Novel - Carla | Kerry

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オハラもそう言ってた5

act 20.



『えっと“眠りし時の開放先は?”』

「(また意味わからないのきたね)」

そうメルの肩に乗り浮遊するダリ
…否魔ライオンの姿のライ君。

それに気づきつつもダリ
ということには未だ一切気付いていないメル。

二人のコンビが
バラムから渡された内容を
見ながら見ていた。


『それに図書館みたいな奴に
大好きな悪魔を足して正解?
あれイチョウ先生確かメル先生は
知っていますよって言ってたし。』


それを足してよく答えが出ないとは
それはそれでショックなんだけど僕。
そう一人寂しく傷つきシクシクと泣いていたダリ


まぁそれに気づかないメルは唸りつつ
ひとまず眠りし時の開放を読み込む


『だめだ今回は反対にしようが逆にしようが
何してもダメだまんま読めだなこれ。
えぇ?眠りし時を開放って、
バビルスで眠っていたのを
解き放った場所があるって事だよね?』


「(お!?それもう答え言ってるよ?!)」


『そーーーんな場所ないに決まってんじゃーん』


「(だあああああああああ!!!!)」


そう笑顔が引きつりズッコケるダリに
『あれ?こけちゃった?』と肩から落ちた
ライを心配そうにしゃがんで見つめるメル

いやそりゃそうだよ。

君あ〜の時はそうか、覚醒前だったもんね。
判子押したのも確か別の話だったし。

そりゃあ行ったことも
聞いたこともないなら頷けるわ。


いやでも…分かるか?


『んー眠りし時を開放だから…
ってメルが目を覚ました方に来たけど。』

ないよねぇ。と講堂に来たメル。
ホールのように広い場所に
メルはきょろきょろした後
違うと場所を移動する。

そうここではないのだ。
初めて間違えたなと少し思っていると
ライ君は分かる?とメルは聞く

流石にこの感じだとヒント出さないと不味いか。

いやでも契約違反になるしなぁと考えていると
トイレに行きたいと言った彼女に
ダリは行っておいでと手を振った


ーダリ先生聞こえます?ふいっ

「…ええ聞こえて居ますよ。
随分と楽しそうですねぇ?」

そう顔を引きつり腕を組んだまま言うダリに
スージーはええとってもと答えを返した。
どうせなら僕もそちら側に向かいたいのだが…

ー今回ヒント構いませんよ?

流石に日も落ちてきてますし
そう言ったスージーにダリは頷いた

「了解」

『おまたせー』

行こうか!そう言って笑うメルに
ダリはコクリと頷いた。

…マジで本当にこのままだと不味いんだけど。

「(…あれ?よく考えたら声出なくない?)」

ひょっとしてメルちゃん
僕を本当に声出ないと認知してるのか

まさか声出さないようにしてる!?

え!?それ出来るの!?


『ん?どうしたの?ライ君』

そうツンツンとダリは
メルの肩と言うか服を引っ張り
口元に手を指す


『口?何かついてる?』

「(ああ違う違う!!声!!僕声出ないんだけど!!)」


『ん〜文字って書ける?』


そうメモ用紙を渡したメルに
ダリは汚いながらも書くことにした


「“僕声出ないんだけど何かした?”」

『ええ!!!!!!
声出せるの!!!!!!!!!!!!』


あ、これは素で勘違いしてるな。


『…まぁ出せそうだったから
怖くて声出させないように
してるんですけどね。』


おい。お前が元凶か。お前が。


『いや〜だって何となくライ君
喋っちゃったらあの子と話せる感じがしてさ〜
…やなんだよ。まだね。』


ごめんね。
そう言ってとぼとぼ歩くメルに
ダリはすっと止まった。

『ごめんね、一度恋して愛した
あの子を忘れられなくて。
君はあの子じゃないのに
メルの心はあの場所に落として来てたの。』


「(ーーーーその心を?)」


今まで見せた心よりも、極上の感情を?


『君が話せちゃったら…
あの子ばかり思い出しちゃって嫌になるの。
あの子ともっと話したかった
傍に居たかったって後悔が膨れる。』


魔術はイメージ。
想像したものがそのまま出る。

そう言ったメルにダリはそっと傍に寄る

『メルはあの感情を大事にしたいと
同時に還りたいとも願う。
おかしいでしょ?還れないのにねぇ?
此処が大事で帰りたくないと願うのにねぇ?』


「…(メル、きみは)」


『でもこの感情こそメルであると知るの』

だからこの感情も全部受け止めて生きて来たのよ。
そう言って笑うメルの目は遠くを見ていた

ダリではない遠くを

『…いこっか、前を向いて行かなきゃ。』

後ろは振り返るけど、
そっちに手を伸ばすだけでいいの。
そう言ってダリの手を取って歩き出すメル

ーあれ?メルちゃんどうしたの?

そう前にエイト先生達と歩いている間
ふと後ろに気配もしない筈の場所を向いたことがあった

ーううん、なんでもないよ。

そう嬉しそうに笑っていたのに
後ろを向いた時は…

ただ何か遠くを想う目をしていたのだろう。
とても寂しそうに見えた気がして。

それを隠そうと笑った笑顔が
余りにも綺麗で完璧すぎた。


「(君はこの場所に残ろうとするのに)」

本当に嫌なら、帰ってもいいよと。
言いたい自分も何処か居る。
その場所にずっと君が笑って生きれるのなら…其処が幸せなら。

その地獄が幸せと言うのなら。
なにも手出しする必要はないのだ。


『でも失った訳でもないのに、
閉じ込めるとか禁忌の場所かな?』


「(あ、ヒントヒント)」


そう思いダリはメルの持っていたメモを指す
文字を書いてヒントを告げる


『“皆が納得した場所”???』

「(バビルスの皆が許可した場所だとすれば?)」

『ん〜納得って結構厳しい所だよね?そうなると。』

流石に職員室じゃないだろうし。
そう言ったメルにダリは頷く。

『となれば…あ』

「(お?)」

『隠すのって確か小さい頃
土の中とか見えない所してたな…
ひょっとして校舎内じゃない?』


気付いたか


『待って待って?
校舎内じゃないってことは
…こっちか!!』

そう走り出したメルに
手を握ったままダリはふぅとため息を吐いて
そのままメルの隣を翼を羽ばたかせながら追い付いた

それに気づいたメルが
お散歩みたいで楽しいね!と笑うのに

あんまりにも可愛らしいものだから
笑い返してしまった


+++++++++++++++++

『でっか。こんなの封じるとか隠すとか馬鹿見たい。』

「(来たな王の教室ロイヤル・ワン)」

問題児アブノーマルたちが勝ちとった教室だ
音を鳴らしながら入っていくと…


『あれ!?オリアス先生にマルバス先生?…と?』

「やほ〜☆メルちゃん随分迷ってたようだねぇ〜?」

この子は僕の師団の子だよ☆
そう言ったオリアスに前に出る金髪の悪魔

「初めましてかな?メル先生!
僕の名前はリード!宜しくね!!!」

『はわ、リード、君?よ、よろしく…えと』

「こっちは姐さん!!
そしてイルマ君と、プルソン君!!」

『は、はじめまして?』

そう言ったメルに
姐さんと呼ばれた者が
あらぁと嬉しそうにメルを抱きしめる

ちょ!?

「かわいらしい〜〜♪
メル先生と一度お話してみたかったの♪」

私イクス・エリザベッタ♪エリザって呼んで
と言った彼女にメルはえと、
とオリアスをチラリ見る。

「ん?どうした?」

『生徒はどうお話すればいいですか?』

「メルちゃんのお好きなようにすればいいよ♪」

そう腕を組んだまま人差し指を立たせ
ウインクするオリアスに
メルはエリザベッタの方を向いて
そっとライ君を胸に抱き寄せる


『…メルちゃんって、よんでも、いい?』

「〜〜〜!!いいわぁ!!!是非!!!!!」

「(ーーっ、これ、は……まさか
生徒も駆除しないといけないとは、
困ったなぁ。)」


そうエリザベッタの反応からして
もう奪っている彼女を奪おうとする
恋敵に判断したダリ

まぁべたべたとメルを触るし
メルもまた頬を赤らめて照れ臭そうにする。



少しというか普通に


「あら?貴方の使い魔さんがちょっと妬いてるわ」


ごめんなさいついと引く
エリザベッタにダリは少し照れる


恥ずかしい。普通に恥ずかしい。やめなさい。


「焼いた?エリちゃん焼いてないよ??」

「あら???」

「メル先生嫉妬とか
ドロドロしたもの知らない純粋無垢だから」

そう言ったプルソンに本当!?
とメルによるエリザベッタに
メルは首を傾げる

『えぇ…??嫉妬?って??
あ、そういえばダリ先生も前言ってたな』

「なになになに!??!」

「…ふっつうに俺達殺されない?大丈夫?」

「あはは、耳瞑っておきます?」


それは切る方じゃないよね?
そう言ったオリアスに
さぁ?とマルバスがにこりと微笑む


『いや、嫉妬しちゃうぐ』

「(タンママジでダメ!!!!)」


恥ずかし過ぎて死ぬ!!僕が!!!!

そう顔を赤らめてメルの口に両手でふさいだ
使い魔のライにメルは分かったと笑う

『でも私嫉妬知らないよ。
君は知ってるの?』


「えぇ!!あら…嫉妬知りたいの?」


そう微笑むエリザベッタに
メルはコクリと頷いた。
んーそうねぇと言って
エリザベッタが例えばと言う

「私とリード君が付き合ってたとして♪」

「ふあっ!?!?」

そう顔を赤らめるリードに
あらあらとオリアスが冷や汗を流す

「で…私がイルマ君と仲良くしてる時に」

こう手を触れたり身体に触れてとしているエリザに
それを見ているリードが何か怒り始める

「こんな感じになるのが嫉妬よ♪」

「要は自分より他人の方に
愛情が向けられていることを指すんだよ。
本当にうらやまけしからんってことだよね。
まぁメル先生は
知らなくても良いんじゃないかな?」


『???????』


「情報量大渋滞してそうな
顔してるけど大丈夫ですかね?」


「…多分駄目だと思う。
お〜いメルちゃ〜ん?
生きてるぅ〜???」


そうオリアスがメルの前で手を振ると
暫くしてハッと身体と声が驚き
びくりと跳ねるのに
意識を取り戻したと気づいた。


嫉妬とは、
自分より他人の方が優れている、

あるいは自分より
他人の方に愛情が向けられている、
といった認識に伴って生じる

ネガティブな感情のことを指す




その感情にメルは
全く知らない場所で思考停止していた。


「ん〜例えば、そのライ君をお借りして」

「(っえ!?あっちょエリザさん!?!?)」

メルの腕からひょいと取り、
使い魔状態のダリをそっと胸に寄せるエリザ



「こうしたら…何か思わない?」

『…?え、と…うん………???特に』

「っ!」

「あらあら…」

『ん???え?おかしい?
メル、私おかしい????』

「いえいえ…そのすいませんつい」

「(いやいいよ…僕って気付いて無さそうだし)」

「じゃあじゃあメル先生!
ダリ先生が姐さんと話してるの想像したら?」

『エリちゃんとダリ先生が?』



そ!そう言ったリードに
ナイスとダリが声を上げそうになる。



それなら………




そう言ったリードにダリはメルの方を見る
それに笑顔が無くなった

ただ本当に一瞬目の色が変わったのを見た



「(ーーーあ)」




それは拒絶

明らかな拒絶を現わしていたが

その拒絶すら嫌がっている感じがした。




「(…これは、面白いのを見てしまったな)」


『…いや、特に感じないかなぁ〜』

「えーーー!!!マジかぁ…
てっきりダリ先生のこと
メル先生好きだと思ってたのに」

『ん?メルはダリ先生の事好きだよ???』

「えっ!?!?うそ!!!!」

「いやいやリード君メル先生の
ピュアぶりみてみ?
絶対好意だって恋愛対象ないって。
眼中ないって。」


そう言ったプルソンにそれもそうかと納得される。



んー確かに隠しておきたいは良いけど
そこまで否定されるとちょっときついなぁ……。






+++++++++++++++++




ダリ先生が仲良くなった
エリちゃんに触れる所を想像した瞬間、


ぼっと熱くドロドロした物が見えたからすぐに消した。



アレはダメ。絶対に見てはいけない。
腹の胸の奥底が吐き気を訴えたから。



気分が悪くなっては心配かけるし。
だから駄目。



…でも



『(何処かこの感情をメルは憶えているのね)』

嫌なのに一瞬だけ懐かしいと思ってしまった。
また後で考えてみたいと思う。


「そいじゃ本題に移るよ〜
メルちゃんこの子達と
歌合戦してもらうよ♪」

「え?!」

「ダリ先生が前に開発した記憶ヘッドホン〜☆」

じゃじゃーんと言って
オリアスが出してきたのにおおと声が上がる。

「リードちゃん達は一人だけ出場して歌を歌ってもらう。
勿論このヘッドホンを付けてね?
音響から色々はこっちがしてるから安心して♪」


此処でやる意味は。
そう言った者にカラオケルームというか
防音効果あるからとオリアスは笑う


「…それに、此処は広いから」

『???』

「じゃ五分あげるね〜その間に曲決めててね!!」



+++++++++++++++++


そう言われて…


『なにを歌えば…』



安名メル!前世は人間界で今世は魔界!
生まれて一か月ちょっとのべぃびーちゃん!!

現在ヘッドホンから聞いたことあるようで
無いような音楽しか出て来なくて焦っています。

そうそれはメルだけでなく


「(やっっっばくない!?
ねぇそれ全部人間界の曲だよね!?)」


ダリもだった


そう!忘れているかもしれないが
メルは「人間」である!!!

それも前世の記憶を持った人間で
今世は「人間」として生まれ
新しい魔樹として「悪魔」として
この魔界に住みだしているのだ!!!!

つまりメルの記憶上は覚醒した今現在だと
覚醒前のメルの記憶にある歌は意味がなく。

前世の記憶にある歌ばかりが出てきて
しかもその歌った理由も曖昧な為
混乱の渦に飲まれていたのだ!!!!

前回のあらすじ

危機的状況

えー非常に不安で心配です。
困った顔をして唸るメル。

これでいい。と言ったメルの目は不安が混じっていた。
というのも先程嫉妬という新しい言葉を知ったメルに
嫉妬と呼ばれて出てくる音楽ばかりが出て来たのだ。


『(大丈夫、歌うだけだから)』


別に魔力が宿るわけでもない。
そうそう、歌うだけ…うた


『(そう言えば、誰かの前で
歌を歌って楽しかったな)』

生まれた時よりも前に
わぁわぁと拍手が巻き上がる


あの時は確か音なんて無くて、
アカペラで歌っていたな。


嗚呼…あの心を取り戻せるのなら。


大きく息を吸って吐くように目を開けた


『“愛で飛び込む無垢なアイ”』



手を上にかざして、
手の中に何もない何かを見る

ー夢のショーはナイ

ー果てのランナウェイ


『“三つ一つに罪はない”』

ー捨てたものじゃない

ーだってそうじゃない?



嗚呼、


『“あんなにもあんなにもまさに”』


ー撤回まさかの結末に



『“あなたにもあなたにも駆ける”』

ーCRY CRY CRY


届いて、ねぇ、ねぇ、ねぇ


ねぇ!


『“ライバイ ベイビー
マイマイ マイライフ”』


ーそれなら僕と踊りませんか



『“ライバイ ベイビー
マイマイ マイライフ”』


ーきっとそれは大切なこと


っぱっぱっぱ

『“ランベリック”』


っぱっぱっぱ

『“ランベリYOU”』

っぱっぱっぱ

『“ランベリック”』

だってそれは敗北の合図


そう歌った後、
メルの目の前に拍手が巻き起こる


「うわああああなんかすげぇええええ」

「…なんか奪われちゃった気分」

『(…あれまだ二つ目あるけどまぁ、いっか)』

ポンと音を立てて出て来たものにメルが驚く

「メルちゃんめっちゃ
聞きなれない言葉言ってたけど何々?」

『えっ!?あっ、自分も良く分からなくて』

多分適当に文字出しただけですよ。
そう言って誤魔化したというか
割と素直な意見だ。

それにダリは大きくため息を吐いた。
こりゃ帰ったら説教かもしれない。


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