Novel - Carla | Kerry

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For the Love of Mercy5

act 5.

メルちゃん〜
そう言う悪魔も今日は居ない。




何せ今日は休み!!休日!!!




そう果実一つで
叫び逃げまくっていたメルは
癒しの時間を堪能していた。




所変わって自室。




流石に男性というかあんな状態が続いた後で
家系魔術を使いたくないので今日はお休みだ。



まぁ背が足りない時は
出てきてもらっている位だ。


にしても昨日は
醜態をさらしまくってしまった。
お礼に何かしてあげたい。



特にイフリート先生。




顎当てちゃったし、
アレからちょっとお礼言って
そそくさと逃げてしまったからな。




いやー悪い事した。




でも流石に休みで
昨日今日でお礼を言うのも悪いし
いや早い方が良いのか

いやでも何渡そう。



うんうん唸っていると
食堂でチラリと姿を見かけた。




「あれ?安名先生ですか??」

『うっ…その声はモモノキ先生』

「ちょ黒いローブで身体隠して
どうしたんですか!!」

『ちょ見ないで下さい
今offなんですよ。』

「off?」


「メル先生offの時は極力
外に出ないんですよ。ふいっ」

スージー先生!
そう言ったモモノキに
スージーは答える。


「にしても珍しいですねメル先生。
食堂に居るだなんて、何時もは何かしら買って
部屋で食事されていると聞いてますが。」


『うう、あの実はその…き、
昨日ちょっと醜態されしてしまって』


「醜態??」


『実は…』


++++++++++++++++++



「ふいっ!なるほどメル先生だから
打ち上げとか来なかったんですねぇ」

『はい、お酒も少ないですが
嗜む程度は飲めますし
固形物というか見た目が
がっつり変わっていれば良いんですよ。』

「でイフリート先生に
ご迷惑をおかけしたから
何かお礼をと悩みに悩み
此処まで来てたってことですか?」



そうなんです!何か方法ありませんか!?
と言ったメルにううんとモモノキは悩む。


「私も殿方に何か渡す機会ありませんし…」

「ふいっイフリート先生に
直接聞くのはどうでしょう?」

『プレゼントに聞いても…
それに彼煙草吸ってますし
一瞬煙草をと思いましたが
複雑な気持ちありますよねぇ。』


そりゃそうだろう。


「では何か小さなものか
それこそ手作りの何かを
渡すのはどうでしょうか?

得意なもので手作りなら
快く受け取ってくれそうですよ?」


『手作りの?…あ!そうか!!
モモノキ先生ありがとうございます!!!』



私作って来ますそう言って
走り出したメルに
ええと答えたモモノキ。


それにクスクスとスージーが笑う。


「ふいっ、もしもしダリ先生
今お時間よろしいですか?」



そうス魔ホで連絡を取るスージーに
ダリの声がス魔ホから漏れて
「はいはいなんですか?」
と軽い声が聞こえる。



「今とっても面白いことが起きてまして
情報を共有しようかと。」



ああそれならこっちでも
割と面白いこと起きてますよ。


そう言ったダリの声を
そっと聞かない事にしようと
モモノキは食堂を後にすることにした。




++++++++++++++++++



『これで良いのかな…?』

いやでもこれは無いだろう。
そう頭をかいて唸る。


魔術の書類を片付けた後、
世話になったイフリートに
護衛用のタリスマンを
作り始めること二時間が経過した。



彼は物凄く強い噂は聞いていた。



なにせイフリートの家系だ。

そりゃあ強い。


緊急でどうしても
避け切れない時用に
持ってくれていたらと
思って持たせるつもりだった


…のだが




『いやいやいやぜっっったい勘違いさせる。』




好意を持っていると
勘違いするし何なら重い。


重いわ。



でも幸運が入った宝石を
プレゼントしても彼が使うとは限らない。

煙草関連で行っても
何となく違う気がする。


ということでぐるぐる考えた挙句の果て



メルの魔力を全力で注ぎ圧縮した
一度きりどんな魔術も跳ねのける
タリスマンが完成した。



これは割と自分で使っている方のお守りだが

彼が肌身持つかどうかは分からないし



まぁそもそもお礼に「食事に行こう」
が出来ないので


物を渡す位しか方法がない
自分が悲しくなってくる。



『…でもなぁ、やっぱやめとこう。』



明後日直接お礼を言って終わらせよう。


仲良くなったからと言って急展開過ぎる。



それに流石に濃すぎる。

絶対バレる。



濃度が凝縮し過ぎたのか
数日前の炎を見たからなのか知らないが

綺麗な紫色の宝石が
目の前をキラキラと
輝かせて見せていた。



我ながらとんでもない魔具を
作り出したなと思うが

これも割と熱心に魔術に
力を注いだ結果である。


仕方がない。


それに何だかんだ
ス魔ホの連絡先交換してなかった。


あんだけいちゃついて
…マジ彼女居たら申し訳ない。




うわああああああ彼女さん
居たらごめんなさい。



そんなつもりじゃなかったんですよ!!!!



あんな顔良いんだから絶対
彼女の一人二人は居るだろう。


うんうん、此間の件は忘れてもらって。
ひとまず寝よう!!忘れよう!!!



メルはそう思って
身体をシーツに丸めた。



机の上にはキラキラと輝く
紫色のタリスマンが編み込まれた
ミサンガのアミュレットが2つ光っていた。



++++++++++++++++++




終末日明けの日




人間界でいう月曜日…
から過ぎてもう3日


いや一週間が経った。



終末日を更に開けた
この数日間何をしていたかというと





仕事が恐ろしい位にたてこんでいた。



テスト前ということもあり、
割とその後のメニューがひっ迫しており

ダリから上司命令ということで
テスト期間ちょっとだけ家系魔術を使って
人を増員できないかと言われたのだ。



首を縦に振ったはいいものの
そうすぐ出来る訳もなく


気付いたらテスト準備で
追われててんてこまいの日々だ。


あれからイフリート先生に全く会えておらず
お礼も出来ないままになってしまった。



流石にもう忘れているだろう。



悪魔ってそういう所忘れっぽいからな。












自分は転生した元人間で記憶もばっちりある。







おかげ様で空想生物学は満点それ以外はパアである。

頑張れば分からなくはないが
ぶっちゃけ勢いで解いたら
割と絶望する数字は
叩きだせる自信だけはある。



メルは紫のミサンガを
ゴムのように伸び縮みさせるようにし
髪留めとして使用することにした。


キラキラを抑えることなんて造作もない為
光さえ当たらなければ
ぶっちゃけ誰も気づかない。


『はぁ…疲れる。』


唯一の癒しはこの作った
アミュレットゴムを空にかざし
光らせて眺めることだった。

休憩時間午後3時を過ぎる頃だ。
風が当たって心地が良い。



そう言えば最近イフリート先生に会ってないな…
疲れが溜まっている状態で余り使ってしまうと困るが、
炎を小さくすればいいと思いメルはそっと火を灯す



『…あ、出来るんだ』



そう手の中に紫色の光が灯る
だがあの綺麗な光は
どうやら出せそうにないらしい。


すると


心の何処かが
チリっと痛みを生じた



『…ん?』


痛みが出て
すぐに炎を消し去り身体をぺたぺた触る。



しかし炎が消えると
痛みも嘘の様に消えてしまい
何事だったのかと
また炎を出してみる。





するとまた紫色の炎を見ると
胸がチリっと焦げる様に
痛みを知らせる。





一体なんなのだ
何なら炎を出すと痛いまでくる。



手よりも胸だ…
全くこれじゃあ
煙出してお絵描き出来ないではないか…




『悪周期かな…でもなぁ』



まだ仕事はあるし、
此間マルバス先生に
周りの悪魔に頼りなよと言われたばかりだ。



まぁ頼っても実際
自分の思ったことが
他の悪魔もしてくれるわけがない。




だから自分一人でしか
出来ないと思ってやってるのだ。



それに相手は悪魔だ。


飽き性で有名な悪魔である。



集中して出来る自分とは違う飽き性の悪魔。


まぁ自分も悪魔ではある筈なのだが。




翼も尻尾も生まれつきないのである。
それも耳だって丸くてそんなのまるで



『(本当に悪周期なりそう
…ダリ先生に報告しにいこ)』



少なくともこの胸の痛みが
出る原因は探らないでおこう。
メルはため息を吐いて席を立った。


++++++++++++++++++




「メルちゃんこれ頼むね!」


そう仕事場に帰ってくると
入ってくる仕事仕事。


はいとしか言いようがなく
メルは無い頭をフル回転する。

全く次から次へと仕事が来る。


厄日かな今日。


そう思いつつメルは作業する。




「ちゃん、メルちゃん!!!」

『…ん?』



そう肩を揺すられて気付いた。
あれ?


『イフリート、先生?
あれ何でここに』

「見回り。もう遅いから帰ったら?」

『え?遅い?おそ今何っしっしちじ!?』





気付けば時刻は7時である。





「何時から仕事してたの」

『えっと集中入ったのが
午後3時でそれからぶっ通しなので』

「…四時間はノンストップだったの、」

『いやでもまだやっときたいですし』

「駄目早く帰りな。」

『ですが「いいから」…はい。』




そう言ってメルはデスクを片付け終える
それを見計らいイフリートは
様子を見て廊下に立つ



『それではさようならイフリート先生』

「うん、気を付けてね。」

そう手を振ってくれる。ので此方も返す。
これから深夜の見回りか。大変だな。
そうだ、渡し忘れていたけどこのミサンガどうしよう。




『…流石に駄目だな。』



捨てるか、そう手に掴んでいた直後だった
背後から異様な殺気が感じ取れ
速攻で身体を振り返り後ろに下がった



「安名メル様ですね?」

『(ヤバいこいつヤバい!ひとまず逃げる!!!)』



そうメルは浮遊し一気に加速し始める
それに気づいたのか逃がさないと
言わんばかりに追いかけだした者



明らか不審者である。



侵入者は夜にも出ると聞いてはいたが
まさか当たるとは思いもよらなかった。


丁度イフリート先生と別れたちょっと後だ。
流石に反対方向で此方に来るのに
時間がかかり過ぎる。



なら撒いて、彼の居る方角に戻った方が勝ちだ。



メルは低空飛行に切り替え始めたその時だった



光が見え顔を向けた後
光が身体を包み込みそうになった時


バチンと大きな音を立て反発し
そのまま身体が地面に落ちる



痛いを越えて
今何が起きているのか脳が追い付かない。




ふわりと身体が浮かび上がる。


あれ目の前が赤いな。




「な、なんだ今の大きな音!!くそっ」


『(あれ、私なんで此処居るんだっけ)』



そうだ仕事してて
あれでもなんだっけ。



そう足音が聞こえるのに
身体が動かない。


先程の反動で
一つにまとめていた髪留めが外れ
髪の毛が広がり前が見えない。


ぐったりとして目を閉じかけたメルに
魔術が広がるも大きな音を立てて
さらに妨害される



「くっ!なんだこれ!!うっとおしいな!
これじゃあ捕らえられないだろ!!」


ああ逃げなきゃ




でもなんだか身体が重い



できるなら
また紫色の炎見たかったなぁ。



「…くーー、貴方様の
ーーがお呼ーーのに!!」


なんて?

嗚呼でも



温かい炎が、今は見たい。

お願い、どうか一度だけ。


あの温かい炎を


『イフ、リート、先生…』




助けて




そうぽつり

来ないはずの悪魔を呼び、目をゆっくり閉じた




生理的な涙がこぼれ落ちる。





嗚呼






『(もう…いいか)』





そうメルは目を閉じた


次の瞬間


辺りが明るく光り出し
頬を優しい温かい温もりが
包み込んでくれる。





「…おい、お前生きて帰れるなと思うなよ。」





++++++++++++++++++

イフリートサイド

「流石に四時間ぶっ通しはヤバいだろ…」




そうとぼとぼ帰るメルを放置し

見回りに戻ることにしたイフリート



まだ半分も見ていないし、

今日実は一人不審者をひっとらえたばかりで
血の匂いが気付かない様に
なるべく早く離れたかったのだ。


イフリートはメルが
帰っていくのを見送った後

そっと距離を離して歩いていた
すると突如大きな音が校内に鳴り響いた


「っ!?なんだ今の音」


加えていた煙草が
思わず落ちそうになる


反響しているが
音のなる方に身体を向けた


いやな予感が頬を伝う



「…いや、そんな訳」





ーふふっ!温かい〜



そう言っていた彼女がちらりと脳内を過ぎる



いや彼女の力を甘く見てはいけない。
だが…なんか嫌な予感が胸を過ぎって




「っ!イフリート!?」



急に出て来た使い魔のイフリートが
グルグルと唸り声を上げ始めた
どうやら向こう側に侵入者が居るらしい。


彼の手に乗りそのまま移動する。
移動途中で二回目の大きな音がした


「左だ」


そう声を上げ動かし
もう近い為身体を降ろしてる間だった




紺色の髪色をした悪魔がぐったりして
廊下に倒れているのが目に映る。



目を閉じていく





何時も見せない髪留めを外して


横に手を伸ばし


身体を丸めている姿に


小さくも確実に声が聞こえた



ーイフ、リート、先生






助けて。






そう言った言葉に身体が動いていた



バチンバチンと音が鳴っていたのは
どうやら彼女が必死に
防衛を行っていた音らしい。


彼女と侵入者の間に入るように身体を入れ
彼女の身体を少し動かし、声を掛ける



「メルちゃん!大丈夫!?
しっかりして!メルちゃ」


大丈夫か


そう声をかけるも、頭を持った瞬間
ねちょりと気持ちの悪い肌触りに
胸がぞっと冷えた。





よくよくみると怖かったのだろうか
涙の痕が一筋見えた。









…もっと早く気付けていれば
いや、血の匂いを考えずに
彼女をそのまま送って行けばよかった。







頭の中が腹の中が何か煮えたぎった感覚が巻き起こる






「…おい、お前生きて帰れるなと思うなよ。」




我ながら低い声が出たと思う。
ひぃと言う侵入者の背後には
我が相棒の使い魔が行く手を阻む。



頭を切ったのだろう
血が額からべっとり濡らしていた



手が赤く染まり
そのまま手に紫色の炎を煮えたぎらせる



逃げようとする侵入者に
イフリートが低い声で唸り声を上げる

するとうっと唸り声を上げるメルに
イフリートは身体を跳ねメルの方を見た。



気絶したままなのか、表情が少し優れない。
これは早くした方が良いな。




「下がれ、彼女を守っておけ。」

そう言ったエイトに
使い魔のイフリートが
廊下からメルの背後に寄り
そっとメルを腕で包み込み守りだす。





「…お前何故、彼女を襲った」




言え


そう言ったエイトが
目だけで殺そうと睨むのに

言わねぇ

と言って逃げ出す奴に
煙草を噛み手を前に出す



すると侵入者の腹部を
スパッと炎が裂ききれると悲鳴をあげる。




「うるせぇな」

「ひった、たすけったすけ」

「言え、誰の差し金だ」

「誰でもねぇ!俺一人だ!!
たのむ!!もう此処には入らなー」



そう言い切る前にエイトは目を細め
侵入者の首をはねそのまま燃やし尽くした
血が多少飛び散ってしまった。





「グルるる」




そう言った使い魔の声に
ハッと思い出す



「メルちゃん!!
イフリートもう戻れ!!」



そう言ったエイトに
イフリートは消えていなくなる。


とても寂しそうに「大丈夫?」
と言いたそうにしていた。


消えた炎から出て来た
メルをそっと抱き上げる。



「っかっっっる!!!」




バビルスの制服を着ているので
一見普通の体系に見えるが

食べない話を聞いていたものの
想像以上の軽さに驚いた。




こんな軽さで血なんて出したら
命に関わるんじゃないかと思う。


急いで保健室に入って処置しないと。


ああブエル先生今日非番だし
保健室迄遠いから、まず止血と水か。

そう考えてゆっくり
メルの頭を抑えつつ翼を広げ
廊下を飛び、水場に急ぐことにした。

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