全部抱きしめて、ずるいよ、それは8



全くも〜日を追うごとに鮮明になる呪いにでも私は掛かっているんだろうか。

『あ〜・・・・とりあえずどこいずざここ。』
「…お、ま」
『あっやほやほ〜どうも〜あれこれ私マジで動いてるの不味そうだな?』
「っ捕まえろ!!!!」
「させる!!かっ!!!」

間に入って攻撃を防いだリキールにびくりとする。いや本当になんだここ。名前を呼ぶ声がしたので振り向けばこっちへと手を動かすので歩こうとしたら駄目だよなんて声がしたものだから、下がれば本当にいったらだめだったよ。此畜生、やはり信じるは我が本能か。本能バンザイ。お前しかおらんわ。

「っ馬鹿なにしてんですか!死にたいんですか!!!」
『ううわっしょおい!?!??!!?』


前言撤回、本能お前マジで許さんからな。


本能の赴くままに走ったら普通に足吹っ飛びそうになった。泣いた〜。

そう思いながらも勢いで飛びだして来たコルンの胸に飛び込まれた私はと言うと、庇ってくれたので其処迄痛みはないが、それでもぐしゃりと音を立てて地面を擦れて行ったことで衣服を気にして気付く。藍色の衣服に、嗚呼と気付いた。貴方の色を見つけたから。ある意味開いたのは奴等か。


人の感情に足を入れて、かき混ぜられたら私だって怒るよ。


『ねぇコルン』
「っ、な、なんでしょう…?」
『私捕まっちゃってたの?』
「え、えぇ…そうでないとこうなっていませんし。」
『何時から?』
「大体…三日前後かと。」

嗚呼、短いね。

『ドイツ旅行すら終わらねぇじゃねぇか!!!!』

手を何かで掴むように力を入れてから、上から下に叩きつけるように振り下ろした。直後目の前の空間が大きな地割れの様に切り裂かれたではないか。其処からいけぇと声を荒げる。

『第一波ぁ!!!!』
「その掛け声どうにかなんないのかなあ!??!?」

そう言いながらも飛びだしたエフェメラルらには笑ってしまう。彼がどこに居るかなんて探しても、意味がない。だって此処には



ーごめんなさい何時までも**しています。都結私の



『だ〜ってこんなの、悪い悪夢でしょ』




貴方がずっと、居座ってくれているのだから。





胸が熱い。浅葱色よりも明るい色が光を貫こうとする。敵が左右に宙にと飛ぶ最中、エフェメラルらがとびかかって攻撃を追加で入れ食い止め続け、押し続ける、が。それも長くは続かない。封印石に触れたものからバタバタと落ちていく。意識も軽く持っていかれるのか、一度落ちた者が次動くことはなかった。

でも、場所が分かればこっちのもんだ。



『”一斉再起動”!!!』

所謂心臓マッサージ、AEDの要領だ。無理矢理止めて、また動かす為の電気を送れば、皆一斉に戻ってくるからお帰りと言えば粗いと苦情が殺到してきた。そらそうですよなんて冷たい目で見られる始末である。あは〜!ごめんてごめんて!!私みたいに悪い悪夢見るよりかは数倍マシだろう!

『だが』

どうするか。恐らく封印石が鍵だ。かと言ってあれを全部壊されるとこっちも困る。何故彼らが天使らを神々を殺そうとするのだろうか。というか、どっちかっていうとこっちか。こっちが憎たらしいならば一度殺させた方がいいか?

『かと言ってはい私の人形を殺していいですよなんて無理だよな〜』
「そうですね、彼の絶望した姿が見たいだけなので。」
「っ!!」
「其方の方をよこして下さい。」
「ご生憎様、此方のお方は我々の、あの方のお人です。」

貴方のではない。
あのーすいません。

『私誰のものでもなく私のものなんですが』
「ちょっ、都結さん!良いから貴方離れて下さい!!」

コルンから受け取ったであろうサワアらが困るも、えーと呑気な音を立てる。これが彼女の作戦だとしたら、充分有効ではあるが…ある意味お前も大変だなと敵の情けにもう色々痛々しいものだ。コルンは何も言い返せれなかった。一応事実ではあるからだ。本当に上げれるならば上げて捨て去りたいくらいだが、そういったら此処まで苦労していないのである。

『だって私まだ戦えるっつーか何故にお前らそうわらわらと居るんだわ。仕事暇か?』
「貴方が居なくなるからでしょうが!!!!」
『お〜良い声〜!』
「煽りに煽っておる…」
「あ〜頭が痛い!!!!」

貴方があの方らの腹心とか私信じたくないんですが!!!
しなけりゃいいじゃ〜んあっお兄さん右右来てる来てる
…お前本当に肝座っておるの

『別に夢だと思ったらいいやん?』
「夢な訳ありますか!」
『醒めない夢を、無限に見てる。』

それじゃあだめ?
…ほんと、帰ったら有給頂きたいですよ。

「出来れば数週間くらいは。」
『一か月でも死ななかったんだからいいじゃんとれば。』
「そらそうですが」
『っと、あ〜流石に、ちょっと訓練言ってなかったから駄目か。』

そう言っている間に敵の攻撃も火力が上がる。エフェメラルらを何名か下がらせるも、だとしても恐らくハートは三つの内一つ消えた感じだろう。このまま消えたら…どうなるだろうか?消滅の位置だろうか?別にいいと言っていたが、いやそれを考える暇はない。今は私がそうだ。

『ね、ヘレス様。愛って何処までも空飛べるかな?』
「は?あ、いや」
「余計なことは言わないで下さいよ!?ヘレス様!」
『Liebe verleiht Flügel.』


意味はね


『”愛は翼を与える”私の好きな従妹の言葉なの。』

藍を染め上げ、翼をイメージなんてしなくていい。彼の場所だけを、想えば、いとも簡単に世界は広がるのだ。腕の中に捕らえられていたことなんて分からない程に、身体が軽くて気持ちが良い。大きく腕を使って攻撃を入れていく。何名かが綺麗に完全停止する。恐らく自分らと同じ様に核があるはずだ。其処を貫けば嗚呼なる。

なら私もそうなれればあの夢の続きの最期をみれ

「見させてやってもいいぞ?」
『見たくないのに?』

そう言って背後に入った攻撃を寸でかわそうとしたが、如何せん動きが遅かった。横腹を擦ったことで次の攻撃が来る。嗚呼、宙にふわりと浮く中で、誰かの声が遠くなる。風が頬を撫でてくれて気持ちが良かったのに。


私の身体は冷たいままだ。


貴方の体温が人からかけ離れていたから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「っ、だ、」
「やはり来ると思ったよ…神官」
「…直接私を狙えばまだ良かったものを」

ぱたりと音が落ちる。そう言えば何処か温かいな。

「全王様のお怒りに触れるとは、憐れな人間ですね」

そうだね、何故だろう?貴方の声は良く届くのに周りの音が聞こえない。そっと離れる音に、手が伸びた。振り返った彼の顔が、先程まで見ていた時に見えた顔に酷く似ていた。嗚呼、夢じゃなかった。どれもこれも、私が見たかった、みていた、貴方の


『”いっ、し、に、て…?”』
「、」


やっぱり貴方の記憶だけなんてやだよ。私。そう思って手を取って冷たかったのに、視界が白で埋め尽くされそうになった。


「大丈夫ですよ?私は此処に居ます。」


嗚呼、そうだねそうだ貴方は此処に、私の居る世界に、いきてる。

そっと頬を拭ってくれる。だから目を閉じて見て、また開いたら見えた。また今度は反対側を拭ってくれる。こそばくて、笑いたいけど顔を動かすくらいしかできない。そしたら同じ様に顔を動かしてくれた。私知ってるのこれね、このことば私知ってる。

ね、明日お医者さん処にいきたいの。私お話したいの。


これね?私貴方と一緒にならば安心が出来てそれで私はこれがうれ


「…都結さん?」
「お兄様」

血の気が引くとはこのことを言うんだろうか。引いた後から、ゆっくりと音を立てて何かが来ている。


ー貴方と二人で、笑い合って居たい。



「醒めなくていい」
「え?」
「だって此処は現実ですよ」

何時しか言った言葉がぼろりと何かと共に出てくれば、一気に何かしらが放出される。誰だこんなおぞましい気を放出している者は。茶色の衣服の中で抱かれた子が嬉しそうに笑っていたであろう口が開いている。嗚呼そうだ寝ているのだ。この子口を閉じて寝ろと言っても言うことを聞きゃしないのだ。何時だってそうだった。

「あれ程口を閉じて寝ろと言っても貴方、ほんという事聞きませんね?馬鹿ですかね。」
「お、と」
「記憶が、」
「貴方の大好きな少しだけ大きな手は現在先着で埋められていまして、私の代わりに大きなお手手で塞いでやって貰っていてください。」

貴方がとびっきりお好きな彼の手ですよ。ほら早く目を醒まさないと逃げちゃわれますよ?
おとうさま

「綺麗ですね泣いていても」

目を閉じていたって寝ている姿も可愛らしいではないか。

心臓の鼓動が聞こえる。おかしくなってしまったようだ。


だって貴方の胸に手をあててすらいやしないのに。


嬉しそうに笑う姿が風で吹かれて綺麗に映って世界がただあな






貴方と二人きりでいる、この陽だまりが一番好きなのですから。






「はははははは、ああ、かわいそうに、自分でまもろうとしたのに、守って貰っていたと、知って!」
「…貴様」
「おやめなさい見苦しいですよ?」
「、」
「私は中立ですが、それはあくまでも一時的なもの。」

全王様

「如何致しましょう。」
「…アプルは?」
「彼女は眠られておられます。」
「何時覚めるの?」
「、ぜ、」
「さぁ…何時になられるのやら。」

願わくば今すぐにでも覚めて貰いたいが、すやりと眠り続け、ただ力を入れずに都結の顔をじっと見続けているコルンを見て、察しはしていた。触れた時から、余りにも冷たくなりつつあったから。身体の力が強張っていたのが、その、一つで。

「私にはわかりません。」

それは決定事項だった。

「誰がしたのね」
「さあ」
「大神官は知ってるのね?」
「ええ、検討は付いています。どういたしましょう?」
「殺していいのね」

でも
でも?

「約束したのね。だから殺しちゃ駄目なのね。」
「え?」

















「え〜!都結死んじゃうの!??!?!?」
「やなのねやだやだ!や〜なのね!!!!!!!」
『あ〜そう言うよなぁ〜だよなーーーーー』

私も嫌っちゃ嫌なんですけれどもね〜〜〜〜

『い〜かんせん人間はそもそも短い時間に生きて生涯を終え世代を交代して繋げていくあの永遠とも言える程の人生バトンリレー何週目かっていう駆け引きがあってこその輝きですからアレを放置して一人だけ永遠共言える時間にポツンとおかされているとそれこそ気が狂ってそれどころじゃないと申しますかなんといいますか寧ろ私出来る事ならば50歳前後辺りでフェーズアウトしたいといいますか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
「いまいくつなのね?」
『記憶が正しく在れれば32。』
「あとちょっとなのやなのねえええええええええええええええ」
『だからおはなしきいちぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』

そう泣き喚くのに対して困りながらも、両腕を組んで笑っている。もう相手の仕方が子供である。仮にも全王様なのだから、もう少し礼儀をと付き人らも言ったのだが、全王自体が嫌というのだ、それ以上言うとこっちの身が危ないと思って引いている。

『ん〜だから色々考えてるんだって。冥途の土産じゃないけどさ。』
「縁起でもないことを言わないで下さい。」
『とは言っても悟空とかだって永遠の命ではないだろうしアイツだって何時か死ぬし私はもっと早く死ぬだけだし〜おすし〜お寿司今度食べるか。』
「勝手にしりとりゲームをなさらないで下さい。」

そうは言ってもだ。

『あり得るとしたら三択。』
「三択もあるんですか。」
『一つが敵に殺されるやつ。もしくは大神官様とか天使とか他の子達を庇っての死亡かな。これが一番濃厚だから覚えて置いてほしいのよ〜』

その敵、多分殺すと結構不味い。
と言いますと?

『ま〜だ詳細は不明なので詳しくは言えませんが、恐らく最終的に生きるのに必要不可欠になる可能性が非常に高い。こういうのってさ、中間的な処で一見殺していい奴を殺して、最後で詰んで最初からやり直しした〜いしなきゃだめだ〜やだ〜ってなることがあるんですよ。』
「は、はぁ」
『大体目安として二種類以上の選択肢がある様なアイテムが出てきたら注意かな。』

もしも一種類であれば
なら殺して良い。

『だけど現実そんな簡単なことはしないだろうからね。ドラゴンボールでさえ7つあるんだから、予想的には白黒の二つ。一つが動力もう一つが停止用。』
「なんで二つに分けるのね?」
『それが一番分かりやすく、尚且つ使いやすいからでしょうよ。で、まだ動力は捨てて良い。この際これは良いけど停止はまずい。』
「それこそ何故ですか?停止こそ必要ないのでは?」
『動かすことは何とか出来るけど止めるのは特定の形ではないと止まれないことが多いんですよ。停止を持っていたらそいつは絶対生かす分かった全王様。聞いてます!?』

一見難しいようだが、簡単に考えればいいという。こういうのは死んだ時に判断するのは基本間違っていると思って良いとさえいう。



『全王様もしも大神官様や天使達が変なこと言ったらぶってでもいいから言う事聞かして良いからね!私が許す!でもね』






「”沢山頑張った子が止まれる場所を壊しちゃったら泣いちゃう”のね。」
「、」
「そう、彼女が申されていたのですね?」

そうなのね。
そうですか。

「ではやめましょうか」
「は!??!?!?!?」
「どうせ貴方のことです。似た者同士とあれば」

私の手を血で染め上げ、彼女らとの交流の妨げにでも、とお考えでしょうからね。

「ま、それで彼女が引くような子でないのは分かっているんですがね。」
「っお、それでいいのか!!!」
「構いませんよ?私は全王様のお言葉ありきですから。」

たとえ、大事な時間にぼたりと、落とされたことだとしても。

「私は貴方を恨む等致しません。それこそが、貴方へのバツ、となれそうなのでね。」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」
「捕えなさい」
「御意」


あっさりと捕えられる敵らに、ふうと息を吐いてしまう。何処にもエフェメラルらの気配がない、ということは、つまりはそう言う事なのだろう。随分と寂しくなっちゃいましたねと言っておりて歩いてしまう。

「真っ白で口当たりの良い温かなものが食べたくなりますね。此処はとても寒いですから。」
「と、さま」
「名前は何と言いましたかね?舌が一度焼けてしまわれたら、また貴方変な言葉を話してしまいますし。今度は私が作って差し上げましょう。流石に泡ぶくにしたら怒ります?」
「お父様」
「サクサクしたサラダとやらも美味でした。ですがあれは植物。種さえあればあのように食べれるのでしょうか?それとも貴方の」
「大神官様!!!」

はた、と手が止まる。やけに冷たいが、これでは冷たくて目が覚めてしまう。しかしおかしい、これ程冷たければ貴方はめをさま


「嗚呼、貴方と暮らして随分と時間が経っていましたから、貴方の真似をしてしまっていたようですね。」

抱きしめられ、頭をとんとんと叩いたら苦しくなる程に締め付けられる。もう言うなと言われているのだろう。茶色の衣服の中でずっ、と。そのまま寝ている子を見て笑ってしまった。子は笑わない。子は、こは、小は。




もう夢の中でしか出会うことを許してくれやしないのだろう。



「寝ていますよ」
「おにいさ」
「寝ている。ソレで良いではないですか。」

そ。それでいい。


それで。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それからどうやって帰ったのか、誰も分からない。ただ分かっているのはコルンが都結を離さなかったことだ。赤子でもあるまいし、放せば泣きだすと本気で思っていそうな顔に流石にドン引きしてしまったのは許して欲しい。幾ら面倒を見ていたからといってあれはあ

「そうか、お前、アイティか。」

あの小さい子は、アイティと言って違う子が出ていたが、あれは紛れもなく都結の方だったのか。そうリキールが言えば今更ですかとコルンが端的に応える。その間ずっと都結は目を閉じていた。藍色だから余り血の色は目立たないが、そのつもりで選ばれたのだろうか?だとしたら笑えてくる。其処迄してこっちの心配を掛けないようにしたいならば、庇わないように、力を使うならばもっと遠くから攻撃をしろとあれ程言っていた筈なのに。勝手に身体が動いたのだろう、きっと。


一度間違えたら次はないのですよ。


その通りになった。もうないのだ。冷たくなった身体は硬直している。動く気配なんてないのに。




『あ〜も〜!やだああああ!』





『神様リト様天使さまぁ〜!は〜やくこっちにお〜いで!!』
「っ都結さんあなため」
「コルン」

ちがう。幻だ。この自分が此処まで落ちるとは、だから生物を飼いたくないというのだ。なのに皆適当に扱うのだからこっちが面倒をみてやるしかない。可哀想ではないか、こんなに小さくて震えて主人を待ちわびて今も尚つめた

「コルン」
「まだいます」
「嗚呼分かっている。皆くるから」
「…いやです」

黒い装束をなんて着たくもない。

「紅茶を入れて楽しむ時間を害するのか?」
「ですが」
「折角頑張ったんだ。少しくらい褒めてやらんと笑わず泣かして大神官様に怒られるぞ?」
「ぐ」

確かに泣かせるのは嫌だし、今良い夢を観ているのならば、


ーああ!紅茶をいれましょう?貴方と共に買ったあの紅茶を!


「…みているのですか?貴方はあの続きを」
「、きっと、な。」
「此処におられるのに。」

貴方の一番望んだお方がもうすぐこられますよ。
貴方が遠くから見つめていたお方が、貴方の身体に触れて、体温を戻してくれるのです。温かくしたら目を醒ましてくれるのであれば。


「さむいですね」

あんなに暑くて仕方がなかったのに、今では寒くて寒くて仕方がない。

















泡沫の白昼夢


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