Novel - Paola | Kerry

it's just you


純粋才能5

20/09/15
5

昼休みになるチャイムが鳴り響いたあと五分後
コンコンと音を鳴らした音に
メルがううんと眉を寄せた

「失礼しま…あれ?」

「シー」

「寝ちゃってます…?」

そうオリアスが帽子の唾を上げながらダリの元に寄る
ダリはぐっすり。と言って苦笑いした

「ダリ先生にべったりじゃないですか…」

「最初から最後までダリ先生にずっとくっついてましたよ」

「ええ!?何時もと真逆じゃないですか」

「なので終始連れて帰って良いかな?
って言ってきてました」


ちょ!それ言わないでよ!!
と言った声が大きかったのか

メルがうううんと唸りながら
ダリの胸に更に潜っていく

教師の制服である
上着の中に入ってうずくまるのに
どうやらまだ眠たいらしい。


だがお昼の時間であるため、
いい加減起きてご飯を食べないと不味い。

メルちゃーんお昼ご飯食べようー
と言ったダリにやだぁと声を出す。


「オリアス先生来たよー?」

そう言うと身体がびくりと動く。
瞬時にダリの上着から上に
ほんと!?と言いながら出てきたのに
ダリが顔を上に上げるしかなくなる


『おじゅだー!!』

「はーいオズだよメルちゃん。
良い子にしてた?」

『してたあ!!おじゅー!!!』

「おっと!危ない…」


そうダリの上着から外れて勢いよく飛び出したのに
キャッチしたことで
地面に落ちなかったからよかったものの
放置していたら軽く地面とキスしていただろう。


『おじゅー!おじゅー!!』

「はいはい…すいませんダリ先生
モモノキ先生お任せしちゃってて」

「いえいえ。お代はもう一回メルちゃん
そのままでまた会わせて?」

「はは、メルちゃん多分NOって言うと思いますよ。」


この現状を見せたらきっと顔を真っ赤にして
無理無理無理無理と言うだろう。


「食堂連れて行くの?」

「いや職員室で食べさせますよ。
一目がある程度多い方が良いでしょうから。」


自分も食べる時に見る人が居ないと不味いだろう。
そう言ったオリアスになるほどとダリ達も頷いた

モモノキがお子様ランチ頼んできますと言って席を外した
きっと食堂も事情を説明すると分かってくれるだろう。

オリアスはダリから受け取った
メルを抱きかかえて
部屋を職員室に移動することにした。


「あれ!?ミルミル!?」

そう言ってばったり出会ったのは
クララとアスモデウス、入間の入間軍だった。
どうやらこれから食堂に向かう予定らしい。

「おっ!よく分かったねぇ…」

「ええ!?メルお姉ちゃん!
小さくなってるの!?」

「シネル君がやらかしてね…」


そう言うと全員があーと声を一致させる。
シネルはつい先日アメリを乙女に変えた罪で
罰を食らわしていたのだったが、
どうやら懲りていなかったらしく

アメリを子供にしてみたかったらしい材料を
何故かたまたま歩いていたメルが
ぶっかかってしまったという。

とんでもない事に出くわしたことを伝えると
成る程と入間が納得する

『うー』

「可愛い〜〜!!!」

そう言ったクララにメルが嬉しそうに笑う
オリアスの胸元を掴みつつクララの方に手を出す
落ちない様にそっと身体を抱きかかえる

手を出したクララにメルがぎゅっと手を掴む
人差し指を握ったのににこりと笑うメルに
可愛いともう一度クララが言う

『ごはん!もぐもぐ?』

「うん!これからご飯!!一緒に食べるー?」

「流石にそれはだーめ。食堂に連れてはいけないよ。」

生徒がいる前でこんな状態は流石に悪い。
そう言ったオリアスになんだーとしょげるクララに
ごめんねぇとメルが言う。

ううん!また今度食べよう!と指を出したクララに
メルもまた小指を出してゆびきりと言った

『ゆーびきーりーげーんまーんうーそつーいたーら
はーりせーんぼーんのーーーます!ゆーびきった!!』

「針千本飲ます!?ちょ!
何処でそんな物騒なこと覚えたの!?」

間違いなく何処かの公共施設だろうな。
そう入間は遠い記憶を思い起こしながら苦笑いした

それじゃそう言ったダリに
入間達は失礼しますーと
声をかけて食堂に向かった


「いやーにしても
めちゃくちゃ癒されますよ。
さっきからずっと
僕の服しがみついて離れませんでした」

「俺の時もそうでしたよ。
ひょっとしたら寂しがり屋なんですかね」

『ちがうよ!!さびしくないよ!!!』


そう強く言ったメルの手はオリアスの服を掴んでいて
ぎゅっと胸にくっついていたのを
ツムルとダリはじっと見たまま
「「いやーーーー」」と否定をいう

「説得力が、ねぇ〜〜〜?」

むぅ!と言いながらほっぺを膨らませるメルに
ニヤニヤしながらメルの頬を
ツンツンとダリがしながら職員室に入った

「じゃ俺はご飯持ってくるね!!」

「いや一緒に食べるんですか」

「そんな面白い状態で一人寂しく
ご飯食べる訳にはいかないでしょ!
ねー?メルちゃんダリお兄ちゃん
居なくなるの寂しいでしょ?」

『さ、さびしく…ないも』

そう先程寂しくないと言った
メルが強気で震えながら言うのに
ダリが強がらなくて良いからと頭を撫でる

『でも、たべる』

そう言ったのにダリが目を丸くする
分かった、急いで取ってくる。
そう言った彼のスピードが速いのに
ツムル達は半目で苦笑いする。

「一人で座れる?」

『うん!』

先程クララから「ミルミル用!絶対使う!!」
そう言って机と椅子を提供された為
それをメルの席の隣に置いて監視できるようにする

オリアスはメルの席に座り
メルの隣を見れるようにした。
角っ子の席はこういう時楽なのだ。


数分しているとモモノキがお子様ランチを
持って職員室に帰って来た

「あら、とても可愛らしい机と椅子じゃないですか」

「ウァラクさんが出してくれてね」

良かったねぇーと言った
ダリにうんと嬉しそうに笑って頷くメル

お子様ランチを前におおと目をキラキラさせるメルに
スプーンを渡すといただきますと言って食べ始める

余程お腹が空いていたのか、
美味しい?と声を掛けられても無視である。

口にケチャップを付けているメルに
息を鼻でしながらオリアスがメルの名前を呼ぶ

こしこしとメルの口元をふくオリアスに
くすりとダリが笑った


「なんだかこうやってみるとパパだねぇ〜」

「っ!?」

そう言ったダリに思わずオリアスが驚く
メルが首を横に振って違うよと言った
次の瞬間職員室に居た者が全員固まる


『メルのお婿さんだもん』


その言葉に、ダリではなく遠くから
メル様?と聞いた声にメルが向く

サリバンを抑えていたのか、
オペラが耳をぺたりと
降ろしてがくがく震えながら話す

「メル様、今なんと…」

『おじゅはメルのお嫁さん!』

「ぶっ」

「いやー俺お嫁さん…かぁ…」

さっきお婿さんって言えてたのになぁー
と言うオリアスが片手で顔を隠すのに
駄目だもう無理とダリが大笑いし始めた

「メル様、駄目です」

『なんで?メル、オズがいい!!
だってオズの魔法使いだよ!』

ん?とオペラが耳を立てる

オズの魔法使いとは、
少女ドロシーは竜巻に家ごと巻き込まれて、
飼い犬のトトと共に
不思議な「オズの国」へと飛ばされてしまう物語だ。


道中三匹の仲間を引き連れて
それぞれの願いを叶えてもらうため

「エメラルドの都」にいるという
大魔法使いの「オズ」に会いに行く。
そんな物語をメルが話す



どうやらその大魔法使いのオズと
オリアスを勘違いしているようだ。


「メル様、そのオズという者と
オリアス先生は違う人ですよ。」

何なら悪魔である。

『違わないもん!
メルの心ふわふわさんにしてくれた!
まほーつかいだよ!!』

「ふわふわ、さん?」

「メルちゃん曰く、
嬉しい気持ちになったらしいです。
オリアス先生と居る時の
メルちゃんずっと嬉しそうに
笑ってるんですよ。」

俺の時もそうだったよねーと言ったダリに
そうだよー!でももっともっと!と言ったのに
流石に負けるかぁと苦笑いした

『だからおじゅは、まほーつかい!!
メルもまほーつかいだから
…ぱぱとままみたいになれるの。』



喧嘩したくないけど。
そう言ったメルに
そうですかとオペラは言う


「ではメル様はオリアス様と
ご結婚されたいのですか?」

「ごっ!?」

『うん!!だってけっこんしたら
…ずっと、こわくないでしょ?』



ーずっと、ずっと一緒に!居れるから!!



そう言ってメルが前にダリ達と戦う時
少女が言った言葉を思い出した。
あの時の少女にとてもよく似ている。

寂しいから傍に居て欲しい
というものではなかったのだ。

両親が傍に居ないという
現状を温かい気持ちにさせてくれる。
そんな人がパパの隣にママがいるように。

メルも隣に彼が居て欲しいと願ったのだろう。
無垢な目が駄目?と言ってオペラを射貫く

オペラとて鬼ではなく、
メルが結婚をするというのに

ただ心配だったから、
まだ早いと言いたかっただけだった。

何時もは素っ気ない態度を
取っていたメルだったためか
オペラは負けたように
耳を下げて「いえ…」と肯定したのだった。



「へぇ〜結婚宣言されましたが、
どういうお気持ちですか?」


「ちょ、茶化さないで下さい。
ほらメルちゃん早くご飯食べなって
はっや!!もう殆ど食べてる!?」

そうメルの食事が進んでないと思い
催促をしようとしたら

まさかのほぼ三分の二を
食らいつくしていた現状に
ちゃんと噛んで食べていたのか不安になった。


はぁいと言ってメルがオペラから
ご飯に移って食べ始めるのに
ほっとしたオリアス。


暫くするとメルはご飯を平らげるとふぅと言って
お腹をさすりつつ背もたれに身体を委ねた

「お腹いっぱいになった?」

『ん!』

うつらうつらとし始めるメルにオリアスは
メルの口を拭いてそっと
身体を持ち上げて書類に目を通す


マル付けをする為に、左側に身体を向け
右側に体重を寄せてメルを
キャッチしつつマルを片手でする。


それにオペラが入って
コレを使用してくださいと言って布を持ち出した

そっとメルをオリアスの身体に
くっつけて維持出来るようにしたのだ。

寝だす勢いだったので
胸元よりも背中に置いた方が
いいということで
本格的におんぶであやしていた。


マル付けを終えたら午後もまた
授業の為誰かに渡す予定であった。

チラリと横を見るとキラキラした目で
ロビンが此方を見ているが
流石に嫌な予感がする為
彼に渡す訳にはいかなかった。



「オリアス先生俺午後空いてるんで見ますよ?」



そう言ったイチョウに助かると言って
数十分程背中に寝かしていた
メルをそっと布を解いて
イチョウに抱きかかえてもらう


僕も見ます!と言ったロビンにカルエゴが
お前は絶対見るな触るな近づくなと三指令を出す。


『んぅ…おじゅ?』

「あ、起きました?」

『んぅ…しろ、だ。あれ?くろ?』

髪の毛の話かな?そう思っていたら
黒?とイチョウが疑問に首を傾げた
目ん玉と言ったオリアスにああと閃いた

「ごめんねまた授業だから席外すよ」

『ん、良い子で、いるぅ……』

すよすよとまた目を閉じて寝始めるメルに
可愛いとイチョウとオリアスが笑いを
我慢してお互い自分の片手で自分の口元を抑えた

「それじゃ、見とくんで…」

「う、うん…お願い…」

そう席を外すオリアスにイチョウもまた
ツムルから教えてもらった場所に移動する。

最初の方は元気で走りまくっていたらしいのだが
途中から眠気に身体が持っていかれて
それからずっと眠たい目を
こすっては寝ての繰り返しらしい。


まぁイチョウやツムルが最初に発見した際
何メートルも先から走りまくっていた情報を聞くに
子供が重い大人の衣服を引きずりまわっていたら
そりゃあ疲れもするだろうとは思う。

と言うかよくあの薬瓶とか詰まってる
ポシェットまで引きずりまわったと思う。
中を拝見させてもらったのだが、
内側の縁に薬瓶を何個か仕舞えるように設置されており
外側にはメモ用紙やペン、箒が小さく仕舞われていた。

普通に女性の荷物になっていたのだが、
重いと言えば重いレベルだ。


「…寝てて良いですよ。」

と言ってももうすでに夢の中だろう。
メルは無事にすよすよと寝ている。
…それにしても良く寝る子だ。

いつも見ている姿はオリアスと軽く愚痴を言っている時に
ダリにからかわれて逃げての繰り返しだ。
たまにモモノキと女子トークをしていたり
カルエゴに享受を受けている所を見かける。

結構忙しなく動いている姿だったので
此処までピクリとも動かない姿は正直初めてだ。
と言うのも、恐らくツムル達も経験したのだろうな。

ツムル自体は「元気だから注意しろよ」とだけは言われたが…
目を離しても問題なさそうに見える。

「…とりあえず資料読んでおくか。」

自分のやらなければいけない物を持って来て
イチョウはそっとメルごと席に腰掛けた
身体を動かしても一切動かないのに、
本当に生きているのか少し心配になる。

チラチラと見るとすよすよと眉を上げて
目を閉じるメルを見てホッとする。
一応生きているのは確認出来た。

『…んぅ、』

「(ん?どうした?)」

そう眉が寄り、嫌そうな顔になる。
嫌な夢でも見始めたのだろうか?
脂汗が出始めるのに少し気になる。

「…大丈夫ですよ、悪い夢です。」

そう言ってイチョウはポンポンと
優しくメルの背中を叩いた

ぽろぽろと涙を流し出した
メルだったが、すぐに涙は止まり
またすよすよと寝始めたのにホッとする。



さっきからハラハラして参ったなと苦笑いした。


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