Novel - Carla | Kerry

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空が見たいと言われたから2

act 5.







「メルちゃんが駄々こねて
皆と寝るって聞いたんだけど。」


「んー語弊あるねぇ〜
正確には監視員増やしたって感じ♪」


そう語弊を言ったオリアスにダリは答えた。

心配していた男性陣がメルの為にと
明日休みで特に用事がないメンツで
共同の一室を借りて雑魚寝する事にした。



メルは先程から一応寝ている。


ダリはメルをおんぶしたまま一室に入り
ツムルと一緒に敷かれた布団に
メルを降ろし、一息つく


「よっ、と…ごめんねほんと」

「いえいえ」

『ん゙っ…』

「あ」

そう身体を揺らすメルに全員が固まる
来るか?そう思ってるとメルが目を覚ます。
ゆっくりと身体を起こしきょろきょろする。


「…ねぇ、メル。
今日は此処で皆とお泊りしようか。」


『?』


「ああほら泣かない。」


そう先程大泣きした筈なのに
目尻にまた大粒の涙が浮かぶ。


『っ、だっ、て…居ない、いない』


「そこにいるよ。
大丈夫大丈夫だから」


「メルちゃん俺とお話しない?」


そう頭をかいた後
オリアスはメルに手を見せながら言う
丁度持ってきたんだよねーとカードを見せて。


『…?』


ひっくひっくと涙を流しながら
何を見せているんだろうと
不思議に首を傾げる。




「(…閉じ込めたのは
大体10歳前後の頃。
いやもっと前だなこりゃ)」



恐らく6歳。


そうオリアスは睨み、
メルに生徒と同じよう
接するように笑って
カードで遊ぼうと見せたのだ。


少し不安そうにダリを見たメルに
ダリはコクリと頷いた。


「よーしそれなら誰が先に一番乗りで勝つか競争ね♪
あとサブミッションでメルちゃん一番多く笑わせる」

「おっいいねぇ〜優勝者は?」

「勝ったらなんでも一つ言う事を聞くとか?」


乗った!!

そう手を叩いたツムルがメルの隣に座る
円を描くように座っていく周りに
メルは顔をきょろきょろする。


ー**ちゃんは強いねぇ。


『っぐ!!』

「っ!メル?」

『…だい、じょうぶ。』


何だ今のは。
誰かが畳の上で何かを言った。
カードを丸くして。



『あ。豚の尻尾するの?』

「え?メルちゃん所そう言うの?」


メルの真正面に座る
イフリートが聞くのに
メルはコクリと頷いた。

『円を作って、カードとって、
前の人と同じ色か数字でたら出すゲーム。』

今ちょっと誰か見えて。

それで頭痛かったのそう言ったメルに
オリアスは止める?
と聞くが首を横に振った。


『いい。やってみる。
強いって言ってくれたから。』


「おっ♪優勝候補か〜??」


「人数多くて流石に少ないんじゃ」

「じゃじゃーん
そういうのも考慮して
二つ持って来てま〜す」


そう一つが二つ、
トランプの束が増えたのに
おおおおと声が上がった。


「ルールは同じっぽそうだから
説明なしで俺から時計回りね。」


じゃいくよ〜そう手を取るオリアス。

勿論家系魔術はOFFだ。

少しワクワクした顔で
メルがカードを見始めるのに

ダリはツムルと視線をチラリと合わし頷いた。


「(一応暴走はしない…と、流石オリアス先生)」


遊戯師団ゲームバトラ顧問なだけあって

メルでも遊べそうで
かつ全員が集まると聞いて
ゲームを持ってくるとは。

ただお話するだけなのもつまらない。

それに深く考えて暴走するのであれば
深く考えさせない程
目の前が楽しいものにすればいい。

彼女に教えることが
多すぎて遊んであげれなかったし。


「はい次メルちゃん」

『んー…これ!!』

「うわぁ…じゃあこれ♪」

「え゙っマジですか?」

「まーじ♪」

「駄目パス」

「えっ嘘パス」

「え?マジ??嘘でしょ?
僕もパスなんだけど」

『くっ…ふふ』

あ。俺笑わせたでしょ。
ちげぇよ発端だから僕でしょ。
そう言い合いだすのに
メルは我慢できずに笑ってしまった。

『(確かに…優しい悪魔さん達だ)』

角が生えて尻尾も翼も生えて。

あの世界に戻れない気がして怖かった。

現実を見なきゃいけない。

これから生きなきゃいけない。


そう思っていたけど…

今は、今はいいの。


『(貴方が愛しただけあるよ)』


今は記憶も何もまっさらだけど。


きっと皆貴方を見てたから
急に変わったのに驚いただけ。


私だって貴方が消えて
急に驚いて泣いちゃっただけ。


笑ってあげなきゃって思ったけど
きっとそうしたら悲しんじゃう。


だから面白いって思ったら
我慢せずに笑ってしまおう。





そうしたら、貴方もきっと笑ってくれるでしょう?



何時か貴方がこの心から居なくなっても。

大丈夫なように。

貴方はこの場所を作ってくれた。



きっとそれは、大切にしてくれた。


貴方の愛が此処に詰まっている。




貴方の分まで、どうか愛したい。


許されるのならば。






逃げてばかりだった私が。

許されるのであれば。




「メルちゃんある?」


『あーるよ』


そうにやりと悪い顔をするメルに

おっ覚えたねぇ?とダリがニヤリ笑う。



「ダリ先生メルちゃんに
不必要なこと教えないで下さい。」

「そーだそーだ!」

「ちょ心外だなぁ…覚えていくんだって。」

「いやいや、メルちゃん嫌なら
すぐ一人で暮らしてもいいからね?」

『メル。暫くは居るよ。
じっとする。
多分部屋戻ると駄目。
何か本能が言ってる。』


「あっそこ本能なのね。」


そうカードを出しながら周回する周りに
メルは答えながら
自分のカードをチラチラ見る。


『そう言えば皆のコレ何て言うの?』

「豚のけつ」

「ブッ!!!」

『豚のけつ?』

「はーーーい!
アウトアウトアウトアウト」

「はい駄目リタイア場外さようなら!!!」

「ちょなんで?!」

『けつってダメなの?』

「ん〜…ちょっと下品かな?」


おけつって言わない?

そう首を傾げるメルに
ダリは下品だから
言うのは止めようかと止める。


『でも私の知ってる
豚のしっぽと少し違うよ。ほんとは。』

「え?そうなの??」

「待って待って、
遊戯師団ゲームバトラ顧問としても
それ聞き捨てならないんだけど。」

どんなの?そう言って前のめりになるオリアスに
メルはえーっとと言って
カードを置いてツムルの前に出る。



『こーやって豚さんの尻尾つくるの。』

「…あれ?豚って尻尾短かったっけ?」

『ほえ?』

「あ゙〜アレじゃない?
メルちゃん所の特有でしょ!」

そうダリがフォローを入れると
嗚呼〜と周りが納得する。


危ない危ない…
彼女の知識と魔界の知識が違うのを忘れていた。


そこら辺も考えて彼女が喋っていたとは…
凄まじい反応速度と処理速度を
持っていたんだなと思う。



ワイワイと騒ぎだした中
メルはそっと俯いてみる


「…楽しい?」

『うん』

それは楽しい。でも。


『傍に居れば良いのにって思う』


そう切り離せるわけにもいかない


ふわりと翼が広がる
きっと強く思うのは魔力を使う時。


沢山魔力を使うと皆困るから。


しない。




『…でも、楽しいから。』

会った時沢山お話出来る様に覚えておく!


そう笑ったメルに

その意気その意気とツムルが声を上げた。




『あ!終わり!!』

「えっ!?!?」

「嘘でしょ!?うっっわマジだ!!!!」

「…おお」

そうメルが一番乗りで上がる。


周回しても間違いなくかえってこない。
それには全員が唸った。


「魔王はメルちゃんかぁ〜〜」

「まだまだ!!最階位がある!!」

そう気を抜くな〜と燃える周りに
メルはふふっと笑って左右に首を振った





+++++++++++++++++




「えー…っと」

「優勝メルちゃん、ビリが…」

「俺かよ」

ツムル先生苦笑いするオリアスに
イチョウが「カードほんと弱いよなお前」
と言うのにイフリートも頷く。



「で?魔王はどんなお望みを?」

そうにやりと笑うダリに
『んーなんでも?』と聞く。


「メルちゃん!使いっぱしりしよ!!」

「ちょおい馬鹿!
メル先生に何悪いこと教えんな!!」


『んーパシリは可哀想だから駄目』


「…天使」


違う違う悪魔だって。
そう手を横に振り否定する
イチョウとイフリートに
ダリは苦笑いした。


『じゃー…おんぶして
イチョウ先生と向き合って!!』

「…え?」

「メルちゃん…それでいいの?」


そう一同がきょとんとするのにコクコクと頷く。

それにハイハイとダリが手を叩く。


「魔王様の言いなりだよ。
ほら立ち上がる。」


そう言ったダリに
ツムルとイチョウはお互いを見てコクリと頷く。

はいと言って胡坐をかいていたツムルは
メルの方に背中を見せ
両手を後ろに広げて待つ。



「よっと」

『わぁーーー!!!!』


たかーい!!そう背を伸ばすメル
よいしょよいしょとイチョウの元に歩く中
かっる!と声を上げた


「メル先生軽すぎー
…ちゃんと食べてる?」

『むっ!食べたよ!!』

「うっそだー」

「いやマジで食べたよその子。
僕らの一食分は食ってる。」

「え゙っ!?」

『わ!イチョウせんせだ!!』


むふーそう、ニマニマとイチョウを
上から見るメルに「…何?」と
イチョウはポリポリと頬をかいた


「あ〜成る程」
とダリが言ったのにイチョウと
メルをおんぶしたツムルが
ダリの方を向いた

「メル身長低いから
一番背の高いイチョウ先生と
背比べしたかったんだねぇ」

「嗚呼!!そういう!?」

『ん!!メルの方が〜たっかーい!!!』


「…ダリ先生お持ち帰りは」


「駄目でーす♪」


「ねぇ癒しいる。ここに癒しが。」
そう両手で顔を覆うイチョウに
メルは笑いながら
両手をパンパンと叩いた

するとその中から
赤や青の花が咲いた草冠が作り出される。



「っ!?メル!!こら」

『えへへ!あ〜げる!!』


ツムツムもー!
そう笑って手を叩いて作り出すメルに
あ゙ーーーとダリが声を上げた。

「あれ、たしか音楽祭でイルマ君達に出してた…」

「そうそう。何かメルちゃんったら
急に作れる様になってさ。
それ被ってると体調不良全回復するらしいよ。」


「え゙!?」


『えへへ!!
立ってくれたお礼と
持ってくれたお礼〜』


そう笑うメルは
そのままツムルの頭に抱き着く


ふわふわーと嬉しそうにするのに
ツムルはそのまま小走りし始め、
円を描いていた皆の後ろを走った。


「ったくむやみやたらに
出さないって言ったのに…」


『えへへ〜』


「確かに…これは不味いですね。」


「恥ずかしさと同時に
みるみる疲れ取れてく。」


「え〜僕にも被らせて」


そう言ったのに
良いよと言ってイチョウが
イフリートに渡すが、

メルが駄目と言った時


え?とお互いが言いつつ、
イフリートが手を取ると
その花冠は泡となって消えてしまった。


「っうぇ!?」

『あちゃ〜
特定の悪魔に対して渡したんだから
別の悪魔に渡したら効果なくなるって。』


「聞いてない〜〜」


「これどれくらい持つの?」


『んー分からない。気分。』


「気分!?」


「え、まってイルマ君達に出したのは!?」


『んーすっっっごく感動したから。
多分年単位。』


「年単位!?」


『でも気分だから多分
何時消えるかも分かんない。』


「あーまぁ話をきいた限りだと
他の悪魔に触られたら
消えちゃうだろうし。
保管はほぼ無理だろうね。」


そう言ったダリに
一同は確かにと首を縦に振る。


「にしても運がいいねツムル先生。
魔王様が可愛らしくて。」


「ほんとだよ。
オリアス先生の隣だからかな?」


「いや俺OFFだしきってるからね?」


「じゃあメルちゃんの家系能力?」


『ほぇ?』


「あれ?」


「彼女今家系魔術はおろか
魔術も一つも唱えられていないよ。」


そこら辺も調整予定。

そう言ったダリに
ああーと声を上げる。


「どう?もっかいやる?」


『次別のー!!』


「おー元気だねー
メルちゃん何知ってるの?」


『えー…ジジ抜きババ抜き
ポーカーブラックジャック大富豪に』


「タンマタンマタンマ!」


「ストップストップストップストップ!!」


意外と知ってて
割と焦ったオリアスがタンマを言い

ダリもまたこれ以上
人間バレの可能性を考えて
言わせない方が良いと思い
首を横に振って止める。


「さ〜ならダウトでもしてみる?」


『ダウト!!』


「いや知ってる?
メルちゃん知ってる?」


知らない!!
そう言ったメルに
カードが強いならと
オリアスが持ちかけたのだ。


「カードを数字の順番に出していって、
早く手札をなくした人が勝ち」

「皆にバレないように
うまくウソをついてカードを出したり、
相手のウソをうまく見ぬいたりして
カードを減らして上がるんだよ」

『えー嘘良くないよ!!』

「いやそうしないと意味ないんだよ…」


じゃあ配るねぇとオリアスが配り
メルは手札を持ってみる。


「じゃあ俺とツムル先生が手本でやるね?」

『ん』

「俺のターンでカードを裏返しにして
出したカードの数字を言う。
例えばこれはテト


「それでツムル先生が
これはテトじゃない!
って思ったら」

「ダウト!」

「って叫んでひっくり返す。
で嘘を見抜けなければ
まぁ数字が合ってたら
その下にあるカード全部
見抜けなかったツムル先生が持ってく。」


そう言ってオリアスが
出していたカードを反対にして
メルに見せたあと、
ツムルにカードを手渡す。


「パスは無しで、出すカードに
本当でも嘘でも自分次第♪」


一発逆転ゲーム♪どうどう?面白そうでしょ?


そう笑うオリアスに
メルは目をキラキラして
首をブンブン振っている。


「あくまでもさっきのは例だから
出した人に対して出す人以外なら
ダウト宣言OKだから♪」


『上りは手札が早く無くなった人が勝ち?』


「そういうこと〜そいじゃ配るよー」



そう言ってオリアスが配り始めるのに
メルはワクワクと待っていた。


「あダリ先生家系魔術切ってて下さいよ?」

「そりゃ当たり前でしょ。
ズルしてまで勝ったら面白くないからね。」


そう言ったダリに
オリアスはまぁとニヤリ笑う。

豚のしっぽだと
すぐに終わったのでカードを増やしたが
今回はメルが知らないというのもあり
カード一組で配っていく。


マルバス、オリアス、ツムル、メル
ダリ、イチョウ、イフリートの計七名


ちなみにロビンは
実家に帰宅中で席を外している。


7枚が周りに散らばったのを見て
オリアスは最初は俺からーと出す。


アレフ


そう言ったのにメルはきょろきょろと周りを見る。
シーンと静まるのに次とオリアスが声を出す。


ベト


「ダウト」


そう言ったのはイチョウだ
へへーんと言ってツムルはベトを見せる
馬鹿わざとだよそう言ったイチョウに

こんな感じとダリがメル
に指を指して見せる



『あ〜なるほど』

「じゃ次メルちゃんね〜」

『…ギメル


何も言わないのに次が入る。


ダレス



静まり、また次と繰り返していく中


ザイン

「ダウト」

「あちゃ〜ダメかぁ」

『(目見る。口、動くと嘘?)』

そう声にメルはきょろきょろ周りを見て
とにかく目を動かし続けて考えていた。


テト

『ダウト』

「おお!?!?」



多分当たり。
開いたカードに10ヨドの文字。




「うっっわマジか」

「メルちゃんよく気付いたねぇ」

『何となく。これ10ヨドね』

「うわー怖いわぁ〜11」

「いやまぐれじゃないですか?12」

『ダウト』

「え?マジです??」

そう流れるようにイチョウが出したのに
メルが頷いた。

開くと13におおと声が上がる


「何で分かったの!?」

『勘』

「勘!?」

『説明が難しい次』

「あっはい」

『(目の動作も形も微動だにしないのが怪しい)』



余り話したことはない。今の記憶には。
だが何となく奥が見える気がする。
嘘を付いたら色が何かぼやける。

ほんとピントがずれたみたいな。



そう

今みたいな。




『ダウト』


オリアスが言った言葉にメルはダウトを宣言する。

少し固まったオリアスに、そっとカードをめくる。




「っえ゙…うっわマジか」


そうカードを返すと、違う数字に

一同が唸った。



「オリアス先生が…」

「マジで何してるの
メルちゃん強すぎない?」

「コツ教えてコツ!!!」


そうイフリートとツムルが言うのに
メルはえぇと引き気味に答える。


『えぇ…?んん…こう皆の目に色があって。
それが一瞬滲むと嘘ついてるかなって。』


「…真似できねぇ。」


『だから勘だって』


そう言ったメルに真似は無理だと諦めるツムル。
メルは少し意識を集中させた。


『(多分練習。オリアス先生
私にあの人を想わせないようにするため。
なら逆を取って、
私は此処に居る全員が貴方だと思えばいい。)』


優しい貴方。

綺麗な貴方。

守ってくれた貴方。


別に嘘はついていない。


確かに芯がある。




ダリ先生は茶色の芯、エイト先生は紫の芯。


そんな感じで各々色の芯がある。

その芯が揺れることのない場所で揺れる。



あの子が嘘を付いた時のように。






完璧な笑顔で

完璧な姿なのに


嘘を付いた時のよう。




『(酷く優しい嘘は私にバレない訳がない)』




貴方の事を私は何よりも愛しているのだから。




「ダウト」


『…あ』


駄目だ。
つい深く考え過ぎた。
行けない行けない。


メルは札をひっくり返し

多くなったカードを手に取った。

暫くはまぁ遊べるからいいや。



『(君が優しい嘘を付いた時)』



必ず寂しそうに笑ってくれた。

本当のことでも、嘘のように見せて。

だから私は表裏に負ける自信はない。



まぁ勝つ自信もないのだが。
そう距離を取ると
ジクリと何か抉られる気持ちが起こる。


ん?なんだろう。

諦めたら痛みが出る。


今までこんな痛みなかったのに。


不思議で首を傾げてしまい

どうした?と声がかかる。



嗚呼駄目だ浮上しないと。



『ああ、何出そうか迷って』

「ある程度多くなると
選択肢多くて困るよね〜はいケト


『まぁ(違うこの痛みは多分拒否)』


嫌だって言った。

だから諦めたくないが正解。




何故諦めない?

何故痛みから手放さないの?

その痛みに何を見出しているの?





それは私があの鳥籠の中に居た時と同じ位のもの?




するりと髪の毛が揺れる
声が聞こえる気がする
そう横を向いたのに



「メル?」




触れた相手は私の願った相手ではない。




此処は現実、夢の中では居ない。


いない。いないの。だから首を閉めなければ。



『っ、ちがっ』



駄目抑えろ。


そう蔦がメルの首を絞めだし

ダリ達から距離を取りだすのに声が聞こえる。




集中しろ、落ちるな。まだ良い。




…まだ?




そうだ



『…まだ、まだ醒めないだけ。』



醒めないだけだ。


そうだ


今までそうだったじゃないか。



君をずっと待って待ち続けていたら

気付いたら青空の下に戻っていた。



絶望なんてしなくていい。

傷付いたりしなくていい。

其処に貴方が居なくたって

私は私は生きて生きていける。





だから嫌なのだ。



だからこれはお願い。



『夢、これは醒めない夢。
あっちが現実。だから消えて。』


お願いそう言うとメルの首からツタが外れ

咳を何度かするのにダリが背中をさすりかけよる




「っ、今のは」

『けほっ、けほっ
…勘違いさせただけ。
暫くは大丈夫。』

「勘違いって…」


『ここは夢。あの鳥籠が私の現実。
長い長い夢を見ているだけ。』


だってそうでもしないと

この感情は貴方達を傷つけてしまう。



そう言ったメルにツムルは眉をひそめた



『今は。そう…今は。』



だから何時か、貴方達を見るから。

どうか今だけはお願い。

現実に夢を見させてほしい。




『続きしよ?ごめんね。』


そう笑うメルにうんとこくり頷いた


『(そうだ、これは夢の中なのだ)』


長い長い夢の中



私はずっと貴方を待っているよ。




だからどうか迎えにきてよ。







置いていったこの亡骸を取りに。

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