Novel - Carla | Kerry

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オハラもそう言ってた2

act 17.


『えーっと、切り替えて問題みよう』

そう言ってメルは足を進める前に立ち止まる
左側の壁による所、此処は素だったんだなと
ダリはメルの癖を改めて知った。

『“地位と奈落”…お゙お゙ん゙???』


「(地位と奈落???)」


その言葉しかなくて顔を青ざめるメル
えー何だ何だと首を傾げる

『はわ〜ダリがっじゃなかった
ダリ先生が居ない時に
ヒントが欲しくなる事案発生とは
お先真っ暗とほほなんですが…』


「(待って僕もちょっと分かんないんだけど)」


『えぇ?地位と奈落、奈落と地位
いちとくらな???…ん?』


「(あ分かった)」


そうダリは閃いたのだが…
メルはうんうんと唸っていた。


「(まぁ確かにこの単語だけじゃあなぁ…
ヒントダメって言われちゃったし〜ん〜)」


『ひとまず歩くか…いや止めておこう。』


むやみやたらと歩くのは
体力の消耗的に不味いし。

そう言ったメルにダリはコクリと頷いた。

それに気づいたのかメルは
ダリ…否魔ライオンの姿をした
ライ君を見て笑う


『お!ライ君もそう思う!?
わぁ!私と同じ意見だねぇ〜!!』


「(っ!…全く。
僕だと気づいた時が面白そうだなコレ)」


自分の状態を面白がるくらいじゃないと
なんだかやっていけない。
そう思ったダリはため息を少し吐いた


『逆に読むわけでもないし、
ローマっづうわっぶない。
文字を細かく分けるわけでもない。』


「(今ローマ字って言いそうになったよね????)」


そうダリは思いつつも、
メルは気にせず考える。


『待てよ?逆に考えれば?
奈落と位置って思えばどうだ?』


「(お)」

『奈落に落ちる位置?
と言うかバビルスの中に
奈落なんて怖い所ないから
多分高い所を指しているとして…
その位置がちーずーのなーかーにー…』


そうダリを少し脇で持ちながら
地図を片手で広げるメル

本来ダリは自分で飛べるのではあるのだが
今現在メルが
「飛べないお人形の使い魔ちゃん」
と思い込んでいる為、

そのまま抱かれた状態のままいる。


『ないけど…待てよ?
地位ってくらいでしょ?
ってことは階位ランク????』


「(おおお???)」


『待って待って待って!階位ランクって
確か使い魔召喚と飛行試験だったから
このまま飛行試験できる場所ってこと!?
あそこ奈落みたいな場所だもんね!!!』

「(僕が居なくてもちゃんと解けるじゃーん)」


ニコニコとダリは微笑む
弟子というか後輩というか
我が彼女はまぁ頭の回転が速い事だ。


『ねぇねぇ!ライ君もそう思うよね!!!』

そう地図を持ちつつメルは
ライ君の脇を持って空高くに上げる
それにライ君はコクコクと頷くのに
メルは嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねた

『ふふっ!わ〜い!わ〜い!!はっ!!
こうしちゃいられないよね!!
走らないで場所を確認して…遠いなぁ。』


かなきり山の方にいざ出発!!!

そうメルはとりあえずあっちと
指を指したまま地図を閉じ
ライ君を抱き上げ進みだす


『にっんげ〜ん♪まっるま〜る♪
わっれら〜の♪くいっもの〜♪』

「(あはは…君食べ物側なのに
それよく歌えるなぁ。)」

『ダリ先生居なくても
廊下なんて歩けるもんね…!
あそうだ!ねぇねぇ
ライ君お話しよしよ〜!!』

使い魔ってコミュニケーション大事だよね!

あれでも喋れないから
キャッチボールだめじゃね?

そう言ったメルに
そろそろ喋ろうかと
ダリが口を開けようとするが


『分かった。yesかnoで答えてよ!
yesなら一回noなら二回叩いて?
そしたらこのままでもいいでしょ!』


「(でも君重くない?僕重くない??)」


よいしょ!そう言ってまた歩き出すメル
軽く5sはある筈のダリを小走りで
それもかなきり山の場所まで歩くとなると
片道だけでもこのままだったら
30分はかかりそうな勢いだが…


まぁ資料とか持って
移動とかを考慮したらいいか。

うん。良いよね。

『ライ君は、ん〜メルのこと好き?』

「(ちょ!?メルちゃん!?!?)」

ワクワクした目で見て来るメルに
仕方がなくポンと一回腕を叩いた
それに嬉しそうにやったぁと声を上げる

『メルもライ君のこと好きだよ〜!』


「(ちょ…ねぇ僕が使い魔じゃなかったら
今頃僕キレてたんだけど分かってる???)」


こんなスキンシップ多いのか君。

皆多分君の事遠くからみてるからね???


チラリと天井というか
斜め前からとか色んな方向から
ビデオ用のコウモリが
此方を見て来るのを確認する


「(はぁ…まぁメルの
やりたいようにさせるしかないな)」

『んー私ね?ちょっと楽しみなんだぁ』

「(ん?なんだなんだ??)」


『さっきね!スージー先生って言って
とっっっても可愛い先生にダリ先生と一緒に
バビルス回るチケット貰って〜始めたの!』


「(嗚呼、使い魔と出会う前の話か)」


『それで使い魔召喚場所に行って〜
カルエゴ先生と初めましてしたの!
…正直覚えてて怖かったの。
翼出してくれてひれ伏してくれた時。
メルはいつかその地位に立つのかと思うと。』

「(メル…)」

『でもね君が来てくれてとっても嬉しかった』

ありがとうね!メルと会ってくれて。
メル沢山君の事知るから!
そう笑うメルにダリはクスリとほほ笑んだ

「(無垢で可愛らしいのはご健在か…まぁいいか)」

『たっましぃ〜い♪ちっとに〜く♪
のっこさ〜ず♪すっすれ〜〜♪』

だから君の方なんだって。
そう口が裂けても突っ込めないことを
ダリはそっと思いながら
メルの腕の中で考えたのだった

+++++++++++++++++

『あ!えとえと!!』

バビルスの北側奥に位置する崖
かなきり山のふもとに辿り着いたメルは
崖の所に見つけた者に走り寄っていく

「お!来た来た!!」

『ツムル先生とイチョウ先生!!』

「ん〜生徒がいる時は上の方がいいのか?」

「まぁそこら辺は追々見たら覚えるだろ。
ようこそ、此処は飛行試験場所。
メル先生にはここから真っすぐ飛んで
赤い印をタッチした後戻ってきてもらいます。」

制限時間はないけど早ければ早い程良いよ。
そう言ったイチョウにメルはコクリと頷いた

「何か質問はあるかな?」

『はいはい!はいはい!!』

「はいそこの元気の良いメル先生」

『ライ君は連れてっても大丈夫ですか!!!!』

使い魔ね。使い魔。
そうダリはため息を吐くのに
イチョウとツムルは苦笑いで笑った後
メルの質問に答えた

「使い魔は使用可能だし、なんなら
使い魔の力を使って移動も許可するよ。」

『え゙つまりメルじゃなかった
私を乗せて君が空飛ぶの…??』

飛べる?絶対無理だよね。
そう首を全力で横に振るメルに
無理にしなくていいとツムルがなだめる

『一緒にお手手繋ぎながらお空飛ぶのもいいけど…』

「(…まぁこんな底が見えない場所を
飛ばしたことはないからな)」

そうダリはそっとメルと共に崖底を覗く
翼を自由に、魔力を自由に使えることが出来ればいいのだが…


『…………』

「(彼女の気力的に、それが途中で持つかどうか。)」

まぁバビルスで生きていく関係なしに
魔界で生活を普通にするのであれば
一人で翼を出して移動するのは出来た方が良い。

移動が楽だしね。
そもそもメルはダリを見つける時に
よく翼を広げて飛んでいる…が。


『…ごくっ』

「(こんな所でしかも僕は暫く居ない状態
というのが初めてだからなぁ)」

何だかんだ一緒に居る時間が長い。
メルがダリから離れないというよりかは
メルが暴走しないためにも
ダリは傍に居続けた。

その反動か、ダリが居ない時での
恐怖心が芽生え成長しているのだ。

それだと割と今後支障をきたす。
加えて今回は隣に悪魔は居ない。

何時もだったら一人でも悪魔が傍に居るからね。

だって可愛い可愛い子が一人は不味いでしょ。
寮で誰かを探しながら歩く所は見かけても
そんなの一瞬くらいだろうし。

『……』

「では他に何かあります?」

『ない、です…』

「ではいちについて」

そう言ったイチョウが手を上げる
それに気づいたのか
メルが膝をつき背中を丸めだした

ん?初めて見る動作だな。

「…?よ〜い」

そう言ったイチョウにメルが低い体勢で腰を上げる
ダリを片手で持ち腰を上げたまま頭を前に向けて。

ただ何か獲物を見る目に、ダリは目を奪われた


「どん!!」

その音で足を強く蹴り走り出すメル
助走をつけているのだろう。

翼を作り出し、大きく羽根を広げて揺れ出す身体に
ぐっと声を出し足に力を入れて蹴り上げジャンプする

崖に

『(…暗い)』

「っ!?メルちゃん!!!」

「待て!まだーー」

その声が聞こえる。暗い。くらい闇が真下にある
翼を出しているのにくらい場所に行きたくて使わない。

『(底はあるの?メルの
この底なしの暗さよりも暗い此処に)』

抱かれたい

この暗闇に

そう意識を飛ばしかけた時だった
ふわりと身体が持ち上がった感じがした


『…?』

「(ちょちょちょ!!
こら!!!メルちゃん!!!!)」

使い魔状態のダリが
翼を大きくしメルを押し上げていた
それに気づいたメルは目を丸くて
ライ君?と声を出す

『はっ!駄目だ駄目だ!!
暗い所みるとついつい引き込まれちゃう!!
ごめんねライ君!!ありがと!!!』

そう首を横に振ったメルは
白い翼を大きく羽ばたきそのまま浮遊し始める
それには白い翼を出していたダリも
ふっと安堵し小さな翼に戻した。

「(ほっ…ひとまず落下死はなかったな)」

まぁその前にイチョウが救出するだろうが。
そう上を見ているとイチョウと目が合ったダリ。

もう指を鳴らす寸前だったようだ。
ツムルと共に安堵で身体が倒れている
冷や汗をかかせて申し訳ない。

きっと肝がゾッと冷えたことだろう。
あとでお礼しなきゃな。
そう思いつつ、
ダリはメルが移動したことに
思考を切り替えるのだった

+++++++++++++++++

バサバサと翼を羽ばたかせながら浮遊し進むメル
風を読みながら真っすぐ向かう間
ごめんねとメルが謝ったのにダリは気付いた

『メル暗い所好きでね、安心するんだ。』

「(え?そうなの???)」

『身体が浮遊する落ちる感覚が…
メルがずっと抱いていた場所で。』

「(嗚呼…あの世界に居たからか)」


慣れ過ぎているのだ。身も心も。
痛みに辛さに、苦痛に慣れ過ぎて
真っ暗な鳥籠の中落ちる場所もない筈なのに。

メルはあの世界にまだ引き寄せられる
それ程長く、彼女はあの世界に居たからこそ。だ。


『だから懐かしくなっちゃってつい翼使わなかったの。
でもライ君の翼白くて暖かくて…まるでダリみたいで』

「(っ!!…メル)」

『ごめんね誰かを思いながら
君を呼ぶのは君にとても失礼なことだ。
…メルはその痛みを知るから。ごめんね。』

「(いいよ、大丈夫。
君は何も悪くないじゃないか。)」


『暖かいその白い翼がかっこよくて
ありがとう。君に助けて貰ってばかりで。』


そうお礼を言って笑うメルに
ダリは首を横に振った

『飼い主が不甲斐なくてごめんね。
実は昔い…動物を飼っていてね?』

「(え?そんな話したことなくない??)」

『小さなそう君くらいのいっ…動物で
種類の文字が4文字でさ?メル覚えるの苦手だから
4文字の最初を取って名前付けてたの。』

その子とっても優しくて。温かくて。
とっても綺麗な目をしていたんだよ。
そう言って話すメルが、ただただ綺麗に目を

何処か遠くの子を思い出すように喋る


『その子もメルは弱くて
沢山泣いてた時傍に寄って居てくれたの。
泣かないでって言ってる感じもしたけど、
沢山泣いても傍に居るからね
って言ってくれた気がして。』

言葉は分からなくても、
身体で示してくれて。


それが何よりも嬉しくて。


『メルは泣き虫だったの。
パパもママも帰って来ない世界。
白と黒の間の世界。
そこに白と黒のその子は居たの。
メルを沢山救ってくれた、
かけがえのない相棒で存在でパートナー。』

「(…メル)」

『そんな子は…メルが“もう大丈夫だよ”って言ったら
嬉しそうに“良かった”って言うようにゆっくり寝てくれた。
…あれ、なんで今までこんな大事なこと忘れてたんだろ。』


胸がこんな痛いのに。
そう泣きそうな顔で笑うメルに
ダリは目を丸くした


『そう、そうなの…でも嬉しかった。
ライ君とはその子と同じ感じがして。
また戻ってきてくれたのかなって思った。』

これは内緒だよ?
そう人差し指を立ててニヤリと笑う
その姿が、ダリその者に見えなくもなくて


「(…たく、良く似るもんだなぁ)」

『ダリ先生にだって内緒だからね!?
ライ君と二人の内緒なんだぁ。』

「(ま、その隠したい本人なんだが
…それにカメラ回ってるし)」

恐らく危険を察知して
ツムル達が監視しているだろう。

『メルはその子から沢山助けて貰ったの。
こうやって命に関わることかは分からないけどね?
…だから、ライ君にも助けて貰わない位
強くならなきゃって。』


「(そんなことがあったのか)」

『だからありがとう。
暗闇から助けてくれて。』

「(…どういたしまして)」

『ふふっ♪あ!赤いの見えた!!』


こうかな?そうタッチして
メルはくるりと回り
そのまま来た道を飛び続ける


『…何時か会いたいとは思う』

「(…ん?声色が変わった)」

低い声、いつも以上に。

『…でもそれは許されない、
君と彼を結びつける
私は悪い子なんだよ。』

だから会えない。
二度と会える訳がない。

そう言い聞かせるように
メルは前を向いていた。

その目はもう二度と叶わないのを噛みしめる。
いつか見た、鳥籠の彼女の目に見えた。

+++++++++++++++++

「おお〜帰ってきたきた!」

『ただいまもどりましたぁ〜〜あああああああ!?!?』

そう翼で綺麗に着地しようとしたものの
勢いが早すぎて着地失敗するメルに

大丈夫!?とツムルに声を掛けられたが
ちゃんと大丈夫と言った
メルに苦笑いで声を掛けた

「あはは、立てる?」

『うん…ありがとうございます』

「いえいえ、ほら砂埃ついてるよ」

『え?あほんとだ』

自分でパンパンと振り払うメルに
イチョウが声をかけた

「じゃあこのフクロウに手突っ込んでくれる?」

中に君のバッヂが入ってるよ。
そう言ったイチョウにメルは
えっと顔を青ざめてスッと引き下がった


『たたたたたた食べない?ねぇ食べない???』

そのポケットから食べない?
そう言ったメルに食べないと
イチョウとツムルは
首と手を横に振りながら答えた。

「(…さて、どうでる)」

メルの階位ランクは…


『…ザイン?』

「っぅうぇ!?」

「おおモモノキ先生と同じレベルか…!!」

『モモノキ先生と?』

「ええ。」

「(まぁ何なら僕もだけどね〜)」

そうダリは思いつつ
にこりと笑い尻尾をゆっくりと振った

『はわぁ〜!!綺麗なの!!!』

「何処に付けてもって訳でもないので
教師服の誰にも見せられない場所に付けて下さい。」

『ツムル先生とイチョウ先生はどちらに?』

「俺は髪の中」

そうボスっと入れた後中からバッヂが出てくるのに
魔術かとメルが目をキラキラする

「俺は左胸の裏側に」

そう教師服をめくって見せるイチョウに
ほうほうとメルは頷く


『……ポケットは』

「おすすめしません」

紛失しかねないからね。
そうダリは笑いつつメルの様子を見る

『じゃあ後で考えてとりあえずは此処に』

そうポケットに入れたのを見て
ツムルが前に出た

「メル先生!
飛行試験の合格ってことで
はいこれ!!」

『あ!新しいクイズ!!!』

そう赤と金が入っている紙を
ツムルから受け取るメルに
ツムルはそうそうと首を縦に振った

「その謎を解いて次に行って欲しいな。
あ!一つメル先生使い魔借りても?」

『…いいですけど、食べないで下さいよ?』

あとこの子可愛いからとらないでね?
そう言ったメルに取らないし食べませんよ
と笑ってイチョウは答え腕から受け取る


「…どうです?生きてます??」

「………正直毎度毎度心臓止まりかける」

「あははお疲れ様です」

「で?何?僕をこうやって
抱きしめるなんて良い度胸だね?」

「メル先生が見てますから…
では少し上からの指示をお伝えにと。」

そう笑って居た顔が戻る
イチョウにダリはすっと目を細めた

「その使い魔召喚は特殊な用紙になっており
メル先生がダリ先生の事に気付かないと
解けない仕様にしています。」

「っ!?!?」

「お静かに」

そうそっと指でダリの口を塞いだイチョウに
ダリはこくりと頷いた

「カルエゴ先生が出したクイズと
俺がこれから出すクイズは答えは同じです。」

「…了解。ソレを誘導するのは
許可してくれるって事でしょ?」

「ええ…先程の感じを見ると、
ちょっとかけ離れていそうで怖いので。」

「確かに何時まで経っても僕
このままはきついかなぁ〜あはは!!」

「何故メル先生と会話しないんですか?」

「…そういう気分にさせてくれないんだよ彼女」


なんかこう喋らせる前にぐっとこみあげて来る。
その気持ちで彼女を傷つけさせないか怖い。


「そうでしたか…まぁヒントを
べらべら喋られても困りますし
此方としては非常にありがたいですが。」

「君言うねぇ」

「あはは、面と向かっては言いにくいことですし。
では俺からは以上です。」

後は頑張って下さい。

そう言ったイチョウに
ダリはコクリと頷いた。

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