もしもし、神様?いるんでしょう?11



ごそごそと違和感を覚える。何かの温度に触れて、抱きしめ返してしまえば、起きました?なんて笑う顔が見えた。髪の短い茶色が見えた。ふっと笑った顔に、目を開いたら、其処には浅葱色の服が見えた。嗚呼、これだから見ないようにしてるんだよ。後ろが痛い。背中が、痛い。一度目を閉じて開いたら、紫色の目が合った。

「おはようございます」
『お、はよ』
「っふふふ、そんな愛らしい声で囁かないで下さい…襲いますよ?」
『んん…』
「…貴方私を試しているんです?」

と言われても都結は目覚めた数分はこの調子なのだ。甘えた声を出し、抱き着いてくる彼女に、身体も動きを止める。宙に浮いた手が何処に行くか迷っていると、温かいと笑って胸元に頭を摺り寄せ笑う彼女に、ため息が漏れた。全く、本当にこの子はこっちに好意を持っていないのだろうか?普通に好意を持っていそうなのに、見せつけるだけで終わらせるとは。

『えへへ』
「…他の子にそんな顔なさらないで下さいね?したら怒りますよ。」
『やぁだ』
「全くもう…ほら、早く起きましょう?もう皆さん起きてますよ。」
『嘘マジで!?おはよ大神官ひと!!!』
「混じってます混じってます。」

律人と大神官様が混ざっているところ、まだ起きていないらしい。身体は起きて良かったが、まぁ、良いか。まさかあれ程可愛げがあるものとは思わなかったし、思わぬ収穫ではある。猶のこと手放せなくなってきたのをどうしようか考えている間に一階へと降りた。

『おはようございます、ってああすいません、寝過ごして…』
「あらおはよう。いいのいいの、よく寝れた?」
『そりゃあもうぐっすりと』
「なら良かった。」

大神官に目を合わせたら笑う。どうやら事情を察してくれたらしい。全く、此処は恐ろしい場所だ。こっちの手の内がすぐに見える。本当に心が読めない人達なのだろうか?いや、読めないからこそ、察することに長けたのだろう。気を感情を抑えていても、この者達は気付く。子供達も見習って貰いたいものだ。そう大神官の思惑をよそに、都結は席に付き頂きますと手を合わせて食べ始める。

大神官も席に座るが、早く食べないと注意をしていれば喉を詰まらせる。嗚呼言わんこっちゃない。

「焦るからですよ。何時だってそう、仕事も早く目覚めればいいものを貴方は起こされてばかりで。」
「あらあら、何時も起こしてやってるの。」
「起きないのでたたき起こしにですがね。」
『三十路最強』
「一人で起きなさい」

意味が分からない言葉を言わないのだと大神官に指摘されつつも、食事の手は止めない。本当ならば起きてすぐに食事は避けたいところだったが、飛び起きた彼女と出来上がった調理物を目の前にしたら、止めるなんてことは出来なかった。

「今日は何する?折角だからスーパーにでも回る?雨降っているけど、買い物は楽しめる処知っているわよ。」
『んん!!ふなぁんんふぉんおn』
「良いんですか?だそうですよ。」
「ええ構わないわ。”それに家に居て泣いたら困るでしょう?”」
「”おや、なんて酷いことを。…私のことをお知りで?”」
「”其処迄じゃあないですよねぇ?子供を沢山もって大変ね?【大神官様】?”」

本当に狡い。此処の世界は自分の姿が分かるらしい。こっちに来たから衣服を戻していたのだが、どうやら控えた方が良いらしい。家にいる時は基本この服を着ていたのだが、外の人が見る可能性が高いので、控えた方がいいのだとか。

「”本当に本物だったら割と面白いけどね”」
「”おや?そうですよ。私は大神官、子供も12、いや13名程いますから”」
「”あらま、なら猶のこと面白いわね。あの大神官様でもあろうお方が異世界の紡ぐ栞に見紛うなんて。”」
「”栞?一体どういうことですか?”」
「さ、食べたなら出ていくわよ。」
『奥さんいずこへ。』
「決まっているじゃない。」








「ショッピングモールに!!!!!」
『うひゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』

三階建て、いや、中央は八階建てのショッピングモールに到着した。東西南北に繋がる場所は三階建て、中央は八階建ての大型ショッピングセンターだ。何でもござれ店。通称い〇それ以上はいけないな????

「何処行く?どうせならこっちに来たものを取り揃えたいでしょう?」
『え〜どうしようどうしよう、でもお金変えないと。』
「嗚呼、両替機ならあるけど、別にこっちでも良いわよ。」
「いや流石に其処迄させて頂く訳には。」
「良いの良いの、あの本二人共其処迄の代物じゃないと思ってるでしょうけど、実際あの本は強力でね。手持ちする者以外だと本当に悪魔を引き寄せる厄介物なのよ。一時期離婚も視野になったくらいなの。」
『何その物理的縁切り呪物扱いを投げつけて来たんだこの親子。』

そうじとり睨む都結に、笑う母親。正確には伯母、であるが。

「いいじゃないの!でも本当に何もないんでしょう?」
「そうですね、寧ろ良好になりました。」
『此間上司に褒められたし、仲悪かった人達も許してくれたから。割と確かに?』
「なら猶更じゃない。あの本は持ち主に対して幸運をもたらすの。ま、それ以外だと不幸をまき散らす悪魔本なんだけどね!」
『サラッと言う話じゃあないな????』

日本語を言っているから、此処の人が分からないとは言えど、知っている人が聞いたらどうするんだこいつら。本当に仮面被ってやってんのか????

「とりあえず日本に持ち込めるもので。とあれば物が良いですか。」
「嗚呼まぁそうだね。とは言っても郵送だったら何とかなるけど。」
『えっなるの』
「勿論物には寄るよ?要相談って所かな。」
『嗚呼チョコと紅茶後は珈琲は絶対欲しい。確か其処は行けた筈。』
「なら東側の二階かな。あそこがその類エリアだから。」
「どうせなら二手に分かれる?この子達面倒見とかないといけないし。」

嗚呼それもいいか。
いや、此処はこっちが受け持ちますよ。
え?

「夫婦水入らず、なんてこと中々ないでしょう?」
「…頭が上がらないよ。」
「ふふっ上げなくて構いませんよ。此方も、です。」
「じゃあ良い子にするんだぞお前達!マル、行こう。」
「はいはい。じゃ後よろしくね。」

そう言って手を振った母に、子であるアメリは軽く手を振った。じゃあ行くぞと言った子に、おおーと掛け声を上げて走っていく。走らないと言った子に、手を繋げばと都結が答える。

『ゲームしようよゲーム』
「げーむ?」
『今日一日この場所に居る時だけ。手を繋いで、どれだけ落ち着いて居られるか。』
「つまんない」
『じゃあこうしよう。私とだい…嗚呼律人さん二人で半分ずつ評価して、二人がオッケー出したらシールを貼る。』

丁度目の前には小物店だ。好きなシールを選んでと言う。

『台紙は即興で作る。こういう時の画材なんでね。』


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そう言って物の数十分で完成だ。三人用に。一応枠は12個作ってやった。最後の丸は両親からのポイントだ。要は社会のルールを守れた分シールを貼っていく。子供はシールが増えるのを喜びに社会を学ぶ。大人はソレを観察しながらも余裕を持てる。互いにウィンウィンの状態なのだ。

『シールが溜まって全部埋まれば一つだけ好きなものを貰う。』
「すきなもの!?ちょこでも!?」
『いいよいいよ。』
「でも良いのですか?そんなことをして。」
『一つと言っても量は限られている。20キロのチョコを買っても実際食べれる量は限られる。』

それもまた勉強だ。買いたいというなら一度買わせて覚えさせればいい。本当に食べれるのか、食べたらどんな結果が待ち受けているのか。大事なのは過程だ。好きで買って、満足するのか。その先で躓くのか。躓いたことで、何を知るのか。この流れが良いのだ。それに子供の好きなものと言えば大体限られるし、買えないなら何故変えないかを教える良いきっかけだ。

『シールが嫌なら別のもので良い。ただ大事なのは溜めるってこと。今回は今日一日無制限でお試しだけど、本当なら一日の回数は決めて、ルールもしっかりすること。今回上手く行ったらアメリ、考えて置いてくれない?』
「了解。これくらいなら出来る。」

シールも貼るだけでいいし、パソコンで形を作って印刷だって可能だろう。特製の台紙でも良いが、量産出来る仕様なのが良い。こっちのコスパも割に合っている。非常に良い作戦だと思うが。

「じゃあ何で溜めれるの?」
『まずは歩こう。』
「歩く?それだけでなら簡単だ!!」
『歩くとは言ってもそれだけじゃあ面白くないよね?此処にはどんな人がいる?』

そうしゃがんで指を指す。出来るだけ人が困らない位置で、だ。休憩場所の近くで膝を付いて回りを見渡せば、子供もきょろきょろとみる。男の人女の人と声を出す。そうだね、そうだ。

『あの人達皆知ってる人?』
「知らない!」
『そうだね、知らないね?知らない人にぶつかったらどうしよう?』
「謝る?」
『そう。謝ることが3回起きたら一枚シールは没収します。』
「ええええええええ??!?!?!」

これが面白い処だ。何も溜まるだけだと思うなよ?

『そもそも前に当たらないようにする。これね、覚えるとすご〜〜〜く良いんだよ?教えてあげようか。』
「教えて教えて!!!」
『当たらないってことは、どうなる?』
「えっと、謝らない?」
『聞き方を変えよう。君さ、FPSしてる?』

してる!最近しにやすくて。そう困る子に、じゃあ良いことをと指をたて話す。

『あれは体力が決まってる。一番死ににくいことは何か分かる?』
「えっと早く敵をたおす!」
『それも大事だね。でも一番は自分の体力を長く保持出来るかって所なんだよ。』
「(ほぉよく知ってますね)」
『長く保持する、つまり自分の体力が変わらないまま、相手を削ればどうなる?』
「…倒せる!?」
『そう、次に敵が来ても、こっちは体力の差がないまま、安心して次に挑める。がむしゃらに戦うんじゃなくて、まず体力を維持する。それを現実世界で実践してみるんだよ。』

そう、ゲームをしてしまえばいい。そうして覚えさせ、身体に脳に叩きつけるのだ。

『その為にはどうしようか。今回何をすれば、強くなれるだろう?』
「えっと…当たらない!」
「あ、前見てあるくのは?そうしたら当たらないよ!」
『そうだね、そうそう!よく気が付いたね!!!』

そうだよ、其処なんだよ。

『今回は前を向いて、人に当たらないようにする。コレを大前提で続けよう。三回当たったらシールは没収。ま、剥がせれないから張り直しかな。』
「ミルフィーユできそう」
『んぐっ…ふふっ、そうならないように、しないとね!』

確かに間違えたらその分分かる。割と良い作戦だと思う。

「ですがそれだけだと甘いでしょう?此処はどうでしょう?言葉遣いを覚えるというのも。」
『嗚呼それも手ですね。ですがまだ小さいですよ?』
「小さい頃からの癖というのもありますよ。貴方だって幼い頃は教えられたでしょう?」
『いやまぁそらそうですが。』
「日頃からの功を一体誰が勝ち取るか。実に見物、という者ですよ。」
「なんていってるの?」
「わかんない。」

そら分かんないだろうな。大神官様の扱う言葉は日本語でもかなり角ばった言葉だからだ。説明するとその分が長い。まぁ纏めた言葉だから仕方がない。難しい言葉というものは、意味が深いものばかりなのだ。勿論簡単なこともあるが、それはそれ。

『要は一体誰が勝つか楽しみだな!ってことだよ。はいと言う訳で、開催しま〜す!!』
「それで何処行くの?」
『嗚呼そうだった。何処行く?』
「何故こっちに向くんです。貴方が言いだしたことでしょう?ほら珈琲や紅茶を買いに行くのでは?」
『そうでした〜。じゃあいこう!!!』

おーと言って周りを見渡しながら歩く子達。本当に驚きである。突かれ本当に凄いねとアメリに言われる。

「あの子達うちの親ですら言う事聞かないんだよ。嗚呼なったら。」
『おやそうなの。寧ろ嗚呼なったら勝ちなんだけどね。誘導作戦。』
「誘導?」
『そ。意識を別に背けるの。怒りや悔しさ、否定するならば提案する。競争系に持って行けば自分が優位に。でも怖いのはやり過ぎること。だからやり過ぎない処に持っていくんだよ。』

今回はあくまでも競争ではなくシールを増やすかに指示を持って行った。これが肝である。

「子供の競争心を指導に導くとは、貴方も中々やりますねぇ?」
『どう?惚れた?』
「ええそりゃあもう夢中になるくらいには。」
『や〜ん!ちゅきちゅき〜!!』
「(うわ〜ものの見事に見られてないな…可哀想に)」

アメリはさらっと大神官が言った本音に嘆く。都結の反応的に、明らか恋心は無かったからだ。勿論彼も気付いていることだろうが、これ以上突っ込むな、という目を向けられたら何も言うことはない。だが、ほんとに都結の提案はまさに神がかっていたという者だ。あれ程頑固で言うことを聞かない子達が秒で言うことを聞きだすとは思わなかった。それも、彼女の心がさせたのだろう。

子供の面倒を小さい頃から見ていたのと、自分の知能が子供の時から成長しないのも相まって、仕事でも割と簡潔なものにするのだとか。一番大事なのはシールを貰うんじゃなくてやり遂げることに、だが、それに気付くのはもう少し先で良いという。その見据える目が、物語っている。

一体何を見て来たのか。そして、その先には。

「(叶わぬ願いを抱いて、なんて酷いものね。)」

きっと叶うのに。貴方は望まずに手を降ろす。その手を隣の人がきっと取ってくれる。あんな花を互いに選んだのだもの。ねぇ知ってる?都結。オオイヌノフグリの学名は学名「Veronica persica」って言うの。「聖女ベロニカ」の綴りと同じであることが由来といわれる花。

聖女ベロニカは、磔の刑にされるためにゴルゴダの丘へ向かうキリストに、スカーフを差し出した女性なのよ。

十字架を背負うキリストの姿に心を打たれた聖女ベロニカがスカーフを差し出したところ、キリストの顔の汗を拭ったそのスカーフにキリストの顔が浮かび上がったといわれています。この聖女ベロニカの敬虔な行動にちなみ、「忠実」「信頼」「清らか」といった花言葉が付けられたそうなの。

ナニカの罪に堕ちた天使の心を少しでも救った。貴方にピッタリの花でもあるというのに。ほんと、互いに困った人達だ。アメリは一応ドラゴンボール超の知識を持っているし、何なら神々の話は好きだったのもある。というか、それ目当てで彼と交流を取ったのだ。

ーそう言えば俺のツレが天使好きでな。
ーっそうなの!?なら決定!!!
ー嗚呼え、いいのか?
ー天使好きに悪い奴はいないからね。今回限りよ?

そう一言で付けてる話を、きっと彼は言っていないだろう。あわよくば絵をと思って居れば画材も後でと話をする。それに画材と声を掛けた。すれば大神官が答えるのだ。

「彼女絵も描けるだけでなく文才もありまして。」
『待ってそれ言う?』
「え〜見たいみたい。」
『ん〜まぁ良いけど、日本語だし拙いよ?良いの?』
「勿論」

寧ろそれを待ってました、と言わんばかりの気持ちだ。

『でも画材言うほど困ってないからね。買う程じゃないとは思う。』
「そうですか?ですがこっちの用紙も気になっていたでしょう?」
『やまぁそうだけどさ、輸送量とか込みだと困るんよ。』
「だったら猶のこと活用してよ。ほら此処此処。」

これでも職人だよ?其処ら辺の下調べ容易いよ。

「使ってるやつさえわかれば明日にでも専門店連れてってあげる。」
『えっいいの。』
「いいよいいよ。此処だと高いけど、物によってはまけてくれる良い処あるの。」
『よろしくお願いいたします』
「ふふっ決まりね?子供も世話になったし。」

猶のことだ。寧ろ軽いから困るものだという始末。

「もっと欲張ってもいいのに。どうして其処迄小さなことに執着するの?」
『そうしたら叶わなくても切れる。』
「臆病者ね」
『その通りだからね。』

それでいい。私は臆病者。手を伸ばして取れるのに、取らないで嘆く臆病者だ。

『手始めにダージリンとかどうかな。』
「其方は?」
「また渋いというか、オーソドックスなの手を出したわね。繊細な味わいと、秋に摘まれる茶葉でまろやかな味の特徴を持つ紅茶よ。穏やかで落ち着きのある人にぴったり。」
「おや?私はそのようなイメージなのですか?」
『正直見た目は。中身は違うと思ってる。』

穏やかで綺麗な穢れていなさそうな見た目で包み、中は猛獣。獣その者だと思う。一度手に入れたいと思ったら何が何でも手に入れる。外堀を埋め、気付かせずに、じっくりとこっちへ引き寄せ、最後は一気に食らいつく。そして愛でに愛で、骨抜きにするタイプだと思っている。なので大神官様に惚れられた女はマジで怖いだろうなと思う。そう言えばそうなのですかと聞き返された。

『うん、とは言っても大神官様って美人系好きかな〜って嗚呼でも案外可愛い素朴な子好きそう。こう純情と言うか、穢れを知らない様な子?勿論イメージだけどね。はいどうぞ。』
「良い香りですね。此方を買いましょうか。」
『いいの?他にもあるのに。』
「構いませんよ、貴方が選んでくれたものを私は飲みたいと思ったので。」
『…むぅ、じゃあ決めてよ。』
「これはどうでしょう?」
「お、ハニーティーか。また物珍しいものを。」

そう黄色いパッケージを手に取る大神官に良いんじゃない?ぴったりで。と言った彼女に何が?と首を傾げる。調べてみればと言えば、スマホで検索を掛け、だっと声が出て口を手で塞ぐ。後で覚えておけよほんとうに。



「ほんのちょっとの気持ちを、ささやかなメッセージを」


ちがう、そうじゃない。そうだけど、嗚呼そうだったら、いや、考えたらいけない。これは待遇を良くしてくれたことだ。そうだ、そうに違いな

ー私が寂しいと言えば?

ぶわり昨日のことを思い出して身体が熱を帯びる。あっまって、本当に待って。沼るから。沼沼。深い深いここふっっか!!!!!もうキャラ好きなのにこれ以上好きにさせてどうするんだろう。どうせ戻るのに。夢は嬉しいことは、残酷だ。だから胸に刻み付ける。どうせこの子も私を置いて行く。その言葉も、呪いに変わることだろう。

ただ、今だけは。そのままで、ありのままで、受け取りたいもので。

『じゃあそれ飲もうかな。』

帰ったら午後にでも飲んでしまおう。そう約束をする都結に、ええと大神官は応える。出来ればダージリンも飲んでみたい。幾つか他の紅茶もお試しで買ってしまう。珈琲も次いでだ。安売りしているもので手を打ってもらえたのでご満悦。










帰ったら、帰ったら…帰られたらば。








『飲めたら良いね』



何処かそう思わないといけない気がしたけど、今はそう思いたくなくて。





『ダージリン飲ませてね』

そう言ったら、勿論と大神官が答え、返してくれる。貴方の分も飲ませてくれますか?なんて優しい声で、耳に触る。その音がずっと耳元で残り続けてしまえばいいとさえ思うのに、そんなことさせてくれない。脳は何時だって、中立であるのだから。










泡沫の白昼夢


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