ままままま。
「魔王!?魔王ってあのデルキラ様の!?」
前回のあらすじ。
メル、覚醒。
白い翼を広げ
翼に幾つか草と樹木のツタが触る
金色の目を輝かせ
黒い髪の毛が胸元までおろされている。
姿は白いワンピース姿で
中は黒くて見えない。
裸足になっており
左側には金色の腕輪が輝いていた。
『“メル”だよ!!おきて!!
あーさだっよおおおお!!!』
「煩い煩い煩い!!!!」
あはは!そう笑って浮遊するメル。
黒き翼を持つ魔界の裏で
白い翼を持つ者が世界を維持する。
「アンタたち本当に異端よ異端。
アタシでもこの子を
目覚めさせる音は出せない。」
そう指を指すポロに
メルは自身を指さし
こてんと首を傾げる。
『ポロちゃんポロちゃん!!!』
「何よ」
『えへへ!!呼んでくれた!嬉しいの!!!』
「…あんたねぇ〜……
メルでも返事したげなさい」
『なんで?“メル”だよ?』
「じゃないとアンタの事を
焦って困ってる奴が大量に居るのよ。」
不安の音がさっきからこっちを
ちくちくちくちくと
刺して来て鬱陶しいわ。
そう言ったポロにメルは
むぅと膨れた後
分かったと頷いて翼を広げ……
一目散にダリの胸に突っ込んだ。
勿論ダリは軽く飛ばされ、壁にぶち当たる。
あばら普通に折れてるだろうが、
すぐに回復魔法を入れている
メルに何も言う事はなかった。
+++++++++++++++++
『あ〜!ポロちゃんだ!!!』
お友達〜!!そう笑って飛ぶ
メルに手を振ったポロ。
これは一体とダリが聞くのに
ポロが説明はアンタの方がいいんじゃない?
と魔樹に声を掛けた。
「…まぁ、そうだな」
「魔樹さん?」
『おまじゅ?』
「そ、オマジュよ。
…ねぇメル」
『ん〜?なぁに?ポロちゃあん!』
そうニコニコ聞くメルに
ポロはダリ達の前で唐突に言う
「アタシと一緒に此処からでない?」
「っな!!!!!」
キョトンとしたまま固まるメルに
どう?と手を差し伸べる。
「きっとアンタの知ることが広がるわよ。」
『…コイも?アイも??』
「ええ勿論。手に入るわ」
「メルちゃ…」
『やぁだ。それなら要らない!』
「…へ?」
そうぷいっとふくれっ面で
そっぽを向いたメル
ふわりと翼を羽ばたかせて
ダリの後ろから
両肩に手を置いて言う
『だって!』
『此処がメルの居場所だからぁ〜〜!!!』
「…っぷっくくっ、っはははははっ!!」
ああそう!そうなのね!!
そう笑うポロにメルは
満足そうに『うん』と頷いた
「分かったわ。
デルキラ様が帰ってきたら
ちゃんと迎えに来るわ。
それまで待ってなさい。」
“約束”よ。
そう言ったポロに
メルは首を大きく傾げた
『でるぅ???』
「デルキラ様よ」
『でるぅ!んーいく!!
バイバイ!!!』
言ったわね。
そう言ったポロにメルは首を傾げた。
これが後に大きく変わって行くとは
メルも周りもまだ知る由もなかった。
「…それにしても」
「それは一体?」
「僕に聞かないで欲しいかな。」
そう先程からメルは白い翼を広げて
ダリの周りを浮遊し続けて居る。
ねぇねぇと言わずに
ただ。
ただ見ている。
離れてと言っても距離を取るだけで、
実質ストーカーに近い。
音楽祭終了後、
ポロからメルのランクは
そんな感動はつゆ知らず。
メルはありがとうと一言言って
ダリの元に帰って、ずっとこれだ。
職員室の中でも
翼を広げて空を浮遊している。
「メルちゃん危ないよ〜〜!」
「…確かアムドゥスキアス様
“メル”って言ってました、よ、ね」
『ん!呼んだ?』
そうカルエゴ達に聞いていた
オリアスが言った発言に
メルがすっとオリアスの元に
降り立って首を傾げる。
それにあーと
声を上げた後
ダリが告げる
「“メル”」
『ん』
「翼はしまえるかな?」
『ん〜〜〜こぉ???』
「ちがうねぇ〜それ。
左だけたたんでるねぇ〜」
『じゃぁあ〜〜こぉ???』
「ちがうねぇ〜それ。
右だけたたんでるねぇ〜」
こう!そう言ってメルは
両方たたむことに成功した
褒めて褒めて!
と頭を出しているのに
ダリははいはいと言って
ポンポンと頭を撫でた。
「…一応名前の呼びかけを
変えたら素直に聞きますね。」
「すげぇ…」
「“メル”ちゃん」
そう言ったのに少し反応して、
そっぽを向いたのに
アレ!?と焦るバラム。
ダメですよーとダリが言う。
「はっきり言ってあげないと。
…“メル”」
おいで。
そう言ったダリに
メルはテトテトと裸足で走り
ダリの胸にぽふんと音を立てて寄ってきた
『きたよ!』
「はいはい。良い子良い子」
わはー!そう嬉しそうに
尻尾があるなら今頃
尻尾を振っている事だろう。
メルは嬉しそうにしていた。
「僕達の記憶…なさ、そうですね。」
「そりゃそうだ…一応覚醒だからな。」
「魔樹!!!…て、きみ」
『んーーー……』
消えかけている魔樹に
メルが寂しそうに駆け寄る。
頬を触ってごめんなぁ
と言う魔樹にメルが
やだやだと首を横に振り
涙をぽろぽろと流し始める。
「泣くな…これがお決まりだからな。」
『ふっ、うっ、ふぁ』
そう声を出して泣くメルに、
魔樹はダリと声を出す。
「すまん、こいつを頼んだ。」
きっとお前が…導いてくれる。
そう言って魔樹は
メルをそっと抱きしめる
翼を広げ黒く赤い翼に包まれるメル
「良いかよく聞け」
「お前はこの魔界を見届けるんだ…
時間はお前が幾らでも決めて良い。
それでも人を願うなら。」
それまで生きられるから。
『いかない、で?』
「駄目だ。また会える。」
『…ほんと?』
「…夢の中、お前が呼べば必ずいくさ。」
『うん、メルずっと呼ぶから…!
おいてかないで!!ねぇ、おねがい…
ひとりに、しないでぇ』
「嗚呼、何かあれば
周りの奴らにでも聞け。」
なんならお前が聞いた歌でも聞かせろ。
そう言った魔樹にメルはこくりと頷いた。
「大丈夫だ…お前なら、ずっと」
『あっ!!…魔樹、』
そう溶けて消えていった魔樹に
メルは寂しく肩を落とした。
『ふっ…うっ、っあ、』
「…メルちゃん」
「無理もないですよ、
何だかんだ仲良かったんですから。」
記憶にない場所に落とされ、
ただ涙を流すメルに
しんと周りが静まる。
「なんだ此処はお通夜か。」
「カルエゴ先生!?」
『ふっ、うっ』
「…新しい魔樹よ、此処に何故残る?」
そうカルエゴが翼を広げてメルに問う
膝を立ててメルの顔を伺うのに
メルは首を傾げた
『っ?』
「何処にだって飛び立っても構わない。
それこそ…前の魔樹様が降りていた場所でも。」
「カルエゴ先生!!!」
『…やだ、ここが…いい』
「ですが…」
『温かい…ここ。
記憶が誰かが言ってる。』
そう言ったメルに
「そうですか。」とカルエゴは答えた。
それにメルはこくりと頷く。
「ですが流石に翼は仕舞って
出来れば記憶が戻れば尚良いんですが。」
「カルエゴ先生あっち
行きましょうあっち!!!」
『んーーー???』
「メルちゃんはこっちねーー」
そう手をあわあわと降る
マルバスにメルは首を傾げる。
『…ん?ん…んん?』
「ん?」
「どうした?メルちゃん
マルバス先生の顔見て」
『ん…?んーーーーー』
何処かで見たことある。
そう言ったメルに
「えっ?」とマルバスが驚く。
意外も意外。
メルとマルバスの接点は
ほぼ無いに等しいのだ。
誰かと勘違いしている
可能性もあると思いたいのだが
メルが顔を見始めたのに
一同が不思議がる
『ん?あれ君も…君もあるな…
…あれ?メル…あれ?』
オリアスやロビンを見て
首を傾げるメル
これは?
「俺見たことある?」
僕は?
そう指を指すダリやイフリートに
メルはうんと答える
『ダリダリとエイト!!』
「…記憶に強く残る者は
覚えているって感じですかね?」
「さぁーーーー」
メルちゃん…じゃなかった。
強めに…
「“メル”ダリダリじゃないよ。
ダリ先生ってはい」
『えぇーーー…ダリ、せんせ…』
「ん゙っ」
「ダリ先生!!!
強く意識を持って!!!!」
そう何時もは絶対に外に見せない
メルがしょげて甘える姿に
ダリのハートにクリーンヒットが入る
それにバラムが慌てて
ダリのカバーに行く。
「にしてもメルちゃん…」
「覚醒って言ってましたからね
…魔樹も消えましたし。」
「今計ったら本当に
うーーーん。
気にしないで置こう。
彼女は彼女だ。
そう言ったダリに
一同は全員頷いた。
「とりあえず…“メル”ハウス」
『にゃーーー…』
メル先生、こっちです。
そう言ったモモノキにメルは首を傾げる。
どうやら『どうして?』と言いたそうだ。
「一人じゃないと落ち着けないの。分かって?」
そう言ったダリに
はぁいと答えるメル。
今の所ダリ以外言う事を聞かない。
強めに言うと
イフリートでも対応が可能だが
何故かダリにだけ
メルの名前を呼べば
言う事を聞く。
「んー多分使い魔のアレかな?」
「使い魔になったから血の繋がりとかで?」
恐らくは。
そう言ったダリに
ふむとイフリートは迷う。
「…ごめんね。エイト先生。」
「いえ…にしても災難ですね。」
とんでもなく甘えで。
そう言ったエイトに本当にそう。
とダリは肩を落とした。
明日が三連休で
本当に良かったと心から思う。
メルの姿を出来れば
元の姿に戻してあげたい一同だったが
魔樹の言い残しにカルエゴの説明を聞いて
どうしても元に戻る可能性は
薄いことを知ったのに
このまま生徒に見せ続ける訳にもいかず。
暫く寮で飼うことに決定した。
幸いにもダリやエイトに懐いている為、
言うことを教えたら一人でも居られるし
何ならスージーとすぐに仲良くなって
今日は一緒に寝ると嬉しそうに笑って居た。
後で茶菓子か何か買ってあげないとと
ダリはふと思って煙草を噴いた。
「にしても…凄まじい魔力でしたね」
「ええ…悪魔一人でも凄いのに…
あんな大勢を別世界に映すとは」
青い世界、桜散り舞う温かな世界。
その世界にメルは
ただ嬉しそうに笑って
世界を見せてくれた。
シロツメクサの冠は、
入間達に送られたままだ。
カルエゴ曰く、報告では
「被っていたらすこぶる健康で幸せになる」
と話を聞いてる為、
恐らく回復魔法が仕組まれたものだろう。
「純粋無垢な思考な為…外に出すには流石に」
「絶対悪用される間違いない…」
ただでさえ前のメルでも
凄まじい威力だったのに
これ以上上がれては困ってしまう。
だが…
「(これで…人間では、なくなった…のか?)」
本当に?だが魔樹が居なくなったということは…
あれ?魔樹は本当に悪魔か???
ひょっとして…
「(人間で魔力をひたすら
移り変わりしている…?
いやいやまさかそんな)」
いやあいつらありえそう。
そう思ってしまったダリは胃が痛くなる
イフリート夢終了
次からダリ夢へ