『先日は大変ご迷惑をおかけしましたぁ…』
そう朝から土下座する勢いのメルに
いやいや可愛かったから良いよとダリが手をひらひらとふる
「にしても記憶あったの?」
『いーーや一、強いて言うなら楽しかったって一言が浮かぶ位で…』
「へぇ〜ダリにぃって呼んでたのにー」
『ぴぇ!?そそそっそそそんな恐ろしい事言ってたんですか私』
恐ろしいのか。
まぁ弱みを握られるのは
確かに恐ろしいことではあるが。
「してたよーぎゅって抱き着いて離れたくなさそうにしてた」
『…もしかしてダリ先生以外にもしてました?』
「してたねぇーツムル先生にはツム兄って言ってたし
イフリート先生にはイフ兄って呼んでたよ。」
『うーーーわ、うーーーーっっわ…
マジで申し訳ないぃ…』
そう顔を両手で隠して頭を上に上げるメル
「ひょっとしてさ、メルちゃんって昔
凄い甘えん坊で寂しがり屋だった?」
『………、ーーそうです』
何今の間絶対言いたくなかったでしょ。
『元々親が帰って来なかったので
いつも人形と手を繋いでいたか
親の匂いが付いたものを持っていないと
気分落ち着かなかったんですよ。』
「あーオリアス先生の
ハンカチ取ったのってそういう」
『え゛っ!?取った!?とったぁ!?
マジですか…うわぁ…
過去の私マジでほんと』
ビデオあるよ?視る?そう言ったダリに
メルはとりあえず一応謝る
悪魔用にと言って受け取る。
「あ、おはようございます!
メル先輩戻ったんですねー」
『大変ご迷惑をおかけいたしまして
申し訳ございませんでした』
「いやいやいやいや!?
そんな頭上げて下さいよ!!!」
それに全く迷惑かけてないですよ!
そう言ったツムルに
本当に?とメルが怖がりながら答える
「最後の方立ち入り禁止区域の
植物園に入ったのはマジで焦ったけど。」
『大迷惑かけてんじゃないですかぁ!!
ヤダなぁ!!!!もう!!!!!』
「あははははっ!!
それ以外は基本的に落ち着いてたよ?
途中何回か寂しそうに泣いたりしてたけど。
本当におとなしかったのは事実だよ。」
いつもと全く違う感じに驚いたよー癒されたし。
そう言ったダリにむぅーと頬を膨らませた
「元々甘えん坊だったんですか?」
『…寂しがり屋は認めますが、
甘えん坊だったかと言われると
否定したいかもですねぇ…』
甘えられないからって親が居た時に
命一杯甘えたかと言うと、案外そうでもない。
なんなら親が喧嘩しているのが多くて
甘えられる時が親以外と言う現実があった。
その為オリアス達に命一杯甘えたと言うことは
『(丁度親が喧嘩しだした時位なんだろうな。
最初はとても優しい良い親だったからなぁ。)』
だからこそ悪い子になったから
褒めてもくれないし、
自分を置いて行ったのだと
思い込んで泣いたりするのはうなづける。
よくなっていたことだったし。
「まぁ授業は気にしないでよ。
一日位の補修だし何とかなるでしょ。
でも今日は休みだったんじゃないの?」
『いえ、授業が無いだけで一応来ました。
次の授業の予定も取らないと不味いですし。』
「真面目だねぇ〜」
ひとまず一日だけで良かったは良かった。
にしてもぶつかる前からほぼ記憶が無いのだが…
それも加味したものだったら割と恐ろしい薬だな。
『(でも子供の時何か変なことしてないかな)』
まぁ暇ではないが、動画は一応見て置いた方が良いな。
そう思いある程度仕事を進めた後、落ち着いた辺りで
職員室から離れた部屋に入りテレビをつけた
+++++++++++++++++++++
「あ、此処にいたんだメルちゃ…大丈夫?」
『あうぅう〜〜大丈夫じゃないですぅ』
そう部屋に入ってきたマルバスに
メルが顔を赤らめて泣きそうな声で答える
どうしたの?と首を傾げて来たマルバスに
昨日の動画全部見たんですよと赤らめた顔のまま
マルバスの顔を見て喋る。
『めっっっっちゃ恥ずかしい…』
「そんな恥ずかしいの分かっててわざわざみたの…?」
『いや誰に迷惑かけたかは知りたかったので…』
マルバス先生にもご迷惑をと言ったメルに
いいいい!と首を横に振った
「最近職員室ぴりついてたじゃん?
あの空気が一気に昨日晴れて
丁度良かったと思うんだよね。」
『あーアブノーマルクラスの子とか
後は悪周期の子達の
面倒が酷かったケースとかですよね。』
毎年色々と問題は重なるが
アメリの生徒会騒動とかもあって
割と今年は前半なのに騒動が立て続けで
一息つきたい所だったのだ。
そんな時にメルが小さくなって
一時的に慌てはしたが
職員室で親指を加えたままダリの元に歩いたり
よちよち歩きで笑いながら誰かにくっついて
甘えていたのを見ると
確かに周りの空気が
明らかに和んでいたのは事実だ。
まぁ良かったとしておこう。
自分の黒歴史という代償がかなり大きい気がするが…
あれ、ひょっとして魔女として
悪魔の家系能力使えるようになったら
悪周期とかっても引き継がれる感じ?
今度オリアス先生に悪周期どうなるのか
聞いてみておこう。
流石に幸運だから逆の不運になるとか
あからさまな事は無いと思うが…
まさか魔女でそういう反転系家系能力とかある?
「ああそうだそうだ
メルちゃん此処の授業
俺代われるから授業入れる?
って思って相談しに来たんだよ」
『ああ!マジですか…
すいませんそれではお願いします。』
「いやいや!良いよ〜あ、そうだ」
『?』
「メルちゃんオリアス先生達の
絵描いてたの見た?」
『えっ!?そんなシーンありました!?』
あー見て無さそうだなぁと言ったマルバスは
絵凄い可愛らしくて前から上手かったんだね
と言ったのにメルはお恥ずかしいと言って照れる
『絵描いたり想像するのが昔から好きで楽しくてですね…
ほら魔法はイメージって言うじゃないですか!
なので昔から魔法をイメージして作ろうとしてたんですよねぇ』
実際全部出来てなかった。
と言ってたメルにそうなんだぁと言って
じゃあこれはこれでと次の授業の話が終わったために
マルバスは部屋から出て行った
『…にしても、櫛は私作れる歳じゃねぇんだよなぁ?』
そうボタンを押して止めた瞬間
メルが櫛を作り出して
イチョウやロビンが驚いた所だった
『何でだ?パパとママって言ってたのを考えても
多分これ子供だからどう考えても3歳から5歳でしょ?
あの時契約したことがあったとしか考えられないんだけど…』
だとしても昔は全く魔法が使えなかった…いや?待てよ?
『此処が発動条件に入っているのであれば
…話が変わってくるな。』
元々大昔から契約していて、
今も尚続いているってなると
可能性があるのは幻影の悪魔の話だ。
どう考えても幸運じゃないのは確かだからな。
…これは、探す必要性があるな。
+++++++++++++++++++++
『えええええ!?入間君悪周期!?』
そう言ったメルにそうなんだよーと
ダリが嬉しそうに笑う
いや何故に其処まで嬉しそうなんだよ…
そう職員室に入ってきたアブノーマルクラスに
カルエゴ先生が対応している中
「
そう言いだした入間にカルエゴの
背後からケルベロスが現れた
それはかつて魔王が使用したとされる教室で
学校に徹底保全されて現在は使用されていない
とんでもなく貴重な部屋である。
「あそこは我が校が誇る名誉教室だ。
貴様らごときが使用するなど身の程を知れ」
「入間君これは…」
「ごときねぇ」
「なら証明しよう。
俺達が
使用するに足る生徒だと。」
「
過半数の移動許可書を二週間以内に集める」
「いかがです?」
「教職員全員の許可書三日以内…加えて」
「王の遺物に手出しする以上
それ相応のリスクも覚悟して…」
「はーい交渉成立」
「約束破るなよ先生」
粛にと言って生徒がぞろぞろと帰って行ったのを
唖然と見ているしかなかった。
「アハハハハハっ!相変わらず面白いですね
カルエゴ先生のクラスは!!」
「アホなだけです」
約束しちゃったーいいんですかー?ねぇーねぇー
と言っていたロビンの頭の上に本が乗せられる
それを苦笑いしながら見るしかなかったメル
+++++++++++++++++++++
『…で?なーーーんで僕の元に?』
「いやーメル先生も先生じゃないですかー!」
許可書下さいよー!と言ったリードに嫌ですと一言言い切った
メルに寄ってきていたのはクララとリードの二人組だった。
『嫌ですって言ってるじゃないですかーやだなあー』
「じゃあゲームで勝負しましょう!」
『まさかんじゃらかっていう
とんでもなくクソゲーじゃないでしょうね?』
流石にそれは私知ってるからね?と言ったメルに
なんで!?とクララとリードが驚いた。
そりゃそうだろう…オリアスからの情報は一応仕入れている。
普通に「ちょっと肩ってか胸貸して」と言って疲れた顔で来たので
一体どうしたのかと心配して聞いたらクソゲーで負けたって
精神的なダメージを食らっていたのを彼から聞いていたのだ。
流石に可哀想過ぎたのでちゃんと胸を貸してあげましたよ。
「いやいや、そんなんじゃないっすよ」
『ジャズ君…私の薬品を盗んでも良い事ないってー』
「おっと!」
「一応交渉ということでメル先生には一つだけだから!!」
『…話は聞いてみようか。』
そうこなくっちゃそう言ったリードが指を鳴らす
「メル先生の家系魔術に関する悪魔の知識を渡す」
そう言った途端メルの目が丸くなり
リードやジャズの周りに氷と炎の矢が向く
ちょ!何事!?と奥から
オリアスやロビンが向かってくるのに
メルの目がとんでもなく鋭くなっていた
『…おまえどこでそれをしった????』
「っ!!!」
「み、ミルミル………?」
『おまえらどこでそのあくまをしっている???
まさか嘘じゃないだろうなぁ?』
スッと目を細めたメルに正しい情報しか
出してないよとジャズが言うのに
ふぅんと言って更に目を細める。
「ちょ、メル先生!?何してんの」
『ちょっと黙れ下さいです
オリアス・オズワール先生。
今取り込み中なのです。
僕のことは気にしないで下さいです。』
「いやいや、動揺で色々とおかしいのに
放置出来る訳ないでしょうよ
…あとその槍も消してよね?」
物騒だなぁーと言って
リード達が気付いていない空の奥に
そっとあった槍の方を指さした
オリアスにリードがぎょっとした
仕方がないなぁと言って
指を鳴らすと綺麗になくなり気配も消える。
だがメルの目は細くなったまま
リード達を睨んでいた。
『僕の家系魔術を先に言って欲しいなぁ。
もう少し情報が無いと
流石にそれだけではあげれないよ?』
「じゃあこういうのはどうですか?
メル先生もゲームを
『やです』ゲーム『やです』げ」
泣きそうなのか背中を向けたリードに
ミルミルひどい!と
クララが言うのにメルはお構いなしだ。
「メル先生の家系魔術は
“幸運”で間違いないですよね?」
『っ!!ま、まぁ…え?
誰情報?入間か?入間だよな???』
「それとは“別にある”方の話
って言ったら分かりますよね?」
え?そう言ったオリアスがメルの方を見ると
メルの目が開いたまま脂汗をたらりと垂らした
口を開けたままぽかんとしている
『っな…え、…う、そ、なん、で???』
「…図書を探しましたがそこから情報は無かったので
何処を探してもコレ以外無いと思いますが。」
そう言って出してきたジャスの
手の中には数枚の用紙があった
その古さからして誰かの手書きの
それも時間がかなり立っているのが見て取れた。
間違いなく情報は正しいというものだ。
「え!?メルちゃん
俺の家系魔術以外にあったの!?」
『…分かったじゃあこうしよう。
リード君、君一人で私を倒してみなさい。』
君が勝ったら移動許可書は押してあげる。
その代わり私が勝ったらその用紙は貰う。
そう言ったのに上等と言ってニヤリと笑ったリードに
良いのか?とオリアスが言うのに手伝えとメルは答えた。
場所は代わり校舎の裏庭
開けた場所に来たオリアス、リード、ジャズ、メル
クララはこのことを入間に伝えるついでに
何処かに行くのか知らないが消えて居なくなっていた。
メルはプチっと音を鳴らして上着を外す
中につけていたポーチも外して
身体を軽くし始めるメルに
何々と焦りだすリード
「あ〜〜〜君死んだね。
後でブエル先生連れてくるから安心してね」
「っえええ?!どっどどおど
どどどういうことですか?!」
「メル先生が上着を脱いで軽くするってことは
本気で相手するっていう合図なんだよ…それに」
メルがオリアスの方を向いた時も
未だに目の奥が細くなっているのを見て
オリアスが少しびくりと肩を揺らした
「っ、あんな目はぶっちゃけ初めて見たよ。」
「ひぃいい俺滅茶苦茶ヤバい事言っちゃったの!?」