Novel - Carla | Kerry

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発火する距離2

act 7.




触れた炎が温かくて

私はその感情の答えを隠した。





それから二週間位が過ぎた頃
テストも終わり、授業も落ち着いて来た頃だった


頭の痛みも胸の痛みも
スッと消えて居なくなった時



急にダリ先生に呼ばれたので何だろうと思い
職員室に入った。





「あ、来たきた。」




げっ…

今絶賛会いたくないNo.1居る…



そう顔に出さずに
何とか堪えるメルの前には

先日気付きそうで気付くのを恐れ

感情に綺麗に蓋をした。






その蓋の中身であり元凶である張本人の
イフリート・ジン・エイト先生が居た。



エイト先生と呼んでいたが
最近はイフリート先生と
距離を保つために呼び方を戻した。



と言うか気が抜けるから
あんなことになるんだ。私。



それに一人だけ浮かれて
彼に迷惑をかけてしまったのは事実だ。


あんな侵入者の一人や二人、自分が落ち着けば
家系魔術を駆使してもしなくたって倒せた筈だ。


「メルちゃん、イフリート先生と
ちょっとお買い物頼まれてくれない?」


『ああ分かりましたお買い物ですね…
うんうん、分かりました。』





………………うん?






『え?待って?お買い物!?おかいものぉ!?』


「うん!いやぁちょっと次のイベントで
使うのに材料足りなくってさ!」


『え?生徒使えないんですか?』


何時もの生徒に無理矢理押し付けるとかは?
そう言ったメルに
教員側の材料だから生徒には流石に
やらせれないよと首を振ったダリ。


「それに女性と男性一人ずつコンビ組んで
買い物行くのがバビルスの伝統なんだよね!!」


『…私今までそんな伝統聞いたことが』


「はいはい!ほらイフリート先生に
材料まとめて書いたメモ渡してるから
買いに行ってね!!」


ちなみに時間外でいってね!
そう笑うダリにメルは
この後叫ぶことになった。





++++++++++++++++++



『お待たせしました…』

「いや時間30分前だよ…」

しかも僕も今着いたし。
そう言うイフリートの姿は休みの為教師服ではなく
黒のジャンパーに中は白シャツ
下は黒の長ズボンをはいて来ていた。


一方メルは外に出ると言うのもあり
流石に全身黒のフードを被って移動するわけにもいかず

(ちなみにモモノキやスージーに相談したら即刻却下された。)




白のガウンワンピースを羽織り中は白のTシャツに
真ん中に花柄がプリントアウトされたもので
下はジーンズ色の長ズボンを着て来た。


流石に足を出す訳にはいかない。
主に自分の細さが色々バレるので。


まだまだ外に出すには細すぎると
何となく直感が言ったので

というかスージー達と
服を着替えまくっている際に超絶注意された。



なんなら今日食事に行って
好きなもの三つ程作って来いとまで指示されている。


いや待て、ひょっとして
ダリ先生スージー先生とタッグ組んで
イフリート先生と私を
くっつけさせようとしてない???






あっははははは!!いやまっさかぁ〜!










…いや本当にやりかねない。







あの二人だ。

あの二人組である。



あのカルエゴ先生すら
餌にして笑い続ける彼らだ。



こんなのお茶の子さいさいだろう。



『えっと、とりあえず
何から買いに行きます?』


「んーと、本当に一人で
買いに行くようなものばっかだよ?」


工具と布とあと消耗品。

そう言ったイフリートに
メルは嘘嘘と言いながら
内容を眺める。



うわぁ本当だ。



何故二人なのだろう。


そう首を傾げる程の内容である。



いや…なんか嫌な予感がする。


そっと振り返るメルに
どうした?とイフリートが声を掛ける。



『…いや誰かに見られていた気がして』

「…え?嘘、誰も居なさそうだけど?」

『はぁ…流石に気のせいですかね。』



一応認識阻害メガネを持って来ているので
装着するとイフリート先生が
それは?と声をかけた。



『認識阻害メガネですよ。
ほら念のためイフリート先生のも
持って来てます。』


「えっマジで?…まぁ確かに
誰かに見られたら割と後で
茶化されるし、良いか。」


そうメルの手から
そっとメガネを受け取る。

男性用のを買っている訳でもなく
何となくフリーサイズを
間違えて頼んでいた余り物だ。


その為まさか使い道が来るとは
思っていなかったのはこっちの方だ。



メルはひとまず先程の内容を見て
ふぅむと考えた。


ついでだ、今まで少し練習していた効果を使おう。



『すいません先にお手洗い行ってもいいですか?』

「え?分かった。
じゃあそこら辺見てくるね。」



お願いしますーそう言って
トイレに向かったメル…だったが



ただ巻いただけである。


『…よし、“幻想の箱庭”!!!』


そう取り出したのは
イフリートそっくりの姿。


彼に指示をして
本当に出来るかどうかのテストだ。


これが出来る出来ないで
今後の仕事が決まる。



『よし、君にノルマを上げる。
この材料を買いに行って欲しい。
形はこんなもの。』



そうメモに書かれていた物
そっくりを作り出す。


ぶっちゃけ形だけであれば
映像みたいなものを
映し出すのは可能だ…



勿論人型以上の物体効果はないが。



『声出さなくても当たり前の物だから多分分かるよ。』


できるね?そう言ったメルに
こくこくと頷くイフリート先生。


いや〜我ながら可愛らしいな〜喋らなければ。



そうニヤニヤしながらも
メルは認識阻害メガネをかけさせ
彼の姿を見えない様になるべく
透過ローブを着させることにした。



これでほぼ外からは認識されないし、
何ならイフリート先生と合わない間に
荷物買う手間が裂ける。



そして食事になって
時間が過ぎても割と間に合う。


それに渡したのは本当に
消しゴムとかペンとかの消耗品系だ。


ついでに買ったとか
適当に言えば騙されるだろ!!!



一応トイレにもきちんと行く。

こういうのは八割本当二割嘘が騙されるのだ。



良い子の皆は真似するなよ!!
悪魔だから許されるんだからな!!






…あ、悪魔も結構駄目か。


なら駄目じゃない?





外に出ると壁にもたれかけて
外を見るイフリート先生がいた



ひぇ〜立ってるだけで
似合うなあの悪魔…マジ目に困る。



お待たせしましたと
なるべく気にしてない素振りをする。



落ち着け私。落ち着け。




特に今大絶賛意識爆上げの
私の心臓落ち着け。




『お待たせしました!』

「待ってないよ、ん」

そう手を出されたのに
え?と固まる。



「ほら手繋がない?」

『え゙っ!!ああいや傍にいますよ!?
そんな子供じゃないですし
はぐれないですって!!』


「…そう?」


ああそう困らせるつもりは無かったのだが…


じゃあついて来てねと言われて少しだけ
否定した自分を恨んだ…良いもん、
後で幻想使って、癒されるもん。



心臓はその分痛くなるけど
一応癒されるから。



そう思いながらメルは
イフリートの傍で歩き出す。



「近いからそこの店入ろうか。」



そう入ったのは日用雑貨の入った店だ。

木材を使用した文房具から何から何まである。


可愛らしい小物雑貨に目移りするが
今日はお仕事で来ているものだ
…決してデートではない。



というかこの悪魔達が
デートや友達を知っている訳がない。





どの資料を見てもそんな
恋愛の話で言葉を見かけたことがないからだ。


何なら雑誌にも無かった。

親友と友達が無かったのだ。



そんな友愛系が無ければ
恋愛系も殆どないだろう。




そうふんでたら割とあるは
ある…もデートだけが無かった。


何故だ。



『(…あ、そうか恋愛や友達って
平和だからこそあるものだ)』



生きるだけで精一杯の魔界である

バビルスにぬくぬく居座っていて
ついつい忘れてしまった。


此処は魔界


私は居た場所は、人間界。



平和で平和ボケしてしまっていた世界だ。


『(忘れてた…私は悪魔なんだ
此処は、血みどろの世界)』



今まで感情を消し去って
生きていた分身体の中が空っぽで



今とても楽しく
昔の記憶と同じように考えてしまっていた。




…忘れないと
此処は魔界で、私は悪魔。



あの幸せな世界とは
かけ離れた場所に降り立ったのだ。



いけないいけない

一人になるとすぐナイーブになってしまう。



メルは首を横に振り
イフリートの声に集中した。




「ねぇメルちゃんはどれがいい?」

『私ですか?』



うん。女の子の意見も欲しいし。

そう言って指を指したのは布の色だ。
次の準備に必要と言われていたが…


『ん〜黒とかも捨てがたいですが
割と白も買った方がいいかと。』


「え!?白…そういや
メルちゃん白好きなの?」


服も白いしそう言った
イフリートにメルは
『ああそうですね』と答えた。



割と黒や紺色も好きだが、白も好きだ。




「悪魔に不人気No.1の白が好きだなんて…」




『え゙』





そうだったの!?
まぁ悪魔血生臭いし…?

いやそれは偏見か。



メルは悩みつつ
そうですねぇと
理由を聞かれて答える。


『白って何にでも染まれる色って
何処かで聞いたことがあって』

「なんにでも?」

『ええ、自分が白であれば
どんな場所にも溶け込める。』




それは自分が空っぽだからこそ言えることだ。


誰かの物に移ってしまえば
本当の自分は見えないから。



だから



本当は見られるのを恐れているのだろう。



嗚呼、だから私は。




「へぇ〜〜!そんな観点があったか。」

『へ!?』

「え?だって溶け込めるって事は
本当になんにでもなれるって事でしょ?
いやー観点違うねぇ
…ねぇ本当に教師ならないの?」


『ちょ!?イフリート先生まで
何言うんですか?!』


「しー…こら、ここ外だから先生抜きで。」


じゃあ…………イフリートさん?

そう言ったメルに
まぁそれでもいいかと
何かを考えた後諦めた。


一体何を諦めたというのだろうか?
まぁいいか。



『イフリートさん』

「なぁに?」

『イフリートさんは
好きな色何ですか?』

「僕?僕は…黒かな」

『おおぅ真逆ぅ』

「ふふっそうだね」



その間のグレーがあれば
まだ貴方の事を知れたりした…かな?



なんて。




「君の言葉を借りるなら、
黒はどんな者に染まろうとしても染まれない。
一度決めたことは貫き通す。」



そんな意思が込められて
そうだから好き、かな?


そう言ってにこりと微笑む
イフリートに『へぇ』と
メルは声を上げた。



『白は黒にも染まれるし
白は白であり続けられますよ。』


「へぇ?それは僕の色に染まりたいって?」




…あ



『ちっちちちちちちがっ!!!』

「っくくく、ごめんごめん冗談」



そう頭をポンポンと撫でられて
ううと頬の熱をなんとか飛ばす。
一瞬ドキッとしてしまった…


ああ!駄目だめ!!こんな調子じゃ!



首を横に振って次々と声を上げた。


どれ位使うか分からないので
一応多めに買うことにする。



衣装に使うなら尚更だ。



手持ちは理事長のお金から差し引く
って言ってたけど大丈夫かな…?



ひとまず衣類系は変えたし、
ついでに工具もその間に見つけて来て買って貰った。



イフリート先生曰くメルちゃんには
まだ早いとのこと。






うん私もそう思う。


そう何か不穏な殺気を感じ取り頷いた。



「えーっとつーぎは〜?」

『宝石系ですね?
…あ〜これ私持っていいですか?』

「え?何か当てあるの?」

『ええ、でもイフリート先生を
連れて行けない場所なので』

「えっ何々そんな怖い所!?」

『いやっ違って…その家系上と
いいますか、かなり秘密の穴場なので。』




そう言えばタリスマンの事を伝え忘れていた。
もうこの際だから隠してしまおう。



作る時に水晶やルビーなど
宝石を使用したりするのだ。


それを採掘する場所を
実は穴場として見つけており
そこからとって来たら良いかと思ったのだ。




だからこれは内緒なのだ。




だって…こんなの言ったら
私が本当に彼のことを。



「へぇーそっか、残念。」

『えっ?』

「あっいや何でもないよ。
えーっと次はなんだ?」





今待て残念って言った?



何に?穴場行けないのに?


いやいやいやいや気のせいだ
うん。気のせい。


そんな大事な所に
彼を連れていけば
彼もきっと勘違いするし





うんうんそうそう。





…勘違いしたまま、そのまま溺れられたらいいのに。






『(…なんて、言える訳もない。)』





メルは『はぁ』と
ため息を吐いたのに気付いたのか
イフリートが疲れた?と
声を掛けてくれた


いえ特にと思ったが
確かに普通の悪魔であれば

割と集中した方だろうから
疲れたに入るのではと考えた。




これはお言葉に甘えて
疲れたと言ってみるべきだろう。

疲れたそう言ったメルに
じゃあ休憩するかと
飲み物を買ってくると
彼が一度席を外れた。



それと同時に近くに
幻想の彼が背後に来たのに気付き

後で彼がトイレに行く際
買ったと口実を作るべきだろう。


中身を見せて貰い
何処で購入したのか方角を聞く。



東側に行ったのか。


そしたらそのまま買った方向に向かうべきだな。



分かったと頷いてメルはあえて
買っていない物にピンを立てた。



荷物は先に入れて
下の方に入れたらバレないだろう。


中に荷物を渡して入れ
指を鳴らし幻想の彼が消えていなくなる。


ご丁寧に透過のローブたちも消えた。
うん、彼用に作っていたものだから
消えて逆にラッキーなのだが。



丁度タイミング良く
イフリートが戻ってきた。



「お待たせ〜」

『いえいえ〜!あれそれって』

「メルちゃんが前に僕が食べさせた時の
フルーツジュースだよ。」


確か食べた果実は苺だった気がする。

アレも小さいわりに
雄叫びを上げていて怖かった。


魔苺まいちごの果実の残った
ゴロゴロ魔苺まいちごジュースだ。


『わぁありがとうございます!!
あれ?そっちは何ですか?』


「これ?ゴロゴロ魔林檎まりんごジュース。飲んでみる?」


赤い。べらぼうに赤いぞ。どっちも。

そう感じるメルに
大丈夫大丈夫怖くないと言う
イフリートにメルは
えぇ…と声を上げる。



「試しに僕飲んでみようか?」

『そんな毒見みたいなこと
しなくても構いませんよ…』

「…そういう割には手進んでないよ?」


って言うか寧ろ
僕に押し付けてきてない?


そんなこと言われましても
身体が勝手にするんですよ!!!




全く持って身体が拒否し続けて来て20数年。


実に困った身体である。




「もぉ、君ストラス先生に
課題持ってるんじゃないっけ?」


『っえええ?!何で知ってるんですか!?』


「だって僕もダリ先生から
課題言い渡されたから。」


『え?イフリートさんも
ひょっとして苦手な食べ物が?』


「……失敬な、君よりかは雑食だよ僕。
まぁ君の克服コースに参加させられた感じかな?」





僕は別に良いけど。


君が別の誰かに無理矢理
食わせられるのを想像するよりかは
自分で餌付けしておいた方が後に残らないし。



そう言ったイフリートに
メルは『うん?』と首を傾げた。
まだ早かったかな?
と笑うイフリートに頬を膨らませた。



「で?飲んでみる?」

『(確か林檎と苺って
林檎の方がまだ後味スッキリしてるよね?
ってことは林檎先に飲んでた方が
割と後飲みやすい?)』



そう考えたメルは『はい』と言って
イフリートの手に持っていた
魔林檎まりんごのジュースに刺さったストローを咥えて
目をぎゅっとつぶり勢いよく飲んでみる。





すると口の中に甘くでも
後味がスッキリする




まさしく人間界の林檎味を堪能する。






『ん〜〜!!おいひ!
(待って!?本当にゴロゴロ感も
林檎と同じだ!!!)』


シャリシャリしていて触感も楽しい!


そう目を輝かせたメルに、
イフリートは良かったと
メルに笑顔を見せた。



『あ、私のも飲んでみます?』

「うん、頂戴」

はいどうぞ。そう言ってメルは
イフリートが飲みやすいように身体を動かし
腕を上げて彼の口元に魔苺まいちごのジュースを持って行く。


すると口にくわえた彼が
ジュースを見ながらスーッと飲みだした。


すぐに口をストローから外し
モグモグと触感を味わっているのか
口からほんの少し
じゃりじゃりと音が聞こえる。



「うん!美味いね!!」

『ほんとですか!?』


飲んでみて?そう言った
イフリートに『はい』と言って
メルはジュースを
両手で掴んだまま飲んでみる。


すると口の中が苺で一杯に広がる。

じゃりじゃりした触感は
恐らくゴマ部分だろうか?

まぁ深くは見ないつもりだし
触感も味も苺なので
普通に美味しくて好きだ。



林檎も捨てがたいがな!




「どう?」

『美味しいです〜!あ、お金』

「いいよ今日は僕の奢りで」

『えぇそんな悪いですよ!』

「ふふっ君がこれでこれから食べる物が
増えるとしたら安い出費だよ。」



そう笑うイフリートに
そんなこと、とメルが言う。




…だってこんなに食べ物が美味しいとは思わなかった。




というか、今まで自分がどれ程
人間界を恋しがっていたのかを
思い知らされる位だ。


きっと帰りたいのだろう…

帰れば、もうバビルスにも


傍に居る彼にも二度と…





いやいや、私は悪魔なのだ

そう帰れるわけもない。




『にしてもこんな外楽しいんですね』

「うん、僕もぶっちゃけ驚いてる。」

『え?イフリートさん外出ないんですか?』

「いや君よりかは出てる自信はあるけど…」



…待って引きこもり情報誰から聞きました?


ダリ先生から大元はストラス先生らしいよ。
おうふ!そこやっぱ繋がってるよねぇ!!!


「黒いフード被って夜な夜な
徘徊して怖いって苦情聞いたよ?」

『待って下さいマジですか
…いやでも理由があるんですよ。』

「え?理由?」

『…黒だと闇に溶け込んで気付かれないから』



ああつくづく気付かれたくない人なんだなと思う。


隠密系の方がわりと職業
合ってるんじゃなかろうか。

なるべく自分の行動が
他の悪魔に知らされたくない
というのもあった。

そう言ったメルに「へぇ」と
イフリートが意外と声を上げた


「メルちゃん
外では明るくて元気だから
寮でも元気な子かと思ってたけど…」

『へへ、かっこ悪い所聞いちゃいましたね。
私結構引き籠ってるんですよ。』

「だから食べれないんだよ。」

『うっ…ねぇ、イフリートさん?
今日、なんだか棘ありません?』

「いいえー?何処かの誰かさんが
名前で呼んでくれないからじゃないですかねぇ?」


そう睨むイフリートに
やはりバレていたのかと
ぐっとこらえる。


ねぇ、此間のことまだ引きずってる?
とイフリートが声を掛けた。


何のコト?とぎこちなく言うメルに
とぼけないでと距離を縮められる。






「僕のこと最近避けてるでしょ」

『そ、そんなこと』

「気付いてないとは言わせないよ?」

『うっ…その、確かに…あの日は覚えてます。』

「…やっぱり、怖かったんでしょ。寝れてる?」


そう頭を撫でるイフリートに
別に其処までではなかった。


だが、そう「勘違い」をさせて
心の芯を「誤魔化して」しまわないと
いけない気がした。


そうしないと、私は、

この場所バビルスから消えていなくなりそうで。





『一応、は』

「嘘本当は眠れなかったんじゃない?
相談してくれたらよかったのに…」

『いやご迷惑をおかけするには!』

「前に僕言ったけど、君が心配だから」



その後の音が聞こえなくなった。


まるでブレーカーが落ちたかのように
ブツンと、音が耳を拾わなくなり
脳が処理をしなくなった。



それからなんとか蓋をして寮に帰宅した。

ばたんとドアを閉めた後
ぼたぼたと涙が落ちていく。



心配だから



そうだ彼は私の事を好きじゃー




胸が痛く燃え盛っていく。



嗚呼駄目だ、気付いてはいけない。



そう感じては首を振って荷物をまとめる。




はぁ今日はにしても凄い日だったな。




一応まとめて置かないと。


そうメルはノートに向かう。
ブーブーと音のなるスマホを無視して。

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