逢いたい図案は頭の中1




『えっと、つまり私の小説を知っていて、コルン様達は私のことを守ろうとして、えっとえっと〜』
「まぁ要は貴方をって嗚呼名前が呼べないの苦しいですね。」

今は良いのでは?

「別に減るもんじゃあないでしょう?どうせ今でしか呼べないでしょうからね。」
「…では都結さん。」
『びゃあ』
「…照れないで下さい。こっちも移る。」

こほん

「都結さん、貴方を維持したかった。」
『どうして?』
「確かに貴方ではない神の名は貰えたでしょう。アプルそれは良い子でしょう。ですがそれも貴方です。違う形と作るとしても、貴方は居る。」
『私は、』
「何も失敗を貴方が被る訳でもない。成功も然り。出来たのは貴方が居たからこそです。」

ほらこれ美味しいですよ?はいあーん
んあ

「美味しいですか?」
『んん』
「それはよかった」
「出来れば外枠からと思って彼女等にと継げていました。」

今でなくてもいい。別に彼女等からそう言うコルンにいいよと都結は応える。箸を使って、刺身を取って醤油につけて食べた。


『あの人の記憶を取り戻したい』

それが貴方達の企み。全て。違う?

「…気付かれていたのですか?」
『寧ろ私を誰だとお思いで?あの大神官様を欺こうとした大馬鹿者ですよ?』
「それ貴方が言うんですか。というか本気で仰られてます?」
『おういえーあーん』
「言いながら食べないそして食べさせない。」

そうジトリと隣で箸を持って行ったウイスに都結は口を開けた。最初は端に居たのだが、料理の並び順的に気付けばウイスの席と交代して真ん中に座っていた。

「あと何故不定期でど真ん中にミディアさんを出すんです。」
「しゃーないでしょ?出るもんは出る」
「返答に返しにくい時にそう言うんじゃあないですよ。あと食って食えるんですか貴方。」

多分こっち入るんじゃないかな?まぁいいでしょ。太るなら。どうせ食わないようにしてんでしょ?
んぐっ
中身にばらされてどうするんですか

「その子季節によって体重の変動も大きいからね。丁度冬今丁度か。体重図っておいた方が良いですよ。夏の体重が明確になる。」
「ほぉ〜〜???それは良い話を聞きましたね。」
「都結さん、お父様のことお好きでしょう?」
『ぶや!?!?!』

きったないですよ!!!そう怒られるも無理ない。急にサワアから隣から攻撃食らったのだ。精神攻撃だろうこんなの。

「おや違いました?」
『ちがううううう……』
「あってますねぇ〜」
「お父様の好みは余り知りませんが、瘦せすぎているのは心配されますでしょうからもう少し食べた方がベストかと。」
『あ〜言ったんだよなぁ〜〜〜”余り食わなかったら口の中に手突っ込んででも食わせますよ?”なんて脅し。』
「言われてるじゃないですか」

というかあの方そんなこと…いや、貴方余程食わなかったのですね????
そんな料理が嫌いでしたか?
いいや逆

「逆?」
『寧ろ…滅茶苦茶良かったもうびびった。も〜こんなの食べたら絶対無理。もう骨抜きなるわってなった。』
「いいじゃないですか。ぬかれたって。」
『私は仕事したいの!!!!家に居座りたくなるでしょう!?あんな良い奴居たらさ!!!』

私だって好きで伏せてるわけじゃないもん!!

『どんな顔して会っていいか分からない…怖い。だから何度も作った。』

あの人を何度だって作ったのに、上手くなんて行かなくて。その記憶に残った人ばかりに縋って、黒く塗りつぶして誤魔化しているけど、それでもそのシールはぺらりと捲れてしまう。記憶の無い人を無理に剥がしたくない。私は知っている。

『どれ程痛みを外に出したくないか。皆が大事だから、大事な人が出来たから、だからしめる。』

あれは守りだ。最大限の守り。だが、同時に非常によろしくない。

『感情を体内に巡らせ続け過ぎると毒が回る。』
「…なんですって?」
『私も何度かやったけど、でもそれはあくまでもそれ以外術がなかったから。』

首に手をかけたのは今でも覚えてる。

『首はね、命の綱なの。脳が繋がっている唯一の道。此処を切られたら動けないし身体は死んでしまう。そう、肉体だけは』
「…どういうことですか」
『コルン様、本当に記憶を取り戻させたい?』

それは

『じゃあ貴方は私と彼が付き合える証拠は?まだ好きも言ってない旅行をした後の話で留まったそれまでの関係性で何も始まってすらいない状態から好きだと言ってはいそうですかで始まれると本当に思える?』
「では付き合わないと?」
『そしたら私を殺してくれる?』

殺せないでしょう?皆そうなの。

『だから私は自ら剣をこうして』

ほらとめる。

『昔はこれを繰り返した。』

剣を作り出し胸元に突き刺そうとしたのを寸でサワアが止めた。強く掴み動かさないまま、トンとウイスが手を触れ綺麗に消し去っていく。

『塞いだらその流れが巡る。チッ、よりによって面倒な方を選びやがったあのクソ神官』
「都結さん???????????????」
『あ〜〜〜説明も面倒な上にやること法則性が広いから試すのに時間掛かる奴をよ〜〜〜〜』
「食事後にすぐ横にならないで下さい。」

おこして
おきなさいよ

『ま、別に話してもいいですよ?あ〜でもなぁ』

身を閉じる。要は箱と同じだ。その循環された処の内側には匂いやらなにやらはこびりつく。仮に開いても残ったものが悪さをしない訳もない。都結はソレを危惧していた。その残った者が、自我を持ったら?そしてその自我が刃を向けたら?例え天使と言えども、戦闘に持ち越さない訳もない。大事な人を知った後なら猶のこと分がわるい。タイミングが悪すぎた。

『多分私死ぬよ?アレ開けたら。』

その残ったソレが私を殺そうとしたら、彼はきっと動いてくれる。動かなかったとしても、私は死ぬことになる。彼が動いて守れば、中立から背いたことにより消滅し、それに耐えきれなくなった私は精神的に完全崩壊を遂げる。いずれにせよ、今はかなり良い状態なのだ。

「以前されたのは何時でしょう?」
『8歳その時大体こっちに来たでしょサワアさん』
「覚えていたのですか」
『廻廊としてね。一応内部に展覧会を作っているの。勿論2歳児の頃も恐らく残ってる。』

アレは酷かった。最高値と最悪値を刻み込んだからね。でもだからこそ釣り合った間に位置している。だが、大神官は違う。今回のケースはまた別格だ。一つしかない筈だ。両方なんて器用なことができようものか。それも初恋だろう。みたところ、この囲みようと来たら、もう駄目だ。

『一番の最善は、そうだな。私が死ぬこと。』

それが一番だ。彼が例え思い出しても縋るだけ縋って終わり。時間が解決することだ。人間だって解決した。神々が解決できない訳もないだろう。数多もの人間がいる。私の様な人も何処かに生きて居るだろうし、私以上の存在だってきっとこの世界には生きて居る。その人に会えたらいい。

本当に?

そんなの、分かり切っている。

会わせたくないに決まっている。彼が一番なのだ。もう、一番になってしまった。だから会いたくないのだ。きっと私は良い立ち位置にいやしない。恐らくこれは罠だ。仕組まれる中に入り込んで笑いものになんて成り下がりたくもない。

『だから此処に手をかけた。これはね、死ぬんじゃあない再起動しているの。』
「再起動?」
『何度も何度も切っては起動をし続けている…ま、ご存知の通り?やり過ぎると元が破壊される。あと何回だろうね?次で終わりかもしれないな?』
「…脅迫ですか?」
『いいや忠告。大神官様がコレをしていたら止めて欲しい。多分一度止めたら癖でやりだす。其処が鬼門かな。』

感情を押し殺しているならまだいいが、中で殺害していたら癖になって剥がれなれないまま、自我を生み出す筈だ。下手したら中立の自分と人間の自分で分かれている可能性だってある。どっちが核となっているかで、話が大きく変わる。

「もし人であったら」
『もう二度と彼という天使を見たらいけない。…ごめんね、私の名付けがいけなかったね。』

気付いてやれたらよかった。

もっと思案すべきだった。行き当たりばったりな癖は止めた方が良いのにやめられない。怖いのだ、また人が出て行かないかと心配だった。次を間違えばきっと出て行くと分かった。でも人は出て行かない、皆優しい。今は気持ちがいい。それが酷く怖い。今が怖い。だから約束をしたのだ。きっと叶わない約束を。

いずれにせよあの日が来たら私は自我を殺す予定だった。

実際仮停止をさせたのも、自分を殺す為の手段。とは言っても本当に一度殺したはずなんだがな。

『ご覧の通り、まだのうのうと生き残っている。…やり過ぎるとタフになって死ななくなる。元々そのつもりでやってたから仕方がないんだがな。』
「彼の記憶を消したままこのままが最善だと?」
『そうだよ。大丈夫、私は何度だって生まれ変われる。現にこの日の為みたいなものだよ!』

痛みや苦痛はありとあらゆるところから刺した!足の先から髪の毛の先まで全てだ!

『地獄の中で最大限の幸福を。これが私のモットーなの。此処が地獄であり天国。そう見紛えばどんな世界も生き残っていける。』

精神は大事。ならば精神を蔑ろにして耐え忍べるように育てるべきだ。

『それに気付いたのが8歳の頃。其処から徐々に慣らした。手で殺すから手首に痛みをもたらす様にしたりもした。おかげ様で時々右手首が痛くなるけどね。そんな風に痛みを分散させたりして完成したのが30手前だから』
「20年も、ですか…」
『私の寿命には敵わないね。』
「貴方知っていたのですか」
『自分の身体だしね。もっと短い可能性あるよ。』

おっとすべらしちゃった

「いつですか」
『…今年生きれたらいいね?』
「そんな」
『エフェメラルらが崩壊する、それはそう言うことだよ。私の核が消えていく形になる。露わになった。この状況下で、私は生き抜くなんて出来ない。』

生き抜きたくもない。あの人の居ないこんな世界でなんて。まっぴらごめんだ。

『もう知ってしまった。私は出来る事ならあの人に会いたくなんてない。』

あの人が手を取ってくれるのは、嗚呼そうだ。人間だったから、だから安堵してしまった。全ての誤算だった。

『私がもっと完璧だったらよかった。そしたら彼を突き放すことだって出来た。そしたら彼が記憶を消すことも可能だった。私がもっと、嫌っていたら良かった。』

そしたらあの人は此方を向くことはなかっただろう。嫌われることなんて、私は大の得意だ。

『私はミスをするし、間違えた言葉をよく使う。彼が生きる為ならば私は彼に嫌われたって構いやしない。』
「ならば何故言わないのです。貴方を」
『それは言わないの。言ってはいけない、呪いの言葉。』

そんな言葉を、私は吐きたくない。

『幸い私は賢い子だ。自分の位置も履き違えない実に素晴らしい子。』


そして選ばれた私は迎えが来る。置いていた彼女に手を引かれ帰るのだ。




あの地獄に。



『こんな陽だまり知らなくて良い。地獄に生き残れなくなってしまう。目覚めた時が、苦しい。』
「…だから貴方は我々を避けていた。」
『天使が私の中を見れるのはこっちとて知っているからね。別のことを考えて出来るだけ避けたからこっちのことも分からなかっただろう。』
「ではなぜ今更明かすのですか。」
『一つはエフェメラルら中の子達が混合者として別に変化し始めたから。こうなると嘘も誠も分からない。嘘をつきたくても付けない本心剥き出しになる。』
「騙せなくなるからということですか。」

そういうことだ。

『もう一つは、一つは…』


私も同じ気持ちだったから。



私だって彼に選ばれて一緒に居たかった。でも、こんな姿でこんな稚拙な子が、選ばれて後ろ指を指された彼を見たくもなければ、それを誤魔化す彼だってもっと見たくなかった。私が幾ら努力したってたかが知れている。他の子を作り上げそれに隠れることしか脳の無い私が、だ。彼は私を求めてくれることだろう。でも、それは私にとって一番の恐怖であるのだ。

地位が違い過ぎる。人種も然り、というか人を越えた領域なのだ。


『もうこの胸だけでいい。』


あのキャラメルシフォンケーキを食べた世界を知っただけでいい。白昼夢の夢に入り浸ってそれで終いだ。現実になんてならなくていい。それ以上の幸福を知ったらもう、戻れない。戻れない位置に居る癖して今更何を言うんだって話だが。ずっとは入れなかった。なら一年をでも駄目だった。なら一か月をそれでも駄目だった。ならば一日だけでも、10分1分1秒もう、一瞬だけでいい。


その瞬きだけでもいい。


なんなら、その時間が無くったって構わない。この切り取った時間を飾り、其処で満足する。そうしたらそれ以上もそれ以下もない。其処が幸福これで終わりだ。そうして生きて来た。好きだからこそ、私は守りたいと願うのだ。



私は彼が好きだから、彼からの愛を拒絶してしまえる。



『矛盾しているでしょうけど、これが本心。紅茶は湯気が出ているよ。…飲めやしないけれどもね。』
「それは、」
『額に飾って綺麗なままだ。』

誰も入らない入らせない。
変えられるものなら変えて見ろ。
変える者は、もう、記憶もないのに!

一体誰が救うというのだ。

『さぁ、やれるものならやってごらん。』

私は彼だけを見ている。
あの瞬間に生きた”人間だった彼”のみを望んでいるのだ。
もうこの世界何処にだっていやしないだから出て来た!!!

ほら、言ってごらん?彼は居ると!でもそれは記憶が残っていたとしてもこの世界の住人だ!
ましてや天使!人間ではないし、元々人間だったとしても、変わったら意味がない!
だって私はその天使が見紛った人間に恋をしてしまった憐れな小娘なのだから!

「ふむ…では貴方は”好きだからこそ離れる”そう言いたいのですね?そして今は”完成”した。誰もが覆せない。」
『そういうこと。とは言っても言い切るなんて出来ない。そもそもそう言った心を育んでいないし』
「嗚呼では育めば貴方は此処に残るってことですね。」

……ん?

『え?』
「要は自尊心が欠落しているってことでしょう?でしたら褒めたらいいですし、まぁ間違いは誰しもあります。多少のミスは多めにみても、怖い所は指摘していけばいずれ慣れることでしょうし。」
『いやあの元に戻るとかいう懸念点は?』
「其処は指導者の至らぬ点でしょう。破壊神がいい例ですよ。」

質という者もあるんですよ。

『能力は頭打ちになる。いずれ、ですよ?』
「だとしても貴方の気はその深く練りになった形。寧ろ其処迄強固にして今迄使わないとは宝の持ち腐れというのはこのままを言ったようなものです。」
『私使えないぞ????』
「嘘を仰る、貴方程良い人材は探す方が手間ですよ。其処迄彼と話をしていて下手したらもう一度好きにさせられる自信がおありだから避けると?」
『違いますが?!?!?!?』
「じゃあ普通に会話してみなさいよ。」

うう、それは。

「嗚呼それともなんですか?ご自身の気持ちを一方的に知られたくない、と?貴方も随分プライドがお高いようで。」
『うぐぐぐぐ…滅茶苦茶嬉しそうだな?????』
「っくくくく、そりゃあそうでしょ。」

貴方とこうして話せるなんて、待ちわびていたというものです。

「目を向いてこうやってなんて、ね。」
『あ』
「おや今更よそ見しても意味ありませんからね〜後言っておきますが、破壊神や他の天使も貴方のことを待ちわびております。寧ろ気付いたら囲まれちゃいますねぇ。」
『え!!!』
「心優しい貴方のことです。傷付けたくないのに間違えた言葉を使って彼らを幻滅なんてさせたくもない。嗚呼どうしましょうね?複数人から言われもまれたらキャパを越える。そして傷つけてしまう。逃げても彼等は追ってくるし、何でしたら彼らが望めば我々天使は仕える身ですから、貴方を捕まえ目の前に差し出すなんて朝飯前というもの。」

さ、どうします?
あぐ

『……何が望み?』
「それ以上ご自身を傷つけないで、そして彼の傍に居て下さい。我々が望むはそれだけなのです。」
『…私は、もう。』
「好きでなければまた好きになればいい。嫌いだったとしてもまた、です。」
『其処迄してみたいの?』

ええ

「あのようなお姿は見たことがありません。正直紛い物かと思いました。」
『っ違う!あの人はあんな』
「あんな?おや、どんなお方ですか?」
『っあ、や、あの、ちょ、待って。サワアさん助けてちんちくりん』
「無理ですね。私もお知りになりたいですし〜」

多分皆同じですよ?
あば

『〜〜〜〜僕お風呂!!!!!!』

ありゃりゃ、少し虐め過ぎましたかね?
…明らかでしょ、アレ。
















泡沫の白昼夢


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