Novel - Carla | Kerry

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パーティーピーポー閉塞前線2

act 4.


『っ!…ふっ、はっ!!』

「あれ?メル先生?」

そう帰っている間に
中庭を通っていたカルエゴにイルマ
その姿に嗚呼とカルエゴが言う

「魔樹としての特訓だ」

「魔樹…って?」

「魔界の頂点に君臨する者魔王…
魔王が太陽であれば魔樹は月の存在。
魔界の全てに根を張り
ただ傍観する者のことを言う。」

「…魔樹、」

「通常の悪魔には絶対なれんぞ。
貴様はおろか、この私や理事長でもな。」

「えっ!?なんでですか!?」

「…目を付けられないとなれないのだ。
その願いを捧げて契約を結んだ者は
願いをずっと忘れずに記憶する。」


それ以外を全て消し去って。
何度も何度も。
この世界を死ぬその時まで見守る者。


「その為本来は魔樹は基本単独行動をし
その生態は不明とされる。
まぁ魔樹に願えば
その分叶えてくれるとは言うが。」

「願い?食べ物食べたいとか…」

「そうだ。小さな願いから……
悪魔を蘇生させて欲しいという
願いまでな。」

「…え?」


「魔樹に選ばれるとずっと孤独に生きる。
自然と狙われるので守るためにも一人を選ぶ。
…此処に残るのも、いつまで持つか分からない。」


「えっ!?でもダリ先生と
あんなに仲良くて
…まるで、まるで」

「恋人同士ということか」

「…それを二人は分かっている。
少なくともあいつは分かって
この場所に今は居る。」

この場所がバビルスが
温かくて居心地がいいから。

だからこそ守りたいし、
守りたいからこそ長居は無用。
守りたいのに攻めてくるから。

「…そんなの、寂しいです。」

「それが魔樹の一生だ…
が、それが今回異常でな。」

「異常?」

「嗚呼、本来通常であれば翼は黒く、
ただ悪魔を避けて
一人森の中で息をする者達らしい。
その為か生態が不明とされていたのだが…」

このバビルスに残っているし、
なんならメルの背中には
白い翼が広がる。

「魔王が居ないから異常事態だと
噂する奴らもいるが
そもそも魔王が消えた後
魔樹が消えなかったのも不思議だった。
本来両方が消えるからな。
片方が消えたら片方も道連れ。」

「え?」

「何かが大きく変わって行ってるということだ。」


+++++++++++++++


「会議は此処まで…じゃ
皆、魔樹の情報共有を」

そう入間達が居なくなった後、
メルも居ない時で行われる会議。

ダリの目がギロリと光るのに
全員が顎をすっと下げる

「はい」

「どうぞ」

そう手を上げたのはマルバス

「対象者からようやく
口を割り情報を入手しました。
資料を回しますので、
頭に叩き込んで頂いた後
すぐに燃やして下さい。」



そう言ってマルバスが
書類を空に飛ばして
周りの者に行き渡る様にし
ダリもまた書類を手元に取る。


魔樹の生命。

一度目を付けられると最期。
その命が燃え尽きるまで願いを持つ。
最初に大きな木が生え、その樹の大きさにより
魔樹になる者の力が分かるそうだ。

空の色が澄んでいればいる程心も澄んでおり
願った者、大事な者が不定期で姿を現し声をかける。
それに触れると、願った時の時間まで戻り時間が止まる。

ただ、その時間は必ず叶わないとされており。

「(姿を現した者と長く居ることは不可能)」

つまりメルがダリを出した瞬間、
嫌だと泣き叫んだのは。



ダリと一緒に居られる時間が
もう少ないと言う証拠。



それに気づいたダリは
ぎゅっと書類を掴んでいた手に力が入った


魔樹の願った願いは叶わず、
その分周りの願いは叶うそうだ。


ただし正確な願いでなければ
どの程度まで反映されるか不明。


結局あの世界に戻って行くのは…間違っていない。
その願いを強く願ったが故に、縛られるのだから。


開放される文献は一切載っておらず
可能性があるとすれば…



一度肉体と精神体を綺麗に剥がすこと。



それはメルが
一度ダリ達を庇う為に
一瞬だけ出したアレだろう。



黒いモヤを叩き倒し、叫び声を上げたメル。



それを続けていけるかと言えば不可能であるし
その依り代を外した魔樹の力を止められるのは
依り代以外他は居ない。

つまり現状


メルから魔樹の力を
引き剥がすことは不可能であるのだ。


「(剥がした所で…
強い願いだからこそ、
追い求めて戻ろうとする感情を)」




利用している。



確実に、利用しているのだ。



願いを、叶わない願いを。



あの力はメルを利用している。



その現状に眉間にしわが寄っていたのを

マルバスから指摘されてようやく気付いたダリ




ごめんごめんとクシャリ笑ってみせた



「…以上になります。」

「俺からも良いですか」

そう手を上げたのはイポスだ。
此間ちょろっとメルちゃんと話をしていた時に
変なことを言ってたので共有をと言ったのに
「変なこと?」とロビンが声を上げる


「あぁ」


「良いよ。
一応さっきのは機密事項だったし。」


声出してそう言ったダリに
イチョウはコクリと縦に
首を振って話し出す


「先日メルちゃんと
俺以外にもツムルやエイトと
遊んでいた時に
二人きりになった時のことなんですが。」



彼女すっと何処かを見て言ったんですよ。


「指切りげんまんって知ってる?って」

「…指切り?」

「はい。ダリ先生とか聞いたことないです?」


…聞いたことがない。


おい、ちょ〜っと待て。待って?ねぇ?
まさかそれって…
人間の約束の交わし方とかじゃないよね?



待って???メル????嘘でしょ?????


そう違う意味で怒るダリを無視し
イチョウは話を続ける

「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます指切った
って指をこー絡めて約束をするらしいんですが。」

「なにそれえぐない?」


そう隣に居た者の手を取り
指を絡めるイチョウに
ツムルがゾッと顔を青ざめた


「メルちゃん所の
特殊な約束だろうねぇ〜それが?」


「えぇ…それが」


ー約束ってね、破っても針千本飲まないんだよ。


「え?それ約束の意味が」

「その代わり、胸が酷く痛むそうで。
こっちの方でもあるのか
って聞かれたことがあり。」

「なるほどねぇ〜…
“約束”に関係してる可能性がると。」




そう言ったダリにコクリとイチョウが頷く。
サリバンも認め、あの元13冠も認めたメル。
新魔樹:メル。魔王デルキラ様が認めた魔樹。



その教育としても、
ダリ達は仰せつかっている。



…とてつもなく光栄なことを。



今歴史が大きく動いている。




だが…ダリは正直、

彼女がメルがそんな
大きな事の中心に居るのは
良くないと思っていた。




確かに光栄だろう。




あのデルキラ様に選ばれて、
魔界を全て見れるというのは。




…だが、それは同時に

孤独になると言う意味にもなり。


優しい彼女が、とてもじゃないが
今まで薄っすら聞いたことのある
魔樹に似合うかと言われると
違うと言いたかったのだ。


「あそれなら俺も。」

「ツムルもか?」

「メルちゃんと遊んでた時の話で
ほらオリアス先生憶えてる?
あのゲームでテストの話した奴」


そう聞かれたオリアスに嗚呼と声を上げ
オリアスはダリの方を向いて喋る


「彼女、ゲームしてた時に
似たようなこと夢で見たって言ってて。」


「夢?」


「ゲームの中で仲間が捕まって
主人公が仲間を助けるシーンが
あったんですよ。」


ー“約束”破りし愚かなる愚者よ。その身に“消炎”を。


そう言ったのを聞いたそうで。


ダリに言っていなかったのは単純に
言って忘れていたからだと思い
フォローを入れたオリアスに
分かったとダリはコクリ縦に首を振った。


「ふむ…実際に起きる可能性があると。」

「それで、メルちゃん
皆が捕まったらどうしよ。
って少し寂しそうに俯いちゃって。」


でもバビルスでそれは流石に無理かなぁって。

俺達強いし。

そう言ったのに、まぁそうだと頷く。



フォローを入れてそのままゲームしてたそうで
…成る程、そう言うのもあったのか。


案外外に出る様になったメルは
周りに色々話をしているらしい。



「用心しておいて
間違いはなさそうですがね。」


「まぁあり得るとしたら
一年後の試験って奴か?」


「前はどうだったんですかね?
何処かに記載は?」


「それがねぇ〜
この僕でも全く分かんないんだよ。」


そう言ったダリに全員が
そうかと肩を少し降ろした

魔歴史担当のダリですら、魔樹は絶滅した者。
としてしか聞いたことがないし

なんなら文献はない。

口噂で聞いたのを
辿っていくしか方法がなかったのだ。


「メルちゃんのメンタルって
今落ち着いてます?」


「とてつもなく恐ろしい位
落ち着いてる。仲良いよ僕ら。」


「ふいっ…
喧嘩してたのは
一体誰だったか。」


ゔ痛い所を突いてくるねぇ。

そう苦い顔をするダリに
スージーが突いたのだ。

勿論あの後
ちゃんとお互い謝って
無事元通りになった。


メルもダリの部屋に戻って来たし。
丸く終わると思っていた…が。


暴走を…メルが望んでしたとは思わなかった。
がっつり心臓を突いたので暫くはとは言ったが…


「その暫くもいつまで持つんですかねぇ〜」


「ま、また起きたら
全員であやすしかないでしょ。」


言い聞かせ続けて居たら少しずつ変わるって。


「…それに、前の魔樹様は言ったんだよ。」





確実に変化している。

変わっていっていると。


前の魔樹が何故を攫ったのか。

何故メルだったのか。


真相は彼のみが知る現状。




全く、こうなるんだったら
もっと仲良くなって聞いていればよかったな。
そうダリが後悔しても遅い話だ。

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