Novel - Carla | Kerry

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あなたの点火がきれい4

act 42.




「人間〜〜丸ま〜る
我ら〜〜の食い物〜〜♪」

「魂・血と肉〜〜〜〜♪
残さず啜れ〜〜♪」

「さあさあ者ども集合だ〜集合だ〜
準備はいいのかああそれいくぞ♪」

「それっ音楽祭の始まりだぁ〜!!」

「さぁっ!いよいよ明日に迫りました!
一年生最後の表現“音楽祭”」

「近い近い」

近い近い
そうマルバスがロビンを
カメラに近づいた彼の少し後ろから
引くように指示を出す


「毎年音楽祭の案内は
我々若手が任されています」


「絶対楽しんでるだけだ
あの人らは…」


そうダリが「いいよいいよ」
スージーが「もっとボケて!」
とカンペを出して笑って見ている。

「はいはい!僕読みたい!
説明その1!
開催場所はバビルス講堂だよ!!」


観客も入るよ!
悪魔学校2〜3年の先輩たちに
皆の勇姿を見てもらおうね!


希望があればご家族も入場OKだよ〜


「そして!何と言っても
特別審査委員が来ます!!」


「今年も豪華ですよ〜!!」



大手アクドル事務所キュパ様


魔ーケストラ“ダンデ組”
多耳族のメーメー様




“元13冠”デルキラ様専属
伝説の音楽家アムドゥスキアス様



「有名悪魔ばっかりだ〜〜〜」

「各審査員には持ち点6点で
採点してもらうよ!」

「発表順は抽選!」

「当日代表者がクジをひいてね!」

「勿論優秀クラスには
豪華特典ご褒美もあるよ!」

階位ランクの昇級だけでなく、
審査委員のスカウトを受けて
魔界のスターになれるかも!?
さぁっ決戦は明日!!」

「死力を尽くして表現アピールせよ!
全力で目立て一年生!!」

「楽しみですねー明日!
どの組が優勝するんでしょうか!?」

「僕の予想はですねー…」

いよいよ明日
音楽祭の幕が開く
目標はただ一つ満点取る

それだけだ。

叩き込んだことを存分に発揮しろ
やれることは全てした!!



つまり




「…もうすこし落ち着かない?」



あわあわとメルは舞台裏で。


と言うか講堂の外で浮遊を使い
ブンブンと空を飛び回っていた。




それはもうハエのように



『ぜっ!ぜんっ
全然緊張してないですよ!?
うん!大丈夫!!』


「足ガッタガタだけど?」


『いやいやいや
いざ明日って言われたらさ!?
練習しきった分末恐ろしいじゃん!?』


「落ち着け。ノート逆だぞ逆。」


『むるむるむるむるむるむるむる』


無理がメルになっていますよ。


って聞いていないかと
ツムルは冷や汗を垂れ流した。



オリアス達若い組が指揮っている中
メルはラストを飾る

まぁいわばオマケでの出演アピールである。


今回歌を踊りをと一人でする所を
審査員にも伝えており
特別に、見て貰えるという


とんでもなくレアな機会を設けて貰っていた。




そのラストを台無しにも
勿論、豪勢に終わらすことも可能なのは
メルは超絶分かり切っており…



『(元演奏部門としてラストが
どれ程大事なのかは
身体が痛い程知ってる!!)』



幼少期走るだけではだめだと言われ
母から音楽を叩き込まれていたメルは

前世のトラウマを蘇らせ悲鳴を上げていた。



口から呪いの言葉が出る勢いで
ひたすら不安をつらつらツラツラと
ベルトコンベヤーで物を流すように


均等に出す姿には


流石に呑気に声を掛ける余地が無く。



「メル先生…大丈夫かな?」

「不安が染みわたってるね」

ダリが「メルちゃんの様子見て来て♪」
と指示されたイフリート・ツムル・イチョウは
メルの姿を見て不安を覚えた。



先程からバッと顔を上げては
落ち込みの繰り返しを
浮遊しながらしている。


なんならその不安が拍車をかけて
家系魔術を使って、身体がバラムなのに
顔がロビンとか姿が小さいとか
バラバラで通常の姿を維持させれていないのだ。


そこまで落ち着きがない所は
正直初めて見るもので。



……割とがっつり引いて見ていた。



「えぇ…メル先生?
とりあえず降りない?」


『私を捕まえてどうするつもり!?』


「いやとって食わないから…」


「駄目ですね。
かっっぜんにメルちゃん
パニックを絵に描いたようです。」


そう言ったイチョウにダリが通信で
ーあら〜〜と声を上げる。

「もーこうなったら仕方がない!
メル先生ちょっと降りて!!」



俺に考えがある!!


そう言ったツムルにオロオロしていた
メルもぴたりと止まり
ツムルをみて首を傾げた。


+++++++++++++++++



「はいここに立って」

『?』

動くなよーと言ったツムルに

あ、駆け付けてきてくれたと
先程まで司会を務めていた若い組と
ダリ達が来てくれた。


いやいやいや何々何。


そう首を横に振るメルに
とりあえず落ち着けと
イフリートは煙草を吸いながら


メルがこれ以上どこにも
行かないように
肩に両手を置いて抑えていた。



「皆さん俺の言った通りでお願いしますね」



そうにやりと笑うツムルに
コクリと全員が頷く。

それにイフリートは
そっとメルから離れ
メルは右を左を見て首を傾げる。


「よっ!気遣い出来る悪魔!!」

『!?』

「器用!」

『!?!?』

「優しい!癒し!!」

『っ!?』

「素直で可愛い!!!」

『……!?』

「声綺麗!!」

『…って』

「明るくて元気!」

『待って!?』

「やれば出来る子〜!」

『待ってっつとるだろ!?』



そう赤面するメルにえ〜?とダリが
ニヤニヤしながら止めるの?
と首を傾げて言う。


勿論スージーも同じように仕草をしており



いや可愛いなとつい本音が出る。



『ツムル先生…?これは?』


「ふっふっふ、アクドルファンとして!
マルバス先生と組んで自信の付く
伝統をやってみせたんですよ!!」


そうだった!
マルバス先生お姉さんに
アクドルのサポートで
お仕事しているんだった。


そうメルは驚き固まる。


「名付けて“褒め円陣ミサ
自信ないって聞いたからこれ位やらないと〜」


「地獄か」


そうオリアスはマルバスの会話を聞いて
即メルの姿を見てゾッと顔を青ざめた。


※“褒め円陣ミサ
円になって信仰神アクドルを囲みましょう。
あとは心を込めて推しポイントを叫びましょう。


「あとは長所を言い合って〜」

『…指示する所的確で凄い』

「…ん?」

『あと褒め上手、教え上手でしょ?』

「…あれ?ちょっと?メルちゃん?」


そう頬を赤らめるダリに
あ!とメルが指を指して言う
どうやらオリアスの方に目線が行ったので

オリアスが標的になったようだ。
オリアスはぎょっと見て驚き固まる。


『教えてなくても
ちゃんと生徒に手振ってるの
可愛くて好き』

「可愛くて好き!?」

『あと髪の毛毎日決めてて
凄いなって思うし』

「嗚呼…うん。」

『キザっぽいのが
またかっこよくて好き!』

「メルちゃん!?
オリアス先生のライフゼロだよ!!!」


そうメルが目を付けた教師を
これでもかと目を合わせながら言うのに
徐々にされた教員は恥ずかし過ぎて照れ始める。




「大丈夫?オリアス先生」

「無理かも…」


それにギブとオリアスは両手で顔を隠し
ストップをマルバスが身体で表現している。


逆にメルは吸い取っているのか知らないが
青かった顔が徐々に頬を赤らめていく


『新人で凄い努力家で
集中力抜群で凄い!』


「っ!ありがと!!
君も凄い集中力で
努力家で凄いよ!!」


『赤い髪ふわふわで可愛い!
でもにかって笑う所
男っぽくてギャップ好き!』


「あり、がと…?」



そうロビンやツムルまで
犠牲になっていくのに

イフリートはイポスと共に
汗をダラダラと流していた。


「こないで!!!」


そうメルと目をぎゅんっと合わせずに
そっぽを向いたのに
気付いたのかメルが近寄ってくる

『分からない所教えてくれて
周り見てて凄い!好き!!』

「っ…ありがとうございます」

『丁寧にモノ扱ってて凄い素敵!!』

「あ、ありがと…
確かに照れるねこれ」


『あり過ぎて言えないから
論文にして提出するね!!』


「何で僕だけ?!」


うわぁ……と言ったマルバスとオリアスに
イフリートは救いないの!?と声を上げた。


その間にスージーが
メルの背後から声を掛けた



「メル先生」

『っ!!』

「音楽祭の不安と私の可愛い
どっちが強いですか?ふいっ」

『スーちゃんの可愛いかわ゙い゙い゛ーーーー!!!』

そう言って抱き着いたメルに
よしよしとスージーは嬉しそうに
メルの背中を
トントン音を叩き落ち着かせる。


何時も通りのテンションが戻ってきて
調子がどうやら戻ったらしい。


メルはスーちゃんスーちゃんと
呼んで嬉しそうだ。

スーちゃん呼びって駄目?
と言ったのにスージーは
構いませんよ。と答えている。



「…全く、人騒がせだな」

「ほんと、貴方の子は大変ですよ。」


この恥ずかしさをどうしてくれよう。
そう言ったダリに魔樹はにかっと笑って
明日にぶつけたれと答えた。


「…良いんですね、ほんと。」

「嗚呼…奴ならきっと…
彼女を見てくれる。」


ハガキも来たしな。

そう言った魔樹は
楽譜の五線譜が入った
用紙をダリに見せつけた。


中央には“待っている”とだけ書かれて。


それにはダリも
ため息を吐くしかなかった。



「ま、本番に強いからなあいつは。」


きっと新しい姿を見せてくれるさ。
そう言った魔樹に
ダリはそうだねと答えたのだった。



+++++++++++++++++



「寝れない?」

『…ん。』

そうダリはメルが寮の外に居るのを見かけ
翼を広げてメルの居た
女子寮の屋上に来て声を掛けた。



時刻は11時。

何時ものメルならもう寝ており、
なんなら外に出る時間ではない時間で。


ダリは明日の調整で
ようやく仕事が終わり
身体を休める時に
見かけて寄ってみたのだ。



「あんなに褒められてまだ不安なの?」

『違う…コレが正しいのかどうかはまた別物。』

そう手を伸ばして言うメル

その先には

白いワンピースを着た少女が

目を閉じていた




おじぎをして



ただ此方に膝を少し曲げて。



「大丈夫さ。
君が決めた音なんだろ?」



ソレは。



『…そう、そうだよ。』


手を取ろうとしてすっと引いたメルに

少女は泣いて笑い、
ふわりと消えて居なくなる。


それに、ただ胸がツキリと痛む。


その姿をダリは見ながら
翼をたたみそっぽを向いて聞く



「ねぇ、君は戻りたいの?」



帰りたい?

そう聞いたのにメルはダリの顔も見ず
分からないと答えた。


『ずっと頭の中で分かっているの。
私は悪魔に成れない。悪魔ではいけない。』

「うん」

『でもそれでも私は望んだ
願った祈った…奪った。』



あの時間を。私は奪ったのだ。人生を。


私は私の人生を奪って

この場所に生きている。


『だから…それを、見せて…
呆れられるのがきっと怖い。』



いいやと首を横に振る。



『心の中では分かっているの。
これで良いからこそ
不安のままで居続けたい。』



終止符を打ちたくない。


そう言ったメルに

ダリはそっかと答えた。



「明日だね」

『明日だ…ね、ダリ先生』

「んー?」

『明日…きっと皆、驚かせるんで。』

ダリ先生も楽しみにしていてくださいね。


そう笑ったメルに、ダリは目を奪われた




「(…ほんと、奪ってしまえたら、どれ程良いか)」



おいで。とも言っていないのに
ダリの胸の中にメルが入ってくるのに
ダリは驚きで固まる



「!?!?」

『あれ?こうされたくなかった?』

「ちょちょちょちょメルちゃ!?」

『…ありがとう。』

「…いいえ、此方こそありがとう。」


そう背中を叩くダリにメルは微笑む
どうしても寝れないのはでも…と
言ったメルに
「なら〜」とダリが答える。


「絶対に寝れる方法あるけど、やる?」


あ、でもメルちゃんにはまだ早いかな

と人差し指を立てたダリに
一目散にメルが声を上げた



『っ!やります!!』



両手をグーにして、
ただキラキラとダリを見て言うメルに



「(嗚呼ーほんと、そういう所だよ。)」



そうダリの胸の奥にざわつく黒い影を押し上げ
目を開けたままダリは自分の口に薬を放りこみ
そっとメルの顎を掴んで口付けた



『!?!?!?』

「っ(あっっっま…)」



これが人間の唾液か


舌を絡めて
とにかく彼女に薬を飲み込ませる。


逃げようとするので
腰を掴んで離れないように。

勿論頭の後ろもしっかり
手で掴んで逃げれないようにして。


くちゅくちゅと音を立て続けていると
メルの目が驚きの目から
蕩けた目に変化していく


嗚呼〜感じてくれてるんだなと思いつつ
薬が溶け切るまでダリは離れない。


『っふ、んっ、ふ』

「(息出来るじゃん…)」


止めていたのが難しくなったのか
鼻で息出来るようになったのは褒めよう。


にしてもマルバス先生直伝の睡眠薬ラムネ


効果あるかなぁ〜



そう思いつつ、ダリは溶け切ったのを
メルの歯を舐めながら考える。


メルはメルで
もう何にも考えられなくなり
ただ気持ち良さに
目が蕩け身体をダリに委ねていた

そっと長いキスをした後
糸が引くのを見ながら離すダリ

名残惜しそうにするメルに
ニヤリと笑ってみせた



「…へぇ?もっと欲しい?」

『ふぇ…?』

「っ、ほんっっっと…あのっさ!!」


蕩けた顔で見て来られて
此方もちょっとクるものがある。


嗚呼自分まだまだ元気だな…

って言うかコレ殺されない?


あれイフリート先生に殺されるくない?



そう考えつつもダリは胸の中でそっと
意識を落とした彼女を抱きかかえ
あ゙〜〜と声を上げた。


「…ごーめん、エイト先生。
やっぱ…駄目だわ。」


俺、コレ欲しいわ。


そうメルを抱きかかえ、

ダリはそっと飛び上がった。

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