Novel - Carla | Kerry

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生まれなさい

act 36.

収穫祭

審査場所、ダリやスージー、そしてバラムが待機している中


「まずは狩りをし過ぎない」


これが大事ですかね。

そう収穫祭のポイントを教えてくれている
それにダリがツッコむ。


「ほぅ、というと?」


「Pを集めるのももちろん
大事なんですけど…あの時間が…」


6666分約四日間のサバイバル。
その中で生き残るには
まず環境に慣れることが第一なんです。


食材のPを欲して体力を削った結果
4日間もたなかった例は沢山あります。


完全に自給自足ですから
どの食材をPとして提出し
何を食事として残すか
常に冷静な判断が必要です!


なるほど焦りは禁物と!


しかし“慣れる”には時間がかかります。


より早く自然に適応できたものが有利ですが…


「(さて…彼女はどう動いているかな?)」


そう片目を開けて、
彼女を見守るカメラを盗みる。


+++++++++++++++++

一方メルはというと

『(まずはこの場所に慣れる)』 


いい?私、此処は魔界じゃない。人間界。

相手は人間で魔法も使うけど。
まぁ其処はご愛敬。

この芝生はふわふわ、害はない。
とにかく楽に息を肩の荷を下ろす。

そうメルはふふふっと笑って
森の中を軽く駆け回っていた。

『(あコレ食べれる。)』

そうどさくさに食べながら、
特にポイントを取らない取らない。


『(極力体温共に体力は維持する。
それどころかそっちが優先P二の次。)』

此方は夜中大変忙しくなるのだ。
まずは危険のない所に、
でも来なさそうな所に寝床を見つける。

『(あった)』

昼間でもかなり暗く、
幻惑を掛ける蔦も者も全く居ない。

此処なら仕切りを置いて、
足がかかったら音鳴る様にする。
あとは落とし穴と、鎖と…

そう人間界のアニメや漫画であった
戦術を大量に駆使していた。

そそくさと作るのには
ダリもほぉと目を見る。


「ふいっ、メル先生ですか?」

「ええ。一応全教員が監視兼評価委員ですから。」

「それにしても彼女もう寝床を…
ってか何してるんですかね。」

きいてくれません?
そう言ったバラムに
はぁいとダリが聞く。

「メルちゃーんそれって何のやつー?」

『…どーーーーーーしても言わないと駄目です?』

「どーーーーーーしても言わないと駄目だねぇ」

そう言うとメルが盛大に舌打ちをした。

アレ、舌打ちした?
ねぇ僕一応上司なんだけど。


『…これは敵が来たときに
音が鳴る様にしているんですよ。
こうやって踏むと』

まず音が鳴る。
慌てた奴は前か後ろに下がり木に寄りかかる
そこで木から斧や危険なものを振り子で出し、
そのまま逃げた先に踏むと痛い石をばら撒き、
逃げた先に落とし穴を…後と言ったのに
流石に待てを入れるバラムとダリ。

「メルちゃん…
君何処からそんな情報貰ったの。
イポス先生?」

『いいえ?嘘だと思うなら
イポス先生にも連絡入れて見て下さい。』

そう言ったメルに
一応ブザーはなっていないのをバラムは
確認しているが、
ダリがイポスに連絡する。

勿論彼も教えていない。

何ならこんなに強力なのは
ちょっと初めてみたと言った。

本当に考えてやったらしい。

メルが舌打ちしたのは
イポス曰く使えなくなったから、らしい。
一応彼女からしたら敵は自分以外である。

場所も移動するだろうと踏んだイポスに
既に移動していたメル。

行方をくらましても無駄だと言うのに。
罠はそのままにし、とにかく奥に入るメル。

敵が居てもすぐに威力を弱めて痺れさせる
その目は狩りの目その者。
低い姿勢のまま走りふわりと身体を浮かせた後
両手から電気を帯び、敵にぶち当てる

失神して動かなくなると
近くに生えていた樹を切り

刃物を作りあげ、
そのまま威力を上げて
勢いでザクザクと切っていく。

もう目が死んでいるように見えるが
実際は死んでおらず。


「何か考えてる目だねぇ〜」


いやー見てて楽しい。
おっとそればかりはいけない。
そう仕事に戻るダリ。


報告も忘れずに、
ただ周りに指示を入れる。


+++++++++++++++++



そうしてやってきました。


収穫祭一日目の夜。



「さぁ〜暗〜く不気味で不安でさみしい夜です…が」



我々はてんてこまいです。

そうマイクを持って言うダリ。
棄権する生徒が続出の嵐である。

メルは午後から寝ていた為
夜に目を覚ました。

此処から朝まで
ノンストップで救出に出るのだ。


『ほら、大丈夫?』


そう生徒の手を掴み
そのまま浮遊させ身体を浮かせる
3人同時もお手の物。

メルは用紙に記載しつつ
浮遊したまま近くの
青いバンダナの付けた教員に渡す。


『っげ』

「げって…そんな嫌な悪魔ひと
見つけたみたいに言わなくても〜」

ーダリから指令。その1、
赤いバンダナを付けた教職員に遭遇した際
10分間戦闘を許可する。

教職員はメルのPもしくは意識を失わせること。
意識が5分以上失ったor
テントに連れ込んだらメルは失格。

メルは教職員のバンダナを奪い取ること。


オリアスが赤いバンダナを付けているのに

「メルちゃん一番乗りに見つけるとか俺ラッキー♪」

とかほざいているが、


…私は絶賛、喜べないまま悲鳴を上げる。


『(相手は…ひぃふぅみぃ、5人位いるな)』


此処は逃げるが勝ち。


そう逃げ出したメルに
逃がさないと言わんばかりに
イフリートが火炎を出してメルを防ぐ。


『(ならば!)"幻想の箱庭"!
オリアス・オズワール!!』


私を守ってそう言ったメルに
はぁいと声を出して言うオリアス。


「っへぇ〜本人の前で
お得意をするとは、物好きだね!!!」


『っそれはどうかな!!』



ん?そう思ったオリアスは
メルの前に
何かがあるのに気付く



『(どうか想像通りになるなら)』



手を地面に当てて草を生やし始める
光放つ草に全員が何をと感じる



「隙だらけだよ!!!」



それは本当に?



そうメルを捕まえようとした
オリアスにふわりと身体が揺らぐ


「っい!?」

「まさかこれも!?」

「そ♪」そう言ってオリアスが指を鳴らし
メルと同時に消える。



それはメルの幻想の箱庭だったのだ。




「っあちゃ〜外れた…?」


『(あっっっぶな!!!)』


赤いバンダナのオリアスに当たった瞬間
実はメル本人で間違っていなかった。



だが彼らに見せた事のない状態を、
今一瞬試しにやってのけた。



『(想像通りに身体が動くのなら、
自分を地面に落として
そのまま別の空間に
移動させる事だって可能な筈。)』


そう、メルは自分を作り出し、
目の前に作り出した後

光った地面の中に潜り
距離を取った後、地面から抉れて
そのまま出てきてすぐに移動してたのだ。


オリアスに指示をしたのは
ただの指示であり命令ではない。



本当はオリアス達本人から
逃げれるようにする。

ということだった。



『(戦闘をしても良いとは言っても
むやみやたらにしていいとは言っていない。
それなら逃げるで合ってる。)』


あの人数で無理矢理戦闘するのは不利過ぎる。
こっちが嫌になる。


青いバンダナの教員に生徒を任せ、

そんな中、人数はもうクリアしてしまった。


『(まずは30…あと30気合だな)』


「っと…こんな所にいるとは」


『っげ』


「はっ、マルバス先生!!」


そうカルエゴ&マルバスチーム
に遭遇してしまった。



しかも空中移動されている中。


低飛空で動いていたのがバレたのだろう。


しくった。


こうなるなら気配察知して
動かない方に向ければ良かった。


綺麗に赤いバンダナを付けた
二人にメルは舌打ちする。

攻撃を入れて来たと同時に
カルエゴがマルバスに指示をした。

「ええ…メル先生。
“戦闘しましょう”?」

そうスッと赤いカードをにこやかに
笑って人差し指と中指で見せつけるマルバスに
メルは非常に嫌な顔をして答えた。




『っ!!…うわぁ〜いやだぁ〜〜〜…』



ーダリ先生からの指令その2。

メルが逃げまどうだけに
ならないように教員一名に必ず一枚
戦闘させる強力カードを付けさえる。


その代わりメルは何でも使用可能になるし
逆にマルバスたちも何でも使用可能になるので
割とキツイハード時間が繰り広げられる。



「ケロベロビュート!!!」


『っ!!はぁあああっ!!!』



火炎を作り出し効果範囲を広げ空中に出す

その間に雷の弓を作り上げ


『“射突いっと”!!!』



カルエゴの心臓に向けて射るが

勿論跳ね返される。


まぁ向けたのはバンダナなのだが。
心臓をえぐる気持ちで
立ち向かうつもりでいくのだ。


そうしないと絶対勝てない。



いや勝てるだろうが。


そう言い聞かせることが、
今回の一番の醍醐味。



『(弓を入れたらすぐに次!!)』


まだ使い魔を出す予定はない。


メルは魔術を使って
マルバスたちを
とにかく寄せ付けない。


それに気づいたのかカルエゴが
マルバスにGOサインを出す。


攻撃を仕掛けたカルエゴに
気を取られ過ぎまいと
メルは魔術で避けながら
攻撃を入れていく…が



『っきゃ!!(マルバス先生!?)』


背後に回られていたことに気付かなかったのか
少しふわりと香る匂いにすぐに前にでる。


「は〜い。じっとしててねぇ〜」


も、腕を掴まれ、そのまま両腕を後ろに
片手で取り押さえられてしまった。


動いても細い彼でも男性で。力は勝てず。


『っつぐ!はっな!!して!!!』


「あはは、離す訳ないじゃん〜」


「背後に回られるとは思わなかったのか…」


そう言って降りて来たカルエゴに
メルは前を向いてしまい
首を露わにしてしまったことを後悔する。


ぷすりと首に刺さった痛みに顔が歪む



『っぐ!はっ、なっ…
いった(何々何々!?!?)』



そう首元に何かの痛みが入る。

おい待て何を注射した。

教えろ。私死なないそれ。


「安心して、ちょっと眠くなるだけだから」



『っ…な、に…?
(駄目、意識、もっ、てかないで)』



いやだ。


まだ明日明後日の踏ん張りを考えて0なのだ。


こんな所で終わってたまったもんじゃない。


起きろ、意識を委ねるな。

委ねるなら…


身体をそのままマルバス先生に委ねたメル


がくりと意識を飛ばしたのに「おっと」と
言いながらマルバスはメルの身体を
注射針に刺さらないように抱きかかえる。



「…寝ました?」


「…ええ」


「このままテントに
持って行けば終わりですね。」


「そうですね(…本当に?
こんな諦めが早いか?)」



そうカルエゴが不思議に思っているのに
マルバスは何も考えずにメルを抱き上げる。


ただ意識がちゃんと落ちているのを確認し
間違いなく意識が落ちていたのは分かった。


ダリに言われて通常の悪魔よりも5倍程薄めて
使用して多分効果があるって言われたので
まぁ渋々作ってみた。



絶対寝ませんよと思って彼にも言ったのだが

彼は「絶対効果あるから♪」と言ってたし。




まぁいざ使ってみたら……これだ。




メルはすぐにウトウトして身体の自由を
身をマルバスに委ねた。



即効性があり過ぎて逆にちょっと心配になる。




5倍だからな。


何せ5倍に薄めてこの速度だ。


流石に薬の耐性無さ過ぎでは?


そうマルバスはメルの耐性の無さに不安を感じていた。



…今度実験も兼ねて
薬の効果耐性を付けさせた方が
良いかもしれないな。


そう彼女の彼氏である
イフリートにお願い&相談を兼ねて
マルバスはため息を吐いた。



ただすやすやと寝る彼女に、
生徒の保護もしながら
行きますかと言った次の瞬間だった。



ぼそりと呟いた言葉に
マルバスは「え?」と聞き返した。



爆風と共にメルを落としてしまい


マルバスは身体を何とか翼で
コントロールし浮遊する



「っマルバス先生!!っ!!!やはり…」



赤い目、山羊の角に赤黒い翼を広げている姿




『…“邪魔をスルナ”』



そう言ったメルが手を横に切る。


突如カルエゴとマルバスのすぐ下
スレスレが赤く燃え、
地面はそのままマグマを作り上げ、溶かした。


一度当たれば間違いなく死ぬ。
それ程の威力に、驚いた。


『“貴様ラも彼女の邪魔をスルノカ”!!!』



そう手を上げるメルに
マルバスは力を使い防御を
カルエゴは攻撃を入れるも
全て跳ねのけ

スッと避けられない攻撃を入れた時
ぶわりと熱く腕が燃える

「っ!?」

「メルちゃん!?」


赤い瞳の白い線が横に入ったまま。



メルはにやりと笑い、
姿を北に飛ばして行方をくらませた。


カルエゴとマルバスの隙をついて
二人のバンダナだけを
綺麗に燃やしてしまったのだ。


それにはカルエゴも
固まって動かなくなった。


「…此方、カルエゴ。
標的北に移動。
マルバス教諭と共にリタイア。
生徒を保護に徹します。」



+++++++++++++++++




「ええ!?カルエゴ君が?!」

「ふぃっ!ダリ先生あれは!?」

「いや…僕も初めて見る…(なんだあれ)」



明らかに暴走していない状態。

と言うか、暴走をした「ようにみせた」のだ。


まんまと騙されていたが、
アレはカルエゴ先生達じゃなくても
まず騙される。



少なくとも僕でもね。


全員がメルを侮っていたと言うことにもなり。

マルバスが生徒の保護と同時に、ダリの元に帰還した。



「マルバス先生怪我は!!」


「先程お伝えした通り、
赤いバンダナだけを
燃やして全く傷一つついてませんよ…」


彼女凄すぎません?


どういう教育したんですか。
そう驚きながらも
生徒の報告資料を渡すマルバスに
イフリートが答える。


「いやそれが…」


「僕もイフリート先生も
全く手だしてないんだよ。」


「えっ!?」



だから僕達も初見。


そう言ったダリに
ええとマルバスは青ざめる。


「薬はばっちり効いたんですよね?」


「ええ、間違いなく
心拍数も落ち着いて
呼吸も全て。」


「…なら意識を無理やり
落として目覚めさせた?」


「いやアレくらいのことが出来るなら
寝たふりだって造作もないでしょう。」



確かに。


そう頷いたダリに
マルバスは答えた。


「とにかく僕達は引き続き生徒の保護をします。
僕からしたらアレは余裕で合格ラインです。
侮ってしまった此方の落ち度ですから。」


「了解。彼女に伝えておくよ。」



手伝ってくれて感謝します。
そう言ったダリにいえいえと
マルバスは答えて消える。

「それにしても凄かったですね。」

「攻撃の隙も全く見せない。
何なら相手の隙を作り出し、
相手の余裕に上手く入り込んで
傷付けずに動いた。」

「それも悪周期の中で。」


凄まじい集中力ですよ。
いや瞬発力ですかね。
そう言ったバラムに
ダリもスージーも頷いた。

メルは今、何処にもいない。



ただこの後立て続けに生徒の救出報告が上がり
一夜だけでメルの救出した生徒は45人と
初期設定を上回ったまま夜が明けた。

/utakata3/novel/71/?index=1泡沫の白昼夢