Novel - Paola | Kerry

it's just you


風力は最弱で3

20/09/15
49

前回のあらすじ

メルが収穫祭にログインして敵を討伐しました。


『ダンダリオンごめん僕の周りにまだ居といて。』

安名にあとやらせておくわ。
そう言ったメルが手からメル自身を作り出す。
それにこくりと頷いたメルらしき安名と呼ばれた者が
そっと宙に浮いて別の所に飛び立った。


『…すいません、皆さん滅茶苦茶
言いたいことあると思いますが、
ちょっと緊急事態なんで、
このまま移動してもらって構いません。』



その代わり僕が後を追いながら
皆さんの護衛で周りますので。

全部終わってから説明させて下さい。
そう言ったメルに分かったとオリアスが答える。

「その代わり、きっっちり後で伝えてね?」

『うっ…分かりました。
この安名メルお約束します。』


「それならいい。さぁ仕事仕事!!」


そう言ったオリアスにメルは数歩下がった後浮遊する。




勿論この後


『“炎の矢フレア・アロー”』


『“爆炎矢ヴァ・ル・フレア”』


『“冷破吠ハウル・フリーズ”』



と言って炎の矢を撃ち放ち、
矢の強化版を撃ち放ち
ブリザードを起こしながら
オリアス達から守り抜いていくこと一時間。


「ー…大丈夫?」


「…いや、多分駄目。」


そう作られたオリアスが
本体のオリアス・オズワールに
メルのぜぇぜぇと息を吐きながら
身体を地面に倒している姿を聞く


苦笑いでそうかとオリアスが答えると
主と言いながら歩み寄った



「ーこっち討伐完了。」


「ーふぃっ、此方もです。」


「ー全員集まったよ〜」


『そっか…!!…666匹と一人討伐完了〜!』


良く出来ましたーおつかれー!!!

そう言っててを上げた後
降ろしたメルは指を鳴らす。

すると今まで見えていた
スージー達がふわりと消えていなくなるのに
えぇえ!?とグラサン先生が驚いた。


「ななな何で消えて!?」


「っあ〜君達この子の知らないのか。」


「メルちゃんの家系魔術で、
一部の悪魔を作り出して
攻撃する事が可能なんだよ。」

そう言ったイフリートは大きく息を吸って
煙草の煙を出しながら息を吐いた
それにすげぇとグラサン先生が声を上げた。


ゆっくりと身体を上げてそれ程でもと
何時もはゆるく三つ編みしていた髪の毛を
ばさりと音を立ててフードから外に出して答える。


髪の毛はまとめておらず、
熱いのか手を首元に仰いでいたメルに
オリアスがそっと手を差し伸べる。
それに気づいたのかメルは手を取り
オリアスの力を使って起き上がらせてもらった。

「ありがとね」


『いえいえ、此方こそご迷惑をおかけしました。
…それで?もう生徒さんは居ませんかね?』


「今の所は…ね?ラッシュも、もう過ぎたし
一応報告兼ねてテントに戻る予定だよ。」


勿論、一緒に来るよね?
そう言ったオリアスに
深いため息を吐いたメルは
コクリと縦に首を振るしかなかった。


++++++++++++++++++

「只今戻りました。」

「遅い!!」

そう言ったバラムにメルがびくりと固まる。
何時もは見ない顔に眉間の皺が寄るバラムと…


『だ、ダリ、せんせ…?』


「…メルちゃん、言いたい事分かるよね?」


そう首を傾げて言うダリの表情は確実にキレていた。

ひぃ。だってだって。
そう思って目をぎゅっと閉じて
ぐっと頭を庇わずに手を被っていた上着を鷲掴み
次の瞬間の痛みに備えて構える。



ぐっと掴んでいた手も、
力を入れていた身体にも
全く痛みが来ないのにそっと目を開けた。


「…よくできました」


『………へっ!?』


「いやぁ〜お見事!!急に出て来たときは
どうなるかと思ったけど…あっ!
でも流石に殺しちゃったら駄目でしょ〜?」


『えっ?あっ、はい、すいません???』


「見ていて清々しい程にキレ良かったよ!!
ダリ先生達を華麗に使用しながら目の前の敵を
倒しまくっていくメルちゃんの姿かっこよかった!!!!」


『いや君達仕事しなさいよ!!!
何で僕の方見てんの!!!生徒は!?!?』


「イレギュラーきたらそりゃ見るでしょ〜!?」


『っていうか…なんで、怒らないんですか』


そう言うメルにダリとバラムがオリアスを
チラチラと見て笑って答えた。



「ふふっ怒る訳ないでしょ〜?」


「そうそう、ただでさえ
悪周期で僕達に被害が及ぶのに
まさか悪周期無理矢理抑え込んだ上で
被害なく居れたんだもん。」


『でもイフリート先生傷つけちゃったし…』


「いやいやアレは流石にノーカンでしょ。
僕も避け切れなかったのが駄目だし。」


そう言ったイフリートに
メルはでもでもと首を横に振る。
一応此方は監視していた方なのだ。


「メルちゃん見てくれてたの何となく感じてたし
それにイフリート先生が危なくなった瞬間すぐに駆け付けた。
下手したら生徒に傷追わせる可能性があったから来たんでしょ?」


『うっ…うう』


「前は怯えながら威力を下げてまでして戦っていた「君」が
無理してまで駆け付けた上に被害を最小限にしたんだ。
これ以上褒めるものは果たしてあるかな?」


いやだとしても…だとしても。
そう悩むメルにバラムは
メルの頭をよーしよしよしと撫でる。


『…感謝します。』


「うん。そいじゃ説明してくれるかな?」


何故彼女らが来たのか。
そして君がどうしてすぐに駆け付けられたのか。
そのわけをそう言ったバラムに
メルは大きな息を吐いた後答える。


++++++++++++++++++


「へぇ…透過、ねぇ」


「本当にメルちゃん
何でも出来るようになったね…」


『だから何度も言いますが何でもは出来ませんです。
それにぶっつけ本番に近かったんですよ。
僕でさえ姿が見れない様になるんで。』


意識を変えたら
途中で見えるようになるのは驚いた。

なにせそっちもぶっつけ本番だったからだ。

勢いで出来たからと言って
次も出来るかと言うとちょっと難しいだろう。

コツを掴むまでは無意識的に
出来たのが奇跡と言うしかない。


そう言ったメルに
ふぅんとダリが声を上げる。




「にしても魔女の魔獣ねぇ…?」


『悪魔限定で飛び掛かる魔獣ですよ。
魔女に反応しないで悪魔に反応するし
何なら悪魔はその魔獣を物理的じゃないと
倒せないのに魔獣が魔法を使って広範囲で
攻撃してくるんで厄介極まりないのです。』


「でも一時間位で倒せてたじゃん」


『アレはぶっちゃけ…あの、
お、オリアス達だけではなかったので』


「…へ!?嘘、待って?!
何人出してたの!?」


『えーと、いち、にい、さん…』


そう指を折るメルが
目を細め脂汗をかいていくのに
見ていたダリ達も汗を流していく


『…じゅ、13体?』


「「「じゅうさん!?!?!?!?」」」


『あはは、いやでも…おおっと』


「おっと!!大丈夫!?」


そうふらり目がくらんで
身体を後ろに倒すメルに
咄嗟に聞いていたツムルが背中を支えた


それに大丈夫ですと
メルが答えて礼を言うのに
スージーが答える


「ふいっ、メルさん
体調がすぐれないのにすいません」


『いえいえ、流石に皆さんを放置して
絶対安静とか魔女も狙ってやってくる
と思ったんで…。』


そう言ったメルにピピピピとタイマーの音が鳴り響く
それに何々何とツムルが声を上げるのにメルが答えた

『ああすいません、それでは
僕はこれで一度帰らせてもらいますね。』


「え!?もう!?」


『悪周期を抑制しているのは
効果三時間が限度でして…』


「えぇーじゃあ明日来れないんだー」


『…いや一応副作用で悪周期そのまま終わりそうなんですよね。』

勿論明日の体調に寄りますが。
そう言ったメルに無理しない程度にねと
言ったダリにぺこりとおじぎして
テントから出る様に移動した。


まぁそれに今回割と血が出ないのでぶっちゃけ
なんとかなりそうだが…まぁ良い。安静にはする。


そう言ったメルに深くは問い詰めず、
ダリははいはい解散と言って
テントからメル達を追い出す。


持ち場に帰っていくもの達に
手を振ったメルにオリアスが声を掛けた


「…大丈夫なの?ソレ」


『おっと、貴方の目は騙されません、か。
へへ、実は結構危ない橋渡ってまして。
これ効果続けてると子供産めなくなっちゃうんですよ。』


「っええええええ!?!?!?」


ちょ流石にそれ駄目だよ!!!!!
そう勢いで肩を掴んだオリアスにメルが驚く
あれそんなに?と首を傾げるのに
オリアスがうんうんと縦に頷く


『いやでも魔女でしかもランク高過ぎるし
…子供はそもそも産まない方向でいたので。』


「いやいやいや、でも将来何があるか分からないし、
道は開けといて損ないでしょ。
ってかなんつー橋渡ってきてんの馬鹿じゃないの。」


『っな!馬鹿とは何ですか馬鹿とは!!
僕君達が危ないと思ったから苦渋の決断で!!!』


「そもそも、透過をした俺を出して来ていた時点で
君が此処にわざわざ来る必要は無かった!!」


違う?そう言ったオリアスにメルは、はいと答えた。


確かに、あの力があればわざわざ外に出なくても良かった。
彼の言っている事は正しいし、本来そうすべきであったのだ。



まさか悪周期が生理で、悪魔に人間の血を嗅ぐだけで
悪周期を生ませるとは考えてもいないだろう。


『それでは僕はこれで。
オリアス先生、頑張って下さいね。』


「うん。君も安静にね。」


そう言ったオリアスに
メルはコクリと頷いて姿を消した。


「…っ、ほんと、馬鹿だ」



そう言ったオリアスの声を
メルは聞いている筈もなく。


ログハウスに帰ってきていたメルは
自分に対して馬鹿だなあと答えた。


++++++++++++++++++

収穫祭二日目


メルは目を覚ました途端
吐き気にリビングに走り口から物を出す
昨日の薬の副作用だろうか、
所々血が混じっている気がしなくもない。


そのおかげか知らないが
ぴたりと血が止まって出ないのに
多分だが…ひょっとして脳が本格的に
生理が止まったと錯覚しているのでは?


そう思えば仕事いけるぞ!!
ひゃっはぁ!と脳内が喜ぶも

あれ数日前僕仕事行かない様に
控えてたよねと喜怒哀楽の落差が激しくなる。


『いやまぁ魔女怖いし…
オズには悪いけど
一応見に行くしかないよね。』


それに疲弊して疲れているのは
ツムル達その場で対応しまくっていた子達だろう。

もう知らんと壁に寝そべり
疲れ果てているのが想像できる。


この魔界中全ての者に
僕が悪周期があると言い聞かせていたが
実は生理周期のただの悪周期があるわけでは無かったのだ。


まぁ多少は痛いし血も出るし
…イライラも発動するし?



そこら辺はまぁまだ良いのだ。
でも守り抜いたとは言えど
彼らを無視してぬくぬくなんて
いられるわけがない!!!!



と、いう訳で。




『いやぁ〜石何個か放置しておいて正解だったなぁ〜!』


いい天気!!そう身体を伸ばすメルは
自分の部屋でも地下にも居ない。
昨日居た収穫祭の場所
ど真ん中に戻っていたのだ!!!!



にしても暗いなここ。
そう言って入ってきた場所は洞窟の中。
どうやらこの先に何かがあるらしい。


オオと音を立てるのにちょっと引くが…

まぁ良い。この先入らないと多分後怖いし。

それに洞窟だからと言って
抜け道だったりもするかもしれない。



メルは息を入って良しと言って前に進んだ。


『うひぇーひろーい』



そう声が鳴り響くのに
前も後ろも分からなくなる


いやぁこのまま地面が見えなくて
落っこちそうだなと思った次の瞬間


ヒュと喉の音と同時に身体が浮遊する。
魔術も魔法もかけてないのに浮遊したのに
メルは唱える前に意識を失った。


++++++++++++++++++




『…ったた、ここは?』


確か暗闇に調子こいてそのまま落ちたんだった


すぐに立ち上がろうとするが足に傷が入って痛む



『っっだ…あぁ〜やっちゃったなぁ』



そう灯りを付け
薬を取り出し身体にかける。
するとふわりと薬草の香りがしつつも
身体から痛みが消えて無くなるのにホッとした。


そんな中、前から音がしてメルは目を向けた


『あれ?オリアス先生にダリ先生?』



どうしたんですか?と手を前に出すと
次の瞬間目を疑うようなことが起こった





「…近づくな人間」



そう言って目を開けたオリアスが手を振り払ったのだ



息をのんで声が出なくなる
一体何を言っているのだろうか?


「魔術も家系魔術も全て嘘。
ただの醜い人間だったとは。」


…えっと、一体何を言っているんだろうか?


「汚らわしい」

そう言ったオリアスがそう言って
背中を向けて歩き出す


待ってと言った声にダリが声を上げる




「もう俺達と関わらないでくれるかな?」



裏切者



そう言った低い声に冷めた目付き
敵対しているのと変わらない
鋭さに声が出ない



『ーーっ!!!』



ゾッとする



声も感覚も全て自分が出していない


かと言って夢かと言われると
痛みが消えた感覚からして
間違いなく現実であることは間違いない。




だがダリ達がこんな場所で
そんなことを言うなんて間違いなくない。


これは誰かの差し金の幻だ


だから違うだから違うのに。


「本当の名前も言わないで、何が友達ですか」

『っ!モモ、ちゃ?スージー先生!』

「近づかないで下さい。人間が触れて
植物が病気になったらどうするんですか?」


『っ!!そんなこと!!!った!!』



そう弓矢が頬を掠ったのに驚き振り返る
何すんだと言いたくなって振り返った場所には
あぁーあと言ってロビンがイフリートと
一緒に此方を見ていた


「外れちゃったよ。」

「まぁ人間だから外れても死ぬんじゃない?」

『…ろび、んせんせ?、
イフリートせ、んせ?どうして』

君さと言って煙草を吸いながら言う
イフリートにメルは喉唾を飲み込んだ


「俺達のことか弱いと思って
今まで力抑えてたんでしょ?」


『っちが!!!』


「人間がオリアス先生を
たぶらかして魔女になってまでして
僕達と仲良くしたかったの?」


『っ!!!!』



違う。たぶらかしてなんか。



「傷つけないように威力を抑えて
戦って…僕ら人形だと思ってた?」



そう言ったイフリートに
メルが違うと首を横に振る





『違う違う!!お前達は誰だ!!!
皆そんなこと言わない!!!!』


「そんなこと言われて同然だ」


『っ!!カルエゴせんせ』


「人間、ましてや人間ですらない
魔女と悪魔が共存するなど不可能だ」


そう言ったカルエゴにメルが
ゾッと青ざめていた身体を動かすも
身体が予想以上に思った様に動かせず
何もない所でズッコケた。




「ははっ!みろよ!
何もない所でこけやがったぞ」


『…つむ、いちょ?』


「馴れ馴れしい言葉で呼ぶな、人間め」


「俺達を騙していてさぞかし
いい気分だっただろうな?」



そう冷たい目線で見てくる二人に
メルは首を横に振る

違うそんなそんなつもりでやってたんじゃない!!!


冷ややかな目線に身体が顔が上がらない。
それにメルちゃんと言ったサリバンに
メルは顔を上げた




彼らなら何がどうなっているか教えてくれる。



そう思っていたのだ




「メル様、メル様のご家族と呼ばれた者が
お迎えにあがりました。」

「メルちゃん先生達を
傷つけるから退職させておくね!

これからはご両親と仲良く暮らすんだよ。」






『…いや、いや』


黒髪の男性と女性に見覚えがある。

声が震えて身体も動かせない。


期待していた自分が馬鹿みたいに感じた。



嗚呼期待して望み通り叶う筈も無かったのを
今まで忘れ切っていた僕が悪かったのだ。



「都佑!もう皆さんに
ご迷惑をおかけしてどうしてるの!!!」


『っ!!!ごめ、ごめんなさい、ごめんなさい』


そう身体を丸めるメルに女性が更に言う


「貴方はもっとしっかりしないといけないのに…」


「迷惑をかけるならもう帰ろう。
一緒にこれからずっと暮らせるよ。」






本当に?
いやそこが僕が居たかった場所か?



違う


貴方達の場所に居たかったわけでは無い。


望んだ場所は、本当の居場所は。





「はぁ…本当に、情けない」



『っ!オリア…』







「こんな餓鬼にほだされていたとは」





そう冷めた目で睨まれるのに
メルは身体を固めて動かなくなる
一体どうしたというのだ




「君と契約は破棄するよ。」


『…あっ、やっ』


「これ以上仕事の邪魔、しないでね」





そう言っててを振って消えるオリアスに
メルは首を横に振り手を伸ばす






取りにいきたくても身体が足が動かない






「僕を殺してくれたらよかったのに」



そんな声が後ろから聞こえた。
嗚呼、君までも言うのか。



さぁ一緒に帰ろうそう言った
女性と男性の手が
黒くなっていくのに声が上がる



『いやぁあああああああ!!!!』




動かない身体を何とか叩いて動かし
岩の中に身体を擦り寄せた。


嫌だ帰りたくない帰りたい場所じゃない


違う違う違う



そう首を横に振り身体を丸める。

嫌だなんて叫んだのは
一体何時ぶりだろうか。












思えば、ずっと僕は一人ぼっちだった。


初めて体験した感情は「どうして?」だった。




虫を見ると逃げて寄らない。


「どうして?」


皆褒めて貰えることを
やってみたのに褒めてくれない


「どうして?」


考えた感情をそのまま
伝えても否定される

「どうして?」



次第に自分で判断したものは
否定されるし不正解だから
間違ったものだからと言い聞かせて
考えていたことを消しまくっていた。



いや、本当は殺しまくっていたのだ。



自分の中の感情が爆発するから、
その前に切り刻んでいた。



泣きじゃくっていた自分が
何時しか木偶の某に
なっていたのすら気付かずに。




殺して殺して殺しまくって

何もない場所で
一人ぼっちで暮らして
生き続けるだけだと。



魔女になっても
孤独に生き続ける生涯だと思っていた。


そう知っていたから、
そうミレイユを見て思っていたから。




だから変えられるとか出来なくて
きっと自分が居るだけで
迷惑をかけ続けると思っていた。



何度だって貴方達から逃げて
何度だって貴方達を傷つけないようにして。




僕はその場で生きていきたいと願ったんだ。



例えオリアス先生ですら
本当の名前を教えていなくても。

ツムル先生達に
人間と言うことを教えていなくても。



何度だって記憶を消したから
もう覚えているかどうか分からない。




でも、皆それを知らなくて
笑って相手してくれて




“メルちゃんだから俺達は変わったんだよ”



そう言ってくれたのを
僕は…僕は信じて、



『…おいてかないで』








「ったくなっさけないなぁ…」


『っ!ミレイ、ユ?』


「私が教えてやったこと、忘れちゃったの?」


『みれっ!!』


そう手を伸ばしたのに消えていなくなる姿
それにメルは顔を下げてくすりと笑った


そうだ、少女が作り出したように、僕は…


僕は弓射れる者だ!!!


そうメルに銀色と緑が混じり
光り輝く弓がつくり手の中に生まれる

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