面まんめんの笑みで微笑むメル


『採血は痛くしないマルバス先生だよ!!
マルバス先生自分の同僚の採血
中々取れないからラッキーだね?』


「何に使うのよ何に
…それに拷問しないで
採るってある意味
僕としたら鬼なんだよなぁ。」


そう言ったマルバスが席に着くのに

メルはそう言わずーと言いながら
鞄から材料を元の大きさに戻した

ラベル用のシールに
黒のペンで文字を書こうとしたメルだったが
少し考えた後指を額に置いて何かをぼやいた。


その後指を鳴らして首を振った後、
そっと文字をスラスラと書き始めた。


何書いてるんだろうと
マルバスがメルの方を見ていると
先に採ってくれと
痛いのを我慢しているのか嫌なのか
頭を逆の方向に向けて言うミカに
マルバスは良いですよと答えた。



注射針と、ホースを伸ばし、
メルに声を掛けたマルバス。


声にメルが気付いて
コクリと頷いてホースを取りチラチラと
ミカを見ながら瓶を見つけ
ホースを瓶の中に入れる。



マルバスがちくっとしますよー
と言いながら針を入れてゆっくり採血する

何かを言いながら
メルが薬ビンに向けて話す



ミカの血液の匂いが一瞬香ったが
すぐに消えて無くなったのに
不思議に思ったツムルが
アレ?と言う。


「血の匂いしなくなった。」


「……メルちゃんが魔術使って
血液のっていうか俺達の鼻を
ちょっと効きにくくしてるだけかな」


「えそうなの!?」


「うん。」


「へぇー便利だなぁ。」


「メルちゃん
大分採ったけどまだ必要?」


そう聞いたマルバスに
メルが首を傾げて唸る。

一本一応採れたが
一応予備が欲しいと言うことで

指を二つ立てたのでまだまだ採るらしい。


暫くしていると
メルがもういいよと声を掛けた。


それに針を取り、もう大丈夫ですよ。
と言ったマルバスの声に

青白い顔でありがとうと言ったミカに
マルバスは苦笑いした。



「結構採りましたから
ゆっくりしてていいですよ。」


『マルバス先生、ちょっと』


そう言ってメルが
こっちと手を招くのに
はぁいと言ってマルバスが寄った


「なぁに?どうかした?」


『この順番で採血してもらえると助かります。』


「了解。
丁寧に書いてくれて
…口頭でも良いのに」


『いや僕暫くマルバス先生達の言葉
分からなくなるので。』


「え?え?どういうこと?」


『この文字って分かります?』


そう言ってメルが見せた薬瓶に
貼られていたラベルを見る。

するとそこには
見た事も無い文字が書かれていて
いいやと首を横に振ったマルバスに
ですよねとメルが答えた。


『僕今からこの文字が分かるように
魔術を使うのでスージー先生達が来たら
この並びで居るように伝えて下さい。

多分暫くは話せないと思いますので。』


「分かりました。
注射針はいくらでもありますので
ホースだけ流して使いまわしますよ。」


『僕消毒しますね。』


「お願いします。
あ!すいません皆さん
ちょっと呼ばれた順で
並んでいて欲しいんですが。」


そうざわついていた周りに
マルバスが声をかける

その間にメルは額に魔術を使用し指を鳴らした。


マルバスたちが何かを話しているのは分かるが、
何を言っているのかがぶっちゃけ分からない。


まぁ気にしなくてもいい。

そう思いながらも瓶に向かって詠唱し
血の匂いを消しては血が付いたホースを浄化し
の繰り返し作業を行う




『(にしても地味に魔力食うなこれ)』



ミカ、オリアス、ツムル
イチョウ、イフリート
次にダリと来た時に
背中をとんとんとされて身体を振り向かせた



マルバスが何かを言っているが
メルは何を言っているのか
分からず首を傾げた


どうやら帰るメンバーがいるらしく、
メルがミカに声を掛けた


『ミカ!今大丈夫?』

そうミカに声をかけると
喋っていた全員が此方を向いて驚いて固まる

一体何事だろうか?
そう思っているとミカが
発声練習をしながら
メルの言葉に合わせて話して来た


「〜〜、あ、〜〜〜
あーー、あーー、あああ…これか?」


『あ、うんそうだけど』


「…今さ、お前人間語な」


ああ!そう驚いたメルに
ミカは何でもありだなと苦し紛れに笑う


『いやぁー面倒過ぎてさ!!
翻訳してほしくて…』


「無駄に薬瓶を日本語にするからだろ?」


『日本人少ないと思って…?』


「それなら見えないように
術使えばいいのに
…ひょっとして知らない?」


そう言ったミカにメルはこくりと頷いた
まだ研究中な場所だから割とキツイ。


ため息交じりにミカは良いよ
誰翻訳すると言って
メルの隣に立って腕を組んだ

ため息つきながら
声を合わせてくれる所優しいんだよ。

周りが多少ざわつくのにメルは
気にも留めず、いやいやと首を横に振った。


『それよりもマルバス先生なんて言ってる?』


マルバスにミカが説明をすると、
マルバスが嗚呼そういうこと!?
と言いたそうな驚いた顔をする。

メルをチラリとみつつ
マルバスはミカに説明する。
それを聞いてミカがメルを見て話す


「採血したメンバーで
この後何かやるのかって聞いてるらしくてな。
何か予定はあるか?」


『いや特にないから
適当に帰ってもらった方が
…ううんお礼は言いたいんだけど
今、言えない状態だからねぇ。』


「まぁ流石にこの言葉が
スラスラ分かったら
悪魔を疑うわな」


そう苦笑いしたミカにメルは笑った


『一応事情は説明してから
帰ってもらうこと伝えて欲しいな。』


「分かった。じゃあ
あの赤毛悪魔達に伝えておこう。」


『…ミカからのネーミングセンス
だったのかな金髪キラキラ悪魔。』


そう思いつつメルは
スージー達の分までラベルを作り瓶に貼る。

マルバスの持っていた紙の通りに
一応進んで開始から一時間半位で
全員の採血が終わった。



いやー地味に体力というか消耗したなぁ。

そう思いつつ、全員分ではないが
血を集められてよかったと思う。



オリアス、ムルムル、イポス、イフリート、
バラム、ナベリウス、ストラス、ダンダリオン
マルバス、モラクスの全員で十名の血液が揃った。


ミカの分と、後は自分の分でおしまいだ。


絶対後でぶっ倒れること
間違いないので瓶に詠唱して
自分に術をかけ直して
悪魔語を聞き入れる。



『…よし、これで聞こえるかな』


「あ、戻った」


『え?やっぱり声って違います?』


「うん。全然違う。なんだろう?
こう声のハリと言うかなんというか。」


「お前向こうの方が
なよなよしい声だからな。」


『ちょミカ!?何言ってんの!!!』


「さっさと採れそして戻らせろ。
どうせ僕が居ない方が良いんだろう?」


『なら瓶持ってて!!』


はいはいそう言って
瓶の元に歩いて行ったミカを無視し

メルは腕を出して痛くしないで
とマルバスに伝えて目を閉じた。


+++++++++++++++++++




無事自分の採血も終わり、
無事に身体の具合が悪くなったメルは
げっそりした表情で自室に戻って帰宅した。


もう暫く自分の血を採りたくねぇなと思った。

ああちなみに何人かに
人間の血ってどうなの?


とか研究者としての意見が求められたのだが

ぶっちゃけ悪魔と
そう変わらないだろうから
役に立ちませんしあげませんよと答えた。



下手に人間の血の味をしめて
入間辺りを攻撃したらまずいからな。



自分だって
普通に食べられたらおしまいだ。


ぐったりした身体を横にして息をゆっくり吐いた。



これで後は
三名程の血液を入手して
瓶に蓋して、
水は何とかなるから


…あとは


『人間の血とユグドラシルを見つけることか』


色々ごたごたするが
まぁこの際血と果物があれば良い。

ひとまずリンちゃんに連絡をするしかない。

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