パタンとドアを閉めたイフリートに
リルは「で?」と答える。
「処刑と処刑どっちがいい?」
「わぁ一択だねぇ♪」
「まず事の詳細を聞きたいんだけど…良いかな?」
その分、誤解が分かるから。
そう言ったダリにリルはメルを呼ぶ。
今メルはリルに
抱き着いたまま
ダリに背中を向けている。
「分かった。
言いにくいなら俺から言おう。」
「え?カルエゴ先生?」
「メル、お前は魔樹として
力を使ってこいつの話をきいた。
その話が、恐ろしく
加えてスージー先生からの言葉で
拍車をかけ、この場所に逃げ込んだ違うか?」
『ちがっ!!私は!!!…私、は』
「メル、いいよ。私が話そうか?」
『…いいよ、いい。そうだよ。
逃げたのには違いないもの。』
「メル…それは」
『リル』
そう凛とした声に、
リルは分かったと肩を落とす。
すっとメルは立った後
リルの隣にばさりと音を立てて
白いワンピースをたたみ座る
『確かに魔樹としてあの時、力を使いました。
遠くにいるリルだけでなくエイト先生や
イチョウ先生…スージー先生達の会話も全て。』
「…全てって、いつから?」
『所々聞いてぬかってるのはありましたが。
殆どの会話を聞いていて
…サボテン買って終わった後
ふと気になってダ…
スージー先生の会話を聞いたんです。』
ふと喉につっかえた感じがして
身体が拒否っているんだな
と思いつい笑ってしまう。
首に手を置いて目を閉じ笑いながら答えた。
『メルの事どう思ってるの?
って…返した答えが、
飼っているだけだって。』
「っ!?!?!?」
「…ダリ先生、本当で?」
「…まぁ事実ではあるね。」
『その後聞くにも聞けなくて、
カルエゴ先生にバレないように
とにかく忘れる様に
息を吸って吐いて落ち着かせて、
場所が分かったから飛んで行ったら、
スージー先生に会って。』
『そこでスージー先生に
ダリ先生好きなの告られて。
要らないなら奪うよって言われて。
ならどうぞ上げますよ。って言った。』
「…は?」
「え?スー、ほんと?」
「…ふいっ、事実です。」
『それで胸がジワリと
侵食する速度が異常に早くて
これ離れないと不味いな
って思ったからサヨナラした。』
後はリルが助けてくれて
そのままこの場所に結界を張った。
「そこからは私が」
そうリルが手を上げるのに
一同メルから視線をリルに向けた
「直で胸に痛みが走って、
傷付いた感覚が走った。
もう大体メルの傷が痛むのは
スージー先生とダリ先生の
タッグが決まった瞬間分かってたから。」
どうせどっちかが変なことを
吹き込んじゃってんだろうと思って。
スージ―先生の頬を殴れないので
消去法でダリ先生の頬を
思いっきりぶん殴りました。
「あっっれすっっごい
痛かったんだよねぇ〜〜♪」
「その後メルを追いかけて、
二人で結界を張りました。
この場所は外の時間が一時間過ぎると
中は一か月経っています。」
「「「っええええ!?!?!??」」」
「いっ!?いっか!?」
「その間に、ダリ先生の事が
好きで好きで堪らないメルが
大好きなスージー先生を
悲しませたくない結果。
恋を応援する為に
自分の恋を諦めたら
まぁ〜〜〜泣く泣くなくなく。」
「…っ」
「目が覚めたら涙を流し、
寝ても皆さんと過ごした時間を
思い出すもんだから
寝ても覚めても悪夢で
二か月ずっとノンストップで
涙流してましたよ。」
それを見て、
馬鹿馬鹿しいなんて言われて
腹が立たない訳がないですよね?
そう言ったリルにダリは謝る
「今どれくらいの時間が経過している?」
「もう貴方達と離れてから
三か月以上は経過していますよ。」
まぁ四か月まではいかないが。
そう付け加えて言うリルに
三か月…と声が漏れる。
「あれ?メルちゃんの
一人称っていうか口調変わった?」
「私の努力の結果ですよ…
何処かの誰かさんが傷物で捨てるから」
「ぎくっ」
「…聞いた感じだと100
ダリ先生とスージー先生が悪いですね。」
「いやタイミングもあり得るけどね」
「と言う訳で、私はメルを覚醒前の状態と
お・な・じ・よ・う・に!!
…メルを愛して愛して育てていました。」
おかげ様で、一通りの攻撃の入れ方や動きは出来ますよ。
先程イポス先生に直で攻撃したのがそうです。
「アレは流石に来ると思ってなかったから
…正直ビビった。」
「良かったね」
『私これ幼稚だから
絶対攻撃されないと思って
甘えたイチョウ先生の弱さに怒るべき?
それとも私が強くなってることに
驚いて感動したってことで喜ぶべき?』
「んーーー後者にしよっか!!」
『リルさぁ〜〜…そう言う時って逆じゃん。
はぁ〜〜〜まぁ私も赤ちゃんだったから
ありゃ、ああなりゃそうだけどもさぁ〜〜〜〜』
そう大きくため息を吐いて
胡坐をかいて顎を手に置いて言うメルに
性格変わり過ぎてないと答えるのはマルバスだ
『…元に戻ったみたいだもんね?
だって前世私こんなもんだったでしょ?』
「まぁ…うん。」
『何々その意味深な答えは〜?
生まれ変わっても変わらないで
すいませんねぇ〜成長し・な・く・て!』
「なっ!そんなこと
言ってるわけじゃないじゃん!!」
『あぁ〜??いいのかぁ?
そんなこと言ってぇ?
やろうっての??いいよ?
死合するかぁ??おおん?』
「っへぇ〜〜??よく言うじゃん、
あんなに最初泣いてぐずってた
馬鹿は何処の誰だかねぇ〜〜〜?」
『…ハ?ぶち殺すぞ貴様』
「まぁまぁまぁまぁまぁ!!」
「メルちゃん落ち着いて!!ね?ね!?」
そうイチョウがメルをエイトがリルを引き離す
ひたすらメルとリルの目がキレて
今にでも攻撃してこの場所を更地にしかねない勢いだ。
というかいつそんな物騒な言葉を覚えたの!?
そんなエイトの心境を知らず、話を戻す
「で?お二人共何か言いたい事は。」
「〜〜〜っ!!まずは、ごめん!!!」
すいませんでした。
とスージーもメルに頭を下げる。
「アレには続きがあってね…その、」
「…ダリ先生。」
「分かってるってスー言わなくたって」
ガシガシと頭をかいた後
とても言いにくそうで
暫く唸った後
ダリは「もう」と言って
メルを腹から抱きかかえて攫う
それにリルが待ったを入れるも
外に出ていったのに
追いかけようとしたが
「リルさん、私とお話しませんか?」
「…了解。」
+++++++++++++++
『っ!離して!!やだ!!』
「僕がやだよ。ちゃんと話聞いて。」
そう言ったダリにメルはぽろぽろと涙を流していた
屋根の上にメルを降ろし
嗚呼ほらとハンカチを出して
メルの涙をトントンと優しく拭ってやる
「あの場所で言うには
ちょっと処刑にも程があって
…ごめんね。
びっくりしちゃったでしょ。」
『うん』
あっ素直なんだねそう言う所は。
「まず最初に、
僕はスーに告白されてもOKしないよ。」
『え?』
「それだけは先に伝えておく。端的に話すと、
今回のは単純に僕の距離感の問題だった。」
割と考えたら勘違いさせるようなこと
昔からしてたんだなって
僕さっきの聞いて反省してるんだよ。
そう頭を抱えてダリが隣で座って
話すのにそれで?と話をきくメル
それにダリはうんと言って答える
「それでね、距離近い
腕輪の関係で次いでだから
手繋いだりしよーって
友人みたいな感覚で
決して恋心は持っていなかったんだよ。」
『……』
「で、最初確かに君を飼うって感じだった。
だから最初は飼ってるだけだよ。
って言ったんだ。」
でもね、その後に言ったんだよ。
ああでも、これ此処で言うのかぁ。
そう唸るダリにメルは首を傾げる
『そんなに此処だといけない?』
「いや…言葉というか、もう〜
後から言っても文句言わないでよ?」
そう頭をかいて照れるダリに
何時もは笑っておちょくるのに
今日は本当に余裕がない状態で驚く
「でも、傍に居るうちに、
君と初めて出会った時の事思い出して
肌に触れていく度に飼うんじゃなくて、
ずっと傍に居て欲しいって気持ちが
どんどん塗り替えられていった。」
僕、前まで定期的に悪周期来てたんだけど
君が来てからぐっと悪周期になるペース
減ったんだよね。
「…だから、その」
『…いいよ、ゆっくりで。
私、待ってるよ。』
「……柄にもないこと言うよ。」
いいよ。そう声に出さずに
そっとダリの事をみる
「君と隣でずっと生きたいと思った」
…
それ、って、つ、まり
「あ゙〜ほんっとこういうの駄目なんだよ…
でも君、ちゃんと伝えないとリルは奪っていくし
カルエゴ先生には目付けられるしで敵が多すぎて」
「そもそも君最初から僕のこと大好きでさ?
僕の理性を一々殺しに来るから
我慢も限界だったりして。
つい今回羽目外しちゃっただけなんだよ。
…メルは僕のこと好きだから
どこにもいかないって思って甘えたりしてた。」
だから、ちゃんと言わなかった。
それが今回の原因だとは、思わなくて。
気付かなくてごめん。
そう言ったダリにメルは何も言わない。
ただ、すっとダリはメルの片手を取って
夜空に月夜を背に翼を広げて言うのだ
「メル、僕と結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?」
一瞬、時間が止まったかと思った。
『…へ、あ、あの、わ、私、でいい、の?』
「当たり前じゃん、
こんなこと冗談でも言わないよ」
『へ?あ、やあの、えと』
「本当は君がもっと成長してから
ちゃんと機会を狙って改めて言おうと思ってた。
でも…同棲している時点で
伸ばし過ぎると悪いって
気付かなかった僕が悪いよ。」
『へっ???はっ、あやあのその』
「…で?返事は?」
『……………考え、させ、て。』
「………寿命の事ならいいよ。
スージーの事だってきっぱり言っておく。」
『や!そうじゃなくて』
「魔樹のこと?」
『…私、ダリと一緒に居て
嬉しくて楽しくて、
時間がすぐ過ぎて。』
「うん」
『泣いたらすぐに抱きしめてくれて傍に居て
ずっとこのまま居たいって思って。
でも、スーちゃんも好きで…好きな二人が
仲良くなれば、私はそれだけで胸が一杯になった。』
「…うん」
『でも、同時にぶわって
痛みが広がって落ちる感覚が来て
それが嫉妬なんだって
スーちゃんを嫌いになるんだって
感覚を感じるのが悪いんだ
って言い聞かせていた。』
「うん」
『でもね、泣いている間に忘れようって
思っても気付いたら貴方の事を思い出して。
こんなにも愛されていて
好きで初めて嫌だと思った。
奪いたいって…思って、嫌だと、
戻りたいんだって思った。』
「うん」
『純粋なままで居られたら
どれ程良いかと思った。
でも…好きに愛すれば
どんどん欲深くて染まっていく。
いつの間にか、私の中には
貴方が全てを埋め尽くしていた。』
「…メル」
『私の本当の名前はね
メルじゃないの。
安名メルじゃない。』
「…え?」
『私の名前は特別だから
誰にも教えていないの。
…うん、今決めた。よしそうしよう。』
そう言ってメルはダリの目を見て言う
『私の本当の名前を呼んでくれたら
お付き合いからよろしくお願いします。』
「…いい、の?」
『ええ…その代わり
そこで聞いている全員にもね!!』
そう指を鳴らしたメルに
下に隠れて聞いていた者達が浮遊する
わっばか!!と言って
「メル私は!?」
『あんたはもう恋人や家族以上の存在でしょうが。
君さぁ〜私の心から生まれたこと憶えてる???』
君何処の世界に行っても特別なの分かってる?
そう言ったメルにリルは痛い痛いと笑って答える
メルがリルの頭をグリグリとしているからだ
『あ〜と、スージー!』
「ふいっ!?」
『私の獲物、手もう出したら承知しないからね?
この魔界を破壊するつもりで、君を狙うから。』
「…ふいっ、分かりました。
まぁ、元々叶わないと思っていましたし。」
『へ?』
「ふいっ?私も続きがあるんですよ。」
「スージーったら、メルのこと
意地悪したかっただけなんだって〜」
『へっ!??!?!?!?』
「すいません、
あれほどまで絶望するとは思わなくて…」
『…これ100私が悪いのでは???』
勘違いした私が。
そう言ったメルにいいやとリルが首を振る。
「元はと言えば同棲もしているのに
お付き合いも告白もすっ飛ばして
放置している悪魔が駄目なんだよ〜〜〜〜」
「ぐっ…ぐうの音も出ません」
『あ、はははは………』
「ま。でも挑戦状受けて
答えが合ってたらいいんでしょ?」
『…回数制にしようかしら』
「ちょ!?メルちゃん!?!?」
「っくくく、
いい成長したじゃないか。
いいぞメルもっとやれ。」
「カルエゴ君?!」
『でしょ〜?良い性格してると思いません?私』
「嗚呼、間違いないな…ということ、は」
この俺も、狙っていい権利に含まれると。
そう言ってメルの髪にそっとキスを落とす
それにへ!?とメルが声を上げる
「先程の言葉だと、
そう受け取ると思ったのだが?」
『へっ!?あっ、やそそそそう、
だけども!?やでもカルエゴ先生』
「生憎、俺は
手の届かない程に
高い物が好きなんでな?」
『…魔樹としての???』
「まぁどうとでも捉えるがいい。
狙っていいと許可がでれば…話は別だ。」
「…カルエゴ君?」
「おお、怖い…顔が怖いですよ。
……ダリ先生?」
そう言ってニヤリ笑うカルエゴに
ダリはメルの腕を掴み引っ張った
「…誰がそうさせたんだか」
「はっ」
『……あれ?私ひょっとしなくても
小悪魔のやり方間違えた?』
「うん。間違いない。」
そう言ったリルにメルは苦笑いした