拝啓。お父様お母様。そちらは大変元気でしょうか?
僕は今、目の前の状況が何だか理解出来ません。
「…あれ?」
さっきメルちゃんを遠くで見てたんだけど…あれ?
なんだか近いなってかスカートの中、
若干見えなくもない。
駄目駄目駄目、流石にソレはアウト。
そう身体を上げようとしたのに
うん?と感じる。
あれ?
身体なんで埋まってるの???
ん?????
「ちょ!!!!!!」
「ダリ先生!?!?!?!?」
あれ僕の名前呼んで皆どうし
「っえ゙え゙っ?!?!?!?」
自分の下半身がマルバス先生の所で消えてる。
というかいる確かにある。…と、いうことは?
「…ひょっっっとして、僕、召喚、されちゃった?」
そう言ったダリにメルちゃんが
凄く首を横に振ってくれている。
うーん、流石に
ロビン先生の勘が的中するとは…これ如何に。
何君まさか本当に人間じゃないだろうね?
それだと怒るよ?流石に。
そう思いつつダリは引っ張ってと言ったのに
面白そうだからとツムルが足を上に上げだした。
『ちょっ!!!駄目駄目駄目
駄目駄目ハウスハウス
は〜う〜す〜!!!!』
「いだだだだだだだだ痛い痛い痛いって」
そうメルちゃんが
僕を必死に下に地面に押し当てる。
それにツムル先生達が
上に上げているから今現在
間で身体が変に折れ曲がろうとしている。
あの痛いんでどっちかにして?
っていうかツムル先生?
そっちじゃないでしょ?
動き。逆でしょ?
「ちょ、ツムル!なにを」
「あああああ俺の分身でナニしてるんですか!!!」
「えっ!?ツムル?!そっち!?え!?」
「あははは!!面白〜〜!!!」
本当に動かせるんだーそう魔樹が嬉しそうに
ツムル(仮)を動かしているのにしている。
動かせるというのは恐らく騙せるや、
声や仕草の話だろう。
ったく僕も本気でツムル先生だと思ってた。
ごめんツムル先生、君に悪気はなかったんだね。
先程のことは水に流しておくよ。良かったね。
そう心の中でとんでもないことを
彼に当てようとしていたのを謝るダリ。
いや今はそれどころじゃないと意識を変えた。
「ちょ、魔樹さん!?場所ちぃがっ!?」
『っきゃ!!』
よーいしょで押し上げられる身体。
それもそうだ。相手は男二人、
対して此方は女性一人の力で
押し込んでくれていた。
その為力は歴然で…
浮遊した身体が白い煙に包まれた。
「っげほっごほっごっほっ」
いやぁー今日飛んだ不運だな。
まさか面白がってきたのがこっちに向くとは。
最近調子に乗り過ぎちゃったのが来たのかな。
ダリは咳き込んでいると
白い煙から視界がはれる。
目の前には尻を突いて驚いているメルちゃんがいた
『…か、か、か』
か?
『かっっっわい〜〜〜〜!!!!!』
「っぐ」
そう身体を胸で押し当てられる。
優しくも小さな手が
自分の身体をそっと抱きしめているのは
多分壊れないようにという意味を込めてだろう。
と言うか何か凄い大きいね君!!!
一体どんな状態!?
「…だ、ダリ先生が…、
つつ、つかい、ま?????」
「っぐぐっ!!!」
…カルエゴ先生?
そう後から来た彼に
一部始終を見られていたらしい。
スージー先生もあらあらと言っている。
ちょっと君こっちの心配しなさい。
「メル先生〜これは一体?」
『っ…ダリ先生の
召喚したらダリ先生出てきました。』
「ふいっ、あら〜〜」
あら〜〜じゃないのよ。
スー。君どうしたの。凄く嬉しそうだね。
抱きしめても?
と言ったのに良いですよとメルが答える。
胸から胸に…嗚呼〜まぁ、悪くは…
いやいやいやいや何考えてるの僕!!!!
そう教師統括でしょ!
ちょっと自分の立場忘れないで!!!
そう使い魔になって
数秒の自分に脳内で
鞭を撃つダリの思考はつゆ知らず。
メルとスージーは話を咲かせていた。
「ふいっ、にしても可愛らしいですね〜
メルさんはこんな姿を思いつきに?」
『ええ、昔憧れていた人の使い魔…
みたいな者を思い描いて、
とにかく無害で可愛くって思ってたら…つい。』
「ふぃっ、ダリ先生
今のお姿見たくないです?」
「見たくないです」
そうはっきり言ったダリに
あらー意外とスージーが目を開けて丸く驚いている。
そりゃあ面白いものは好きだ。
それは他人というか他の悪魔を見ている分だ。
自分の事に対してはちょっと其処まで乗る物ではない。
それに先程可愛いと無害って
言葉が出た以上嫌な予感しかしない。
カルエゴ先生は
先程から笑いを堪えているし。
「あら〜残念。こんなに可愛らしいのに〜」
「今のお姿、どうなってるか、分かりますか?」
「…ひとまず、茶色いのは分かる」
あと尻尾。
悪魔にしては白く綿毛のような丸みを帯びた尻尾
それを辿ると
ほぼ全裸のような茶色い毛並みの先顎の下には
ふわりと少し茶色が薄くなった胸毛が
ふわふわと前を揺らいでいる。
手で頭を触ると全体的にふわっっふわしている。
たてがみだけでなく横にも上にも
下も、なんかふわふわしてる感じする。
ってか耳の近くに角があるのが
触って分かるから
多分自分の角だろうな…
「ふいっ可愛らしいですよ〜」
「…スー、君さ、絶対楽しんでるでしょ。」
「ええ、だって何時もは笑ってる
貴方が笑われる側ですから。ふいっ」
まぁそりゃあそうか。
『すいませんすいませんすいませんすいません』
そう召喚した彼女は
涙を滝のように流して謝っている。
いやいや、分かってたなら
言ってくれればよかったのに。
そう言ったら
中々言えなくてと困って話すメル。
まぁ…確かに、そうか。そうだったね。
君一度困ると時間経たないと本音出さないもんね。
そう今更ながらに思い出すも時すでに遅し。
僕、ダンダリオン・ダリは後輩に召喚されました。
勿論期限は丸々一年。
勿論主人の命令は絶対。
雷を食らいたくないので
なるべく彼女の意見に耳を貸す。
『あ、あの、スージー先生…渡して下さい。』
「ふいっわかりました。」
そう受け渡された後、
そっと胸元でよいしょと声が聞こえる。
うん…抱きしめるのは
ちょっとやめてほしいんだが…。
まぁ良いか、
ちょっと思考整理するのに時間が欲しい。
「っぐぐっ、メル先生
貴方…流石ですね」
『いや流石も何も、
私は大変申し訳なくなっていまして』
「良いじゃないですか。
遊び相手が増える分には良いでしょう。」
『…嫌ですよ?
カルエゴ先生に
今のダリ先生渡しませんからね!?』
「ほぉ?上司命令でも??」
『今の上司はダリ先生ですから!!!』
お。優しい。凄い優しい。
本当にいい子なんだねぇ…
ごめんね今まで弄り倒していて。
そう今とてつもなく嫌な脅威から
必死になって胸と手を使って
ダリをカルエゴから守り逃げている。
むぅと膨れるメルに、
まぁまぁと手を上げたのはバラム先生だ。
「にしても人間って思いこんで
まさか悪魔召喚を成功させるとは…
凄いね君。」
『いやまぁ…あはは。
あの使い魔召喚って
一定時間効果ありますよね?』
「まぁ内容によるけど、大体一時間位だよ。」
『…私はこのまま
ダリ先生を連れて
反省会してきますので
皆さんそれでは。』
そうかなり落ち込んだメルに皆何も言えず。
ああ、うん…お疲れ。
と声を掛けて部屋を後にしてくれる。
とぼとぼと歩いて、
そのまま浮遊してバビルスの中庭
というか屋上に連れてきてくれた。
『…ふぅ、こんな感じだったら
流石にまけるんだなあ。
すげぇ私天才。』
「…あれ?落ち込んでたんじゃ」
『いやいや、落ち込んでないですよ。
バラム先生にバレない様に
意識も全部落としましたが。』
まぁ確かに召喚してしまったことは嘆いているので
実質本音ですし、深くは聞かなかったので
また今度に持ち越します。
そう言い訳を長し、
メルは胸にそっと抱いたまま
よしよしとダリの頭を撫でる。
「…あの〜これは」
『すいません、ちょっとふわふわ過ぎて…』
「色々聞きたいこと
山ほどあるんだけどさ、
そろそろいいかな?」
そう言ったダリにあうと言って
メルはそっと胸からダリを開放した。
まったく、温かいのは良いんだけど
色々と喧嘩買うつもりはないんだよ。
特に君の彼氏とかね。
『はぁい…』
「…ねぇ先にこの姿ってどんなイメージあったの」
『その…えっと〜前にそのゲームで!』
「はい嘘。君僕の家系魔術分かってるよね。」
『う゛っ』
そうどもるメルは正座から
横に足を広げ、M字で腰を降ろした。
それに対しダリは
パタパタと白い翼を羽ばたかせながら
メルの顔の位置で浮遊して彼女に話を聞く。
「本当は?」
『…好きな、魔法少女が居て、
その使い魔が居たら良いなぁって。』
あっでも使い魔って言っても
それはまた違って。
と訂正を入れる。
要は憧れた悪魔の使い魔と
同じであれば良いと思ったと言うことだ。
にしてもこんな無害な…無害な姿を…君は望んだのか。
そうカルエゴ先生が寝込んだのを
今凄くからかって申し訳ないと後悔した。
うん。確かにこれはきつい所あるわ。
ごめんね。
そう自分の姿をメルが出した鏡で納得するダリ。
それにごめんなさいとメルは謝る。
「…謝っても意味ないよ。
こうやって契約は結ばれちゃったわけだし。
一年間はよろしくね。」
『はいぃ…お願いします。
なるべく仕事の邪魔に
ならないようにしますんで!!!』
「…まぁ半年くらいは
まだ君僕の下に居るんだし、
下手なことはさせないから安心して。」
主に面白みたさでメルを襲う教師は多くいるだろう。
こんな自分の姿を
流石に生徒の前で見せるのはメンツが立たない。
何が何でも防止するしかないのだ。
「ひとまず生徒に頼まれても僕を召喚しない。」
『はい』
「先生であっても基本召喚しない。」
『はい』
「危ないと思った時は召喚してね。
仕事中でも何でも。」
『…え?良いんですか?』
「いや何のための召喚だと思ってるの君。怒られたい?」
すいません。
そう正座に戻れず頭を落とすメルに
全くと息を深く吐いた。
「あと、使い魔授業の時は一年生と一緒に入ろう。」
『っえ゙』
「君使い魔召喚未経験なのに
僕とコミュニケーション取れるつもりある?」
『ないです』
「うん。だよね。」
だからと言って生徒の前ではと言ったメルに
いやいやと首を横に振る。こうなったらもう勢いだ。
「
ロビン先生ならまだ良いよ。
…その代わり、カルエゴ君よりも
良い成績取らないと説教するからね?」
『ひぃいっ!!!』
説教に何か嫌な思い出付けさせたかな僕。
そう青ざめるメルにダリは少し反省する。
「ひとまず僕からの提案というか
お願いはこんなもんだな。
君からは何かある?」
『えっ私?私ですか?』
「君が召喚主なんだから
君以外にいないってか
此処に君と僕以外に誰かいるとでも?」
『いえ、いません…』
「なら何か?」
『…その、ダリ先生、は…その』
「うん?」
『いいんですか?
私が、その…こんな姿
想像しちゃって』
「…まぁ正直分かってたなら
ありのままを作って欲しかった
とかはあるよ。」
『ゔっ』
「でもね、君が僕をというか君の欲が
僕の意思よりも上回ったってことでしょ?」
それはつまり、君が「望んだ世界」だ。
君は余りにも他人に悪魔に世界を叶えさせる。
そう言ったダリに
メルは目を丸めて身体を固めた。
「君が望んだから、
僕はそれ以上は言わない。
可愛らしい姿でも
力は馬鹿にならない位
強いんだよこれでも。」
僕だって本気を出せば強いのだ。
でも大人げないし、
なんかそうするのは
癪に障るので基本しない。
だからこうやっているんだよ。
「それに君がそう、僕や皆の気持ちを無視して
意思をもって行動するなんて
今まで指で数える位しか見たことないよ僕は。」
だからそこら辺は、まぁ褒めても良いかな。
そう言ったダリにメルは『ダリ先生…!』と喜ぶ。
…が。しかし。
「まぁその辺でしんみり感動系は置いておこうか。」
以上が建前!!
此処からは本音だ。
『え?』
単刀直入に聞くよ?
ダリはすっと目を開けてメルの目を睨んだ
「君、本当は人間でしょ。」