Novel - Paola | Kerry

it's just you


風力は最弱で5

20/09/15
51

『無理無理無理無理無理無理無理無理』

「え〜だって!カルエゴ先生」

「良いやれ」

『無理むりむりです〜!!
なんでお手繋いでないといけないんですか!!!!』

そうメルが顔を赤らめて叫ぶ状態。


現在時刻は収穫祭始まり二日目の夜。
リタイア者も後半少なくなりつつも
範囲が一日目よりも広がる為
広範囲で捜索しなければいけない。

「何でって…貴様が追い詰められたら
出来るって言ったからだろう。」

「感情操作の爆発的な威力で
絶望の次に効果があるのは
恥じらいや恋心の方面だからね!!」

『リンちゃんか!!お前かブルータス!!!』

「いや〜ブルータスでも何でも協力になるならいいよね!!」

そう笑うリンがカルエゴとさり気なくタッチする。

現在ダリの膝の上にツムルとイチョウが左右手を取っていた。
疲弊度が他の悪魔教師より酷く、休めるついでに仕事出来るよ
と言ったダリの甘い誘惑の元待機していたのだが…


メルは頬を膨らませつつ顔を赤らめる
うにゅーと変な声が喉の奥から上がるのに
手汗大丈夫?とツムルが聞くも耳に入っていないようだ。


『っ〜〜〜!!!ああっもう!!!無理!!!
幻影具現化モル・レヴァ”ー!!!』

そう言った途端メルの目の前に
オリアスを始めとした教職員
それだけでなく

「っうぇええ!?」

入間やアブノーマルクラスのメンバーまで出てきていた
何でか知らないが教師服の姿で何処か身長が高い気がする。


『イルマ・アスモデウス・ウァラク・
サブノック・バラム・ナベリウス・
ダンダリオンは北側!!』


そう言い放つメルの前に入間を含めた
7名の悪魔が前に出て軽く会釈する。


『基本守りはイルマ・アスモデウス・バラム他
攻めに転じて各自程々に離れず動くこと!!』


分かったら散れと叫ぶと翼を広げて空に飛び立つ
テントにぶち当たることなく移動した者達に
見ていたダリ達は唖然として見ている。


それだけで終わる訳がなく…


『クロケル・イクス・カイム・シャックス
ストラス・マルバス・モラクスは西側!!』


そう言い放つメルの前に
7名の悪魔が前に出て軽く会釈する。

『基本守りはクロケル・イクス・シャックス!!
他攻めに転じて各自程々に離れないで動くこと!!』


ハイ次そう叫ぶメルは少し落ち着きだしたのに
ダリがそっと背中からメルの腰を引き寄せる。


「だぁめ」


そう言ったダリにメルの顔が更に赤くなる。
もうきゃーと言う叫びを変換しているようなものだ。



『ガープ・アガレス・アロケル・アンドロ
イフリート・オリアス・イポスは東側わぁっ!!』


『ガープ・アロケル・イフリートは攻め!
他は基本守りではやくいけ!!!』



そう叫ぶメルにコクリと頷いて
呼ばれた者もまた消えていなくなる。


はぁと息を吐いたメルに
ねぇとツムルが言うのに
何とメルはチラリとみて答えた。


「まだ何人か見えてない気がするんだけど…」


ひょっとして気のせい?
そう言ったツムルに
そうだねとそっぽを向いて
ダリの目すら合わせない。



「…ダリ先生」


「はぁーい」


『〜〜〜っ!!分かった分かった
分かった分かったからぁああああ』


ダリがまたメルを引き寄せ
頭をよしよしと撫でるのに
メルが数時間前の事を思いだしたのか
首を横に振り答える



心臓出るから!!!そう叫ぶ
メルが涙目になりつつも強く声をあげた


『プルソン・ブエル・ムルムル
バルス・フルカス・アザゼル
ドゥルジは南側!!!』


『バルス・アザゼル・
ドゥルジが攻めで
後、後衛に回って!!』


そう叫ぶように伝えた後、ぜぇぜぇと言いながら
全くと言ってツムル・イチョウと繋いでた手を外し
髪の毛を束ねていたゴムを引っこ抜く。


『〜〜ったく!!ほんっっと!カルエゴ先生!!
後でご褒美下さいよ!!!』


「ノルマ以上の報告があればな」


ばさりと髪の毛が戻った後、
そっと頭の上に一つに束ね始める。


チェルーシルと唱えた後指を鳴らすと
メルの黒い衣装はかわり
肌の露出が激しい姿に変わる


それは前に永久の魔女として姿を現したそのもので。
膝の上に乗っけていたダリも思わず顔を赤らめた


が、メルはそっと身体を
浮遊させてくるくると
回りながらテントの外に移動する。


ふわふわと浮かび風船のように
空高くまでいかなくとも
ぴたりと空中で髪の色を目の色を変え始める。


『…全悪魔に告ぐ、
これより敵対悪魔及び魔女の捜索を開始する!!
これから3時間ぶっ通しで
隅から隅まで探しだぜ!!!いいなぁ!!!』


そう指を鳴らしたメル

メルを囲むように
周囲にブンと音を鳴らして映像が送られてきた
それにおおと目をキラキラと見せながら眺めるダリ達


そんなことはつゆ知らず。
メルはもう集中しきって呼び出していた
イルマ達の映像をかたっぱしから見ていた。


『ダンダリオン・オリアス・ムルムル・モラクス
此方との中継報告。いいな。』


「「「「了解」」」」


そう言って一瞬で出て来た
オリアス達にぎょっとする。

四方向に向かっていた者達が
急におじぎをしながら戻ってきたのだ。

メルは肘を立てながらキーボードがあるのか
手を前に出しながら何かを操作する動きをしつつ
メルが低い声でオリアスに答える



「ー主、東側5匹魔獣あり」

『殺せ』

「ー主、西側10匹魔獣あり」

『殺せ』

「ー主、北側7匹魔獣そして一名の存在確認」

『いたかぁ…クソ溶かし込んだ奴どっちオスメス』


オスですと言ったダンダリオンに
ほぉ?とメルの目が細まる。

どうします?と言った
ダンダリオンにメルは言うと
手を上げて耳に手を当てる。


『北側のナベリウス、君に処罰の有無を渡す。
生かすも殺すも別にいい。ただ此方でも見ている。』


そう言ったメルがすっと
指を動かし、くいくいっと動かす

するとナベリウスの見ている映像が
此方に寄ってくる。


『ハイ次!!お前ら報告怠るな!!!』


そう言ったメルにハイと声が上がる。
それをぞっとした顔でカルエゴ達は唖然と見ていた



「…なんだ、アレ」


「メルちゃんの家系魔術
幻影具現化モル・レヴァ、ですよ。」


「いやいやいや、
前見た時はあんなんじゃなかったぞ…」


「アブノーマルに僕達教師含めて計28名の悪魔を
それも中継入れながら指示をする…」


「それも一人で…」



メルの家系魔術幻影具現化モル・レヴァ
最大30人まで一度に出して動かすことが可能!!
最大範囲はメルを中心におおよそ6666km!!
とてつもなく遠い距離から指示が可能!!

ただし6km以上離れる際は中継係として一人
悪魔を傍に居させないといけないぞ!!

集中し続けて居る間は
誰の言葉でも話が聞けないよ!





『おいムルムル!!』


「っ!はい!!!」


いや違うってそう言った
イポスにだってとツムルは答えた。


「なんか呼ばれたらこう
心臓ぎゅって握られる感覚しない?」


「え?そう…うん、そうだな。」


そうイポスと呼んだメルに聞いた
イチョウはこっぱずかしい気持ちを抑えつつ答える。


それもそうだよとリンが答えた


「メル様と契約を交わした者なんだから
多少の心臓位きゅっってなるよ。」


「きゅっってなるの!?」


「なんならリオンもなるよ」


「お前もなるの!?」


そう驚くツムルにコクリと首を縦に頷かせた。



「にしてもメル様が本気本当にだすとは〜」


「確実ではなかったのか」


「へへ、メル様が初心な人で良かったんですよ。
そうでもないと力発揮しないし。」


でも意外だなーと言ったリンに何?
と解散しかけていた者の中ダリが答える


「メル様って異性の対象って凄い狭い筈なのに。
どうしてダリ先生やツムル先生達で
あんな顔赤くなるのかなぁ。」

「…マジ?で言ってる??」

「ええマジですよ?メル様
男性とお会いしても基本無ですからね。」

ほらからかうとは言えども
うちのリオンとは距離遠いですから。
そう言ったリンに
初対面で会った時を薄っすら思い出すダリ

確かにまぁ…そう言われてみればそうだが…

「…はぁ〜ほんと、可愛らしいというか。」

なんというか。


++++++++++++++++++


『ダリ先生、カルエゴ先生中間報告させて下さい。』

そうテントに入ってきたメルが
バッとテントを勢いよく開けて入ってきたのに
ダリとカルエゴはコクリと頷きメルの方を向いた。

「いいよ、話を聞こう。」

『ABCD地区、を東西南北として
指示して移動させてました。』

そう地図を出しつつ
幾つかの映像を浮遊させたまま
メルが説明をする。


『全て合わせて現時点で魔獣400討伐完了。
その他3名の魔女を殺しました。
理由は生徒に危害をくわえかけた為です。』


「…ほぉ」


『更に今現在この者が
要注意人物となります。』


「位置は」


『B地区とだけお伝えします。
南側の方ではありますが
行方をくらましやがったので。』


「他は?」


『まぁ北4、西4、東5
南3名の悪魔が残ってます。』


「何故そこまで消えた?
七名ずつだっただろう。」


『ちょっとした攻撃で
消えて無くなるんです。

一度消えると日を跨がないと
出すことは不可能です。』


「ならば何故いっぺんにだす。」


『最大威力で出せっつたからですよ!!
あと僕も威力範囲どれくらいまで
行けるか試したかったので!!!!』


そう言い切ったメルが
何か他に言う事はと強気で言うのに
いやなにも、とカルエゴが引いて答える。



『中間報告以上になります。
引き続き魔女からの魔獣討伐に戻ります。』


「待って、メルちゃんかなり狩ったでしょ。
もう良いんじゃない?」


『…いえ、念のため時間内はやり抜きますし。
あとこれ生徒のリタイア報告です。
もう既にブエル先生には引き渡し済みです。』


勿論此方が程々に回復して。
そう言ったメルに、おおぉと言わんばかりに
通常の資料提出の何十倍もの量の書類を渡されるダリ


「仕事が早いな…お前やれば出来るんだな」


『は?できますよ。
我らの宝に手出ししよう者は
一瞬たりとも息などさせる者ですか。』


そう冷めたメルの目にカルエゴが睨む
銀色に光り輝く目と髪の色に
暴走していた前の姿は面影もなかった。





「(吹っ切れた…か、いいだろう)」


『あと、もしイレギュラーが出れば…』


もし黒幕が居れば、私自ら出向きます。
そう言ったメルにそーれーなーらーと
ダリが提案を入れる。

明日の夜とかどう?と言ったダリにメルは
ああ、うん良いけどと答えた。

はて、なんだろう。

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