Novel - Carla | Kerry

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For the Love of Mercy4

act 4.

『うぐうぐうぐ…』

「…えっと、安名先生?」

ハッ!!そう言いたそうにと言うか言ったメルが
扉の前から隠れ消えたのに何の要件だろうか。
モモノキは冷や汗を垂らしながら
職員室の外から彼女を見た。


「あ〜メル先生まだ渡してないの?」

『うぐっ!だだだってダリ先生
直接渡せって言うからですよ!?』


「だってさ……連絡用紙だけで
会話って言うのも寂しいじゃない?」

『時間割いてまでお手数おかけするには
いかないですよ…!?』


立ち位置的にはダリ先生の方が
お手を煩わせると申し訳ない筈なのだが…


メルは良く話している為か
優先順位が如何せん逆転していた。

これでも上なんだけどなぁ
と頭をかくダリにメルは油断していなかった。


「あの…ご用件受けますよ。
丁度時間空いてますし。」

「ほら〜こうやっていうんだから。」

『うっ…あの、その、えっと』


お前は告白前の男子か。

急にもじもじとするメルに
その資料ですかと助け船を出す。
すると分かったのかこくこくと頷いた。


「用紙の訂正ですか
すいませんお手を煩わせて」


『いいいいいいいいえ!!
此方こそごめんなさい
私言いそびれていて
あっもう一つの方が別の書類で
ダリ先生から預かっていた書類です。』


「分かりました。
此方の方は訂正後
安名先生の方に
持っていきますね。」


『はい!私事務の部屋にいるので
部屋が違いますので!!』


そう言ったメルはそそくさと消えていなくなる。

顔を赤くして帰って行ったのに
何だろうと唖然としてモモノキは見ていた。


それに対し嬉しそうというか
おかしそうにダリがケラケラと笑う。


「いや〜可愛いらしいねぇ〜〜ひぃ」

「…ダリ先生?ひょっとして
安名先生を苛めてます?」


「いやいや!でも彼女ここにきて長いのに
教職員と一行に仲良くならないし
なんなら仲良くなれる行事から
彼女滅茶苦茶逃げまくってるからね。」


そんな状態で居続けられても
いざと言う時、連携取れないと困るでしょ。

そう言うダリに
まぁそれはそうだがと
モモノキは続ける。


「ですがとても困惑してましたよ?」

「あーそれはうん、まぁそうだね!」



本当に分かってやっているんだろうか???



そう若干焦るモモノキだったが
ダリはいやねと言葉をつづけた。


「最近彼女ちょくちょく
先生方に声かけてもらってるから
声かけてもらうだけなのも悪い
と思って自分から動こうとしてるんだよ。」


…あれで?

そうあれで。

そう言ったモモノキにダリは答える。



「そうだったんですね…
それにしても女性の方いらしたんですね。」

「バビルスで仕事をする人達の中でも少ないからね。
モモノキ先生折角だからメル先生と仲良くなったら?」

「ええ!?私がですか!?」


彼女凄く嫌そうにしてませんでした?
そう言ったモモノキにいやいやと
ダリは首を横に振る。


「君がカルエゴ先生を見ているのとそう変わらないよ。」

「かかかかかかるっカルエゴ先生…え?待って下さい。」


ちょっと!?そう言ったモモノキに
授業あるからと言って席を外すダリ。

尊敬で見つめていたという所から
恋愛対象じゃないよね!?

と割とうんうんと困る所まで
解消するのはまだ先のお話である。




++++++++++++++++++


『お疲れ様です〜!』

そう言ってメルは仕事場から出て背伸びをする。
さぁ今日は終末日!明日から休日が待っている〜!!

部屋に帰って早く魔術書類と、家系魔術使って
癒されよう〜と言うか
此間イフリート先生やマルバス先生に
触れちゃったけど出せるか見て見よー。


そう考えている矢先
メルちゃんメルちゃんと
声を掛けられ
なんだかとっても
嫌な予感がしたのでそそくさと
逃げるように帰ろうとしたんだが…




「イポス先生
家系魔術使っても構いませんよ。」

「えっ?いや、ですが」

「ね?」

「…“招集ウィンチ”」



そう指を鳴らし
数百メートルに居る筈のメルだったが
急に瞬間移動して驚きその場に倒れる。


頭の中が???で一杯のメルに
ダリが「やほー」と声を掛ける。


「メルちゃん暇?って言うか
ちょっと借りたいんだけど。」


『まず何故貴方から逃げるように
距離を離したのに何故に
此処に居るんですか説明求めます。』



0文字で。

そう言ったメルに
それ説明要らないよね?
とダリがにこりと笑いながら突っ込む。


「すいません、俺の家系能力です。」


えっと。そう固まるメルに
紹介するねとダリが笑いながら答える。


「此方イポス・イチョウ先生。
戦術学担当の教員だよ。」

『ああ!あの』

「多分そのイポスです。
何時もお世話になってます。」

『いえいえ!私安名メルです!
もうどちらでお呼びして貰っても構いません!!』

「ではメル先生。
急に家系魔術を使って申し訳ない。
急用という事で許可貰って使っただけで」


腰打ちましたよね、大丈夫ですか?


そう手を差し伸べるイチョウに
メルは大丈夫ですと言って
手を取り身体を起こした。


『…ダリ先生
それでは私はこれで』

「また飛ばされたい?」

『…も〜!分かりました
分かりましたから!!
何ですかご用件は!!!』


そうやけになって言うメルに
ダリはおいでおいでと手招く。

一体何処に連れて行かれるのだろうか?
メルはイチョウと目を合わせた後
ダリを追いかけることにした。


++++++++++++++++++


「じゃじゃーん!」

『これは?』

「うちの生徒の保護者さんから!
お裾分けでフルーツ貰ったんだよ。」

そう得体も知れないものが
此方をじっと見てくる。


うっと顔が青ざめ
ダリの傍に居たメルは
そそくさと下がり壁に身体を付けた


『あの…まさかソレ、食べるんですか?』


「え?」


『え?』


「え?」


そう言うメルにイチョウは不思議に思い
ダリもまた目を丸めて驚きえ?と答える。


ダリの手の中には
明らかに叫びそうな
何かの角が生えた緑の玉だ。


いやなんか雄叫びが聞こえる気がするのは
間違いなく気のせいではない。


声がする声が!

って言うか何で叫ぶの!!

食べ物が何で叫ぶのよ雄叫びを!!!



ああもう煩い!

食べ物が叫ぶんじゃない!!!!



そう思っているとメルに
ダリが一歩近づく

悲鳴を上げたままそそっと下がるメル。


明らかに距離を取っているメルに
ニヤニヤとしながらダリが
徐々に近づくのを放置している
イチョウではなかった。


「ダリ先生、止めましょう。
メル先生凄く嫌がってます。」

「ははは!だって〜つい反応面白くて〜!!」


にしても嫌いなんですか?
魔ロンそう言うイチョウに
メルはこくこくと頷いた。
というか


…其処にどっさりある果物全てぶっちゃけ無理だ。



どれもこれも叫んでいるし
叫ばなくてもなんか得体のしれない
ドロドロしたものまであって
割と不衛生というか食えたもんじゃない。


何なら色も薄い色ならまだ良いのだが
ショッキング色ばかりで
じっと見ていると目が痛い目が。

なんなんだこれは。


精神的な攻撃までするとか
食べ物ではなく危険物ではないのか。



「にしてもメルちゃん
フルーツ駄目だったとは。」


「いや駄目と言うか
その見た目からもう
食べる気失せると言いますか。」


特にその角やら雄叫び発しまくってるソレ
そうメルがダリの手にある魔ロンを指さす。


確かに角と雄叫びをきれいさっぱり
無くしたらメロンに似ている。


だがソレを食べると
何か身体に悪影響ありそうで怖いのだ。

こんなんで怖いのーと
ダリが笑いながら言う。



「これで怖かったら肉とか魚
食べれないでしょ〜…
ってあれ?メルちゃん?」

『………』

「…メルちゃん?
ちょっとごめんね。」


そう魔ロンを置いてダリが近づいた後
そっとメルの脇を掴んでひょいと上げる。


あー………予想以上。


そう目を開けて脂汗を流すダリに
メルは声も出ず
ただ母猫に掴まれた子猫の様に
固まって動かなくなる。



「メルちゃんあのさ…
ひょっとしてー…
…食べるの苦手だったりする?」


『ゔっ…』


「もしかして今まで僕とか
他の子が全部断ってきたのも
…好き嫌い多いからとか?」


『…好き嫌いというか、その見た目が
明らか食欲失わせる物全般苦手なんですよ。』


そう指を指すメルに
いや普通だよとダリが答えるも
明らかに震えて顔を青ざめるメルに
異常だなと感じた。



「今までどうやって食べてたの?」


『そりゃあ顔みたいなの
ないようなものとか…?』


「それけっっっこう
限られるよね?
え?待って??」


『加工済みで見た目
悪くなければ食べれますよ!!
…でも流石に生はちょっと。』


嗚呼、姿形を全て変えたら
割とたべれるらしい。


だが姿が違ってない
まんま来る料理だってある。

それを知っていたメルは
極力そんな場所を避けまくっていた



なんなら食堂のメニューから
危険そうなものを避けて食べているが
まぁギリギリ栄養は取れている位で…



「…こういうのもアレだけどさ、
流石にちょっと食べなさ過ぎじゃない?」


下手したら倒れちゃうよ?そう言うダリに
でも苦手なんですとメルは首を横に振る。


まぁ確かに好き嫌いは多少ある位なら別に良いのだが



メルの場合
怖そうな物全般駄目で
口にするどころか
そもそも危険を察知して
寄り付かないとか。


今回寄り付けれたのは
あくまでもダリ達が居た為

安心感があり危険な気がしたが
大丈夫と判断したらしい。

その拒否はつい先日
学校に入学した
特待生のイルマ並みである。



超大食いの彼と打って変わり
超小食の彼女。



「ん〜嫌がることはあんましたくないけど…流石に」

『うう…そりゃ
食べてみたいとは
思わなくはないですが』



流石に雄叫びが鳴るものを
食べたくはないですと

きっぱり言うメルに
ううんとダリは頭をかいた



「あれ?ダリ先生に、えっ!?
メルちゃん!!どうしたの」



ほぼ半泣きのメルの前に
腰を降ろして困っているダリに
イフリートは慌てて部屋に入ってきた。



『うううエイトせんせえええええ』

「おっっと、何何何どうしたの!?
え?ダリ先生等々泣かしました?」


流石に怒りますよ?
そう片手でメルを背中に寄せ
片手で炎を出すイフリートに

待て待て待て誤解とダリが焦り
両手を横に振る


「メル先生フルーツ処か見た目怖いもの全般
駄目ってさっき判明して、今軽く説教してたんだよ。」


「え!?そうなの!?」

『うう…怖いの食べれないです!!
ねぇ〜!!エイト先生からも言ってよ!』


「そう言ってもなぁ…君細いし。
もっと食べた方がいいよ?」


『ゔっ』


「ほらーーーー!!!!」


ねー!そう思うよね!!
そう言ったダリに
えぇとイフリートは答える。


好き嫌いはしない方だが
見た目が駄目なので


…もうそれは好き嫌いに
入るのではないだろうか。




『でもでも明らか雄叫び出るとか怖すぎやしません?
って言うか何で食べれるの皆ぎゃあああああああ』


だだだだダリせんせええええええ
雄叫び出てる黄色いの食べてるううううう

そう叫ぶメルを無視して
ダリが「うまっ」と言いながら食べる。


よくよく見るとマンゴーだろうか。

何ですか?と言ったイポスに
魔ンゴーと言ったダリなので




間違いなくマンゴーだ。







うん。




でも叫んでたよ?




その実。




食べる?そうダリがメルに
新しい魔ンゴーを見せると
ひぃっと言いながらイフリートに抱き着く。


首をブンブン振りながらも
ダリの食べる姿は見る。



「…食べたいんだか
食べたくないんだか
どっちなの。」


『食べたくなくもなくなくなくなくない…』





どっちだよ。

そういうイフリートに
だってとメルはしがみつく。



「得意の魔術で小さくしたらいいんじゃない?」


「おっ名案!!」


『えぇ…じゃあ。』



そうイフリートから
しがみついていた身体を少しはなし
片手で指をくいっと上げる動作をする。


一つ小さな果物を近くまで寄らし、
スパッと果実を二つに分けた後




中がぐじゅぐじゅで何なら急に動き出したので
余りの気持ち悪さに驚き
悲鳴にもならない声を出しつつ
イフリートの後ろに戻ったメル




その間に果実は火炎で秒殺され消えてしまった。




「うわぁ………」


「ね?言ったでしょ?ヤバいって。」


「確かにこれは駄目だって
メルちゃん特訓しよ。」


『やですやですやです怖い怖い怖い』


「目瞑ればほらいけるいけるっくく」


『ねぇ絶対笑ってるでしょ!!
エイト先生?!!?』


「っくくく」



いやだってさ、君普段寄らないのに
離れないんだもの。


と笑うイフリート
それに気づいたのか
メルが目を開けて

そっとイフリートから
トタトタと遠ざかる。


「でも流石にこの量のフルーツ
全部駄目はちょっっと不味いよ?」


『生きてるので大丈夫です。』


「でも一人じゃ絶対食べれないでしょ。」



多分これ逃したら二度と食べれないよ?
そう言ったイフリートに
うっとメルが声を上げる。


確かに食べてみたい。
割とこんな機会なければ食べないだろう。


ううんと身体が揺れ始めるのに
ダリが「おっ」と声を上げた。


「メルちゃん流石に
大人になって食べれないは駄目でしょ?」


『ゔっ』


「怖いからって食べれるんだからあるだけで
見た目はどうとして味は良いよ。」


『ゔっ』


「で?どうする?食べる?食べない?」



そう言うイフリートに唸り
声を上げて数秒。


ぴたりと止まった後
両手で頬を強く叩いたメルに一同驚いたが

すぐに振り返った後『やります』と声を出した。


『いいいいつまで経っても
拒否してられまままませんからね』

「待って震えてる
メルちゃん声震えてる」

「ダリ先生黙ってて下さい!!
今奇跡起こしそうなんですよ!!!」



そうむきになるイフリートに
ダリはだって面白いもんと
笑いながらスマホ片手に見ている。

小さな果実をイフリートが
手に取り近づけると悲鳴を上げるメル
勿論やると言った。



だが身体が拒絶し引き下がる可能性を考慮して
後ろに逃げないよう
イフリートの身体を使って防いでいた。



要は抱きかかえたみたいな状態だ。

流石に恥ずかし過ぎないかと言うメルだが


こうでもしないと朝来るでしょ?
僕ずっとこれしないからね?

と言ったイフリートに
『うう』と声を上げる。









「はい」

『………ん?』

「ん?じゃないよ
ほら口開けて」

『待って悪魔見てる!!!』

「言ってる場合か」

『待って待って待ってストップストップ』

「ちょ分かった分かったから暴れない!!」



そう胸元に勢いよくしがみついて
首をブンブン横に振るメル

余りにも動きが機敏なので
手に持っていた果実も落としかける。

「…メルちゃん目瞑って」

『…うっ、こうですか?』



そう口開けて。
そう言ったイフリートに小さく口を開けた。

すると少しダリ先生と言ったイフリートに
はぁいと声がかかり何処かドタバタ音がする。

何か音がした後
もうちょい開けてと言われたので
少し口を開けると
何やら冷たい物が口の中に入ってきた。


いやなんだろうと目をぱっちり開け上を向く


それにどう?と
イフリートと目がばっちり合う。



モグモグと口の中に広がる
新しい触感にこくりと
喉を鳴らしてのみこんだ。





『おい…しい…!』

「ね〜?言ったでしょ??」

『待って何たべさせたんです
いいいいやああああ』


そう口の中に入っていたとは
思えない触手の果実にしがみつくメル。


慌てない慌てないとイフリートは
メルの頭を軽くポンポン撫でる。


「ほらこれ」

『うっ…ほんとに
これ食べさせてくれたの?』

「そうだって美味いって言ったじゃん」

『えぇ…?』

「って言うか君達
何時からそんな仲良くなったの?」


そう言ったダリに
え?とメルが口を開けたのを狙い

イフリートが口に先程食べていた
果実の乗ったスプーンをぶち込んだ。



それに叫び声を上げながら
起き上がろうとするメル

メルの頭とイフリートの顎が
当たりお互い悶え苦しんでいると

メルがぴたりと動きを止めて
そっと顔を上げながら言う


『…あ、美味しいこれ』

「でしょー?あ、ダリ先生
すいません。話の途中でしたね。」

「あ、うん」

「メルちゃんと
炎見せ合いっこして
仲良くなったんですよ。」

『仲良くなる印に握手してついでだから
お互い敬語無しで良いよねって!』


なって!そう笑うメルに
へぇ〜とダリがニヤニヤする。




「ズルいな〜
俺の時そんなしないのに〜
……なんだか妬けちゃうな〜」


『えっ!?ダリ先生は
流石に上ですし…?』


「そこで出しちゃうか上下関係〜」


そうケラケラ笑うダリに
メルはこくこくと頷く。


そう言った後
メルはサラッと
イフリートの手にあった果実を
丸ごとかじりついた。


それには見ていたダリも手を取られた
イフリートも目を丸めて驚いた


「えっ?!!?」

『ん〜〜〜!!!!
ほんとだ!!!!
美味しい!!』



「おーーーー!!!!!
ダリ先生食べれるように
なりましたよ!!!」




流石に一つですが。
そう言ったイフリートに
ダリはそうだねと苦笑いした。

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