Novel - Paola | Kerry

it's just you


友達の友達と友達7

20/09/15
31





「何がおかしいの?」


そう首を傾げるリンに
いやぁとメルがリンに向かって
手の平を見せるように
腕を動かして言う


『いやぁ
なって欲しくなさそうな感じしたのに
めっちゃ話してくれるから驚いてさ。』


「そりゃあ貴方みたいな
天然記念物が永久の魔女になるなら話は別よ。

本当に魔女の全てを司る
と言っても過言じゃないからね。」


『悪魔でいう魔王みたいな位置取りかな?』


その通り。

そう言ったリンにメルがふぅむと唸る


となれば恐らくランクも
ある程度力の技量に入るだろうな。

…ランクを上げれば
その分移動の大体はつかめるだろうが。



その分、狙われる可能性や
確率も格段に上がる。


今は魔女が戦争に
このバビルスに攻めて来ないから良いものの
ぶっちゃけいつ狙われてもおかしくない状況だろう。



『そうだ永久の魔女になるのに
これ位必要かと思って
調べたんだけど見てくれる?』


「いいよ。」


そう言ったリンが手を伸ばす
メルはその手に資料を渡し
暫く彼女の答えを待つ。


「…んー印は要らないけど
ユグドラシルの果実は必要になるわね。」


『それって何処にあるか分かる?』


「貴方異世界黙示クレアバイブルって知ってる?」


『え?あの全てが記された幻の本でしょ?』


「そう。私達魔女でも知り得ない
神々のみが知る禁断の魔法を記されているもの。
例えば……世界を創り出すとか」


そう言ったリンにメルが目を変えた
細める目の奥が更にいつもより細くなる。
それに気づいたリンが息を吐いた



「その異世界黙示クレアバイブル
今何処にあるのか魔女側でも
何なら悪魔側でも気になっていてね。
でも本来は異世界黙示クレアバイブルって
本は存在しないのよ。」


『っえええ!?…待って?本は?』


「ええ。本じゃないものは存在する。
さっきやっと分かったけどね。」


リンがペラペラと資料を見た後
書き足すのをじっとメルが見る

裏側の資料に書かれているのに
新しい紙を必要としたなら
言ってくれれば出したのにとも思った。


「本は知識。でも異世界黙示クレアバイブルって
実は永久の魔女その者なんじゃないかって。」


『それさ
永久の魔女になったら
皆に奪われるじゃん』


「だーから困ってるのよ。
今現在魔王は居ないから
保護も出来ないし。」


『っうぇえ!?
保護されてたの!?』


「ええ。
ずっと前から魔王が
永久の魔女を保護していたのよ。

均衡を守るためにもね
…でも魔王が消えてから永久の魔女も
居場所を守るために必死になって姿を消した。」



元々永久の魔女自体
何処に行っても生きれるんだけどね。

何故か悪魔と交流する
と言うのもあって
魔界に居座ってる。


「恐らくミレイユ様は
魔王デルキラ様に保護されていて

居なくなってしまった
と同時に彼女も狙われて
行方をくらましたと。」


『だから人間界に
とんでもない結界貼って
暮らしてたのかぁ』


「へぇ、そんなことしてたの。」


『悪魔は勿論人間も
基本的にはいれないようにする結界。』


そう言ったメルに
リンはこくこくと頷いた


「ああ話を戻すわね。
で、確かに時間が無いのは
分かってるんだけど

あくまでも平均が10年ってだけで
ひょっとしたら
もうちょい長生きできるかもよ?」


『吐血したのに?』


「あのねぇー
本が全てって訳でもないのよ。
イレギュラーって
起こり得るものでしょう?」


『まぁそりゃあねぇ…?』


ある意味自分の人生イレギュラーのバーゲンセール状態かもしれない。


思った様に動かないので
定評のある自分の行動結果には
いつも悩まされているもので。


「まぁ貴方がどうしてもって
言うなら捕まえるわ。

にしても誰が良いかしら。
彼女とってか現世に
久しぶりに来たから感覚鈍るわ。」


『あの中に入ってたってこと?』


「ええ。基本的に
魔女の住処に居れば悪魔はおろか
人間もコバエ一匹たりとも
入って来れないからね。」


『へぇーーーー』


「まぁ魔力量によっては
人数も上限幅上がるけど。
私暫くその中に暮らしてたから
音信不通だったし。」


『え?あの空間って音信不通になるの?』


「出来なくはないけど結構しんどい。」




ああなるほど。


「じゃあひとまずこれまでにしとくわね。
大分時間取っちゃったみたいだし。」


そう時刻を見るリンに
メルが続いて時計を見た

するともう会話してから
一時間以上も経過しており

スマホを見ると
何人かからラインが来ていたのに
全く気付かなかった。



「それじゃ、占い内容は
定期的に内容変えなさいよ〜?」


またね。

そう言って部屋に帰って行ったリンに

メルははぇーと言いながら
肩の力を抜いたのだった。


+++++++++++++++++++


『“烈閃槍エルメキア・ランス”』

そう閃光一つ槍の様なものを
創り出して攻撃をするメルに

かわしきれず固まった相手に
そこまでとダリが答える。




「いやぁ凄いキレ良くなったよね」


『いやいやまだまだですよ…』


「でも最近メルちゃん
俺本気ちょこちょこ出さないと
勝てなくなってるの知ってる?」


そう言った相手
イフリートが煙草に火をつけて
煙を吐き出すように息を吐いた

それにえぇえと
メルが目を丸めて驚き
本当!?と言った。


「うん。本当。
割とさっきも8割位出してたよ?」


『えぇ…僕まだガチだったのに』


「ははっ!経験値が違うからねぇ〜」


それにメルちゃんに
ボコボコにされていたら
教師としても男としても廃るよ。

そう言ったダリに
ごもっともだと言いたそうに
イフリートが大きく縦に頷いた。


そう言っていると、
空から高い声が聞こえる。
それに気づいた
メルやイフリート、ダリが空を見る。


「メル〜〜!!!」


『うおおおおお!?リン!?』



そう抱き着きそうになったリンに
驚き本能で避けてしまった。


地面にめり込んだリンに
メルがごめん大丈夫と言って謝る。

それにダイジョブと言って
明らかに大丈夫じゃなさそうにな
声の後、箒が頭に着地し

更に大丈夫じゃなさそうな感じに
冷や汗がダラダラ出た。



「いやぁ物は言ってみるもんだね。」


『え?どうしたの』


「ねぇ皆さん。
今週の末っていうか
明後日ってお暇ですか?」


「俺達?俺は暇だけど
イフリート先生は?」


「俺もその日は非番ですよ。」


『僕も非番だし良いけど。
どうしたの?』


「ふっふっふ〜、
実は超良い情報を得たので
ちょっとご報告とご相談を!」



ニコニコするリンに
三人は首を傾げた


+++++++++++++++++++



「「永久の魔女になれる!?」」



『ほんと?』



「ええ、かなり古い文献を友人と
三日三晩で読み解いたから間違いないわ。

その代わり血液を貰った人に
手伝ってもらいたいものだけど」


『おぅふ』


「それで?」


「と言っても仮の魔女化で、
例えば急に新規採用します
って言ってどの職場かも
分からない所に
勤めたりしないでしょ?


多少なりとも調べたり仮に就職して
場所と人となりを感じたりする。」


「まぁ」


「それと同じようなもので、
まぁ魔女も悪魔と契約する前に
仮契約を結んでお試し期間を
設けたりしているのよ。」


勿論すっ飛ばして出来るけど、
仮契約した上でやった方が割と楽ね。
コツとか技術的な面カバーできるから。



「で、永久の魔女にもお試し期間があって
それをクリアしたら正式に
力を認める試練を乗り越えれば
そのまま永久の魔女になれるってわけ。」


「成る程、単純に繰り上がり
って訳でもないってことか。」


「そういうこと。

で、血液は基本的に純悪魔の血液は
必要なんだけど一人二人程度だったら
ちょっと家系が離れていても
血が濃ければ良いから。

あと先に六人の悪魔を捧げればOKらしくてさ」


「へぇーそうなんだ」


「まぁ儀式的な場所を用意しないといけないのと
説明的な物をしたくてメルを借りたかったんですが。
…ひょっとして今修行最中です?」


「ああ、一応もう特訓終わったから、
今日はもうおしまいかな」


そう言って腕をまくっていたダリに
リンがそれなら借ります
と言っておじぎをする。


+++++++++++++++++++


『それで?六人の悪魔だけ
じゃないんだよね?』


そう首を傾げながら歩き
メルはリンに質問をする。


「そうね。前半と後半にわける感じ。
ひとまず声かけやすいメンバーを
と思って聞くけど誰が良い?」


『あー…オリアス先生は
まぁ間違いないとして。』


ダリ先生やツムル君イチョウ君とかも
予定が合えば許可してくれるだろう。


帰省に入る前に集合掛けた方が良いと思い、
メルはある六人にラインで連絡を入れた。



+++++++++++++++++++


「お!いるいる!!」


「こんばんわオリアス先生
イポス先生ムルムル先生」


「こんばんわモモノキ先生。
メルちゃん達居ます?」


「今荷物取りに
メルは自室に急いで
帰りましたので
数分したら来ますよ。」



そして時刻は夜9時。

食事も終わり
後は寝るだけになっている時刻だ。


予定合わせの為にも
一度会いたいと言うことで

共同の少し広めの会議室に
来て欲しいと連絡を入れていた。


時間ぴったりに来てくれたと言うリンの姿は
黒装束に纏われており、オリアスが
前に初めて会った時と同じような服装だった。



「そっか。席は何処でも座って良い?」


「構いませんよ〜」


『すいまぜん!!
おぐれまじだ!!!!!』


「良いよ良いよーギリギリ〜」


そう笑うダリにメルは
はぁはぁと息を切らしながらリンの隣に座る。


コの字型に組まれた会議室の机に
男性陣と女性陣で分かれる様に座る。


まぁオリアスはメルの隣に来る為
必然的に女子に囲まれるのは
深く追求しないでもらいたい。


オリアスの真正面に座っている
ダリがじゃあと声をかけた


「どうして呼んだのか
説明してもらえると嬉しいな!」




・オリアス・オズワール
・ダンダリオン・ダリ
・モラクス・モモノキ
・ムルムル・ツムル
・イポス・イチョウ
・ストラス・スージー

・安名メル
・鹿目リン



この八人が
この会議室に集まっている状態だ。


ダリがメルの方を向いて
両手を組んで手の甲に顎を乗せ話すのに

メルがコクリと頷き
周りを見ながら話を進める。




『はい、皆さんにお集まり頂いたのは
つい最近情報を掴んだ話ですが。

魔女の暴走化が非常に
活発になりつつあると言うことです。』



そう言ったメルに
周りの者が目を丸くして
身体を前のめりに聞きだす。

お気楽なメルの笑顔は無く
真面目に口を閉じていたのに
ただ事ではないと感じ取ったからだ。



「…暴走化?どういう状態かな?」


そう言ったダリにリンが口を出す。



「魔女は基本的に感情の起伏を
力として攻撃や防御に転換しています。

貴方達でいう所の魔力と
同じようなもので、
魔女には悪周期はありません…」



「ですが、元祖返りに近い症状が
起こると言うことがあります。
血肉に飢えただ破壊行動
だけを欲する暴走です。」


「…何でこのメンバーなんですか?
カルエゴ先生やバラム先生等
他の方に協力を仰ぐべきでは?」


『それが出来ない理由があるんですよ。
そのお話は後々お答えしますので、
ひとまず此方を見てくれると助かります。』


そう言ってメルが席を立ち、
後ろにあった白いボードに
黒ペンで円を描いたり文字を
書いている間にリンが説明をする。


「魔女は本来悪魔と契約を交わして
一つの願いを叶えることで
力を得ることが出来ました。

それは昔の話であって、
ここ千年程は落ち着いていた
…んですよ。」


「前は誰でも契約をしていたって事ですか?」


「ええ。低級悪魔でも契約出来ましたし、
何なら人間界の戦争の一部を
担った時もありました。」



「えぇ…そんな事に」


「ですが流石に人間界も魔界も
混沌に陥るのは不味いと言うことで
千年前協定を結んだのです。」





“魔界と人間界を分断する”




「そしてそれに反対したのは悪魔側。

そりゃあ血肉を食べれる人間が
食えなくなるのは嫌だった。

…そこで人間が提案したのです。」




“一人だけ生贄を差し出そう”





「その生贄を長く続かせる為に、
元々人間の姿をしているのに
魔術の素質があった種族を
生贄に出すことにした。」



「生贄…」



「響きは悪いですが、要は人間界の永久追放。

魔界で生きなさいという
意味合いを持ったものです。

ですが魔界は過酷で
皆が一人の餌を食べようとする。」



『だから王様が約束を交わした。
…一人だけその者が
人間界と永久に守れるように。』


「それが永久の魔女。

人間から見放され
悪魔からは奪われる。

何処に向かっても
終焉は絶望の末路になる。」





「…え、?ちょちょ、
ちょっと待って下さい!!

私達はメルさんを
そんな恐ろしいことに!?」



そう言って席を勢いよく立ったモモノキに

待ったとメルがストップをかける

まだ話の続きだと言うのに
モモノキが席に座った



「さて永久の魔女の仕事は
人間界と魔界の均等を守ること。

まぁ今の魔関署と同じような状態です。

なので此処はほぼやらなくてよくなりました。

のでまぁ実質暇人になった
と言うのが正直な本音というのがですね」




『昔話的に人間側からお話をすれば
“悪魔から守ってくれる救いのヒーロー”
裏側では“悪魔に魂を捧げて可哀想な生贄”って所。』



「でもそれはあくまでも
人間側からのお話ってことですね?」


そう言ったスージーに
こくりとメルとリンが縦に頷いた




「現在魔女の暴走化で
魔女同士が争っている状態です。

永久の魔女になれる者が
いない状態が続いている証であり
我がなるとまぁ今の魔界に
似たような状態が起きています。」


「このままではこのバビルスも
いつその混沌に巻き込まれるか怪しい。

そういう訳で防御をはると言うのもあって
かなり早いんですが

永久の魔女にメルには
なってもらいたいと思い
皆さんをお呼びしました。」



「そこで、此処からが本題です。
永久の魔女になる為に
“仮”の永久の魔女に
メルにはなってもらいます。」


そのお手伝いを皆さんに
して欲しいと言うことでお集まりしました。


そう言ったリンに、
色々聞きたい事はあるけど
とツムルが声を出す


「その仮って言うのは
具体的にどういった内容なんだ?」


『それはこっちを見てもらえれば説明できます。』


そう言ったメルの言葉に
全員の視線がボードの方に寄る。

通常授業と同じようにメルが棒を持ち、
特定の文字に指しながら淡々と説明を始める。


『具体的には、一度にすると
13人の悪魔の血が必要になりますが

それを半分だけにして
6人の悪魔の血、
そして天使の血と
人間の血3人から貰います。』


そう人数を半分にした場所に
棒で指しながら説明する


『円の中で外側に六名の悪魔を
内側に三名の人間を
そして各々の血を魔力を込めて
ある詠唱を唱えつつ
血を瓶から取り出し宙に放つ。
上手く行けば仮の永久の魔女になれます。』


「えっ!?それだけで!?」


『まぁ僕も血を捧げますし
まぁ何ならそのまま
永久の魔女になれる話は聞いています。』


「へぇ〜それで?何時するの??」


『出来れば早い方が嬉しいですね。
皆さんの予定が知りたかったのと
このお話をしたかったというのもあって
集まって頂いた次第です。』



「ちなみにこのメンバーで
何か気になることはないですか?」



そう言ったリンに周りの者が
うん?と首を傾げる。

此処に居ない者以外で無くて。

此処に居る者があるもの。




「教職員という仲にしては
バラム先生達を外しているのは…」

「性別も年齢もバラバラですし…」



「あ、ひょっとして
メルちゃんが
良く話している子達?」



ビンゴそう指を鳴らしたリンが
オリアスにウインクする


「そう。此処に居る者は全員
メルが心を許している者で
かつメルが家系魔術を使って
防御攻撃出来る者達よ。」



「へぇ〜?俺達がねぇ?」




『…こっち観ないで下さいです。
後ろ向けないじゃないですか。』




そう赤面を隠すために
メルはローブをぐっと被り
ボードの方を向いて喋る。



「同時に皆さんがメルのことに
協力的ということが必要になってきます。


というかこっちの方が超重要でして、
ぶっちゃけメルの今後の未来が貴方達で
大きく変わる可能性が非常に高いと言うことです。」




「っ!!」




「…どういう?」




「血を捧げて魔力を彼女に渡すと言うことは
血の盟約という形となんら変わらない。

彼女が貴方達に捧げると同時に
貴方達も彼女に誠心誠意形を
受け取り捧げないと。」


「さ、捧げないと…?」


「メルは暴走し
この世界は破滅に行きます。」



『っぅうえええええ!?待っ!?!?!?』



「…事実、一度
破滅の道を歩んだ。
違いますか?」



そう言ったリンに
メルが目を丸めた後
スッと顎を引いて距離を取る


その体制はメルが
敵対を感じ取った時に取る行動。


ギロリと睨み警戒するメルに
何もしないとリンが答えた。



「貴方はこの世界でも破滅の道を選ぶ。

そうしてまた別の世界に
飛んでまた同じことをする。

…そうやって
繰り返していては先に進みませんし

何より貴方の恩師がそれを
望んでいなかったのではないですか?」



そう言ったリンに
メルが勢いよく手を上げる



「っメル!!!やめろ!!!!」

そう声を荒げたオリアスに
メルがぴたりと止める

ギロリと睨んだまま
何も動いていない筈なのに
走った後の様な息切れを繰り返すメル



それ以上言うな。


言えばどうなるか。


そう言いたそうに
手を上げて止めるメルに

リンはそんなの関係ない
と言いたそうに答える


「逃げていては駄目ですよ。メル
貴方はこんなにも優秀で
素晴らしい悪魔達に恵まれています。

悪魔一人が貴方を恨めば
貴方は最悪な終焉を迎えて死にます。
…それも、貴方が望んだ一番の悲劇を。」



『………っ!!くそっ!!!』



腕を振り下ろすだけで
攻撃をしなかったメルに
リンは大きく息を吐いた。


「前回の世界では貴方がこの者達から逃げた。
今回でこの者達がしくれば二度はないでしょう。」


それはつまり
本当の最期ということになる。


それだけは避けたい
そう思ったメルがリンを見る



やっとみてくれた。


そう言いたそうに微笑み答える。




「メル、貴方の様な人が二度も
この場所に来たのに理由などないでしょう?

そもそも何故崩壊した世界で
二度目の人生を謳歌しなかったのですか?」



『…それは、』



「貴方が此処に呼んだ
この方達が幸せになって欲しかった。

でも自分の力を制御しきれずに
苦しませてしまった。」




『…そうだよ
リン君の言う通りだ。』



そう言って風で椅子を作り
そっとそこに座り浮遊するメル





『僕は一度目とても楽しい時間を過ごせた。

ひっそり生きようと決めて
物の数分でダリ先生召喚しちゃって

学校で大騒ぎになって
学校生活は騒ぎまくる
って意味では充実していた。』




『初めて後輩が出来て凄い嬉しくて、
何を教えたら良いかなと思ったりして

間違えたこと教えちゃった時は
怒らないかなって布団の枕
濡らしちゃったりして
ビビってたりしてたし』




『女性と特に歳の近い者と
どうやって喋っていたら

普通の悪魔達に見られるかな
ってドキドキしながら声かけて

なるべく普通に近づけて話してたのに
いつの間にか素で会話出来ていたりさ』




『最初はなんだ
この金髪キラキラ悪魔って思って
何か見たことあるなぁって思うだけだった。

この人に負けるの嫌だなって
思って勝負的なものして
負け戦嫌いなのに
いつの間にかやってた。』



『僕が僕で在れる為に
変えてくれた大事な悪魔達なの。

そんな悪魔を、僕の力が
至らないだけで傷付いていった。

庇って盾になって
傷付いて倒れていって
…許せなかった。』




何よりも自分を



何よりもこの感情を。






『だからせめて、僕を救ってくれた
悪魔達だけでも幸せになって欲しかった。

いや幸せにしたくて
今度こそ間違えたくなくて。

沢山助けてくれた人達を
僕が助けるんだって。』




『何度だってこの場所から
逃げようとか思ったし
退職届出さずに行方不明に
なることだって出来た。

でも沢山助けてくれた悪魔を
放置していくなんて出来なかった。』






嗚呼、そうか…僕は






『僕はこの場所が大好きだから。
だから此処に居たいし
此処を守りたいし
永久に守れるのなら
この魂この感情全てを渡せるよ』




「…そう。
って言ってますが?
皆さん反論は?」



そう言ったリンに全員がメルを見れずに
熱を持った顔を必死で見せないように
熱を早く発して冷めるようにしていた。






「…ナイデス」




「へへ!その姿を見て安心したよ。」




メル、きっと今回は大丈夫。
そう言ったリンにメルは
コクリとほほ笑み笑って頷いた。

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