何処から夢だったのかは知らないが
白昼夢を見ていた事を知る都佑
そして同時に朝狼としての時間の流れが速まった気がして
すぐに平常心を気取ろうとする
都佑はふと近藤の食べているご飯に目が行き
手慣れた手つきで視線が別の方向に行った近藤の目を盗んで
食べかけのご飯を一口食べてみる
それを見ていた隊士はお盆を落とすわ
土方はマヨネーズを地面に落とすわ
沖田や山崎も目を開けて都佑を二度見した
すると小さな声で都佑が「嗚呼違う、違うんだなぁ」
と急にお箸を左手に持ち替えて口元を隠し涙を流すものだから
土方はゴリラの飯食うからだ!とか
ヤマザキはどうしたのかと慌てふためいたりしている
都佑が口を開けると周りが鎮まる
「昔食事中の父のご飯を盗んで食べていた。
そのご飯を食べると必ず「俺の飯を食うな!」
と言いながらも安心した目で口元を笑わせて食べていた」
ことを話す。然し都佑の父は近藤ではない。
あくまでも雰囲気が似ていただけ、ごはんは白く少し甘いだけ。
美味しいと感じる食堂のご飯は新選組の温かさの美味しいだけで
一日ずっと父親のように接してくれた近藤に
感謝の気持ちでいっぱいだったのに
自分が現実を見つめてしまったのだ。
白昼夢だったのだと
現実ではない、夢だったのだと
もしかすると本当に両親だったのかもしれない
それでも近藤達と遊びに行った事が
余りにもリアルなのに夢だったことが申し訳なくて
それに近藤は頭を撫でる
都佑は涙を更にボロボロ流して小さく声に出した
申し訳ないこんなことを言うつもりなんて思うことも許されないけど
「お父さんとお母さんに会いたい」
褒めて欲しい事なんて腐ってチリに成る程ある
もう100年も昔の話なんて周りは知らない
数年の話だと信じ切って自分を慰めてくれた皆
それにもう、都佑は冷めた目で誰もいない部屋で一人言い放つ
「もどれない」その現実に目が覚める
ふと気が付けば眠っていて起きると髪色は黒になっていた
寝る前は白く誰かに触られて眠れていた気がして
中期(初期)は幕を閉じた