銀時「…つい、たのか?」
辺りは静かになり、ふと目を開けた銀時
目は案外視界を映し、周りが部屋の中だと知らせる
地面は畳の間でかなり広い場所に降り立った
『来る』
そういった途端左から足で飛んできた者に
土方達は刀を構え腰を低くする
「おっと…偉く少ないお客さんだね?」
土方「此れ位で十分だとよ」
そういった土方に身長は銀時程だろうか
背の高い髪の白く、後ろで結っている者は
ニコニコと笑っていた
「普通の人間に加え、夜兎にも手を出した
…この意味は分かるよなぁ?小籠」
『…一つ聞こう』
「ん?」
『何故私が【狼森小籠】だと分かった?
顔?性格?表情?何故あの場所に居た?』
「強いて言うなら…血かな?」
『他種族と関わりを持つのがそんなに駄目?
何故?血が薄れるから?
愛する事を知らずに永久に居れる器を作る為?』
土方「おい、羽黒ーー」
『なら何故神楽と総悟を巻き込んだ』
その声の冷たさは聞いたことのない色だった
髪色は徐々に変わっていく
『薄狼として絶滅させかけた者を追放する為?
それなら私だけを狙えば良い…なのにそうしない』
【あの人と同じ様な事をする為に巻き込む為?】
その言葉の瞬間、羽黒の背から溢れんばかりの黒い
糸のようなものが四方に飛び戦闘の火蓋を切った
髪色は真っ白になりトパーズ色に変化した
チョーカーを一切付けておらず
そのまま足を強く地面にたたきつけ
周りから出て来た夜狼の身体から赤い血を出す
会った瞬間に20数人を経った一分で片付けた都佑
その目の色は、決して優しい声も顔も見せなかった
「嗚呼その顔だ!
俺を侮辱するその顔が憎くて堪らない!!」
『なら何故土方さん達迄巻き込む!!』
その言葉を放った都佑はすぐに訂正したかった
驚いた顔をした奴が直ぐにニヤリと笑う
「土方ぁ?嗚呼、そういや似たような顔が居るなぁ…
記憶が飛んでいるのなら、呼び覚ましてやればいい」
駄目だ
そう瞬間に彼の傍に行き刀を創り上げ時間稼ぎを作ろうとした
なのに彼は、血の繋がっていた兄は
私の刀をぶち壊して、土方さんの目の前に現れる
「何故俺達の家系が他種族との
関わりを持たないのか。
それがどの書物にも載っていないのか
教えてやろうか?」
銀時「駄目だ!羽黒聞くな!!」
「俺達は血が余りにも濃すぎるんだよ
そして俺たちは必ず掟を持ったまま息をしている
なぁ、何故お前の髪の毛は色が変わりやすい?」
其処を知らないお前は何故そのままで居られる?
そう聞いた敵に都佑は固まり動かなくなる
汗が止まらず頬から落ちていく
動揺が顔に出ており、
思い当たる節が
いくつもある事を意味していた
「夢の中に必ず思い浮かぶ場所は
必ず何があっても帰る場所だ。
例え死んでも記憶は魂は変わらないのが
【家のモノである証拠】だ。まぁつまりは」
記述をしなくとも生まれ変われば
必ず記憶も魂が全て力を教えてくれるからだ。
「必ず身体に異変が起こった筈だ
何故気付かなかったんじゃあない
【その時に気付く時ではなかったから】なんだよ」
その瞬間都佑の身体だけでなく
土方の身体からも血の気が引いた
『な、んて…』
「記憶喪失な事は本当らしいな…
幸せをもたらすのはあくまでも
【芯を持った純粋無垢な者のみ】だ」
だからこそ薄狼は、狼森家は
何処の場所にも行かず触れず
箱の中でじっと眠って息を引き取るのだ
別の血に濡れて
大事なモノを護れなくならない為に
笑って涙を流していたのは
他の人と接したかったと強く願った
モドカシイ【切望】だったのだ
「お前が望む幸せ等
お前自身が引き抜いていただけだ」
山崎「そんなことはねぇ!!」
背後からやって来た山崎に対して
兄は片手で弾いた
飛ばされた山崎を追いかけようとした都佑だが
周りに居る敵が余りにも多すぎて困惑していた
何故?
どうして?
その言葉に浸食されていく心を砕く様に
都佑は自ら頬を叩き考えを止めて周りに居る
敵を斬り倒し、土方の傍に駆け寄る
「小籠、君は俺を殺せない」
『な、んで…ねぇ、どうして?
私だけを殺してよ!どうして土方さんや
神楽ちゃんや沖田さん達を巻き込むの!?』
銀さんや新八君や山崎さん達を巻き込むの?
あの人に出会ってから?
パパとママの愛情を欲したから?
何処から間違って居たの?
『おかしいよ…何時も笑って手を引っ張ってくれたのに!
紀伊兄(きいにぃ)は何でそうやって皆を傷付けるの!!』
土方「岡本…?」
目の色が変化しつつある中
髪の色は変わらず顔をあげた
今にも涙を流しそうな顔に
兄と呼ばれた者は手が止まり
声をかけた
トパーズ色は色を落とし
銀色の輝く色に染まっていく
『皆、どうして?あの人が
笑顔を見せてくれたのが
とってもとっても嬉しかったの!』
本当に唯それだけなの。
『なのに紀伊兄は私を拒んだ!
それは貴方が【同じ過ちをしたことがある】
からでしょう!!』
「っ!黙れぇ!!」
『誰が黙るかボケー!!』
そう切れた顔で都佑は刀を投げ飛ばす
土方の顔面をぎりぎりで避けて
紀伊兄と呼ばれた者に突き刺さる
「い…っぇえええ!何すんだこの馬鹿餓鬼!」
『好きなら手放したく無いなら手にとりゃいいじゃん!
何で手も伸ばさずに諦めんの!ウジウジしやがって
この馬鹿兄貴ー!!お前なんか前から嫌いじゃい!!』
「嗚呼!?お前血の繋がった
兄貴に向かって何っつー言い方じゃ!!」
『100年も前の話ぶり返すんじゃねぇよ!!
どうせ神楽と総悟を攫ったのも私に会う口実でしょうが!
こんの糞ヘタレ紀伊兄!私のおイモ食った罰じゃ!!』
「お前こそ100年も前の話だよなぁ!?
おイモ位良いじゃねぇか!
あのでけぇ一個丸々食うつもりだったのか!?」
『頑張ったら食えるわボケカス
お前のチ○チ○チビ助やーい!!』
いきなり二人がズカズカと音を立てて顔を
かなりの至近距離で近づけて喧嘩をしている
それには敵の手下も動揺して何も出来ないでいた
一部の人間が「あーあ…100年前と同じ事してらぁ」
と半笑いの声を上げた
それに山崎が声をかける
「あの人超が付く程ヘタレでしてね?
そりゃあ妹が可愛すぎて過保護だったんすよー
殺すとか言ってるけど本当は愛情のかえーー」
其処まで行ったあと、彼は消えて無くなった
文字通り、灰になって綺麗に居なくなる
山崎の目の前にはニヤリと笑った紀伊が立っていた
紀伊「次はおま『話はまだ終わっとらんやんかぁああ!』ぐほぉお!?」
山崎「あの…都佑さん?」
『何別の事してくれとんねんワレェ!!
おイモ食うなってあれ程言ったのに
食うたお前が悪いやろー!?』
紀伊「おイモの話は終わったんじゃねぇのかよ!!
っつーかどんだけ食いたかったんだよ!!
お前ヤモリじゃなくてイモリで良くね!?」
『うるっせーわこの馬鹿た』
其処までーと銀時が手を挟みそのまま都佑の口を塞ぐ
声にならない甲高い声が叫ばれながらも
煩いと銀時が声を上げると何も言わなくなった
銀時「ギャーギャーギャーギャーうるせーんだよ
発情期ですか?コノヤロー。」
『ふごべろっ』
銀時「うっわ!!お前何舌使ってんの!?」
息が苦しくなってきたので舌使いましたけどそれが何か?
そう真顔で言った都佑に銀時は「大ありだわコノヤロー」と声を荒げた
OOO
溢れて来る人に舌打ちした未夜に新八が恐怖を抱く
手を叩き指で横に引いただけでその周りに居た人間の
身体から血が吹き飛んだ
致死量までは行かない様にしているらしいのだが
顔が血走っており、最早ブレーキが効かない列車の如く
走っているようにも見えた