だから私の望みを叶えておくれよ2
まぁ分かりますよ?
確かにしたかったことは夢のままで放置、なんて辛いでしょうし、苦しいことでしょう。いっそのこと現実になったらいいのになんて思うのも分かりますが、ですね。
ですね。
「何故今なんですか。」
『え嫌だった?』
「嫌とは言ってないんですよお母様」
『え〜お母様だなんて〜〜〜』
へへへへへへへへへ
怖い怖い怖い怖い
そう言ったコルンがゾッとする。今日この頃はというと、だ。あれから更に月日は経っている。もうコルンらが都結のことを母親だと認知して暫くが経った。そう言えば都結のしたいことはしてないの?と言ったのは更に追加で産まれた子からの言葉。因みに女の子でルカという名前になったそう。え?似たような名前があるって?煩い煩い。そっちは違う。歌いロイドとは違うのだ。
アプルコールはありとすらりとしたちょっと可愛い系で、ルカは大人びた女性って感じの子に成長しそうだ。とは言ってもアプルコールは依然として成長が遂げれない。今体感14歳だろうか?なんか時々成人女性の姿が見えるけど多分幻だって私信じてるからね?まさかのラヴィットさんみたいに成長してたけど戻してたとか恐ろしいこと知らないからね???マジであり得そうで怖い。
なんて話はそっちのけ。
今回彼等から貰った母の日プレゼントで貰ったものを使っての旅行に来て居る。本当は全天使というのは行きたかったが無理だったので流石にね。例え物語だとしても、である。で、だ。
コルン、モヒイト、サワアに追加で来てくれたのは大神官とラヴィットの五名だった。因みにこれにメルスさんが追加される予定だったが、諸事情で来れなくなっている。この用紙マジで効果が確率って意味わかんない。一々ダイス振るとかどこのサンチチェックかな?????怒るよ????
なんてことは伏せておいて、だ。日も燦燦と照らされている現場は、だ。まさかの都会である。とは言っても都会からは少し外れた処。そう、都結も思ったのだ。「もしも元の世界が存在している世界があればどうなるのだろう?」という。かなり博打だったので、流石に大神官に相談したらコルンらを引き連れてなら構わないと許可が出た。
ので、今日の日まで調整を重ね、一日半程度の休暇を貰って遊びに来ているのは、だ。
「何故夏休み期間中に海に出掛けなければならないのですか。」
「おや、お嫌でしたか?」
「いえ、嫌という訳ではなく」
ただこんな話をグダグダしているのも癪だな、と。
「嗚呼何かお話の返事を返すということですか。」
「丁度キリも良いですしね。流石はお兄様。」
「違いますが?????????????」
何を変なことを言いだすのだろうかこの子達はという気持ちでコルンがウイスらにツッコミを入れる今日この頃。本日も平和な一日が過ごされています。どうも本作の主人公都結です。皆さん元気ですか〜!天使の日に産まれ、まさかの一か月ずつ過ごした日々も、気付けば数年が経っていると気付かされて驚いてます。都結です。何度でも自己紹介するね?
[[rb:向水 > むこうみず]][[rb:都結 > みいゆ]]です。
向こうなんて、見ずにいい。だって見入って結ばれた時以上の向こう側なんて知る由もなくて良いのだから。
「何か仰られましたか?」
『いーや?なんも。』
それよりしないの?ビーチバレー
誰がしますか。
「と言いますか、そもそも下界のお遊びいいや、おままごとでしょう。そんなものに現を抜かす等言語どうだーーー」
「っよくやりました、後は任せなさい!」
『(とか言っておもっっきりハマるんだよな〜〜〜)』
そう思って頭を軽く脳内で抱えた都結。ビーチバレーは大体二人一組でチームを組み、戦う競技だ。砂浜の砂に足を取られやすく、身体の重心が思った以上に負荷のかかるものであり、それに気付いたコルンが即「お母様には長時間させてやるのは心苦しいので私が代わりに」と自ら都結の分まで買って出て行ってくれている。いや〜〜〜〜
『(単に自分がしたいって言やぁいいのに…言わない処、ホント似てるから困ったもんだわ。)』
似た者同士とはこのことを言うのだろうか?本当にハマり具合が過去の自分と一致していて苦笑いして過去の自分をも笑って流すことしか出来やしない。そのまま砂浜に流れ着いた波と共に綺麗さっぱり海に溶かし流せたらどれ程良いのだろうか。ほんとな…いや、本当にな????
現在はコルン様&ラヴィットVSウイス&モヒイトという組み合わせで戦ってくれている。勿論人間の状態にセットを掛け直して、だ。流石に彼等とて余り殺傷能力の高い攻撃は考えたくないモノだろう。万が一にでも都結に当たったら大事である。まぁその前に大神官が傍に居る為、そんなことにはならないと思いたいものだが…?
「ふふ、楽しそうですね。」
『で〜すねーーーーー』
「おや、楽しめないですか?」
『いんや、割と楽しんでますよ。』
ただマルやクスとか来てくれたらもっと盛り上がっただろうにって。でも楽しむかな喜ぶかなーあの子達。
ふふ、彼女らが聞いたらきっと喜んでくれるでしょうね。
「お二人共戦いとなれば熱くなりやすい子達ですからね。きっとこの競技も楽しくやってくれることでしょう。」
『そういやお兄さんコルンと組んだ時滅茶苦茶熱くなってませんでした?』
「それはこちらのセリフですよ。貴方のあれ程ギラついた目は久方ぶりに見ましたよ。」
先程戦った話だ。デモンストレーションをした後、本番だと称して軽く本気以上にやってしまったもの。ラヴィットと組み、打倒パッパと在りし日愛しき天使って変な言葉を作って攻撃し、無事勝利を勝ち取って来た。まぁ普通に予想外の行動を私がする為、コルンと大神官が驚きのあまりボールを取り切れなかっただけの話である。
だって絶対返ってこないだろって位置に飛んだボールをとんでもない身体の向きで戻してきやがる都結の技は流石に天使とて見切れないものだろうて。かと言って近くに居たらいたで彼女、取らないし。仮にライン線上の布ギリギリで入れたとしても(殆どが入れると高確率で返してこない為、ほぼ確定勝ち確ボールと称するのは勿論、出典都結談であるが)後ろにボールを飛ばす為、良い感じにラヴィットが火力のそこそこある球を投げ返すのだ。
流石にコルンや大神官とて都結に本気を出すつもりは更々なかったし、都結の方に持っていく時はかなり柔らかい球を出していた。それに不満があったわけではない。
其処ら辺安心して欲しい旨を伝えると、分かりましたからと言われ笑われてしまう。
「日頃の鬱憤があったのかな、と少しだけ彼と反省を胸に抱きましてね。」
『あ〜ないな…い!ないよ〜!』
「本気ですかね?
そう聞いた大神官には都結自身笑って流すしかしなくなった。本当に心の中を覗いたらば、きっと本質は分かってくることだろうが、何だかんだ言って惚れた弱みというべきか否か。普通にそんなことはしない大神官だし、勿論コルンを筆頭に天使らもしないものである。していたら軽く忠告程度はしてやる程に、だ。
「それにしても意外でしたね。」
『何が?』
「貴方がビーチバレー等をしたがっていたとは。」
日頃の運動がまだ足りないと。でしたら
っ待って待って待って待って流石に私あれ以上されるとたえれな
おや、何の話でしょう?
「私が言ったのは”体力づくり”の方ですよ?」
『〜〜〜〜!!!』
「ふふ、其方がお好みでしたら今度」
『いっ!……また、だよ?』
「…!っくくく、ええ。」
否定をしてしまえば、きっと大神官は暫くやってくれないと思った都結は考え、素直に嫌とは言い切らなかった。子供が増える、ということはつまりそういうことだ。勿論子供が出来ない様に力も使えるのだが、あんまりにも子供とじゃれ合う都結が可愛らしいものだからついつい羽目を外してしまう。ソレで出来てしまったというと子供には悪いが、まぁ可愛らしいものを可愛らしいと愛でたい気持ちは分かってくれることだろう?
「ですが最近本当に仕事尽くしで先日もアワモさんがご心配のご相談に尋ねて来られていましたよ?貴方また仕事してるんです?」
『人の事絶対言えないでしょうが。一応そっちの仕事も手出してるんだから多少楽になってると思ってるんですが。』
「あれしき序の口ですよ。あれの数千倍が一度に返ってくることも稀にありますからね。」
『マ??????』
「マ。」
ゾッとする都結に、笑ってやる。ぺちぺちと肩を叩かれ、痛いですよ〜なんて痛くも痒くもないことを言って嘘だ〜と笑い言う都結。二人共ビーチの上に青いシーツを敷き、その上で腰を下ろしていた。大神官は正座をしていたのだが、都結が足を前に出すと楽だと姿勢を教えてくれたおかげで多少の楽な姿勢で会話を楽しんでいる。都結は都結で足を横に崩し、大神官の方でも後ろ側に身体を捻りながら肩を叩きもたれ掛かっていて。
「安心しました?」
「え?」
「最初は随分と心配そうな顔でしたから。」
そう聞いて来たのは半分休憩に、と声を出したモヒイトだった。ラヴィットが息を切らしているのはまだわかるが、あのコルンやモヒイトらでさえ息が荒くなっている程熱中していた。流石の天使でも多少の水は飲みたくなる。杖から取り出した冷たい水を手渡ししたモヒイトに軽く礼を言ったラヴィットが聞いて来た話に応えつつ地面に座り込んだ。熱い様にみえるだろうが、ウイスが気を利かせこっち側にも休憩ゾーンを作ってやったのだ。その陰で休憩できる、というものだ。
「ま、あ…そ、うです、ね…。多分。」
「多分って、貴方、まさかアレから一度もお話されていないのですか?」
アレとは、以前ラヴィットが拉致られたと聞かされた時の件だ。まぁあの時の都結は怖かった怖かった。ラヴィットの為ならば、と己の身をいともたやすく投げ出すその精神。そしてコルンらを使うことなく、自ら切り開き突き進めるその自信。力も前借りで、命の危険が確実にあると分かっている状態でも走っていくのだ。
都結が距離を置いていたのも、それでも危険な処に連れて行きたくなかったというのも。全ては何となく察知していたからのことだった。恐らくラヴィットならこう動くだろう、と。そしてそれは現実となっていたのだから、流石の天使らも舌を巻いた。彼女の勘が此処まで的確だとは思いもよらなかったのでね。
「だってどう話を切り出していいのか分からなくて…」
「呆れた」
「子は親に似るとよく言いますが、此処まで似るものなのですね〜」
「かか様もなのですか?」
「まぁそうですね。少なくとも私の時はそうでしたよ。」
初めて会った時は本当に限界オタク、と言われてもおかしくないテンションをする頭のネジが外れた子だと見ていた。こんな人間にお父様が何故現を抜かしていたのか、その文面に到底理解が出来なかったコルンらではあったが、その現実はすぐに分かることになった。
ー其方のカップは?
ー…ん?これは「みるだけのもの」だよ。
ー捨てないのですか?それかつか
ーいいの。
「彼女は本当に伝えたい言葉をひた隠しにされるお方でしたからね。今も昔も、恐らくきっとこれからもでしょう。」
ーそれは「そのまま」こそが綺麗な状態なのだから。
そううっとり見つめていた視線は全く違う場所だった。上にあったコップよりかは下に。でもその目線には何もなかった。あるのはただ台の前にある引き出しのみである。何を思い出しているのか、問ったモヒイトは分からなかったが、今なら分かる。あの日あの時、恐らく彼女は彼の
「そう言えば”お師匠”が出会った頃のかか様はどのような方だったのですか?」
「嗚呼そう言えばそれぞれで印象が違うというお話は聞いたことがありますが、具体的にはお話したことありませんね?」
「ウイスさんの頃はどうだったのですか?」
「…都結さんですか?」
ええ
「ふ〜む、そうですねぇ〜……一言で申し上げれば”割れ物のガラス小瓶”といった処でしょうか?」
「言い得て妙ですね…」
「貴方は?」
「まぁ”木陰に咲いた野花”程度でしょうかね?」
「おやまあ随分と可愛らしい」
「ですが意味は、ご存知でしょう?」
ええと答えたウイス。木陰に。本来花は太陽と水さえあればいいが、その太陽がほぼ差し込まない状態。で、その花は太陽の光が必要となれば、もう答えは出たようなもの。ずっと心寂しい状態のまま、ただしおれたように花がしぼんでいる。その状態が喧噪の中で小さくも壁の隅に咲き誇っているだけ。
誰かに摘まれる可能性も、枯らされる液体を振り掛けられることだってあるだろうに。それでも其処からは決して動かない、いや花なのだから動くことは出来やしないのだが、それでも日を追いかけ成長することだって出来るのに。ソレをも忘れたいや、しないような咲き方を、彼女はしていた。
だからモヒイトはそう言ったのだ。
あの夜、カタリと音が鳴った日を、彼は忘れる事など出来る訳がなくて。
そしてその待望の子に等、ましてや腹違いとは言えども弟に師匠と尊敬されている状態で、母の悲惨な状況を知らせる等酷なことはモヒイトとてしたくない話で。
「(それに私は彼女を毛嫌いしていた人間でもあったのですからねぇ)」
そう、実は天使とて都結を全員が全員好き好んでいたわけではない。
今回はモヒイト自体ばらしたが、実は他にも居る。意外と逆に好意を持っているのはクカテルやマティーヌ、そしてアワモ付近だ。アワモも結構偏りが激しい方に揺れやすいのだが、実は正直言うと好き嫌い、否人間として欠けていると。大神官には不釣り合いだと思ったことがある天使は例を挙げた以外の天使全員言えることであった。
殆どの天使すらも、都結の現状を見てすぐに「駄目だ」と思ったのだ。まぁ無理もない。ましてやアワモやマルカリータの時期は一番ひどかった時だ。ただその分都結が大神官に好意を持っていたことを強く知っている者。だから其処ら辺の天使は心が酷く揺れる事。
ラヴィット達には未だ本当のことは伝えていないが、恐らく遠からず知ることにはなることだろう。都結は記憶保持の良い子だ。一度こう覚えておこうと思ったら随分と長い間質の良い状態を保ってくれる。勿論自分視点だけに留まらず、他者視点や第三者視点等である。定点カメラ的な位置でさえ、彼女は知り保存記録して居られる。
職業病と言うか、いやアレは事前だから今の職業は天職なのだろう。以前の職場も良い処だと彼女は言っていたが、それでも環境を作ってくれた周りの陰ながらが一番の要因ではあった。まぁそうやらせた彼女の才と考えたらそれもソレではあるんだろうが…
「別にそれとなりにお話ししてきたらいいのですが。」
「甘えるってどうするんですかね」
「また面倒なことを」
「おや、でしたら兄らしく提示して見せあげればいいのでは?」
「おや?そう言って頂けるのは光栄ですが、まず師匠と尊敬の眼差しを頂く貴方こそが先にやって差し上げるべきでは。」
「お二人共見苦しいですよ〜〜〜」
バチバチと視線がかち合う、コルンとモヒイトに、ウイスが呑気な声でジューと音を立てジュースをストローで飲み干していく。都結特製のオレンジジュースだ。彼女しぼりたてでも特に舌触りを気にする為、仕上がりはかなり舌触りの良いものが出来上がることばかり。その為ウイスや天使らも都結が作った飲み物に関しては喜んで貰っていた。
「というかウイスさん、人数分残しておいて下さいよ。」
「おほほ、勿論取ってありますよ〜ですが一つ残念なことが」
「なんです」
「実は後一本しかなくて。」
ならと笑う
「勝者がオレンジジュースを勝ち取り、敗者が彼女に甘えに行く、というのはどうでしょうか?」
「ほぉ?いいでしょう。その勝負受けて立ちましょう。」
「甘えるって其処迄悪いことなのでしょうか?ウイスお兄様」
「そうですねぇ〜、正直悪いことではないのですが…」
ま、可愛らしい兄弟のおままごと、ということで良しとしましょう?
そう言ったウイスはひとしきり堪能したオレンジジュースの入ったボトルを置き、休憩から外れコートの中に入って行った。