Novel - Carla | Kerry

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栄養補給にいってきます3

act 26.

『はい!スージー先生お手伝いの瓶です〜!!』

「ふい〜っ!!助かります〜!!!」

そう間違いなく開かなかった瓶を
無事開けて来たメルさんから
受けとると嬉しそうに
目をキラキラして
此方を見て来るものだから。

「ありがとうございます。
はーいよーしよしよし」

ついつい、頭を撫でてしまいます。ふいっ!

そう頭を撫でるとメルさんは
それはもう目をさらに輝かせて。
もう眩しい程に。

嬉しそうに役に立てた〜!!やった〜〜!!!
と言いたそうに笑ってくれるんですよ。
…本当に、可愛らしい人。


……私ね。

謝りたい事があるの。

そう言ったスージーにメルは首を横に振って笑う

いいよ。謝らないで。

そう寂しそうに笑う。


「ふいっ…どうして?」

『…普通の悪魔なら!!
…きっと貴方を憎み痛めつけたいと思い
嫉妬で狂い貴方を叩きのめそう
とする位のことはされたとは…思うよ?』


っ…なら!!!


『でもね?私はしたくない。』


「…え?」


『貴方が好きだから』



どうして?

貴方が、メルさんが
好きなダリを私は好きで奪おうとして…


うば


「…どうして、私なんかに
ダリ先生を渡そうとしたんですか?」


『…好きだから』


そうそっと私の手を取って貴方は言う
ただ、嬉しそうに。


『私はね、生徒想いの貴方が好きだし、
いつも優しいけど
ちゃんと叱ってくれる貴方も好き。』


嫉妬して、ずっと見ていた彼が奪われて
ちょっと意地悪したかったんでしょ?


そうニコリと笑うメルに
スージーはコクリと頷いた

『それって、私もダリ先生も
とっても貴方は私達のこと好き
って証拠じゃない?』


…?

ん?


「な、ど、どういういみですか?」


『ん?あれ?だって、
嫉妬って自分よりも上と思ったらそうなるでしょ?
つまりスーちゃんは私もダリ先生も
自分よりも強いって凄いって思ったって事は
私もダリ先生も好きってことで。』


「ふいっ…」


ああ…この人って人は……


「悪魔垂らし…」


『えええ!?
何処が!?
どこら辺が?!』


全部ですよ。本当にもう…


「確かに…これは流石の
ダリ先生も堕ちますね…ふいっ」


「あ〜分かっちゃった〜?」


『ダリ先生!?!?』


いつから?!君の瓶取った所から♪
お前最初から付けてやがったな!?
そう怒るメルさんに
ダリ先生はケラケラと笑って
両手で彼女の攻撃をカバーしている



「でも」


『んにゃ!?』


「スーにだって譲らないよ?」


そうメルさんの腕を引っ張ってダリ先生は
人差し指を立てて此方にウインクしてくれる。




…確かに。

私は、彼女たちが好きだ。

最初はこんな幼子に相手しているダリ先生可哀想。

な〜んて、思っていたが。


あの地獄を見た瞬間

そんな口がよく聞けたなと思った。


メル先生が私から
距離を取っていたのは分かっていたし



そのままでどうか離れていて欲しかったのに。



背後に来たひんやりとした冷たいものに



嗚呼これは


彼女をいじめてしまった罰なのだと


思い知らされたのに




ーだれにてをだそうとした


そう言って、貴方は私を庇ってキレていた。
何故?何故守ってくれるの?


ーそんなにほしいならくれてやる


この心臓を


そう言った彼女の方を見ると
其処には、ぽっかりと背中まで穴が開いていて



嘘だと思った


攻撃をする彼女がおかしい

これは夢だ



そう悪夢だ


悪夢だと言い聞かせたかった


なのに、触れると温かくて…


酷い悲鳴を上げた音に
そっと行かなきゃと言った彼女に


やめてと声を叫んだ

酷い事をしたのは分かっている

でも、貴方が居なくなっては

貴方に謝罪が出来なくなってしまって…嗚呼


それでも報われようと企むのか


浅はか過ぎて


そりゃあ、想い悪魔びとにだって振り向かれない訳だ。



ダリ先生の腕の中で吐血する彼女に悲鳴が上がる




駄目止めて、お願い。


しなないで。


そう言って下を向いていると
ぱたぱたと何かの音がして
前を向いた


すると


今まで見た事のない表情をした
ダリ先生がメルさんを見ていた


何時も笑顔で、何も悩み事がないようにも見える位
面白い事が大好きな彼が




メルさんの姿をみて

ただ絶望して

大粒の涙を零して口を開けたまま呆然としていた


メルちゃんと声が聞こえたのに気付いて
ダリ先生がいやだ、いやだと首を振る

大丈夫だ。守れた。ごめんね。


そんな言葉が零れるのに良いと言っても
貴方は…貴方の心臓は…

小さな声で、メルさんの
名前ではない人の言葉を言うダリ先生


ミユ…それは?

一体誰ですか?


おいていかないで。

そう言った彼に、願いが叶ったのか
メルさんの身体はまるで今までが夢のように
綺麗に傷も残さず元通りになった。


それから、彼女はまた日常に戻って行った。

最初は本当に驚いた。


だって次の日からぺかーーーーっと
嬉しそうに笑顔で出勤するんですもの。



そりゃあ

あのカルエゴ先生も口を開けましたよ。


絶対に深い傷をつけられたはずなのに。
肉体的にも精神的にも
なんなら精神的なのが強い筈だ。


なのに、彼女は言ったのだ


ー私ね?あんなこと
何百回と想像して
自分を突き落としているんですよ。


なので味方すら欺けるくらいに
完璧に絶望しちゃって
寧ろ良い経験になったかなー!
って開き直った方がマシかと思って!!

ほらほら仕事は生徒守りますし?

私に対して罪悪感を
もし抱いている方が
この中にいらっしゃるのなら


それは生徒の為に尽くしてくれるだけで


私は充分ですよ。


此方なんて。どうか見ないで下さい。


そう、ほんの少し悲しそうに笑って。


…なんで、そう言えるの?

どれ程、自分を突き落としたら

其処まで完璧な姿になれるというの?



貴方は自分を馬鹿だと言っているが
私が本当のバカだと思いました。


大変沢山努力をしている貴方を見て
浅い嫉妬を出して、貴方から大事な者を
奪おうとした私が大馬鹿で浅はかな者ですよ。



だから…そんなことを言わないで。


謝罪すら許されないと言うのなら…

それならどれ程良かったか。



貴方は



「(本当に純粋で無垢で綺麗な人間なのね)」


薄々は気付いていた。

彼女の姿をチラリとみて。

ブラの場所から
明らかに翼の付け根が当たって
間違いなく邪魔になるはずの場所で。


翼自体がない、バラム先生が言う



空想生物の人間なんだって。




…だから、それにも漬け込んだ。
貴方は相応しくないのだと。



だから、本当に罪深いのは私なのよ。
あの時死んで当然だった。




なのに。






『スーちゃん』


「ふいっ?」


『せめて私と握手してくれる?』




もし謝りたいのなら。

そう言って手を出してくれる。
嗚呼…貴方がもし魔王様ならば


私の命、悪魔人生、魂さえも捧げますよ。



++


皆本当にメルちゃん好きだよね〜!
もー僕妬けちゃうよ!!

ニコニコと笑うダリだったが
スージーと一緒に居たいと
言い出して聞かないメルに折れて
僕はそっと植物塔から抜け出した


「(君が居なくなったかと思って心配なんだよ)」



最初の違和感は「嫉妬」だったんだと思う。


アトリ君と同じ黒髪で、
彼の話をする君は
とてもキラキラしていて。

今まで僕に対してだけに
そのキラキラした目は向いていたのに
アトリ君なーんにも悪くないのに
八つ当たりしちゃってさ?

うっわ〜こわぁ〜♪って顔
させちゃって悪かったとは思ってた。


思ってたんだ。



でも、あの時君から離れた瞬間のメルちゃんを見て
少しおかしいと思った。





メルちゃんはこのバビルスの中で一番悪魔が好きだ。

それも悪魔の教師が大好きだ。

どれ位好きかって言うと


何でもないのに近くに居て話をこっそり聞いてたり

割と絡みまくったりしている。

それのおかげか知らないが、
割と彼女がサポートに入ってから
結構教員の負担軽減になっていて

ぶっちゃけ居なくなると困る程度にまで
ずぶずぶに彼女に甘やかされているものだ。

今ではカルエゴ君も
彼女に書類のコピーを頼んだりするから
最初聞いた時はそりゃあ
もう皆口を開けて驚いてたよ。

なのにメルちゃんは目を丸くした後
凄く嬉しそうに
『はい!急いでやってきます!何部ですか!!』
と食い気味で聞いちゃってさ。

色々驚いたけど、
そんな厳しい
カルエゴ君の気持ちまでも買うんだ。


それ程、君の悪魔を好きな気持ちが僕達に浸透する。




だからね?



だから守りたくだって、なるんだよ。



ふわりと浮かんだ時

もう生きた心地がしなかった


上をみる、何も知らない無垢な瞳が


獲物を捉えたアトリの目と合わさる






触れるな




それは僕の獲物だ






手に力が入る


空に飛び降ろされて、手を伸ばすのに嫌がって。


バラム先生が必死になってメルちゃんを
奪おうとしてくれているのは分かっていた。
どうか救って欲しいと思う反面

アトリの手はメルちゃんを捉えていて。
確実に動いたら殺されるのは
誰がどう見ても分かった。


だから、あの時逃がしても

文句は言えないんだよ。



…通信鬼、僕が付けて上げたのを。
メルちゃんは大事そうに
嬉しそうにしちゃってさ。



その小さな心を。


純粋なその心を。




お前アトリは、嘲笑って玩具にした。


メルちゃんの表情が崩れていくのを
ただ見ているしかなかった。

口が言う


やめて、いやだ、かえして



良い。良いんだよ。


そんなの生きていれば
幾らだって付けてやるよ。



また来年も一緒に心臓破りしようよ。


心臓破りじゃなくたって
また通信鬼付けて仕事する時間なんて
沢山出て来るんだから。


だからそれに固執しないで。



早く逃げるんだ。



そう言う気持ちが伝わったのか
メルちゃんは
ふらつく身体を伸ばした手から
身体を別の方向に動かそうとした



その背後をニヤリと笑うアトリ


もうどうしていいのか分からなくなった君は
恐怖と混乱が入り乱れ混じる感情を
ぽろぽろと大粒の涙として零して。



ほら、言っただろう?


良い悪魔ばかりではないんだって。



…それに気づかなくて

指示をしなかった

僕の責任でもあった。





大丈夫だと、思って。


放置していた自分が憎い。


其処からはもう殆ど記憶がない。

多分イポス先生と当たった時は見た。

でもスージー先生の背後に行った時



メルちゃんの胸に
穴が開いたのには
気付けば身体が動いていた


虚ろな瞳に角に翼が広がる


あの状態は僕でないと解けない。


今行くから。

死なないで。

そう思って走っても、


アムドゥスキアス様に
連れていかれているのを見て
まずいと思った。


でも、ロビン先生が撃ってくれたおかげで
君を連れ戻せて


空いた穴に

ふわりと香る自分の匂いに


毎日が毎日でなくなるのに気付いてしまって


柄にもなく涙が零れちゃったよ


君と同じように、ぽろぽろと涙が落ちて


僕、正直教員生活で初めてなんだよ?

他の悪魔の前で、
君の前で涙を流すなんて。



そんな超絶レアな貴重なものを。


君は居なくなってしまうのかと


その後は君を
連れ去って行って欲しくなくて


ただ思ったことを叫んだ。

そしたら君は答えてくれて、
空いた胸も綺麗に収まって
其処からはイルマ君のハートを叩いて
アスモデウス君のハートを奪いに行ったんだけど

まぁ一年生と共同で無事一個割らずに守り切った。




「ダリ先生」

「ん?リルちゃんじゃない、どうしたの?」

真剣な顔をして彼女が声を掛けて来たので
ちょっと驚いてしまった。
ごめん今ちょっと感傷に浸ってたんだ。

廊下で話す訳にもいかないので
空き教室に二人で立つ


「ちょっと予想外のことが今起きていて
すぐにお知らせしようと思って。」

「…どうした」

「私達…いえ、メルの身体には
魔樹としての力が宿っていることは
ご存じですよね」

「うん」

「本来魔樹は最初に願った
人間の力をそのまま蓄えて
次の人間に魔力を渡していくのが
通常なんです。」


「うん」

「幸運なことにオリアス先生から
アトリ先生の髪を一つ貰っていて
それを解析した結果、
恐ろしい事が判明して。」

「…いいよ」

「アトリ先生」


魔樹なんですよ。


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