Novel - Carla | Kerry

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For the Love of Mercy2

act 2.

資料が大量に収納されている場所であるのは
入ってから気付いた。

メルは『はぇー』と資料を見て驚くが
パタンとドアが閉じた音に驚き扉の方を向いた


「それで?」と言ったダリが
腕を組んで聞くのに視線を逸らした


「いい加減一人で歩く時
悪魔連れて行かないで欲しいな。」

『うっ…気付いてたんですか、いつから』

「ん〜でも言っても最近だよ?
ああ初めて見たのはさっきだね!!
アレ、君の家系能力だよね?」

『うう…そう、です。ほんと
誰にも言わないで欲しいんですが…』


約束出来ますか?
そう言ってダリの服をそっと掴んで
お願いを言うメルに
目を開けてダリはコクリと頷いてみせた。


「うん、約束するよ。
君から言う以外は言わない。」


『…なら、ちょっとお話する間その』


「ああ!さっき手繋ぎたい
って言ってたよね!はい」


そう笑って手を出すダリに
メルは数歩引き下がった。

いやさっきまでぶんぶんふっていた彼女は何処へやら
ゆっくりとダリの顔をみては手を見るメル

暫く手を出しているとそっと小指を掴む


「…それでいいの?」

『ぎゅってするのはちょっっ!!!!』

こうすりゃいいのにそう思いつつダリは
小指に絡めていた手を引っこ抜いて握手する。
すると顔を赤らめたメルの反応に少し驚いた。

…ふぅーん?


「へぇ〜?初心なんだね?」


そう低い声でニヤリと目を開けながら言うダリに
へっ!?と素っ頓狂な声が漏れ目を泳がせながら
顔もチラチラとダリの顔を見ない様に振るメル

『っちちちちち違います!!
わ、私その…手汗かきやすいので
嫌だったらすぐ放していいですからね?』

「分かった分かった。それで?
まさか此処までして
言わないとか言わないよね?」


今にでも逃げそうなメルに
ダリは目を開けて聞く

それにメルはそうですねと言って
息を大きく吸って吐いた



『ダリ先生は魔歴史担当の先生でしたよね?』


「え?何急に…いやそうだけど」



『では大昔に途絶えた
幻の家系魔術を持った家系は
一通り覚えていますよね?』


「うん、いやまぁそりゃあ…
担当教科だし…それがどうしたの?」


『私の家系魔術は“幻想の箱庭”。
とんでもなく昔にあった家系魔術ですよ。』


「………っえええええええ」


そう叫びだすダリにメルが片手でダリの口を塞ぐ
しー!声が大きいと言ったメルに
ダリはメルの手を片手でどけてごめんと答えた。


「えっ、嘘…マジで言ってる?」

『本気と書いてマジと言う位はマジですよ。』

「え??なっ、ちょ嘘待って?理事長は!?」

『理事長以外はダリ先生
貴方が初めてですね。』


今の所誰にもバレてませんよ。
そう言ったメルに
手を繋いでいた所が汗ばむ


「…確か幻想の箱庭って
同じ姿をした者を作り出す奴、だよね?」


『そうですそうです!
いや〜分かってますねぇ!』


「あれでもメルちゃんの
ご家族ってそんな…あ、」



そう家系遺伝子のバグで産まれたものだ。



最初はかなり驚かれて凄い嫌われた。




『父も母もこの能力を恐れて
私を突き放したんですよ。』



それから一人で生きて来てて
ある日サリバン理事長に出会って
学校好き?ならおいで。と誘われてきました。



そう言ったメルは片手で指を一回鳴らす


するとダリの目の前に
ダリそっくりの男性が現れた


『私の家系魔術は触れた者と
同じような者を出すことが可能です。
初対面だったり
時間が短いとこんな姿出せません。』


「…へぇーってあれ?
じゃあ、僕で結構練習してた?」


『うっ…ダリ先生の家系魔術分からないんですが
姿形位ならと思って、神出鬼没って噂ある位なので
割と使い勝手良くてついつい……』


なんなら深夜に近い時は
ほぼ必ずと言ってもいい程
ダリを出して見回りをしていた。

そう言ったメルに
へぇとニヤニヤ
ダリがメルを見る。

何々と言うメルに
いやとダリは答える。


「メルちゃんったらぁ〜〜
可愛い所、あるんだねぇ?」

『っ〜〜な!!!』

「でもそんなことしなくたって
本人に言えば良いのに。」


『…恥ずかしいので
見られたくなかったし
伝えたくも無かったですよ。』


「ふぅん?あんなに手。
ぶんぶん振っておいて?」


『ちょ!忘れて下さい。』


「いや〜〜それは無理だね。
こーんな面白い話、忘れられないよ。」


面白がってる。

震えるメルに
ケラケラとダリは笑った。


「いやーにしても
途絶えた家系魔術に会えるとは驚いた。
これって喋られるの?」


『ん〜長ければ長い程
同じような姿作れると思いますが
未だかつてこう喋った悪魔はいないので…』


「じゃあさ、僕で実験する?」


『っうぇ!?』



急に何を言い出すんだろうこの悪魔
と思ったメルに
いやー良い条件だと思うよとダリは言う。


「君は家系魔術が何処まで成長するか分かるし
僕は教師統括として
君のことを知っておかないといけない。
仮にも上に立つ者として
何も知らないで指示したら
とんでもないでしょ。」


『いや〜だからと言って
それこそ変な噂たちますよ!!!』


「いいじゃん立たせておけば。」


『よ゙ぐな゙い゙!!!』


「あはは!!!
一人が怖かったなら
さっさと言ってくれれば良かったのに。」


『…大人になって一人怖いって
こう言いにくいじゃないですか。』


「あーまぁ確かに。」


そう言ったダリにメルは
そういうので断りにくくてと言った。


それにダリはごめんねと答える。
気付かなかった方も悪いものだ。


それに仲良くさせてもらっているとは言えども
彼女は女性である。確かにちょっと今回は
薄暗い校舎を一人で歩かせるには不適切だった。


まぁ彼女はそんなことでも
誰かを出して歩いていくんだろうが。


…それが、何処か許せなくて
ついむきになってしまった。


だからその謝罪も込めて
ダリは謝ったのだ。



『以上です。さ手、はなっ
ちょはーなーしーてー!!!!』



手を離そうとしたメルを
ぎゅっと掴みだしたダリに
メルは腕を引っ張りながら
反対方向に向かって引き続けるも
ダリは微動だにせずケラケラと笑いながら見る。


相手は男性でそれもメルの頭一つちょいは離れている


一回りも二回りも大きいのだ。

力比べは歴然である。



「あはは!面白いな〜
このままずっと手繋いでたら
強化するとかあるの?」


『えっ?…いや、それは…
えっどうなんだろ。』







「見て見たくない?
あと手だけじゃない効果あったら
面白そうでしょ!!」



『確かに、今まで
手触れて試してただけですし。
でも衣服からは駄目なんですよ。』



なのでオリアス先生とか絶対出せなくて。


彼の家系魔術使ってみたいんですがね。


そうため息を吐くメルに
ううんとダリは言う。


「他の先生の家系魔術も使ってみたい?」


『えっ?そりゃあ…
まぁ気になる人一杯いますよ。
まぁ魔術憧れる者としては
イフリート先生やモモノキ先生の
家系魔術憧れちゃいます!!』


「言っても君出来るでしょ。」


『いやいやロマンがあるんですよロマンが!!』


そう嬉しそうに頷いて言うメルに
ダリは苦笑いした


『最大でどれ程の悪魔出るかも
見てみたいは見たいんですが…』


「ですが?」


『その…恥ずかしいので、こう。うん。』


「ああ恥ずかしいから出来ないのか。」



直に言うのやめてくれません!?
そう言ったメルに
ダリはごめんごめんと謝る。



「でも最初は一人だけで良いんじゃない?
それこそ複数だすと変な噂たっちゃうよ?」


『うっそれは一理ある…
迷惑かける訳にもいかないし
いやでも…うう分かりました。』


「お、分かってくれた?」


はい。その代わりちゃんと守って下さいね?
そう言ったメルに良いよとダリは答えた。


「大体どれ位の効果あるの?」


『と言いますと?』


「手繋いでる所見たことないけど
どうやって出してるのかなって。」


『ああ、さっき書類渡す時
手触れたじゃないですか』


「うん」


『アレで大体五分程度の長さです。』


「…短いような長いような」


触れた一瞬で五分は確かに長く感じるが
果たしてそれを長いと言って
良いのかなんとも微妙な所だ。


『ですのでこうやって話してる所
恐らくぶっ通しで3時間出してても
問題なさそうですし
それに溜めたまま維持できそうですから。』




それは流石に試してみたことがある。


勿論そこら辺理事長と
手を繋いでやってみせたが。


「じゃあ小出しすることも可能ってこと?」


『そうですね。まぁ多分ですが
記憶している所も関係してきそうですし、
割と見てる人の方が適任かと。』


「へぇー!なら尚更いいじゃん。
僕達良いコンビ組めるし。」


『コンビはスージー先生だけにして下さい。
私教師じゃないし。コンビ組めないし。』


「え?教師になったらコンビ組んでくれるの?」


『お兄さんスージー先生という可愛らしい相手が
居て満足しないんですか。悪魔ですか。』


「悪魔だよ?」


ああそうだった。うんそうでしたね。ごめん。



そう脳内で謝りつつメルはため息を吐いた。



『あとこの際ついでにお話ししますが』


「うん?」


『何故私が教師にならないのかと言うと、
この家系魔術を利用してなんかこう
トラブル起こしたくないと思いまして。』


「…え?それだけで
僕の断り続けてきたの??」



うそでしょ?
そう言ったダリにえっ?
とメルが答える。


『そう、ですけど?』


「いやトラブルはあるものだし、
っていうか一々考えてたらキリがないし。」


『うっ』


「それに…噂一応当たってるでしょ?
君オリアス先生からのテスト
あれ実は全部分かったでしょ。」


『…何故分かったんですか!!』


そう驚くメルに
いやぁとダリは照れながら答える。

「君とは何だかんだ長い付き合いだからねぇ。
僕に教師として誘われない口実。
作りたかったんでしょ」


『うう…』

ぐうの音も出ないとはこの事だろう。


メルは何も言えず黙り込んでしまった。



「まぁ確かに事務として助かってる所あるし。
でもほんとに人足りない時はよろしくね?」


『流石にどうしようもない時は協力しますよ。
その時は守って下さいね?』


この家系魔術は割と外に出すのは不味い。


肌に触れて居続ければ同じ者を作り出すのだ。


悪用にだってなんだって使える

公になるのを避けるのは間違いない判断だ。




勿論と言ってダリはペコリとおじぎをする。



「君もこの学校の一人の職員だからね。
何か困ったことがあればすぐに聞きに来てね。」


『…じゃあ、ひとまず今後の目標として
オリアス先生の悪周期を見計らってですね。』


そう耳打ちするメルに
ダリはそっと彼女の手の方に耳を傾けた。


ふんふん、なるほど…面白そうだね。



それならいいよ!


そう親指と人差し指で丸を作り
笑うダリにメルは目をキラキラさせて喜ぶ。


『そいじゃ、ご協力お願いします!!』


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