『…ん゙』
「あ、目覚めた?」
おはよ♪
そうニコニコ。
とてもすっきりした顔で言うダリは
待って今水取ってくると席を外す。
暫くするとコトリと
音を立てた後に声がかかる
「大丈夫?起きれそう?」
そう言われて起きようとしたが
身体が痛みを悲鳴を上げて上がれず固まるのに
ごめんねと言いながら背中を押してくれて
そのまま水をゆっくり飲ませてくれる。
ぱたぱたと水が口から零れるのに
飲み干してから謝る
『ごめ、飲めなくて零しちゃった』
「いいよいいよ。そのままでも。」
そうしょげているダリに
メルは首を傾げた
『どうかしたの?』
「え?いや〜…
初めての君に
がめつき過ぎたと
猛反省してるんだよ。」
痛いでしょ。腰。そう言ったダリに
そりゃあまぁとメルは答える。
『でも温かくて
気持ちいいから大丈夫だよ。』
痛みなんて多分頑張ればなくなるし
そう言ったメルに
ダリがはぁとため息を吐く
「君さぁ…抱いてても思ったけど、
ほんっっと日を追うごとに
発言気を付けて。」
『え?何で???』
「…何?もう一度抱かれたい?」
『いいえ今は、いいです…』
「ならよし。」
そう言ってダリは
水を飲み干したメルのコップを置きに返った
おかわりは?と言われて首を横に振ったのだ。
暫くするとかえってきた。
「ったく、アレで無意識とは君も凄いよ。
純粋無垢とは聞いていたけど
まさか破壊力が此処までとは。」
僕も長い悪魔人生
君みたいな子初めてだよ
と深いため息を吐いた。
『無垢って破壊力無限大?』
「うん。」
『…無垢じゃなければいいのかな?
…ダリに染まるとか?』
…そうかそうか。
「…やっぱり犯されたりないようだね。」
そういう所だよそういう。
そう睨むダリに
メルは首をブンブン横に振る。
「まぁ今度またたっっっぷり
甘やかしてあげるから。
今はもう少し寝てな。
寒くない?大丈夫??」
『あ、うん…』
また?今度?甘やかす??
そうこんがらがるメルを無視し
ダリは息を大きく吸って吐いた
「今度やたらめったら
他の男悪魔に抱き着いたらこうするから。」
言わないでよ。
そう言ったダリに
メルは顔を少し赤らめ
コクコクと縦に頷いた。
よし口封じは完璧だろう。
流石にあんだけ抱き犯したんだから…。
あ、そういや用事あったな。
「メル、ちょっと出かけて来るけど
誰が来ても開けちゃ駄目だよ。」
『???うん、分かった。』
「痛み和らぐ薬草
一応採りに行ってくるから。」
『うん???じゃあ寝てるね?』
「ん。ほら魔ライオンの
ぬいぐるみ返しておくね。」
すっかり忘れ去られていた
大きな魔ライオンのぬいぐるみをメルに渡し、
ダリは上着を着たのに
メルは行ってらっしゃいと手を振った
にこりと笑ってダリは
手を振りドアを締め鍵をかけた。
+++++++++++++++++
「バラム先生今構いません?」
「あ、ダリ先生
こっちに来るなんて珍しいですね。」
どうしました?そう言ったバラムに
幾つか用事をとダリが言う
「前にメルちゃんの
日誌を渡した筈なんですが
もう解読って出来ました?」
「あ!出来ましたよ待って下さいね」
「あとついでに
身体の痛みが取れる薬
とかあります?」
「?一応生徒用に作っていますが。
何処か筋肉痛にでも?」
「ええ少し。
あとメルちゃん用に欲しくて。」
「彼女ひたすら走りまくって
筋肉痛にならなくないです?」
「念には念をですよ〜それで?」
ああこれですこれ。
そう言ってバラムはメルの日誌に
幾つか用紙が挟まった物を
まとめてダリに渡した。
「文献を解読するのに
手間取って時間がかかりましたが
一応全て翻訳済みですので
…あのその内容なんですが。」
「…?どうしました?」
少しというかかなり心配そうに
言い出すバラムにダリは不思議に首を傾げる。
「まぁありがとうございます。
お話はまた今度で。」
「ああそう言えばメルちゃん用に
配合薬作ってるので
まとめてお渡ししておきますね。」
これが具合が悪くなった時用で
こっちが筋肉痛とかの痛み止め用
「あとこっちは生理の痛み止め用です。
かなり薄く作ってるんで
痛い時は複数飲んでも可能で。」
「…頭上がらないなほんと」
「あはは、前にメルちゃん月に一度
お腹凄く痛くなって動けなくなるって言ってて。
相談しに来てくれてたんですよ。」
「え゙…それはいつです?」
「えっと…覚醒前じゃなかったかな?」
あ、ならまだ良いか。
「何か問題でも?」
「いえ。にしても助かります。
彼女市販の薬手出すの怖くて。」
「あはは…マルバス先生からお聞きしましたよ。
前に睡眠剤作って効果薄めたのに
効き目良くて困ったって。」
「お恥ずかしい話ですよ…
薬の耐性はまた練習させるつもりです。」
「それ用にお作りしましょうか?」
「あ〜…いえ、構いません。流石に其処までは。」
「いやいや、生物の調査も勉強になりますし。
メルちゃん他の女悪魔よりも一際薄くしても
効き目強いじゃないですか。何かあるのかなって」
おっと鋭いな…長居は無用だな。
そうダリは思い適当に話を誤魔化し
そそくさと出て行った。
「…ったくメルちゃんったら、
ダリ先生のことやっぱり好きだったんだな。」
そうバラムはダリが
メルを捕まえたことに気付いたのを
ダリもメルも知る由もなかった。
+++++++++++++++++
「メルちゃーん良い子にして…おっ、と」
物音がしない。
鍵を開けて帰ってくると
なにも音がしないのに少し驚く。
「メルちゃん寝て…メル?」
『っ…』
そう身体を丸め、
腹に手を当て悶えているメルに
ダリは声を掛けた
「メル?どうしたの?」
『っあ…っぐ』
スンと鼻につく香りに驚く。
「ごめん…準備するちょっと待っててね。」
そうダリはバラムから貰って来た薬と
メルの小物入れから
一つ経血処理用の紙を取り出す。
「はい起きれそう?これ飲んで。」
『っ?…っく』
「バラム先生からメルに月一の痛み止め。
かなり薄いから痛すぎたら複数使用可能って。
あとこれね」
『…準備良すぎて怖いんだけど』
「くくっ、
そりゃ流石に無知じゃないよ。
ほら温かくしてて?
今温かいモノ作ってくるよ。」
そう言ってダリはメルの傍を離れ
温かい料理を作りに行った
+++++++++++++++++
『(…ほんと、二週間ちょいで生理来た。)』
割と初めてかもしれない。というか初めてだ。
メルとして核が外に出て生活をし始めてからは。
痛いというのも実は生理よりかは腰の痛みとの
コラボレーションで割とどっちが痛いか分からなかった。
多分腰の方が痛い筈なのだが…
気を利かしてくれたダリに強く言える訳もない。
そっとしておいた方が良いだろう。
『(…にしても、昨日は流石に。)』
かっこよすぎて辛かった。
そうメルはダリが反省している中
必死に落ち着かせようとしていた。
いやだって滅茶苦茶かっこよかった。
なにあのイケメン。
いつもニコニコしてるのに
余裕なくなっていくのがまぁ嬉しい。
なんでかこう嬉しい。
ほわほわしてずっと身体が落ち着いてる。
『(…考えても出て来なくなっちゃったのに)』
貴方のことが薄くクレヨンが
しかれて見えなくなってる。
嫌なのに、嫌な筈なのに。
すぐにダリ先生が腕を引っ張って連れ出してくれる。
青い世界から、二人で一緒に堕ちてくれる。
嗚呼。さよなら私の青の世界。
このまま堕ちた先に、
私の知る世界はあるのかな。
「はい。食べれそう?」
そう言っているとダリ先生がご飯持って来てくれた
いやほんともう…意識すると照れるから困る。
あの子のことがダリ先生見ると
すぐ消えちゃうから困るんだ。
悩んでいるとダリがうん?と覗き込む
「…メル?」
『っ、た、食べるよ。』
「待って」
お願い気付かないでよ
「…あの子のこと、まだ忘れられない?」
嗚呼、ほら。君は鋭いから。
『…ううん逆』
逆なの。
『メル、あの青い世界ずっと考えて
…思い出せなくて』
「っ!!」
『思い出しても辿り着いても顔も思い出せなくて
嫌なのに嫌な筈なのに…
ダリが手引っ張ってくれるから。』
ずっとここが温かい。
そうメルは胸元を掴みながら笑ってみせた
『だからメルずっと温かいの。
一緒に居てくれる…だから嬉しい。』
「…うん、居るよ。
ずっと君が死ぬ方が早い位には。」
『ふふっ。ねぇほんとにメルで良かったの?』
「え?何?好きって言い足りない??」
そう首を傾げるダリに
メルはううんと首を横に振った。
何となく分かった。
貴方が私を見てくれること。
『お腹いっぱい!…だから食べさせて?』
「はいはい。大きな
『へへ!あーん!!』
そう嬉しそうに笑って食べるメルに
ダリはふうと息を吐いた
+++++++++++++++++
青い世界に手を伸ばして
青い世界で息をし続けて
鳥籠の中でずっと居た彼女
誰よりも何よりも力を強く持ち
魔王が太陽としたら魔樹は月
同じように力を持つ者。
そんな地位の彼女はただ無垢で真っ白。
ずっと青い世界を見続けると思っていたのに…
『…ううん逆』
逆なの。そう言った
メルの言葉に目を丸くしてしまった。
『メル、あの青い世界ずっと考えて
…思い出せなくて』
嗚呼…魔樹が前に言っていた通りになった
連れ出してしまえるものが現れたら。
それは本当に…力を得た証拠であると。
『思い出しても辿り着いても顔も思い出せなくて
嫌なのに嫌な筈なのに…
ダリが手引っ張ってくれるから。』
青い世界から引っ張り出してくれるという彼女。
嗚呼…ほんと、可愛らしい子だ。
誰が手を声を上げても
必ずその世界を見続けていた。
結局戻って暴走する。
なのに、今日起きてから
ずっと思い出せないらしい。
…それは
「(嗚呼…奪った)」
嗚呼…君の心ごと、掬い取った証拠だ。
ニヤリと笑いつい笑みが消えない。
それにメルがダリの名前を呼ぶ。
「いや…僕に染まってくれたなぁってつい嬉しくて」
『っ!?!?!?』
おっと?
「あれ?そういうつもりじゃなかったの?」
『ひぇっ!?』
赤面する彼女ににやりとにやけが止まらない。
あ〜〜〜か〜〜わいっ!!
「ま。栄養補給も出来た事だし
何かしたいことある?持ってくるけど」
『あっいや立てれぐっ…つ』
「…ほら、そう無理しない。痛いでしょ?」
そう背中をさするダリに
メルはコクコクと頷く
『じゃあ本取って下さい。
ノートと一緒に。』
「ん。何する?」
『二年の勉強』
「りょーかい」
ほいそう言ってダリは教科書を渡すとそのまま
資料を持ってメルの寝ているベットの下に腰掛ける
『…何を?』
「え?此処で仕事する。
看病も出来て癒されながら
仕事出来て一石三鳥でしょ♪」
『…独り言多くなりますよ?』
「邪魔ならないって♪
分からない所あったら教えてよ?」
そう言ったダリに絶対分からない所でないって
暗記科目なんだからそう思ったメルは
半分はいと答えたのだった。
+++++++++++++++++
コンコンとノック音が鳴る
「…っ?はーい何方〜」
そうダリが声を上げていう
開いてるよと言ったのに
ガチャリと音が鳴って入る
「ダリ先生ちょっと渡しておきたい資料が」
「ああごめんそこの机に置いといて。」
「…何事で?」
『あはは…ゆっくりしてる。』
そうダリが床に資料を散らばらしつつ
見比べながら作業するのに
メルは入ってきたイチョウに苦笑いで返した。
「はいはいちょっと今立ち入り禁止」
そう長く居そうな予感がしてダリは腰を上げる
メルの生理は一応血がかなり出る。
ダリでも結構耐えているというか
唾液を大量に飲んだおかげか知らないが
何故か耐性が出来た。
血の匂いがするのに其処まで苦にならない。
と言うか心配が勝つ。
「…?あれ?何か変なにおいしません?何処か怪我でも?」
『っ!?』
「イチョウ先生」
そう睨むダリにイチョウは気付いたのか
失礼と少しおじぎして謝る。
「分かったら出てって下さい
あと他の子にも伝えて。
一応テレビ通話なら許可しますので。」
「分かりました。
丁度ツムルが遊びに行こうか
って言ってたんで伝えます。」
「了解。資料ありがとね中身見とく。」
いえいえ、ではそう言って出て行った
イチョウにダリはため息を吐いた。
「あっっっぶなっ!!メルちゃん!?」
『あはは!!だって〜
血の止め方メル知らないもん。』
「…それが書いてるんだよねぇ。はいこれ」
『??なにこれ』
「君の日誌に書かれてた一部分抜粋。
ついでだからそれ暗記しといて。」
『ぴぇ!?ちょ日誌本体は!?』
「保管中。それ覚えて使えるようにしよ。
魔力の調整は今度教えるから。」
今は覚えて。
そう言ったダリに
はぁいとメルは答えた。