Novel - Carla | Kerry

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メーデー、コントロール疑わしく

act 30.

メーデ、メーデ。此方メル。
魔界に来てから早くも10数年。


今現在、人生で一番の問題が発生しています。


時は少し戻り、一時間前。




授業が始まり、慌ただしい中、

ダリ先生が一言放った言葉で
職員室中が悲鳴を上げた。


「やかましい!!粛にしろ!!!」


何事だそう言って
ずかずか苛立ちを前に出しながら歩いてきた
カルエゴにロビンとマルバスが気付いて答える。


「あ!カルエゴ先生!!」

「今先程メル先生が
使い魔を一度も出したことがない
ということが発覚して。」

「…一度も?」


流石にそれはおかしい。
そう思ったカルエゴにマルバスも頷いた。
学校に行った経歴もあるはずなのに、
何故そこで使い魔召喚をしなかったのか。


話をきくと、使い魔召喚をする時、
一週間程用事があって
(葬儀などの度重なるハプニング)
担当の教職員が忘れていたらしい。


おかげさまで一度も使い魔を召喚することなく
この悪魔人生、生きられてきたとか。

「にしてもとてつもない幸運だよ…
俺でもそんな運ないよ?」


そう冷や汗をたらりと流しながら答えるのは
占星術教師のオリアス・オズワール。

ダリの前で必死に首を横に振っていた
メルに対して言った発言に対し、
『そうなんですか!?』
とぎゅんと音が鳴る勢いで
首をというか身体を曲げて
オリアスを向いて聞く。


「勿論、流石の俺でも予想外の運はつかないよ…」


俺の運、ってか家系魔術を何だと思ってるの。
そう苦笑いするオリアスにメルは
『いやオリアス先生だったら行けるかなと』
と言ったのに、一同確かにと苦笑いした。


「でも見てみたくない〜?
メル先生の使い魔!!!」


「確かに、魔力が無限に近い状態で
出したらどんな使い魔出るんでしょうね?」


「そこーー!!!!」


『(駄目に決まってんだろおおおおおお!!!!!)』



メルは知っている。
イルマがカルエゴの羊皮紙ようひし
カルエゴを呼び出したことを。

そして新聞にのって
『大変だなぁー』と
他人事のように思っていたことを。




そしてそれが今
自分に降りかかっていることを。




自分が正真正銘100%の人間であることも。

知っているからこそ、
拒否を全力でするものなのだ。


ちなみに魔樹は快くOKを出している。



おい馬鹿止めろ。



そこで悪魔の好奇心が打ち勝つんじゃないよ


負けろ。負けて私を守るんだよ。そこは。


馬鹿!!!!


そう心の中で全力で言うメル
でもでもとロビンがとんでもないことを言う。

「でもメル先生、
人間って思いこんでるんだったら
使い魔じゃなくて
悪魔を召喚するんじゃないですか?」

「……いや流石にそれは」

『(正真正銘100%の人間だから
悪魔召喚しますけどね!?)』


ロビンの勘は間違いなく当たっている。

うん、君あってるよ。

流石にとドン引いた周りに
メルは強く心の中で頷く。


「でも悪周期入って効果あげたら
それこそとんでもないもの召喚したり!!」


「やめんか」



そうカルエゴが
ロビンの頭を教科書か何かで叩く。

うわぁ痛そう。

間違いなくアレ痛いよ。



「彼女が嫌がってたら
召喚される使い魔が可哀想でしょう。」


「まぁ…確かに?
でもさぁ見たくない?
君が認める位の魔力量と技術だよ?」


「ぐっ、まぁそれは、そうですが…」



あっそうなんだ。
さり気なくそっち側なんだ。

そうふと
味方かなと思ってワクワクしていた
自分の気持ちを返して欲しい。



そう思っていると、
気付いたのかヒッとカルエゴが悲鳴を上げる。



何だ、この妬み恨みは通じるのか…チッ。


「流石に悪周期は不味いから、通常で〜」

『(…魔力を出しながらなら、まぁ良いか?)』


永遠にその間力まなければいけないが。
寧ろそうしないと
悪魔を使い魔にしそうで怖い…ん?



待てよ?


『(あれ?確か悪魔って
召喚用の円が無いと召喚しないよな?)』



つまりその担当者の絵が無ければ実質勝ちでは!?


そうとんでもない方向に思いついたメル。


それに召喚されなかったらされなかったでなんだぁあと
皆こっちを向かなくなって好都合だ。





うん。それにしよう。





「で?やる?やらない?」

『…やります。』

「おおおおおお!!!!!」

「じゃあ放課後開けといて♪」


そう言ったダリがはいはいと手を叩いた。
これから授業であるのだ。

メルはダリが散った散った
と言ったのに無視し
ダリの後ろを追いかけながら聞く。

彼とはサポートとして授業に参加しているので。


「にしても意外だね、
どうして使い魔だそうと?」


『あれ?私全力で否定して逃げると思いました?』


うん。そう言ったダリに
即答すぎてなんだか泣けてくる。


『いや、流石に教師になった以上
使い魔無いのはどうかと。』


「へぇー…そうなんだ」



何がだよ。何がそうなんだなんだよ。



『なので一応、見てみたい気がしなくも…
あれひょっとして私
とんでもない爆弾発言しましたかね?』


「あはは!したした!!」


『…後で魔樹に相談します。』



そう言ったのにダリは
好きにしなーと答え、
教室の扉を開けた。

「はーい静かにして〜授業始めるよ〜!」


教科書は前の授業からおさらいねー
と言っている彼とは反対方向で、


教室の後ろに立って授業の内容を
聴きながらメモを取りつつ
分からなさそうな生徒に
少しアドバイスを入れる為、
切り替えるのであった。



++++++++++++++++++





「魔力を入れても悪魔は悪魔だよ」


『っだああああああああめかああああああああああ』


そおおおおおですよねぇええええええ!?!?!?!


時は昼休み。食事を終えた頃。



メルは魔樹を見つけ即捕まえ、
誰も居なさそうな所で止まり話を聞いた。

うん、魔力があっても
血に関係するから駄目なんだよね。


そうかそうか。ダメなのか。

駄目か。ダメか。もうおしまいか。


私の生涯悔いないしと…



『イルマ君と私の人生が終わるのか…』


「いやいや、ないない。
逆にどの悪魔出すか
選び放題でいいじゃん。」


『…私召喚方法の形覚えてないよ?』


「…げ」


『それにあの感じ、
担当的にはカルエゴ先生
付いて来てくれそうだし。

なんなら皆興味本位で
ついて来そうだから、実質公開処刑。』



カルエゴ先生召喚して
泣いて終わりとかあり得そう。


そう言ったメルに
流石に彼の可哀想な所は見たくない魔樹。


唸った後、一応無くはないと
言ったのに何とメルが顔を上げた。


「血を使わなければいいんだよ。」


『おん?』


「私の血を使ったら?
そしたら私の使い魔でるし〜♪」

『流石にそれはバレた時死にそう。』


お互い。そりゃそうだな。
そう言ったのに
じゃあ何で言ったんだと思った。




にしても




「そんな使い魔嫌か?可愛いぞ?」


『悪魔が出るのが問題なんだよ悪魔が!!!』


「一応皆君のこと人間だと思ってる悪魔
って思いこんでるじゃない。」


『いやだけれども!!!!』


「それに…興味はないの?
彼がどっちで出るか。」


『彼?』


「あらやだ、貴方の想い人よ
お・も・い・び・と♪」



そう言ったのに赤面するメル
あら可愛いと魔樹が嬉しそうに笑い
手を口にあててニコニコとしている。



『まっままっまままま』


「マンマミーア?」


『ちがう!!!』



あってなくもないけど!!
そこが悲しい!!!


『エイト、先生…か』



まぁ確かに。


イフリートとして出てくるのか
エイトとして出てくるのか、で割と困る。


と言うかイフリート自体
使い魔として出すのに
苦労するというイフリート一族の前で
イフリートを召喚したら
割と寝込むのではないのか?



それなら別の人にした方が良いと思う。



いやだとしても…誰???



「ほら〜沢山いるじゃない〜
選り取り見取りよ♪
マルバスにムルムル、
イポスにオリアス」

ダンダリオンとか?
そうにやりと言うのに
メルはぎょっとする。





流石に上司を召喚するのはあり得ない。


可哀想である。


首を横に振るメルに
じゃあ誰にするのよと聞く。



『それは……適当に、描いてこう』

「…あなた彼らを殺すつもり?
下手な魔法陣描いたら
その場所が生まれるのよ?」

頭はカルエゴ先生で
身体はオリアス先生とか、
思考回路ロビン先生とか。



そう言ったのに
想像出来なくてゾッとするメル。



確かに見た目は若干可愛らしく…
もないが、割ときつい所はある。


「だから下手な魔法陣は止めときなさい。
憶えているのは?」


『えと…ナベリウス、オリアス、
ダンダリオン、マルバス、
ムルムル、イポスに……』

「…やっぱり悪魔オタクね。あんた。」

『え、えへへ…それ程でも。』


それからでもいいじゃないと言ったのに
でもと苦笑いする。


「悪周期が起きても血の奥底は
人間であることに変わりないわ。
だからどっちに転がっても
貴方は悪魔しか召喚できない。」

『う゛っ』

「分かったら解散ね…
そろそろ聞きにくる野次が来る頃よ。」

話は以上。分かった?
そう言った魔樹にはぁいと答える。
全く、羊皮紙ようひしというか
放課後の状態を祈るばかりだ。


メルは大きなため息を吐いた。



「…メル、貴方はもし」




使い魔を召喚したら、

その芯は変わってくれるのかしら?



その広い温かな花畑の絵から。

未だ変わらない世界から。




引きずり出してくれる悪魔を。




『ん?何?』

「…いや、なんでもないわ。
行きましょう。遅れるわよ。」

そう言って魔樹は答えて切り替える。


++++++++++++++++++


さ〜てさてさ〜て

やってきました放課後でーいず。


実況解説は安名メルが
務めさせていただきます。


いやーしんどいですねー。


放課後授業が終わった
と同時にロビン先生が
「メル先生いた!!」




と教室から出て来たメルをひっ捕らえて


そのまま走って(ダリ先生に歩いて!)と言われて



ほぼ手を繋がれた状態で連行された。


ここ、使い魔召喚場。



通常は開放している訳もなく。



カルエゴが居る時、
もしくは担当の教員が
一名居れば一応召喚出来る…のだが。



『いや多いだろ見に来る奴ら』



生徒ではなく、
勿論この話題は教員のみ。
という訳で


「あ、まだやってないよね!!」

「メルちゃんきたか。」

そう待っていた者と
今走ってきた者とで
召喚場に入っていくメル。
いや、君達ワクワクしすぎでしょ。



『私召喚しない可能性だってあるんですよ?』


「それはそれでしょ〜〜
いーや絶対無い。それは。」


そう否定するダリに
うんうんと見慣れた者達が
縦に首を振る。


「カルエゴ先生が今日
放課後クラスの予定が
立て込んでて来られない
って言ってたから
僕のを渡しておくね。」



はいこれ。そう言って
ダリ先生の印が勿論入った
羊皮紙ようひしが彼の服から出てくる。



『っえ゙っいやあのその…』

そう…明らかに
ダリ先生のマークが入ったのを手渡される。

流石に昼間に話した会話を思い出してぞっと青ざめる。

どうしたの?具合悪い?
と言ったのにいやそのとどもる。


まぁ言える訳がない。
だってその印と同じ者が召喚されるのだから。



近くに来ないでほしい。



だって人間なんだもの。


『(いやでもオリアス先生出して
奇跡を起こすしか!!!)』

「あ!言っておくけど
オリアス先生出すのは禁止ね♪」




っだあああああああああ

先に思ったから

こっちの勝ちでいいじゃん

かあああああああああああ




そう叫ぶメルに
ダリは笑って言ったもん勝ちと答える。



そりゃあそうだ。間違いない。



「はい。どうぞ」


そうウインクして
人差し指と中指で挟んだ
羊皮紙ようひしを手渡すダリに
そっと左手で受け取ることにしたメル。



見えていたのは赤いダンダリオンのマークである。
嗚呼〜悪魔ひとがというか
外野というか…まぁ居ない間に
さっさと終わらせることにしよう!!

もうどうにでもなれ。


そう思い、メルは
手を口で噛み千切ろうとするも


『ん?ん〜〜〜〜????』


「ああ、歯丸いから噛めないでしょ。」


刃物は?と言ったダリにそりゃあ持ってない。


首を横に振り、そうだなぁと唸った後。



「ごめんね」

『へ?い゙っっっ』

だい゙っ。いったいわ!!!!!

急に噛まれて血がぷくりと出て驚くメル
と言うか舐められたけど
悪魔が人間の血舐めたら不味くない!?


そう思ったが、特に支障はないらしい。


…うん、確かに魔樹の言った通り
多少なら大丈夫だな。



えぇ…色々凄いね。悪魔って。


そう違うことでドン引きするメルとは違い、
ダリは「先に謝ったじゃん」と違う意味で謝った。


「ほらそれで出来るでしょ?」

『まぁ…(嗚呼やってみるしかないか!!!)』 


そう意を決してメルは中央にある
ろうそくに自分の血を撫でて絵を描いた。

どうせ使い魔なら、
えーーーっと魔法使いの少女って
どんな形の子いたっけ

流石に白い使い魔は絶対出したくない。
契約して魔法少女に誰がなるか。
厄災なんぞ連れて来るな馬鹿。

あーーーえーーーっと


『(白い尻尾で〜白い翼生えてて〜
無害無害無害可愛いの可愛いの)』


そうひたすら昔
面白くて見ていた
魔法少女の使い魔を
思い出しながら目を閉じる。

ぶわりと風が巻き起こり目を開けた。



++++++++++++++++++


ダリ目線


いやーメルちゃんが
まさか使い魔召喚したことないって言うから
つい面白半分で開催しちゃったけど、いいよね!!


そうダリはニコニコと昼休憩に考えてたことを


ロビン先生と一緒に
メルを使い魔召喚場に
連行している時に思っていた。


「(カルエゴ先生は用事で
ちょっと時間過ぎるって言ったから
昔担当だった僕の余りもあったし
渡してみようかな。)」


そう昔ダリはカルエゴが、
カルエゴの叔父がまだ
使い魔召喚を担当していなかった頃

代役としてダリが
使い魔担当をしていた
古い用紙をメルの為に持って来ていた。


かなり古いが、
割とまだ使えるのは
ダリも先程休み時間に使用済みで
効果は現在も使えることを実証済みである。


『私召喚しない可能性だってあるんですよ?』


そう言って否定し始めた彼女に
ダリははっきり言う。


「それはそれでしょ〜〜
いーや絶対無い。それは。」


そう否定するダリに
うんうんと見慣れた者達が縦に首を振る。

そりゃあそうだ。

何せ君みたいな底なしの魔力の持ち主が。
なんにも召喚することのないとは
流石におかしいのである。



な・の・で・



「カルエゴ先生が今日放課後クラスの予定が
立て込んでて来られないって言ってたから
僕のを渡しておくね。はいこれ。」

『っえ゙っいやあのその…』


あれ?おかしいな…


朝からどんどん雲行きが怪しくなってる。


と言うか心なしか顔色が青い気がする。



…ひょっとして




「どうしたの?具合悪い?」



そう言ったのに、
いやそのとどもるから多分違う。


だが、顔色が青いのは間違いないが…



あ、ひょっとして
皆の期待に応えられそうになくて
不安が拍車かかってる?


いやーそんなことないよー。


だーかーら♪


「あ!言っておくけど、
オリアス先生出すのは禁止ね♪」



っだあああああああああ

先に思ったからこっちの勝ちで

いいじゃんかあああああああああああ


そう叫ぶメルにダリは笑って

言ったもん勝ちと答える。




そりゃあそうだ。間違いないでしょ?



「はい。どうぞ」



そうウインクして
人差し指と中指で挟んだ
羊皮紙ようひしを手渡すダリ

そっと左手で受け取ることにしたメル。




うんうん。

けじめはつけていいからね。



いやいや言っても
結局ちゃんとやるんだから。


可愛らしいと魔樹さんが言ってたのも頷けるものだ。



決心したのかメルは

手を口で噛み千切ろうとするも




『ん?ん〜〜〜〜????』


と不思議そうにろうそくに行く前で
止まって首を傾げる


嗚呼、そう言えば彼女

親の虐待で歯を削られていたんだった。


だから綺麗な尖った牙ではない為、

自分で指をかみちぎることは出来ない。




気付かなくてごめんね。


そう言うのもあって
召喚するの困ってたのかな?


「ああ、歯丸いから噛めないでしょ。」


刃物は?と言ったダリに

メルは持ってないですと答える。




うーん。そうだよねぇ。

…そうだなぁ、なら。



「ごめんね」


そう言ってメルの彼女の手を掴んで
人差し指を噛み千切った


『へ?い゙っっっ』

だい゙っ。いったいわ!!!!!

急に噛まれて血がぷくりと出て驚くメル
ごめんって言ったじゃん〜。


そうダリが言うのに
『でも』とメルが困惑する。


まぁ急に噛まれるとは思っていなかったらしい。


この状況で刃物がなくてってなったらそうならない?



それにマルバス先生に刃物を提案したら
先に首を横に振られたからね。

今日は生憎、拷問学で実技は無かったらしい。

だから僕が噛み千切ってあげたんだけど…
あれ?何だろう、なんか…

「(美味い…?ん?)」




血が口に入ったのに非常に美味な感じがした。



ただほんの一瞬で、

少し身体が不思議に思って固まる位。



そうふわりと匂いがきて次の瞬間は消えて
まるで気のせいかと思わせるような…


ああ、メルちゃん凄い引いてる…ごめん。


血美味しいって一瞬でも思って。申し訳ない。
こりゃエイト先生に叱られる案件だな。



そう背後の殺意を感じつつ、ダリは苦笑いして
メルに謝りを入れた。



「ほらそれで出来るでしょ?」


『まぁ…』


「(お、決意したか)」 


そう意を決してメルは中央にある
ろうそくに自分の血を撫でて絵を描いた。


さてさて、下がっておくか。
そうダリはイフリートやイポス、
マルバスが居る所に帰り様子を見る。


メルちゃんは
ただ目を閉じて何かを思っているようだ。



いやー楽しみだなぁ〜〜


一体どんな使い魔がみれっ



突如身体が地面に吸い込まれた

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