「オリアス先生〜どっちが勝つか掛けましょう?」
「おっ?何掛けんの?」
ってか俺に勝とうとしてる?良い度胸だね。
そう言ったオリアスにジャズがええと答えた
「俺リードが勝つと思います。」
「ふぅーん?俺はメル先生が勝つと思うなぁ〜
そんで判子も押して情報も渡してもらう。」
「え?嘘でしょ全部…?」
「ああ見えて凄い欲張りなんだよ彼女」
そう笑うオリアスにジャズが首を傾げる
「(さぁ、俺の前で見せてみてよ。
うちの生徒が言った“別の家系魔術”ってやつを)」
+++++++++++++++++++++
えー安名メル現在とってもピンチに陥っています。
本来オリアス先生に処か先生に全員見せない予定で
上手く行っていた状況が、
まさかの此処で見せないと不味い事になってます。
仕方がないので魔法ということでごり押したいのですが…
「あ、一応言っておくけど、魔法無しね!!高等魔術も!!」
『マ????私死ぬでしょ???』
「いーーーや?メル先生絶対勝つでしょ。」
目奪っても。そう言って視界が消えて無くなった。
真っ暗の世界に流石に待ったを掛けた
『いーやいやいやいや!?
流石に暗い場所で
試したことねぇって!!ぇ!?』
そう風が切る音が聞こえたので
逆の方向に身体を避ける
声が聞こえた所思いっきり
殴りにかかって来たらしい。
オリアス先生のも無しだからね!?
と言われてうううんと唸る
『あ〜どうしよ、いやでもなぁ〜
見せたくないもんなぁ〜
ねぇー!オズ〜!
ちょっと目瞑ってくれないです?』
「ヤダねぇ〜拒否するよ?」
『何欲しい?ねぇ何欲しい?』
「えっ待って?俺今物で買収されてる??
え?言っとくけど何でも駄目だよ?」
大人しく勝ちなさいと言ったオリアスに
ひーんとメルは泣き声を上げる
さっきからずっと綺麗に避けてばかりだ。
『嫌だってばー!これっ、抑えられるかっ
わかん、ないっ!!って!!!』
「大丈夫だって俺が付いてるから
ぶちかまして良いよ。」
絶対大けがにならないように
そう言ったオリアスにメルは
嗚呼そうですか!と言って
リードの胸に蹴りを入れて距離を取った
『ふーーーーー』
そう大きく息を吐いて
開けていた目を閉じた
どちらにしても暗い世界だ。
目を開けていたって仕方がない…だが、
瞼を閉じたら少女が思い描かれる
コレが目の前に居ない事を
願っているのだが…
どうやらそうはいかない。
『リード君!ジャズ君にオリアス先生!!!
君達これ僕の許可無しに広めたらぶっ殺すので
そこら辺分かってるですか!?』
「いーよ」
そう言ったオリアスに全くと
言ってメルが舌打ちを打つ
『…今願いを捧げよう今願いを唱えよう』
そう言ってメルが目を閉じたまま
空に手を伸ばした
『貴方とずっと一緒に居たい。
私は僕はただそれだけで良い。
勉強だって物だってなんだって要らない。
必要すらない。
ただ君が傍に居てくれたらそれでいい。』
「…?」
だから貴方とずっと居られるように
僕は全てを投げ捨てよう。
僕は全てを差し出そう。
最初から最期まで、
君と二人きりの世界で。
ふわりと匂ったシャボン玉の香りに
涙が出そうになった
嗚呼、
『あいたい』
そう言った途端、
メルの目の前に緑髪の女性が生まれた
その姿はメルと同じような衣装で、
姿もほぼ髪の色以外は同じだ。
メルの目が銀色に光り輝き始める
髪色も若干薄くなり段々
白銀に近づいて行っている気がする
片手を上げてゆっくりと
おじぎをするメルに
女性も同じような動作をする
『僕らは二人で1つ、でも
…僕らの世界を壊す者が居るのなら…
僕らはお前を処罰する権利がある。』
これは警告だ。これ以上踏み込むな。
そう言ったメルは目を開けていた。
それにリードが嫌だと言ったのに、
メルは息を大きく吐いた後
言葉を呟いた
『“
イポス、オリアス!!!』
そう言ったメルの目の前に
イチョウが作り出される
それに「いいっ!?」とリードが驚く
『イポス、オリアスお前ら
ぜっったい魔法使うな。
普通に突撃しろ。』
「ーえー?良いの?使わなくて」
「えっ!?喋んの!?待って?!」
『当り前だろばーか、
おら行け僕を守れ。』
「ーはいはい…お前絶対本人に
言えないからそうやってるだけだろ」
『待って!?僕そんなこと
教えたつもりないんですが!?』
そう驚くメルにイチョウが
笑ってリードの前に走っていくのに
オリアスがそっとメルの前に立っていた
にこりと笑うメルにオリアスが笑う
オリアスは左耳に、イポスは右耳に鳥か何かの
羽根が付いたピアスが装着された状態で出て来た。
姿形はほぼ教職員の制服と全く同じで
遠くから見れば間違えること間違いない程の再現度に
思わずリードから声が出た
「ちょ!まっ!?嘘でしょ!?」
「ーそこの先生の生徒のリードちゃんに教えるね〜?
俺とイポス先生はメルちゃんが作り出した姿だよ。
ちょっと気絶させたら消えるから何とか頑張れば大丈夫!」
そう笑うオリアス?に
それが出来たら!苦労しないよ!?
と言ってイポスの攻撃を間一髪で避けまくるリード
だよねぇとイポスが更に攻撃を追加で入れる
ニヤリと笑うメルに対して
へぇーとオズが顎を片手で触る
「幻影…か、成る程
そりゃ内緒にするべきだ」
「え?オリアス先生あの
家系魔術見た事あるんですか?」
「いーや?無いけど…
でも大昔生きていた家系魔術って言うのは知ってる。
今度授業で習うとは思うけど、
もう絶滅した家系魔術とかもあるんだよね。」
その中でもとても必要とされて
一族が後を絶ったとされる家系魔術があった。
それは出会った悪魔を全て作り出して
軍隊として動くことが可能な魔術。
それが
見た物を作り出し動かすことが可能で
声も形も真似出来るし、形も触れることが可能。
その上作り出した者の目に映像が脳内に入る為
もうぶっちゃけ何でもありな超レアな家系能力。
しかもその個人の家系能力も使える為
いわゆるチートみたいな能力だ。
「だがあの家系魔術は行方不明になったとか
なんとかで消えただけだったとかって噂もあるよ」
『イポス!!そのまま詰めて!オリアスは私の横で待機!』
「「
そう言ったメルの言葉にオリアスとイポスが指示に従う。
詰めていくイポスの目をジャズが視界を奪うと
一瞬だけ隙が出たのを捉えた
「っ!もらった!!」
「ーなーんて?思ってる?」
そうリードの背後から生れ出た者は
教職員の姿をしていたダリだった
『っあ〜〜!ダンダリオン!!
ちょっと待って!指示出してないよ!?
リード君の心臓止めようとしないの!!!』
「ーえぇ〜?良いじゃーん止めたって戻せばいいじゃん。」
『
そうケラケラ笑うダンダリオンに
メルは吐き捨てるように言った。
なぁーんだと言ってそっと
右耳にあった羽根を触り左耳に移動する。
そのピアスの動きに意味があるのかと
オズが目を細くして行動を読んでいた。
「ーで?一応見れてるけどどうします?ボス」
『だーから待機つってんのよ。
僕が全部出しきったらリード君
泣いて学校来れなくなったらどうすんのよ!
絶対ダンダリオンのせいにするからね!?』
「ーえぇ!?俺なの!?俺のせいになるの!?」
『あっったり前でしょ!?急に沸いて
心臓跳ねさせるのが駄目だっつてんの!!
って言うか戻れっつてんのよ!
違う守りに入るんじゃない戻る!!分かる!?』
そうキーキー言うメルをケラケラと笑いながら
ダリの姿をした者が分かったと言って手を振りながら
黄色の色を光らせたと思いきや消えて無くなった
『ったくもう!何体も出したら困るでしょー!!
イポス戻ってきていいよ!!』
「させるか!!」
そう指示を出したメルにリードが反撃を入れる
腹に直撃した痛みにイポスの顔が歪むと同時に
メルの顔が少し歪んだ
「(…あ、痛みは通るのか)」
そうオズがじーっと見ていると
そのままリードが詰め寄り、オリアスの目を盗み隙を作って
メルの目の前に出て来た
「くらえ!!!」
『ほいっ!』
そう避けた後手刀を入れて一瞬意識が途切れたのを見て
オズが声を上げた
「勝者メルちゃん!!」
+++++++++++++++++++++
「いやー!!無理無理無理無理無理!!!!
あんなの卑怯だよ聞いてないよ!!!」
『それでも僕大分抑えた方だからね?』
まぁダンダリオンが出て来た時は流石に焦ったけど。
そう言ったメルの元にオリアスとジャズも駆け寄った
「お見事」
そう言ってオリアスが拍手しながらメルの前に行くと
メルは嬉しくないもんとふてくされる。
『本当はコレ使いたくなかったんです。
僕の性格が一時的に露わになるって言うのと
この家系魔術はもうこの世界に
存在しないって知ってたので。』
「それは分かってたんだ」
『授業で聞いた時青ざめたですよ。
オズやダリ兄ぃとかに見せたくな
あうっ僕の心が筒抜けになるので…』
言い換えた。言い換えたけど
思いっきりお兄ちゃん呼びしてる。
そう思いつつ、ジャズは答えた
「でもこんな強い家系魔術を今まで使わないって
言うのもそれはそれで勿体ないんじゃないですか?」
「いや使わないのは俺も賛成かな?」
「オリアス先生?」
「拉致られたりした時の防衛が出来ないってこと。
例えば拉致られる前に生徒を守るためにソレを使ってしまうと
拉致った時メル先生のその素が出る状態になればどうなる?」
「あ!!言っちゃ駄目なことまでいうとか!?」
そう。
「悪魔にとって弱みを握られるのは不味い。
今回は相手が生徒だったから良かったけど
メルちゃん今ここで約束して欲しい。」
『ほぇ?』
「その家系魔術は本当に
どうしようもない時以外は使わない。
使い魔召喚して魔力も切れて
もう何も出来ないって時以外使わない。」
『…うん、分かったです。
僕オズに嫌われたくないので使わないです。』
そう寂しそうに言うメルにオズは
うっと心臓を掴まれたかのように
心がきゅんとしたのを何とか我慢する。
『で、でも!僕ちゃんと使えてたですよ!?
前までは四肢が別々に飛び出してきて
危なかったです!』
「待って?ソレどういう状態?」
いやきかない方が良いって
とリードがジャズに突っ込む
「知ってるか知らないけどさ、その家系魔術は
言っちゃえば軍隊として使えるの。
もし記憶操作されて俺達を傷つけたらどうするの?」
そう言うとメルがうぅううと
泣きそうな声で首を横に振り始めた
『やです!やです…僕、
そんなことしないです!!』
「操作されたら話にならないでしょ。」
『その前に突破するです!
こーオリアスとか出して!!』
「君も分かってるとは思うけどさぁ…
俺の
最初から分かった状態じゃないと使えないってば。」
『うぅーーー』
でもでも〜!と言いたそうに
唸るメルにオリアスはため息を吐いた
「って言うかさ何でその家系魔術使えるの?
一体どういう経緯で成り立ってんのよ。」
『うぅ…それは、ミレイユの継承したからで』
す。そう言いかけたメルが
顔を青ざめて口に手を置いた
ほらさぁーと言って
オリアスが耳後ろを手でかいた
「そんな大事なこと言っちゃうんでしょ?
だからダーメ。分かった?」
『はいです…うぅー』
そうしょげるメルに申し訳ないが
これ位言っておかないと
本当に何かがあった時
ショックを受けるのはメル本人だ。
『メルはミレイユから何も聞かずに
受け継いでしまっただけです。
だから少しでもこの家系魔術の
大元がどこなのか知りたかったのです。』
「いやメル先生教えるから!教えるから泣かないで!?」
そう目に涙を溜めて今にでも泣きそうなメルに
リードが慌てふためきだす
ほらこれ!と言って出した書類にメルが手を取った
その内容をオリアスが後ろからそっと内容を盗み見る
『…マジですかこの情報』
「マジだよ、知識豊富な悪魔からの情報ですから!!」
ふぅむと言って唸ったメルがぶつぶつと何かを言う
『なるほど、情報感謝するです。
なのでお礼にコレを上げるです。』
そう言って王の教室移動許可証に
判子を押してはいと言って渡そうとするメルに
いいの!?とリードが目を丸めて驚いた
『ですです。こんな大きな情報を頂いたのに
オズに勝ったのに女の僕にズタボロにされて
何もメリットが無いとは可哀想なのです。』
「待って?本音?それ本音?泣いて良い?」
『えへへぇー』
そう笑って誤魔化したメルに
リードは渋々メルの手から
許可証を頂くことにした。
『リード君ジャズ君』
「ん?何ですか?」
『王の教室を使用するということは、
これから大変なことが起こる気がするのです。
適度で良いので気を張っておいた方が良いです。』
きっととっても良くないことまで開けてしまうのです。
そう言ったメルの目は何処か
銀色に光って見えた気がしたので
リードが目をこすった後メルをもう一度見た。
水色の目に気のせいかと思い、
大丈夫!ありがとう!!
と言って彼らは去って行った
「いいのー?あんなの渡しちゃって」
『この情報が的確過ぎて、リード君
僕女の子で舐めてたのにズタボロにしちゃったので
ちょっと反省も込めて渡したので大丈夫です。』
「ねぇ…本音ってそれいつまで続くの?」
『えへへぇ、実は一か月位続くのです。』
「っ嘘でしょ!?マジで言ってるの!?」
『だから使いたくなかったのです
…僕テスト期間生徒と会えなくなるのです。』
あー答え言っちゃうようなもんだよね。
だからと言って暴露するのはアウトなので
ダリにごまかしがきけばまだ救いようがあるだろうが…
『きっとダリ兄ぃは面白がって噂流すので怖いのです』
「…とりあえず心の中ではダリ兄って呼んでるんだ」
『うっ!掘らないで下さいです!!
呼びやすいのがいけないんですよ…』
そうふてくされるメルにオリアスはくすりと笑った
「オズってちゃんと思ってくれてたのは嬉しかったよ?」
『〜〜〜っ!!もぅ!えっち!!!』
えっち?待って何処が?そう思ったオリアスを無視して
メルがその場から逃げ去る様にダッシュで走っていくのを
オリアスは話を聞くために追いかけたのだった。