ねぇ、ルーシー。私を知っていますか?8
「コレを付けていれば何処でも名前さえ読んで頂ければその方が貴方の元に到着します。」
『…、』
「お似合いですよ、都結さん。いえ、神々の仲間入りとも言えますし、名前を」
『”アプル”』
「アプルさんですか、良い名前ですね。どんな意味があるのですか?」
『アプラス、最高評価の意味です。優秀な成績を収める文字の呼び方。』
それはいい。そう笑ってくれた。だから笑った。本当は別の意味がある。
フランス語でアプルは「またね」や「後でね」というカジュアルな別れの挨拶で。日本では「最高級」「トップレベル」という造語でもあるが、英語の表現では先程言ったもので間違いない。嘘ではない嘘つきだ。
ギリシャ語で「否定の接続」に足された言葉。
「加算されない、補われない」
それが私の位置だ。その「また」は二度と補われることなんて永遠にない。否定を述べたまさしく神に相応しい名前。最高級のこれ以上に無い私の為の位置だ。常に最優秀を完璧を位置し、そして休日の午後には貴方と共にあのこう
「ではアプルさん。これからもよろしくお願いしますね。」
『…是非に。』
膝まづき、胸に手をあてる。胸は咲かない。あれはフィクションだ。此処はノン・フィクション。空を飛んでいる。気を使える。攻撃も交わし、軽く逃げる。
「そこまで」
あれから半年以上が経過した。もうすぐで誕生日がやってくる。そんなある日だ。第4宇宙で組手をしていて、キレが良いと褒められたので頭を下げた。
『ありがとうございます。』
「…ま、いい、だがここのーーーー」
チョーカーを取り付けた後、見違える程に別人として変化を遂げた。守りに入ったのだろう。あの花の香りは二度としなくなった。シャボン玉の香りがする。人が好みそうな匂いだ。誰もが好くだろう。その人はその中に入っているのだろうか?いいや、入れなくなった。其処は穴が空いている。大事な穴だ。穴がないと形は成立しない。
緑色のリボンを頭に飾り、髪をバッサリと切り落とした彼女は、人生初めて髪色を染めている。正確には誤魔化しなので本人の意志ではないが。鬱陶しいのか、それとも…いや、分からない。気付いたら左側にバツ印のピン止めを留めていた。気付いたからあったというが、持ち込んだのか、それとも気を使って創造したかによって話が変わってくる。彼女に渡せる業務が広がるのだ。
薬をアレ以降飲ませていない。あのごめんなさいと言った後、サワアが水をクスリと一緒に浮遊させ、飲ませたのだ。口を塞いで。奥に入れ、気を入れて精神を強制的に落とし、気絶させ、大神官の元に連れて行くことにした。その時には連絡が来ていたからだ。チョーカーが出来たから、つけてやるので連れてこい、とね。
元気そうな姿で、悪態をつく。まさしく向こうで見ていた彼女その者だ。でも違う。これは人形だ。コニックは気付いていた。依然として大神官は記憶を取り戻さない。このままでは本当に彼女のことを忘れてわすれ嗚呼
「(貴方は本当に忘れて欲しいのですか?)」
栞は何処にも無い。そしたら、自分が消えればもう終い。そう思っていることだろう。コルンだけではない。天使ら全員が、その意見に否定を述べる。拒絶するに決まっている。だって嫌がっているではないか。その心の奥は叫んでいる、聞こえてくるのだ。痛々しくて見たくないのに、見なければいけない。聞こえてくるから。目を背けるなとは一体誰が言う言葉だろうか?
ー私は此処に居るの。貴方を忘れたくない私は貴方と生きたいから。
それが答えなのに、貴方は否定する。バツは印ですか?それは免罪符?貴方の胸元には何時だってその栞がある。肌身離さず肌身持ち歩いている。消さない無くさないそれは貴方が大神官様と作った最初で最後の大事な想い出のし
『っは、っは、は』
「どうされましたか?まだ食事は『の』え?」
『どうしよ、コニックさん』
栞、何処にも無い。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ありましたか?…そうですか。」
もう寝なさい。目を閉じるだけでいいです。寝れなければ尋ねて来て下さい。良いですね?一時間で寝れなければいつでも構いません。そう言えばこくりと頷いて席を外す。はぁとため息を吐いた。
「(希望が消えた)」
大事にしていた。そりゃあもう、休憩中には取り出して眺めて居たし、戦闘前には栞を天使に預けていたくらいだ。綺麗な青い花が、浅葱色のリボンに似合った栞。その色はまさしく、お父様の衣服そのものだった。選んでやったと言っていた。彼にぴったりだったと。嗚呼だから私は貴方に生きて欲しいというのですよ。都結さん。
これ程大事にしていた栞を無くされて、その隠れた貴方が急停止なんてされたら私はどう
「…都結さん、開けますよ?」
嫌な予感がした。急いで部屋に戻る。扉を開けたら、ふわりと涼しい風が入って来た。窓を開けていたのだ。外はパラパラと雨が降り出しているというのに。白いベットの上で身体を起こしていた。寝る気がないのか、それとも寝れなくて夜風に少し当たりたかったのか。膝を前に出して、まるでMを描くかのように足を降ろしていた。
目線は下に向いていた。まるで停止したロボットのようだった。
「…都結さん、聞こえますか?みい」
「アプルさん」
『…はい。あれ、コニックさん?どうして』
「風邪を引きます。扉を閉めますね。」
違う締めてはならない。締めれば締め出してしまう。でも身体が大事だ。
『ええ。ありがとうございます。少し夜風に当たりたくなった気がして。』
「雨が強くなりますからね。そのまま寝られると困ると思いまして様子を見に来てよかった。」
違う遅かった。貴方は早過ぎる。上手い、此処まで上手いとは予想外だった。本当に凄い子だ。天使をも欺いてくるとは予想外だったのだ。想定外、まさしくその言葉がふさわしかった。
「それ」
『ん?嗚呼髪の毛何か色落ちしちゃってて。』
「貴方何時から」
『どうでしたか、ね?大体三か月いやもう少し前かな?でも高々髪の毛の色が』
「どうして言わなかったんですか!!!」
嗚呼すみません、急に怒鳴って…
いえ、こちらこそ、ごめんなさい。
色が落ちる。それは貴方が手を離す証拠だ。黒い眼と黒い髪の毛が貴方の証。眼鏡もかけなくなった。気を扱うから必要性がない。視界は良好だ。その先にはいないのに。ぼやけた方が良い。
空なんて飛ばなくて良い、黒い髪の毛と眼だけで、視界がぼやけて見えないままでいい。やめてくれ、こんな結末なんて誰も望んでいやしな、いや、望んでいる子が一人いた。
ーめりば?なんですかそれは。
ーっば、っははは!なんですか↑それは↓wwwwwww
いっだ!!!
ーもー真似しただけじゃんか〜コニックさんのけ〜ちけちけちんぼぼぼ〜!
ーうるっさいですね。もう一度叩かれたいんですか。
ー殴ってくるじゃん。
ー一緒でしょうが。全く
ーENDの意味だよ。幸せなENDがHAPPYENDとは言ってもものによってHAPPYが違うけどね。
ーめりーは?
ーその子だけが幸せなEND。誰もが見ても幸せになんてみえやしない。
それが貴方の望みだと。
ーそう!だって素敵じゃない?世界の誰もがその子の幸せを知らない!特別なんだよ!その子がその子自身が見つけた幸せ!いいなぁ私もその幸せをみてみ
「(そこにいかないで)」
身体の中には、勢いで寝かせてしまった子が息を規則正しくしていた。首後ろには天使らの指紋で強制的に彼女を寝かせ付けられる。大体夜が原則。昼間は最長でも三時間。一度使えばその日は基本使わないを鉄則として守っていたし、使えば信号が全天使に送られる。
ー何かありましたか?
クスの声だ。余り言いたくはない。口にしたくない。そう思っていたら、あったのですねと声が続く。ええとなんて肯定なんてしたくない。そうなってしまいそうで。そうなのに、そうでないと言って欲しかった。
都結という名前で振り向かなくなりました。
それは、事実上の、彼女の死を意味しているも同然だった。それ以降彼女の髪色は染め上げることさえしなければ白い髪色に変化していた。昼間は空色を、夜は赤い瞳を灯す。まるで双子の子その者だった。次第にコニックらも彼女の名前を呼ばなくなり、そうして誕生日以降を目途に、名前を呼ばなくなった。
彼女は生きて居るのだろうか?確認すらさせてくれやしない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そんなある日のことだった。
「これは?」
「メルスさんが見つけたとある文献です。ちょっと気になったので皆さんにご共有を、と思いまして。」
都結が、正確にはアプルが業務に入って以降専ら通信での会議が流行した。非常に扱いやすくて、本当に会わなくて済むようになったのだ。寧ろあった方が支障になる程である。全王宮のとある一室で業務を行うアプルは良いが、アイティは現在破壊神全員から先日賞を貰った。
此処から天使へと向かい、現在あのコニックが降参を上げたばかりだ。本当に強い、策略と言うか、短期長期全てにおいて完璧だった。槍を持たせようが剣を出そうが、何も無しだって勿論優秀。気の扱いも良し、動きも無駄なし、維持も良好。もう言うことがなかった。まさに、完成されたと言っても過言ではない。
そんなアイティは等々天使の極意も習得されている。今は昼夜問わず紫色の目に染まり上げていた。下手したら知らない人からは「ご家族の方ですか?」なんて言われかねない程、アイティは天使と言っても良いくらいに仕上がっていた。
あれから、都結という名前を呼ばなくなって以降天使らは都結に対して修行を止めた。身体を動かす程度は大神官に任せているが、それでも余り動かないらしい。最初とは少し違うと言っていた、彼も分かる程、彼女は切り替えた。が、それも時間が経てばそういうものだった、と思わせてくるのが嫌らしいと思う。
天使らが扱きたかったのは都結の方なのだ。断じてアプルではない。神々の枠組みに入り、業務を遂行する身は非常に良いことではあるが、何もその身自身を犠牲にしろとまで言っていないのだ。正直何名かは怒っているくらいだ。戻って来たらただじゃおかないと先日あのモヒイトさんが愚痴ったくらいだ。あの子が言うなんて早々ない。あの破壊神で呆れる子が、呆れず怒るなんて中々ないのだ。
「破壊をしつくす、者ですか。」
「ええ、双子で、それも作り出す者も。」
「…反対の子が居るとでも?」
「髪色が眼の色と真逆だ、と言っても?」
なんですって?
「時期も場所も一致します。流石にこれを言い逃れは無理がある。」
確認した処、都結らが移動した時、そして彼女らの祖先が移動した時期もぴったり当てはまる。これはいよいよ不味くなってきた。都結らを奴隷とした奴が覚醒し、進化していた末裔が出て来たのだ。これがどういうことを起こすか。
「彼女らが危険です。」
確実に私らを置いてよくもその位置にいるな。と恨みを買ってしまうことだろう。ただでさえ不安定な現状が、漸く軌道を乗るかどうかわからない今、これ以上の問題事なんて抱えたくなかった。だが、これはれっきとした、管轄”内”の話。天使らが態々出向いて、なんてことしたらこっちが消滅対象にはいってしまう。それだけは避けたいものだ。
「ですが彼女等は何もしていない。温厚な子達の筈では?」
「あの子を見て分かったでしょう?一度決めたら死んだ後でも呪い殺す様な子ですよ。温厚な子程牙を隠している。」
「接敵しない、アイティさんの場合は無理でしょうね。管轄が管轄。」
引き戻されたのは都結の方だ。アイティは変な話、遅生まれ…作り出されたに過ぎない。一応双子で産まれているし、何ならアイティの方が姉ではあるが、それでも形として出たのは都結の方。即ち都結にターゲットが向く可能性が非常に高い。
いくら全王宮が安心とは言えど、流石に永遠にあの中に、なんて無理な話だ。悟空が出向いているし、彼とも仲がいい。とは言っても悟空と話せば何故か大神官の機嫌が最高潮に悪くなるが。
間違いなく嫉妬である。
呆れたものだ。記憶がないのに嫉妬とはこれ如何に。もうとっとと目覚めて欲しい。空いてるだろ絶対あの扉。鍵無しで。
「この件お父様には?」
「説明したらあの子が勘をくぐってきます。」
「ふーーーむ、厄介で〜〜〜〜すねぇ〜〜、」
持ってきた張本人が言うか。とは思うが何も言う訳がない。言っても意味がないのだ。解決しないことをいう者ではない。
「彼女の戦闘は?最後に面倒見た子は誰ですか。」
「恐らく私かと。二週間前足を向けたついでに面倒を見てくれ、と…お父様からのお言葉で少々お相手してきたばかりです。」
そう言ったのはモヒイトだ。どうでしたかと聞いたアワモに、一言で、と紅茶を飲んでいたカップを降ろし答えた。
「アレは駄目ですね。完璧すぎます。」
持っていたものを全て出したみたいなものだった。知識、動き、相手の同調、その他諸々必要なものから必要でないものひっくるめた「全て」を見据えた目で、コッチを殺す様に動く。下手に育てたら殺人鬼となり得るところまでいた。放置し過ぎたとも言える。が、今更行っても遅い。下手につつかない方が一番良い。
「
「消滅対象、です、か。」
「コルンさん…!」
「あの子も巡らせたことでしょう。如何に終わらせるか。人間の寿命で死にたくないとも思っているのか知りませんがね。」
知らぬところで首に手をかけることだろう。今度は一人の時間が多く取れる。もう都結の一かけらも最近は見たことすらない。完璧に神々の位置に入っている。髪の毛は伸びてきた。また伸ばすのかと聞いたら、鬱陶しいから今度切ると言っていた。
それはその想いも含めて鬱陶しくなったのですか?
それともその想いを知って欲しくなくて捨てるしかないのですか?
ねぇ、都結さん。我々は待っていますよ。我々は動けない位置なのです。
貴方が望めば、何時だって、この手を開いて差し上げるというのに。
嬉しそうに笑って抱き着く姿が脳裏を横切る。昼下がりに大神官と一緒に遊びに来て、ちょっとした茶を楽しみながら他愛もない話で盛り上がって。手を叩いて笑って、余り酷いと大神官からお小言を貰いながら何食わぬ顔でクッキーを頬張る姿で笑ってしまう。嗚呼、きっとそうなるのに、貴方は瞼の裏でしか描かない。描いていることすら、分からないが。
「消滅だけは避けたいですね。」
「全くですよあれだけは、止めて欲しいですね。」
手塩にかけた子だ。それも、掛けられたにも言える自分ら含めて、彼女を手放すなんてしたくない。コレを逃したら、あの人の笑顔なんて今後二度と見れないことだろう。あんな顔見たことないし、というか見たい一心で何処まで追いかけるのか分からなくなってきた始末である。どうしてくれようこの想い。誰か助けて欲しいと思う者だ。神に仕える天使が憐れ極まりないと思わないのだろうか?あの人間は。
「現在悟空さんらが調査しています。最悪討伐、というのも懸念した方がよろしいかと。」
「何か悪事を働いて?」
「逆ですねぇ〜。奴隷を開放して裁きを出しているくらいで。」
「ああでもまぁ、悪いは悪いですね。」
「ええ、助けを求めて居なくても見境なく、ですからね。」
それ故危険視しているし、注意も散々しているのに言うことを聞かないらしい。かなり手を焼ているらしく、上層部も早くやめて欲しいと思っているのだとか。其処に同類が居ると探しているのだろう。其処には居ないのに。同じ皮肉、似た者通しだ。
其処に居ないのに其処ばかり探しても、何もないというのに。
あれから栞は無くした。一応暇があれば天使らも探しているが、もう消えたも同じか。都結と共に。何処かへ消え去ってしまったのかもしれない。まるで儚い春の瞬きみたいなそう
「エフェメラル様が居れば何か変わったのでしょうかねぇ〜」
「…そうだ、それです!!!!それがあった!!!!!」
「っと!びっくりしたぁ」
「何ですか急に立ち上がって」
「彼女に助けを求めるのですよ!!!!外が駄目なら中から」
「あ〜〜やめた方が良いと思うよ?私は。まぁあの子なら、行けると思うけどねぇ〜。」
そう言ったのは長年過ごしていたアイティだ。嫌そうな顔をして、弓の手入れをしている。ゴリゴリと音を立て、新しい弓矢を新調していた処だ。
「あの子の小説に出た子を、でしょう?エフェメラル様、
「その子に助けを求められないのですか?彼女の唯一無二の存在だったともお聞きしています。」
「んむ〜〜〜出来なくは、ない。うん。今だったら多分あの子の中に保管されているだろうし、切り替えられるとは、おもう。」
「でしたら」
「けど君ら見ただろうけど、あの子の管轄は茶色と黄色。彼女の精神の核とも言える場所だよ?」
余り突かない方が良い、というのはそう言う処だ。
「でしたら何方でしたらよろしいでしょうか?貴方もこのまま、とは嫌でしょう?」
「…協定を組め、と。」
「嫌な言い方を言いますねぇ。”同盟を結ぶ”と言って頂きたい。」
「協力関係に加担するって意味で全く同じだろうが。」
「言い方を変えろと言ったんですよあと全くと言って意味が違う。」
最初は良くとも最後の着地が違うんですよ。最後の着地が
「…そうか、着地。目には目を歯には歯を、成程、まさかあの子のっくくくく」
「どうしようこの茶色壊れた?」
「いいえ壊れてないですよ。」
「貴方がそう来るならば、このコルン。貴方に牙をむいて差し上げると致しましょう。」
もう泣いても知りませんよ。手なんてかけてやるものですか。
「シュピルトと同じことをする!?」
「ええ、行動はこうです。」
まず我々はお父様と都結さんを結ばせたい。なんでしたら奥方として迎え入れないと嫌です。
おおう…直球に言うねぇ。
「あの方以外我々頷くつもりありませんからね。」
貴方はあの子の片割れ、そしてあの子を守っていた。あの子の幸せならばその身を殺すことだって厭わない。
まぁ、そう、かな。
「幸せになるのがお父様と結ばれ末永く居られるとあれば?」
「…前提条件として、あの子の精神は特に不安定。台風と同じ原理だ。外に大きな強風で風で吹き飛ばし遅らせる。その間に攻撃を入れ、兎に角中央に入れない。その中央手前にはダミーを幾つも用意している。」
「それは経験上、ですね?」
「何が言いたい。」
「未経験に彼女はとにかく疎い。台風ならば空から中心にいけば良い。だって台風は」
大きな穴が空いているでしょう?
「彼女は其処に居る。我々はお父様と彼女を一瞬だけでも会わせたいのです。」
「…確かにそうするなら台風の目に近い周りの子を動かせば、まぁ…嗚呼そういうことか。考えたな。」
「如何でしょう?」
「外堀りも内堀りも手籠めにいれてお前本当に悪魔か何か誰なんだよ。」
「天使ですよ〜」
私は、天使ガイドを務めるもの。
「あの小説とやらの世界におられた者とそう変わらない者。なんでしたら、そのように動いて差し上げても構いませんよ?ほぼ変わりませんし、寧ろよくぞまぁ会ってもいないのにあれ程綺麗に描いたものです。称賛に値するというもの。」
「本人聞いたら喜ぶだろうがなぁ〜〜〜」
「まぁその話は先の褒美、とやらにして差し上げるとして、です。どうです?組みます組みません?」
「組まなかったらこいつら使ってやるだろ。」
そう顎で示したのは近くに居た破壊神だ。許諾を剥奪する、というある意味脅し。もうイエスとハイしか選択肢がなくて一体何と言うべきか。ため息を吐いた。もう何回吐いたか分かりゃしない。分かりたくもない。
仕方がない。組むしか未来がない。許せ都結。お前の為だ。
そう思い、コルンの手を掴み握手した。協定、成立だ。