『はわわ…』
4月。入学式。
メルは無事に9か月に入りました。
もう精神年齢は20歳吹っ切れて元通り〜!!
理事長の挨拶から何から慌ただしい中
「新任教師の諸君ようこそバビルスへ」
「誇り高き我が校の教育者として職務に励むように!!」
「はいっ!整列!僕の話をよく聞いて!」
ゴホン
「良いかい新任くんたち
まず教師と生徒は“家族”じゃないんだ!」
「そう!!我々教師は生徒を守る番人!!
宝を狙う敵には凄惨なる“教育”を!!だよ!」
「張り切ってるなぁロビン先生」
「カルエゴ先生は?」
「自宅で寝込んでて休みです」
あちゃー使い魔召喚ダメだったかぁ。
そうメルは数日前の事を思い出し苦笑いする
※詳しくは短編で!!
「分からないことは先輩の僕に聞いてね!
な〜んでも答えちゃうから!
分かったかい!二人とも!!」
「はい!」
『あれ先生ですか?』
「嗚呼、メルちゃん初めましてか!」
「初めましてぇ〜♪アトリって言います」
「シーダです。よろしく…」
『はわわわわ……!!安名メルです!
好きな物はスパゲッティです!
宜しくお願いします!!!!』
「わぁ〜♪元気だぁ〜♪」
『へへへ!!!』
「嬉しそうですね〜メルちゃん」
「後輩初めてだろうしねー!」
「メル先生はどんな授業を?」
『私は先生方のサポートです!
アトリ先生は?!』
あとその黒髪三つ編み超素敵です!!
「俺は実技だよ〜♪」
ありがとね〜♪
そう笑う輝くメルに
アトリはひらひらと手を振る
「にしてもメル先生
可愛らしいねぇ〜♪
小っちゃくて♪」
『むっ!私飛べるから身長
同じように立てるんですよ!!』
でもえらいのでこのままで居るんですよ!
メルちゃんメルちゃん
テンション下げて下げて
そうダリに言われてハッと気づくメル
「メルちゃん大人びたなぁって思ってたら
案外テンション上がると戻るよね。」
「あはは…」
「あ!メルちゃんいたいた!」
お?そうパタパタと走って来たマルバスに
どうしたんですか?と声をかけた
「それがさ、さっきアブノーマルクラスの子に
やらせたら壊れちゃったみたいで。」
そう魔具の話にメルは驚き固まる
『え゙!私手伝いますよ!!』
「ごめんねぇ〜すいません
ダリ先生メル先生
お借りしますね。」
「あいよ〜連れてっちゃって〜♪」
そう手で丸を作るダリに
何故と少しシーダが首を傾げる
「メル先生ダリ先生と
お付き合いしてるんですよ!」
「っ!へぇ〜」
「…奪ったら怒るよ?」
そう言ってダリはアトリを見る
ニコリと何時もの笑顔から
薄っすらと目が開く
その目の奥は警戒と殺意
「〜っ!奪う訳ないじゃないですか〜♪
(ひゅ〜〜!面白れぇ〜♪)」
じゃ俺達はこれで♪
と言って彼らは席を外す。
それにダリは少し
顎を手で触ってじっと見ていた
+++++++++++++++
「魔力適正を調べる魔具
“ジャック魔ロット666”」
そうアブノーマルで使った魔具を見て
そのデカさに声を上げた
「この黒玉を持って、魔力を込めて
投入口へ入れてレバーを押して欲しいんだ」
そしたら測定始まるから
そう言ったマルバスにメルは頷いた
『(魔力…魔力…)』
ふわりと思い浮かぶ、優しい悪魔。
うん。大丈夫。
レバーを押すとガシャガシャと音を立てて
暫くルーレットが止まらない
「あれ?」
止まった時、読めない記号と
「やっぱり壊れちゃったんだなぁ〜
どこだろう〜」
『…あのマルバス先生、最後にした子って』
「ああ理事長のお孫さんのイルマ君」
『私みたいな?』
「…いや、彼の場合黒く塗りつぶされて
真ん中に何かの骨のマークがあったね」
骨?
私の場合も骨ではあるが…
『(“山羊”の骨マークに赤
…人間だとそうなるのか?)』
だが、私は直で魔力を入れている
…強いて共通点があるとしたら
他人の魔力ということで…いやまさか。
偶然だ。
うん。
そうだ。
『(嫌な予感が凄いする…何だろう)』
「メルちゃん
此処空けてくれる?」
『あ!分かりま…は?』
「どうし…メルちゃん?!」
そう出て来たプリントに
腰を抜かして地面に崩れ落ちた
それに肩を揺らして大丈夫!?
とマルバス先生が心配してくれている
息が、息が出来ない。
どうしよう、どうしよう。
なんで?なんで?
見ないで。お願い。お願いだから。
いや違う願ったらダメ。
あれ?でも願っ
「っ!メルちゃん!
しっかり!!メルちゃん!!!」
「っ!!マルバス先生!!」
「リル先生!
メルちゃんが急に崩れ落ちて」
目を開けて、息吸わなくて
そう言ったマルバスに
リルはメルの元に座り
メルの持っていた紙を見て
ぎょっとした
顔を伺って、声に力を込めて
「っ!!…“メル”」
そう言っても
声が聞こえてきそうにないので
仕方がないとメルは声を出した
「マルバス先生。
少し席を外して下さい。」
「え?やでも」
「いいから!!!」
「…わかった」
外出とくよ。
そう言ってパタンと扉を閉める
それにリルは指を鳴らし
音を聞こえないようにした
「…ミユ。息を吸って。」
『っ!?あ、っ!!』
「…汝、オカモトミユよ。
君は安名メルだ。」
そう言ったリルに
メルの倒れている床が模様を描き出す
ジワリと赤黒い光に
メルの目は真っ赤に染まり落ちる
『…メル』
「そうだ。メル、君の名前はメルだ。」
『メル…わた、し、の名前は…メル』
「大丈夫。誰も君を奪いやしない」
『だれ、も?』
そう。
『っ、ふ…すっ…ふ』
「ミユ」
『……ごめん、ありがとう。』
「何があった」
『…これ』
そうペラりと一枚の紙に
リルは大丈夫とメルを抱きしめる。
「(何でコレがある)」
“オカモトミユよ その息を止めよ”
その言葉が、感じが。
全てが思考に入ってきた。
その文字は悪魔文字では無くて…
誰かが、この文字を知っている奴が居る。
でも…何故?
呼吸を止めたのはこの紙を見たから。
そりゃあそうだ。
メルの本名を書き記した文字だ。
…廃棄した方が良いな。
そう思いリルは用紙を燃やした。
「メル、もう触れない方が良い。
マルバス先生呼んでくるから」
『うん…ごめん』
「良い。メル、分かったと思うけど。」
『うん。』
そう言ったメルに
リルは何も言わず
その場を後にした
文字を見ただけで、効果がある。
これはかなりまずい。
ダリ先生には
まだ名前しか教えていないが…
本当に苗字まで知られた時は…いや。
そもそも彼らが私の名前を知った時。
私の心臓は身体はもう私の物ではなくなってしまう。
とりあえず誰も見られてなくてよかった。
そうホッとしてメルは後にする
でも私は気付いていればよかったと思った。
その部屋に一匹の虫がいることに
気付いていれば、あんなことにはならなかったというのに。
+++++++++++++++
コツコツと音を立てて
アトリとシーダは廊下を歩く
「大丈夫。ウー兄の魔術は完璧さ
俺らはただ任務に集中すればいい」
ーデルキラの遺物を探し出して持ち帰れ
「なんでもいい
ヤツの痕跡が残っていそうな物なら
在学中に創ったモノ書き記した書物から
その時使った万年筆まで
デルキラに関するモノ全て」
「一番クセぇのは“王の教室”だ
デルキラが在学中に一番
長く居た場所だからな…中でも」
「新魔樹はデルキラの遺物として要重要人物だ。
見つけ次第即連絡を入れろ。」
「教室で遊んでいる
ガキどもは上手く使え
邪魔だとおもったら
…まぁ2、3人なら消しても良いぞ」
「っと、だがこいつは例外だ
理事長の孫“イルマ”
こいつには使い道もある…だから
万が一イルマに何か気付かれたり
勘繰られた場合はデルキラの遺物と同様」
此処まで持ち帰れ。
それは新魔樹という存在と同じく。
「イルマ…ねぇサリバンの孫にして
持って帰って一体何に使うんだかねぇ〜」
…それに新魔樹の存在って、
魔樹自体、生きてるかわからねぇのに
このバビルスに眠ってるのかぁ?
「…」
「まぁロクなことではねぇ〜わなぁ〜」
「…シ〜〜〜〜ちゃ〜ん
何にテンション下がってんのか
しんね〜けどさぁ〜大丈夫だって!」
楽しんでいこぉ〜よぉねっ!
「なんなら一杯やる!?パァ〜っと決起会!
俺らの教師生活の門出に〜カンパ〜イ」
「っとと!ごめん!驚かせちゃったかな
新任の先生たち…だよね」
ちょっとお話いいかな?
+++++++++++++++
バビルスへ潜入する際
…接触を最小限にすべき悪魔が4人
1人はサリバン、
あとはナベリウスの番犬と
それに並び立つ
…そして
「新魔樹を保護していると
噂のダンダリオンだ」
「ダンダリオン?」
「ヤツからとにかく新魔樹を離せ。
新魔樹に気に入られて傍に居させても良い程に。」
分かったな。
「ごめんね!簡単な物しか出せないけど」
「や〜どもども!
俺らもバラム先生とは喋ってみたかったんで
お呼ばれ嬉しいな〜」
「わっそうなの嬉しい」
…バラム
家系能力
どんな嘘も不正も
瞬時に察知することが出来る
どんな水面の揺れも見逃さない
「さてと」
「それでキミたちはどうして
教師になろうと思ったんだい?」
「……………いきなりっスね!」
「えっそうかな?」
「いやいや最初はもっとこう〜
趣味とか好きな食いモンとか
じゃないんですか?」
「ん〜〜〜〜」
「同僚として純粋な疑問なんだけどなぁ…
キミたちがどうしてバビルスに来たのか…って」
「ぶっ壊すためですよ。バビルスを!」
「!!!…それは」
「もちろん!教育的な意味で!
革新的っていうんですか?
従来のやり方に囚われない!
ニュ〜教育!新しい風ってやつですよぉ〜〜」
「…にしても随分と過激な表現だね」
「そっスか〜?
創造には破壊がつきもんって
持論なんですけどぉ」
ぴしりと茶飲みにひびが入る
「ちなみに…その破壊の中に…
生徒は入っていないよね…?」
ー嗚呼
「僕らはバビルスの教師として
生徒達に危害を及ぼすことはしません」
「絶対に」
「そう…!」
「ちょっと!俺も別に
そんなことしないですケド〜!?」
「ごめんごめん!」
「志は同じですとも!」
「うん…」
+++++++++++++++
『あ!アトリ先生〜!!』
「お?」
そうパタパタと走ってきたメルが資料を渡す
『すいません急なんですが
この資料で見抜かりないですか?』
確認次第、他の子に書類出したくて
お忙しいのにすいません〜!
そうペコペコするメルに
アトリはサラッと内容を見て
大丈夫と判断した
「ん!大丈夫だよ〜♪」
『ほっ!では私はこれで』
「あ、メル先生〜♪」
『はぅ?どうされました?』
ちょいちょいと
手招きされて頭を指さされる
「俺の髪の毛
良かったら練習する?」
『…!!!!』
いいんっですか!!!
そうキラキラした目で
メルは食い込みに入る
『っあ〜でもすいません、
私ダリ先生から仲良くない悪魔とは
一人で長居しちゃ駄目だぁって
約束してるので。』
…ダンダリオン・ダリ
「えぇ〜♪そんな〜連れないなぁ〜♪」
『へへ!あ!!
職員室なら構いませんよ!!
あ〜でも男性の髪の毛
触るのってどうなんだ?
でも三つ編み一人で
編めるようになりたいし〜〜〜』
「…ねぇねぇ?
じゃぁ、シ〜ちゃんいたらどう?」
俺達二人きりならダメだろうけど♪
女の子一人いたらいいでしょ?
そう笑うアトリにううんと考えた後
メルは二パッと笑って
いいですよと返した
部屋を一つ借りて、
メルはアトリを席に座らせる
シーちゃんと少し目を合わせ
「ごめん、私、用事…」
『えっ!嗚呼なら』
「すぐもどる」
「メル先生続けて下さいよ〜♪」
『すぐ戻るなら…まぁ良いか?』
パタンと扉が閉じて
花歌混じりにメルは
自分の髪紐をほどいた
「…綺麗な髪ですねぇ♪
何か秘訣とかあるんですか?」
『それ言うならアトリ先生もですよ!
ちょっと失礼かもしれませんが、男性で
その髪の長さで三つ編みって
面倒とか思いません?』
「い〜や♪これが好きなんですよ〜♪
編むの楽しくて」
『わ〜〜!私もなんです〜!!
こー黒髪って良いですよね〜!
髪の毛長くて黒い悪魔久しぶりに見て〜!
テンション上がってしまって!!』
「元気なのが良いですよ〜
俺も話しやすいですし〜
はぁ〜おまけに可愛いしで
ダリ先生も羨ましいなぁ〜♪」
『ほぇ?ダリ先生?』
「あれ?俺、他の先生から
ダリ先生とメル先生
付き合ってるって聞いたんスけど」
そう言うと徐々に
メルの顔が下から上に赤くなり
背後を見せて
無理無理無理無理
と言って全力で照れている
わ〜〜〜♪可愛い〜〜〜〜♪♪
「ダリ先生はどんな先生なんですかぁ〜?」
『とっても優しくて、強くて
…私の大好きな悪魔さんです!』
「っ!…へぇ〜♪」
『アトリ先生もダリ先生と
仲良くなりたいですか!?』
「あ〜まぁ?」
『へへ…なら私が
間を持ってあげますよ!』
「ん〜それよりも
俺ぁ君と仲良くなりたいなぁ」
サラッと降ろした髪の毛をすくう
その髪が何よりも綺麗に見えて…
その身体を心を奪った
彼の顔が崩れる姿を
見てみたいとも思った。
『…私、と?』
+++++++++++++++
「はいシーダ教員アトリ教員ともに
…危険悪魔かと推察します。」
「ブザーにはかからなかった
…しかし頭…ツノに近い部分に
触れる回数お茶の飲み方
その他手振り足先の挙動」
「彼らの動きは“何かを隠している”生物のそれでした
その真偽はまだ分かりませんが…
はい…バビルスや生徒達…
そして
凄惨たる教育を…
+++++++++++++++
「そ♪…ダメ、ですか?」
そうしょげるアトリに
メルはブンブンと首を振った
『良いですよ!私も黒髪の悪魔さん
とた〜くさん仲良くしたいです!!』
「あ♪これこーやるんですよ♪」
『ほうほう!!あ、こ、う?』
「あ゙〜違う違う
…手触れても?」
『構いません、よ…?』
「ん?どうしました?」
『いえ…(あれ?触れた時)』
何かとてつもない悪寒が
身体の中に染みわたった感じがした。
なんだろう?え?危険悪魔??いやでも…
『なんでもないです!
ごめんなさい!驚いちゃっただけで!
(黒髪が全て恐ろしいわけがないもん。
そうだそうだ。)』
あの人たちは、私を置いて捨てていったけど
アトリ先生がそういう悪魔かも分からないのに
むやみやたらと考えたら駄目だ…
それに。
『(髪の毛編めるようにして、驚かせちゃお〜♪)』
ふふっと笑うメルに
アトリは目を細めた
「…あの」
『はい?』
「メル先生は…魔」
「め〜〜〜る〜〜〜ちゃ〜〜〜ん〜〜〜????」
ぴっ!!!!!!!!
ぎぎぎぎとブリキの音がなるように
錆付いたように後ろをゆっくり振り返る
仁王立ちしてニヤリと笑うダリのその目は…
『ぴっ!!!!!!!!』
「約束してた話と違うんだけど〜??」
『はわわわわわわわわ』
「ダリ先生ごめんなさい♪
俺が無理に誘ったんですよ♪」
『へ!?あっやっちがっ』
「……はぁ。分かりました。
今回はアトリ先生の言葉で
許してあげるけど」
次ないからね?
そう言ったダリの目が座っており
メルの背中がぴしりと凍り付く。
ひぇあの悪魔怖い!!!!!!!
帰るの怖いよぉ…ひぇ…帰りたくないよぉ…
そう縮こまるメルにアトリは苦笑いする
「ごめんねぇメル先生」
『いぇ私もテンション上がり過ぎちゃって
距離感覚無かったので…でも誘って頂いて
ありがとうございました!!』
私練習してみますんで!!
そう笑って手を振って帰るメルに
にっこり笑顔で笑って手を振ったアトリ
「…(〜っぶねー、ひぇ〜〜
おーーーこっっっっっわ!!!)」
ゾクゾクしたわ。あの悪魔。
あの目に力…そして
ー新魔樹の守護
「…安名メル、か。」
彼女が間違いなく新魔樹
…デルキラの、残し物であり
この
大事に育てている
魔界の全てを守りし、最後の卵
ーーーーーー
「そいつの心を奪うとかは?」
「出来るものならしてみろ。
魔樹の心は一度決めると
揺るがないと知られている。
初めて見た物を親と認知し
恋心を抱く
…強いて奪えて震わせるなら」
ーーーーーー
「(ダンダリオン・ダリの
傷付くことを彼女に思わせ、
この場所から
自分から出ていくように仕向ける)」
『ダリ先生!!これ!』
「OK〜!」
『やた〜!!』
…できるんか?
ーメルの愛は魔界の谷よりも深い✰