Novel - Carla | Kerry

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オハラもそう言ってた

act 16.



「それじゃメルちゃん行こうか」

シュルりと音を立てて制服に袖を通すダリに
メルはコクリと大きく頷いてドアをくぐった



三日後



バビルスは冬休みに入り、今空きが出来ている。

その為、メルが翼を出しても誰も見られない…
まぁこの休みの期間に帰省する者が殆どで。




『はわぁ〜〜〜!!!』

「ふいっようこそバビルスへ♪」

『スーちゃ!…あ!
えと、スージー先生!!』

「ふいっ♪よくできました。
ルールを説明しますねぇ。」


そう何時もの私服ではなく制服、
教師服にメルはコクコクと頷く。

メルの姿は
前に袖を通していたバビルス教師服で

少し動きにくいと思っていたが
すぐに慣れているのに
自分は案外慣れるの早いなと
何処か思っていた。


「ダリ先生と一緒に
一つずつお題を考えてクリアします。
その際ダリ先生は
一切答えを言わないで下さい。」


「了解♪ヒントは良いよね?」


「分からない程度であれば構いませんよ♪
最終地点には日暮れを目標とします。
もし最終地点に辿り着けなかったら…」


『た、辿り着けなかったら…?』


「ふいっ♪その時のお楽しみですふいっ」



だああああああ!!!!



「さて今回私からお題を。
此方を解いて出て来た答えに向かって下さい。
それでは私は植物のお手入れに行きますねぇ〜」


頑張って下さい〜ふいっ♪
そう言ったスージーは
何処かに行ってしまった。


「ついでに僕からも。
今日一日バビルスにいる間は
何時も話している口調は禁止。
勿論先生方の名前単体は禁止だよ。」


『えっとそうなれば…
ダリ先生って
お呼びすればいいですか?』


そう言ったメルにそうそうー!
とダリが声を上げて嬉しそうに答える。


何時もの優しい声ではなく、
ただハキハキしているだけで、
その笑顔がとても不審で
正直信じられないのだが…。

あれダリ先生ってこんな感じだったっけ?
こんなに怪しいの満載なの???


メルは何故
ダリ先生が良いと思ったの????


そうメルは前の自分に
ダリを良いと思ったことに
不思議がりクエスチョンが上がる


「一応前にも説明したけど
一応君と僕は上司と部下ね。
僕は敬語使わないけど
基本君には使ってもらうから。」


馴れ馴れしくすると変な噂立つし!
嫌なら適度な距離感持とうね!
ほらスムーズな仕事をするならさ!!

そう言ったダリにメルはこくりと頷いた。

『では此方をまず…ん゙〜〜〜〜〜。』

そうスージーから受け取った一枚の紙を見る。
中央に“意思を持つ者持たざる者と出会える場所は?”
という言葉がかかれていた


『え゙〜〜〜〜????』


意思を持つ者持たざる者とは?

と言うか出会えるってあんだ?


そう不思議そうに首を傾げるメルに
ヒントいるー?
とダリが言うもメルは待ったとする。


「(まぁ教師であれば楽勝…というか
ヒントは大体分かってるんだけど。)」


そうダリは何処までをヒントにして
出してあげようか悩んでいる中
メルはメルで何の意味だと首を傾げる。


これでも今までツムル達と
ただ駄弁っているわけでは無い。

覚醒した以上
すぐに戻ってこない記憶ならば
もう一度勉強し直してしまえばいい。


思い立ったが吉日
ということでほぼ一か月メルは
平日も休日もコツコツ勉強をしていた。


まぁダリも魔歴史と教員の為、
部屋には教科書もある。

暇な時に読むとして
適当にメルは読んでたし
何ならダリも勝手に読んでいいと
許可を出していた。


『(まず意思があっても
無くても出会える場所があると)』


つまりその場所であれば
何かしら出会えると。



え?何待って?



『…まさかどこでもドア!!』

「メルちゃん???」

おっとすいませんつい勢いで。


メルはダリに
バツマークを出されて苦笑いした


『(でも何処にでも行ける
という意味では違うが
似たようなものと
思っておかしくない筈。)』


なら出会える…であえ、ん?


『あっ!分かった!!!使い魔!!!』


「お」


『使い魔なら意思が最初在る者だって
無い者だって出会える。
だって召喚するから!!』


えーーっと校舎の地図地図!!
そうメルは
ポケットに入れていた地図を出して
今植物園に居るからとぶつぶつ声を上げる。


『使い魔召喚場所はこっち!!!
ほらダリ先生いきますよぉ〜!!』


「はいはい、走らないよ〜」


ルールは守ろうねーそう笑うダリに
はぁいとメルは手を上げて答えた。





+++++++++++++++++




「ん、来たか」

『はわ…!初めまして?』

「意識がある状態では初めまして、か。」

「あれそうなのカルエゴ先生」

そう使い魔召喚場所に居たのは
ナベリウス・カルエゴだった


召喚担当者がカルエゴだからというのと
単純に理事長から任されて立っていたという。


「此方はカルエゴ先生♪
アブノーマルクラスの担任と
バビルス筆頭教師で
使い魔召喚儀式の担当者だね!」


「ナベリウス・カルエゴだ…
早速だが使い魔召喚のテストを行う。」


『っうぇ!?』


「…マジで言ってる?」


「はっ!私がわざわざ理事長の許可だけで
ホイホイと此処に移動するわけがないでしょう?」


ニヤリと不敵な笑みを浮かべて
ダリを見るカルエゴに
ダリはそっとメルの背後に入る


「新人」


『ん!?私です!?』


「お前以外に誰がおるか!
ほらさっさと言え。
使い魔召喚は?」


『えっと…その1…
羊皮紙に血で丸を書く。』


そう言ったメルにカルエゴが紙を出す
それにゲッとメルがすすっと下がるが
安心しろとカルエゴが言う

「俺の印が入っているわけでは無い。続けろ」

『…?…ん、あれ?おっ??』

「あ〜カルエゴ先生、手伝っていい?」


そうメルが指を歯で切ろうとしているのに
仕方がなくダリが手を上げる
それに構いませんよと答えるカルエゴに
ダリは近づいてメルの指を持った


「ごめんね痛いよ」

『っ!!い゙っ!
…たくない?ん??』

「っ!!!」

『あぼだぼた』

「こらこら遊ばない!」


そう焦るダリにメルは先程
自分で言ったことを思いだし
羊皮紙に血を円を描くように書いた


「次」

『えっと…その2は、
羊皮紙を持って
魔術陣の中に入ってどこだ陣どこ??』

これ?これ?そう言って
メルはきょろきょろしながら
魔術陣の中に入った

『その3羊皮紙を中央のろうそくに
かざすだから…此処で良いのか。』

そうメルはろうそくに
火が灯されていないのを見て
カルエゴに質問を投げかける


『カルエゴ先生質問は構いませんか?』

「……いいだろう。なんだ」

『ろうそくに炎を付けても構いませんか?』

「構わん」


じゃあ良いんだな。よし。

そうメルは手に小さく
イメージを思い浮かべた

ライターみたいな火で良いから欲しいな。
ライターライターライター

そう思い目を開ける


『っ!“ラファイア”!!!』


そう言うとメルの指から
小さな炎がボッと出現する。

よし!成功したぁ!!
おっと顔に余り出さない出さない。


そっと炎をろうそくにうつして灯す
手を振るって炎を消し
目の前のろうそくに立つ


『…思い出せないけど、とりあえず』

無害で可愛くて…あ、
魔術使えるようになるって事は
ある意味今メルは魔法使い!?

なら前にアニメで可愛いキャラいたよね。
あー魔ライオンのぬいぐるみ
みたいなキャラいたいた!!


アレ欲しい欲しい。えーっと


無害で可愛くてふわふわで…
そう思いながらそっとろうそくに
羊皮紙を溶かした

ぼふんと音を立てて出て来たのは…



『…か』


茶色の毛並みにたてがみ、
耳は丸く白い角がトレードマーク
細目なのか横に線が入った目に、
尻尾は白い綿毛みたいになっており…



『かわいいいいいい!!!!!!!』

「ブッ!!!!!」


何これ何これなにこれえええええ!!!
超可愛いんだけど!!


『カルエゴ先生!
使い魔召喚出来まし、
たって…あれ?ダリ先生は!?』


「っぶっ、ん゙んっ、気付かんのか?」


そう笑って居たのを
全力で堪えるカルエゴにメルは首を傾げた。

胸の中にそっと優しく
抱き上げたぬいぐるみみたいな
魔ライオンを抱えつつ。

『???はい。あれ?
ダリ先生〜??何処ですかー???』

「…使い魔がいる間は
ダリ先生からのヒントは無しだ。」

『え゙!!ちょ聞いてないっ!?』

「粛に!!ほらコレが次のお題だ。
では私はこれで…嗚呼そうそう」


ん?


「メル!追加でなぞなぞを出してやろう。
この私が言うんだ絶対に解けよ。
制限時間は日が消えるまで。」

『え!?ちょちょメモメモめも!!!』

「歩く図書館はどんな奴だ?」

『…え?それだけ!?』

じゃあ。ぐぐっと言って
消えていったカルエゴに
メルは腰を降ろした

『えぇ〜〜〜???
歩く図書館はどんな奴って言ったよな?
はぇ??なにそれ意味わかんない
けど…とりあえず。』


そう言ってメルはさっきから固まっている
魔ライオンのぬいぐるみを
そっと床に置いて座らせると

メルは立ち上がりパタパタと
服を叩いた後そっと床に正座する



綺麗に背筋を伸ばして座ってジッと
魔ライオンのぬいぐるみを見た後
ばっとおじぎする

『初めまして!安名メルです!!
好きな物はスパゲッティです!
嫌いな物はフルーツ!!
仲良くしてください!!!』


喋れるの!?ねぇ君凄い可愛いね!!

何処の世界から来た!?

そう目をキラキラして
でも正座を崩さずワクワクと
ただ両手をブンブン
縦に振っているメルに


遠くから笑い声が聞こえた


『…?いる?誰か。』


そう思ってみたが、
誰も居なさそうなのに
おかしいなぁと首を傾げる。


心なしか目の前の
魔ライオン凄い汗欠いてる気がする。


『喋れないのかなぁ?
…君の名前は?』


それに魔ライオンは
動かないというか
小さく首を横に振っている気がする。


『…んーじゃあメルがじゃなかった、
私がお名前付けて上げる!!
何がいいかなぁ〜』


ライオンさんだから。
ライ君とかも良いよなぁ。


『君の正式名称が分かればいいんだけど…
じゃあ首ってふれる?ブンブンって』


そう言ったメルに
魔ライオンは首を振ったのに
メルは嬉しそうに
ぱああと花を咲せる様に驚く


『わあああああ!!
動くお人形さんだ!!!!
えっとねえっとね!
ふわふわな魔ライオンさんだから…
直球でライ君とかどう?
嫌?嫌なら変えるよ??』


それに魔ライオンは縦に頷いたのに
メルは嬉しそうに笑う


『じゃあこれから
よろしくね“ライ”君!!』


そう手を出すメルに
そっとライ君は手を出し握手した






…勿論それを外で見ている者達もいて。

「んぐぐっ、まっ、ら、ライ君…んぐっ」

「…カルエゴ君、笑い過ぎ。」

「あはは…まさか魔ライオンの姿が
隣に居たダリ先生と気付かないとは」

「まぁメル先生
覚醒前に召喚してますから…」

記憶が無いのも無理はない。

そう上からカルエゴ、バラム、
オリアス、マルバスが
メルの姿を見て笑ってみていた。

勿論だれ!?
と言われた時は気配を消したが。

「それにしても急に正座して
仲良くしてくださいは…んぐっ」

「カルエゴ君…」

「おっと皆さん散りましょ!
メルちゃんこっちきますよ!!」

「では僕達はこれで!
カルエゴ先生お疲れさまでした!!」

そう言ってマルバスはオリアスと共に奥に走り
カルエゴはバラムと共にメルが来た道を戻った





+++++++++++++++++



『ん〜?誰も居ないなぁ…
確かにカルエゴ先生とバラム先生と
オリアス先生とマルバス先生の魔力が
あったんだけど、気のせいかな?』


「(気のせいじゃないよ!!!!)」


そうダリは心の中で強く叫んだ。
現在ダンダリオン・ダリ
メルに召喚されて現在使い魔状態。


ちなみにメルは使い魔が
召喚出来ることやダリが使い魔で
あることは知っていたが…


覚醒した状態から一度も
使い魔を召喚したことが無かった為


そんな話もすっかり忘れて
中身がダリという情報は
すっかり抜け落ちていた!!!



「(まさか僕って気付いていないとは…
カルエゴ君、まさかコレを狙って?
いやそれはないか。)」


だが好都合って感じの顔はしてた。
散々人をおちょくったんだから
こんなことになって当然だって顔。


…まぁ、良いか。
彼女にヒントが出せないのは
精々1時間程度。
長くても3時間くらいでしょ。


その間にカルエゴ君のを
ヒント無しで答えられたらいいし。
さぁ…大丈夫かな。この子。


ダリをぎゅっと胸に押し付け
脇に手を入れて用紙をみていたメルが
嗚呼ごめんねとやさしく声を掛ける


『脇だけで痛いよね?
背中とか脇に負担かけちゃってごめんね…』


これでどうかな?よいしょ!
そう高い声を出し
メルが身体を軽く跳ねて
ダリの腰部分を抱きかかえた




所詮子犬を抱える姿である。



「(ちょ!!公開処刑でしょこれ!!
あっっのアブノーマル教師め…)」



後で覚えてろ。
そうダリは心に誓い、
メルの胸元で
そっと苛立ちを募らせていた。






一方で




『ん〜、この問題難しいなぁ…
もう全部教室回った方が早いのでは?』

それにライ君がぺしぺしと
私の腕を叩いて首をブンブン振る
駄目だよねぇ〜そーだよねぇ。

『にしてもダリ先生
一体何処言っちゃったんだろう?
まぁライ君が居てくれて
ちょっと心強い位かな。』

あっ!決してライ君が
頼りないとかじゃないよ!?

傷付いちゃったらごめんね!そう言って
メルは優しくライ君に対して答える。



とにかく声が幼い。
ダリと話す時やスージー達
それにイルマ達と話しているのよりも
ずっとずっと幼い。


まるで


「(子供扱い…というか
すっっごく優しいね君!!)」




ちょっと惚れ直すから止めて欲しい。
そう照れるダリを無視してメルは考えて唸る。


『傍に居ないとこんなにも
怖いんだなって…今ちょっと怖くて』


「(…あ、確かに震えてる)」


メルが生まれたのはこのバビルス

生まれて周りがメルではない
前のメルではないと
不安そうな姿を見せていた為か

恐怖心がどうしてもあるだろう



メルはライ君をそっと
強めに抱きしめ謝る


『ごめんね…ちょっと
ぎゅっと抱きしめさせてね。
…っ、ダリ先生』


「(無理もないか…
君は否定されて生まれたと
勘違いするように
僕達が見てしまったからね)」


記憶は?どうして?
そう項垂れた記憶を思い出す。


あの時とても嬉しそうに笑って居たが
内心はそれどころじゃなかったのだろう。


怖くて怖くて、
周りに早く打ちとけられるように。


逃げたいのに帰りたいのに、
彼女の外側が此処が良いと
言ってくれた決めた場所から
逃げるなんて出来なくて。


メルにとって今
バビルスは恐怖の場所になっている。
…それを薄々は分かっていた、が


「(まさか怖くて泣く位とは…少し不味いな)」


そうライ君を抱きしめつつ
肩を少し震わせ
とぼとぼと前を歩くメルだったが



「(あれ?止まった…?)」


『っく…ふっ、やだ』


怖がっている。
直で痛みが繋がる。


「(大丈夫だよメル)」





僕は此処に居るよ。




そう思ってメルの頬に伝う涙をぺろりと舐める
それにしゃがんでいたメルは驚き顔を上げた



『っ!…ごめんね、慰めてくれるの?』



そう言うメルに
こくりと縦に頷くダリ


「(泣かないで。僕は此処に居るよ。)」


『…ありがと。そうだよね、
泣いてばっか、
っ、いたら…だめ、だよね!』


ゴシゴシ腕に涙を押しやって
メルは良しと言って




頬をぶん殴った




「(!?!?!?!!?)」



『いっっったい〜〜!!
多分!!!でも…めー覚めた!』



よし!いこうー!そう笑って言うメルに

ダリはほっとした






「(良かった…ひとまずは安心だな)」

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