そうずっと続けばよかったんだ。
二学期が始まった直後、入間達が教室から外されるのを
必死で何とか教師の特訓にしがみついていた二週間後
その日は何故かスッキリした気持ちで
メルは思った以上にこの状態が不味い事を
気付くのが遅れたのにショックを受ける。
ニヤリと笑い浮遊する白い髪の毛の女性
周りには生徒を庇いメルの前に居るオリアス達
空は暗黒に星々が線を繋いでいく
地面が白いので不思議と明るく見えるのに
心が暗い煙で渦巻いていく
この場所を、僕は誰よりも知っている。
何よりも、この場所がどういう場所か
そしてどうなっていくのかも
だからこそ目をぎらつかせた
この場で彼女を さないといけないことを
『ーっ貴様ぁああああ!!!!!』
++++++++++++++++++
時間は遡り、一時間前。
リンからの一つの連絡で全てが始まった。
ー不審者発見南棟2階廊下
その声にメルは丁度職員室に居た為大声で叫ぶ
『っ!すいません!!皆さん緊急で聞いてください!!
不審者発見南棟2階廊下にいるそうです!』
「っ!相手は何人だ!!」
そう立ち上がったメルにかけ走ってきたカルエゴが問う
今聞いてますとメルが真剣な顔で左耳に手を当てて聞く
『…っ!!敵の数、2人けど
阻害魔法を付けているので測定不能。』
「っ!各担当急いで持ち場に付け!!」
「はっ!!」
『僕も行きます!!』
「駄目だ!メルちゃんを狙った奴らかもしれない。」
そう手を置いたダリにメルはでも!と焦り振り返る
「そんな焦った顔で敵と戦っちゃったら駄目でしょ?」
ゆったり構えてないと!ね?そう言ったダリに
心臓がドキドキして音が聞こえなかったのを
なるべく音を落として周りの声を聞くようにする。
慌てだした周りだったが
すぐに教員が居なくなっていた。
メルの言葉を聞いて
カルエゴが適切な指示を出したからだろう。
近い場所にいる者には何とかして対応してもらっている。
『…でも!!相手が魔女なら話が違うです!!
悪魔からの攻撃を防ぐことだって出来ますし』
「うぅん〜困ったなぁ〜」
そう声を大にして言うダリにう゛っとメルが怯む
流石に困らせることはしたくない。
仕方がないひとまずリンが
言った言葉を整理するかと考えを切り替えた。
『(阻害魔法を使うって事は多分二人はおとり…?
って言うか何でイフリート先生みたいな警備担当が
気付かなかってわざわざ南の二階?
待ってそこに何がある?)』
深く考えるメルにダリがじっと目を開いて見ているのに気付かない。
嫌な予感がする、そう感じたメルは自分のポシェットの中身を確認し
机から呼びの在庫を取り出し詰め込んだ。
「それは?」
『悪魔の蘇生効果のある薬と攻撃特化の薬ビンです。
ツムル先生!待って下さい!!!』
そう声を掛けたメルにツムルが反応し入れていた薬ビンを空にぶん投げる。
おおおおと言いながら薬ビンを空中でキャッチしたツムルにメルが叫ぶ
『それ!生徒や先生用の回復瓶です!!
魔女に何かされたらそれ頭からぶっかけて下さい!
すぐに効力が解かれるはずです!!!
詠唱しなくても空いたらそのまま使えるようにしてるんで!!!』
「っ!分かった!!あざっす!!!」
そう言って強く頷いた後ツムルは急いで持ち場に向かう
それにメルはまだ首を傾げる。
おかしい、魔女ならこんな悪魔の住処に
わざわざノコノコ二人だけで入るか?
『…ひょっとしておとり?ダリ先生!!』
「言いたい事は分かってるよ、今伝えてる。」
そう言ってダリが目を開けて誰かに向けて通信をしている。
彼の目は座っており、絶対に逃すなと指示を出していた。
それにしても…なんだ?このモヤモヤ
スッキリしない。さっきまで気分が良かったのに
急に快晴から雲が立て込んだ感じだ。
曇天の中で考えても解決しないだろう。
かと言っても僕は職員室からストップ掛けられてしまったし…
此処から出来ることをするか、そう思いメルは声を上げる
『
そう言ったメルの前に
ふわりとイポスが現れる
目を開けたイポスにメルはしゃがめと命令を出した。
すっと膝を立ててしゃがんだイポスの目に
メルがぼそぼそと言うと
イポスの目が青色に変化した。
『行け、我が目となり監視しろ』
そう言った声にイポスがコクリと頷き移動する。
メルの目は色を失っており
ダリが何したのと声を出した。
『今彼の目を僕の目とリンクさせているです。
なので今僕はダリ先生の声しか聞こえないですので。』
どうせいないといけないならこうするしかない
そう言ったメルに
ソレ許してないんだけどなぁと
ダリが首を横に振るも
メルは全く見えていないので
どんな感じなのかイマイチ掴めない。
ただ呆れたように言っているのは分かった。
「ちょっとだけだからね?
危なかったら消すこといいね?」
『了解』
「…今どんな感じ?」
『職員室からもう出て
南棟の3階廊下に入る直前入った!!』
「はっや!!」
『イポス!聞こえるか』
そう言うメルに左耳からはいとイポスの声が聞こえる。
よし一応通信は可能なのが幸いだな。
一応視界を広げるだけなので
攻撃は出来ないしなんなら
範囲も結構ギリギリだ。
『そのまま下へ行け何がある』
そうメルが指示をすると
視界が代わり二階の方に向かう
すると爆発が起きたのか暴風が吹き荒れていた。
何人か教師が警戒しており
その前にリンが立っていた。
何かを話しているのは分かるが、
一体何を言っているかが分からない。
これ以上いけるかと聞いたが
首を横に振る視界にどうやら駄目らしい。
ひとまず6人体勢で戦っているのは分かった。
男性女性一人ずつの敵で、
何かリンが凄い怒っているように見える。
気のせいか?いや気のせいじゃない。
バッと後ろを振り返った周りに
何か大きな声を言っている。
一体なんだ?
ただ声が聞こえたのは別の声で
「ーっ!!メルちゃんごめん!!!」
そうダリの声が聞こえて
メルの身体が浮遊して
爆発音が鳴ったのと
同時に通信が途切れ視界が戻ってくる。
浮遊していた身体はダリに
腹を抱えられて距離を開けて離れたかららしい。
職員室に大きな穴が開いた。
ああもう修繕誰がすると思ってんの。
馬鹿じゃないの。
『…っ』
其処には藍色の髪の色をした女性が立っていた
先程見た時に驚いた顔のあと姿を消した者だ。
こいつ、マジでやばい。
そう本能がびりびりと心臓に伝えてくる。
「メルちゃん後ろに」
『っ!駄目です!!相手しないで!!!』
「駄目だ!!早く逃げ」
「あら…やっと見つけた、裏切者」
そう言った女性はダリの背後に既に来ており
メルは肩を上げて
ダリの片腕を取り手を前に出して唱えた
『“
唱えた言葉で手に魔法陣が現れて
攻撃を間一髪で受け止めた後
魔法陣は効果が消えて無くなり
反動でメルは地面に倒れた
「っ!!ラファイア!!!」
「おっと…流石にその威力は怖いわぁ」
そうニヤリ笑う女性に大丈夫と
ダリはメルに目を合わせず声を掛ける
大丈夫ですと言って
メルは起き上がり
衣服についた埃を手ではたいた
『(…おかしい、動きがおかし過ぎる。)』
拉致にしてはさっきの動き
警戒して近づいただけだった。
するなら勢いよくすればいいし、
このくらいの緊張感持つなら
焚いて目潰ししてかっさらうこと位造作もないだろう。
眠らせたまま入ってくるのも
多分出来る感じがする。
でもそれすらしないでこんな場所まで来た。
それもほとんどの教職員を出して、
攻撃もほぼしないで。
そんなのまるで
『っ!貴様何が狙いだ!!答えろ!!!』
「…へぇ?やっぱり分かっちゃう?
流石永久の魔女様、惚れちゃうわぁ?」
こいつ絶対に何が別のを企んでいる!!!
何だ、落ち着け…
今職員室には悲しい事にダリと二人だけだ。
「生徒の一人や二人餌にしておびき寄せようとしたのに
まぁ先生が守ってくれてるとは予想外だったけ、ど」
「っぐっ!!」
しまった、そう言いたそうに
ダリが直で女性の攻撃を腹に食らうと
壁にぶち当たりそのまま身体が地面に落ちる。
急いでダリの方に走りしゃがむ
腹に傷が入り出血しているのが見えた
『っ!!ダリ先生!!!』
「っ!にげろ!!メルちゃん!!!」
『っやです!!!ダリ先生おいてなんて』
「かまうなっ!いけっ!!!」
そう強く言われたのにメルが
少し怯むも詠唱が聞こえ目を丸めたメル
『っ!!!“
唱えた直後風の刃が左右に飛び散り
壁に突き刺さり穴を開けた
構うなと言ってんだろと低い声に
メルはやだと言う。
『(ダリ先生を狙っている可能性だって決して低くない…!)』
このまま彼を置いていけば、次会えるか自信がない。
そう考えたら此処から離れるのは得策ではない…だがなんだ
何でこんなにもモヤモヤする。
『…お前裏切者ってさっき言っただろ
私が何故裏切者だと言うのだ?』
「永久の願いを持った者が
こんな場所に居てはいけない。」
嗚呼やはりそういうことか。
それなら尚更彼らを守らなければならない。
メルはにやりと笑いじゃあと叫ぶ
『これはどうかな!!“
そう言って手を地面にたたきつけると
地面から黒い霧が職員室を閉じ込めた
数秒後ダリの肩に身体を回して
抱きしめる形で浮遊し飛び出す
低空飛行には申し訳ないがこれが最善な気がする。
「俺置いてっても良かったのに…っぐ…ったた」
『怪我人は回復してから喋って下さい!!
あと僕を拉致するつもりじゃないのは確かです。』
外でますよ!!そう言ったメルに待ってとダリが言う
左そう指示した後ダリが耳に触れて伝える
「全教職員に次ぐ。職員室破壊者女性一名
現在メルちゃんと西区画に移動中。
近くにいる職員は合流して欲しい。」
そう言ったダリにメルはさらに加速を強めた。
このまま直進したら西区画の校舎に入る。
そっちは今生徒も居ないし空いている状態
だからぶっちゃけ破壊されるならまだマシだ。
『すいません…僕力になれなくて』
ふわりと此処まで来たらと言ってメルが着地する。
此処は西区画の4階空き教室。
メルは薬ビンをポシェットから取り出しダリに振りかける。
光と同時に腹部の痛みが消えていくのか眉間のしわが和らいでいく。
「っ、いや…俺もごめんね油断してた。」
『嘘、本当は油断してなくてもろ喰らって驚いたくせに。』
「あはは、バレちゃってた?」
いや魔女って強いんだね。
そう言ったダリに容赦ない方は
強いですからねと答える。
『ダリ先生、オリアス先生や
イチョウ先生達の非難通達お願いします。』
「…それはなんでかな?」
『彼女が言っていたのを
飛行しながら考えていたんですが
どうも僕だけの対象じゃなさそうなんですよ。』
まぁ当てようとしてきたのは僕ですが。
そう言ったメルはポシェットの蓋を閉じて
髪の毛を背中に回して首を横に振った
「俺達何人かの教員も狙ってるってこと?」
『でないと説明がつかないんです。
眠る魔法も使える筈の強さは見えたので…』
「っええ!?眠らせれるの!?」
そう驚くダリにメルは言ってなかったですっけ?と答えた。
聞いてないってか本載ってなかったしと言うも
それはそうだ。
だって悪用されるから基本的に記さないようになっている。
『オリアス先生、スージー先生、モモノキ先生
ツムル先生、イチョウ先生、ダリ先生この六名の悪魔
に向かっての攻撃であれば…今通信できますか?』
「…一応。」
『確認取って欲しいです』
分かったそう言って
ダリは目を開けたまま左に目を逸らし聞く
「此方ダリ。イポス先生今大丈夫ですか?」
そう言ったダリにイポスから返事が来たのかすぐに答える。
「今メルちゃんを保護しながら隠れてますが
イポス先生敵に攻撃って仕掛けられました?
…ええ、そうですか、分かりました。」
『なんて?』
「メルちゃんが出したイポス先生に向かって
切って行ったって情報が入ってるって。
イポス先生今どちらに?はい、あ近いですね。」
そう言った途端足音が聞こえる。
どうやらイポスなのだろうか
ほっとしたメルがドアを開けようとする。
「ーっ!メルちゃん駄目だ!!ソレは違う!!!」
『え?』
そう振り返るメルにダリが動くも
扉が開くほうが早かった
手を伸ばすのがスローモーションに見える
ゆっくりとふわり腹に何かが巻き付いてくる
声が聞こえるが何を言っているかが分からない。
ただ分かるのは身体が浮遊していくのがゆっくりなことだけだ。
「っ!!!メルっ!!!!」
嗚呼、今違うモノに腹を掴まれて
手を足を伸ばしたまま廊下を走られている。
酷く顔を青ざめて崩れるダリの顔が見える
翼を広げて手を伸ばすダリの手が触れるも掴めない
このまま居なくなれば…誰も傷付かない?
そう何かが聞こえた気がしたが
気のせいだと言い聞かせたい。
「…お前は望まなければ良かったのに」
そう言った声に、え?と聞き返してしまった。
望んだからこんな結末になるのだと?
一体何を言っているのかと震える。
顔が見れない声だけが不安を掻き立てる
嗚呼違う、望んで良かった。
皆そう言ってくれただからだから私は。
違う今考えなければいけないことを考えろ。
そんなことを考えている暇があれば此処から逃げろ。
かと言って速度が速くびくともしない腕に中々動けない。
ならば
『っ!“
そう叫ぶとびりびりと音が鳴り男性に雷が伝わる
すると速度が落ちて転げ落ち反動で身体が自由になるも
何かの糸で身体を引かれてしまった
『っぐあ!!!』
強く打ったので身体がすぐに動かない
何とか起き上がろうとするも痛みが増してもがくしかできない。
ダリを巻いたのか誰も居ないのにゾッとする。
嫌だ嫌だ嫌だ。
これは僕がつかみ取った力だ。
誰にも渡さないし誰にも譲らない。
だから逃げようとしても身体が口が動かない。
絡まった糸で中々外れない。
ったく細かい
糸の様に無駄に細くしちゃったから糸でからめとられてしまったので
身体が痺れて上手く動かない。
『っぐ…っ、はっ、はっ』
逃げろとサイレンを鳴らすも動かない。
焦る気持ちを落ち着かせようとする。
ただ息が上がりもう何が正しいのか分からなくなる。
駄目だ落ち着け、息を吸って吐け。
動け!!糸が緩いから口を動かすくらいは出来る筈だ。
身体がふわりと浮き上がる
嗚呼駄目なのか、僕はこのまま
「“
そう叫ぶ声と指パッチンが鳴り響いた途端
ぼとりと浮遊していた感覚が地面に叩きつけられる
すると顔を覗き込むようにメルと焦った顔で見る
『っ、へへ、しくっちゃっ、て、ごめ、』
「馬鹿…っ!!」
間一髪、メルを視界に入れてすぐにイポスが招集したのだ。
メルはイポスの背後に落ち、
追いかけていたオリアスがメルを抱きしめた。
メルがチラチラと周りを見渡す
ツムルやさっきまでいたダリに
女性の後ろにはスージーやモモノキ、マルバスが囲んでいた。
『…っ!!駄目オズ駄目!!皆逃げて!!!!』
そうしびれが切れて急いで前に出ようとするのを
オリアスが抱きしめて離さない。
駄目だ気付いてもどうやって離したらいい。
今ここに彼女らが望んだ者が全員いる。
魔女でその複数を捕らえるのは一つ。
ニヤリと笑う女性にメルはこのままは悪いがと
オリアスに脳内で謝りつつ
力ある言葉を叫ぶ
『“
空と大地を渡りし存在よ 優しき流れ
たゆとう水よ 我が手に集いて力となれ”!!』
地面から吹き上げた霧が女性の一定範囲を包み込み
身体を氷で閉じ込める。
それに何とか上手くいったはいいものの時間稼ぎにしかならない。
『オズ!!皆早く散らばって!!
僕達を近づけるのが目的です!!』
「駄目だ!だとしてもメルちゃんを置いては逃げれるか!!」
『煩い!!!早く逃げろ!!!!!僕も逃げる、から』
そうパりんと音が鳴るのに声が止まる
嘘だろ、数秒しか経ってないのに
もう解き放ったと言うのか?
桁違い
そう言われている気がする。
不味い
『っ!!イポス!!モモちゃん達こっちに飛ばせる!?』
「っはい!!“
そう言った途端メルの横に
モモノキやスージーマルバスが落ちる
『っちっ!!“
そう大きく舌打ちをした後
胸の方に手を寄せて力を込める
手の中にさらに熱い光をまるで地獄の溶岩の様に!!
『“輝き燃える赤き炎よ 一つに紡ぎ我が手に集いて煉獄となれ”
“
そう手の中から飛び出す単体の球体は
低空飛行をしたまま女性の身体に当たり
氷と解けて爆発を生む
「やったか!!」
『っ!!!』
しかし女性には聞いていない処か
薄い膜をはられて防がれてしまった。
「…流石にあの
『っくそっ!!』
この大人数を一人で飛ぶのはまず不可能。
かと言って瞬間移動は出来ないしどうする。
どうやってこの馬鹿みたいに底なし魔女から守れる。
前に行くにもいかせてもらえないし
「まぁそうするおかげで手間が省けて良いわ。」
そう言った女性が指を鳴らそうと動き出す。
不味い!!メルはオリアスの腕を
無理やり突き放し前に出る
『っやめろ!!!!』
ニヤリと笑い指が鳴り響く